JPS6226173Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリート類の連続ミキサーに関す
る。

コンクリート類すなわち、コンクリート、モル
タル、炉材等を目的個所に施工するに当つては、
配合を用液と均一に混合し、目的物に送つて打
設、吹付け、投射などの手式で層着するのが普通
である。

このようなコンクリートの混練に用いられる手
段として、従来では、コンクリートミキサーがあ
るが、この装置は配合をドラム状ないしタンク状
の容器に収容して容器の回転で内部のかくはん翼
により材料をかくはんし、混練資料を容器の傾動
により排出するようになつていた。

しかし、この構造では、混練作業がバツチ作業
であるため能率が悪く、また、搬送機能を有して
いないので、施工現場まで専用の搬送機器に移し
て移送しなければならないという問題があつた。

なお、混練物の送り手段としてスクリユーコン
ベアが知られているが、このものは単に混練物を
搬送できるだけでかくはん機能がないため、別途
かくはん機器を使用しなければならなかつた。

本考案は前記のような問題を解決し、しかも装
置高さを低くしほとんど水平状態にしても均一な
混合と排出を行える連続ミキサーを提供しようと
するものである。

この目的のため、本考案は、送り用スクリユー
羽根とかくはん用スクリユー羽根とを有する回転
軸を内装した可とう性ケーシングの一端に材料投
入部を設けるとともに、他端には、吐出口がケー
シング底位置より周方向に変位した混練物排出部
を設けたものである。

以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明す
る。

第１図ないし第６図は本考案に係るコンクリー
類の連続ミキサーの実施例を示すもので、１はフ
レームで端板４，４′とそれら端板に長手方向両
端を固着した底フレーム５および側フレーム６，
６′からなつている。

２はミキサー本体で、端板４，４′に固定した
軸受７，７′により中空状に支架された回転軸８
を有し、回転軸８のまわりには、ほぼ全長にわた
り、所定外径の送り用スクリユー羽根９が同心状
に位置されるとともに、これの内側には、外径が
前記送り用スクリユー羽根９の内径と一致するか
くはん用スクリユー羽根１０がその内径面をもつ
て回転軸に固定されている。

３は前記ミキサー本体２を外囲する可とう性ケ
ーシングであり、ゴム板のごときにより作られ、
送り用スクリユー羽根９を囲むように樋状断面に
わん曲され、側壁上部を側フレーム６，６′に当
接し、押え板とボルト１１により取外し可能に固
定されている。そして、可とう性ケーシング３の
の長手方向一端に近側フレーム板上面にはホツパ
ー状の材料投入部１２が固定され、また可とう性
ケーシング３の長手方向他端と端板４の間には、
フレームの一部を構成する断面Ｕ字状の囲み板１
３が設けられ、この囲み板１３に、第１図および
第３図のごとく、ケーシングのもつとも低位の位
置すなわち底でなく、これから周方向で上昇した
側面位置に混練物排出部が開口されている。

前記かくはん用スクリユー羽根１０は、そのピ
ツチが送り用スクリユー羽根９よりも小さく、た
とえば１／２ピツチのような関係に作られてい
る。このかくはん用スクリユー羽根１０は、回転
軸の全長にわたつて設けてもよいし、部分的に設
けてもよい。

前記かくはん用スクリユー羽根１０の始端位置
に対応する側フレーム板上に、散水孔１８を有す
る給液機構１７が回転軸８と交差する配置で取付
けられ、この給液機構１７により可とう性ケーシ
ング３内に所定量の用液を適宜供給するようにな
つている。

前記可とう性ケーシング３は、断面が樋状とな
つているが、本考案は第４図ａ，ｂのように、可
とう性ケーシング３の側壁３１，３２のうち少な
くとも回転軸回転方向側の側壁３１要すれば両方
の側壁３１，３２を、送り用スクリユー羽根９の
接線より所要角度αをもつて内側に傾斜し、この
傾斜に対応して側フレーム６，６′に張出し部材
１９を設け、この張出し部材１９により前記傾斜
角で側壁３１または／および３２を固定してい
る。

その他、２０は蓋板、２１は駆動機構、２２は
可とう性ケーシング３を水平方向で旋回させるた
めのピボツトである。

本考案は上記のような構成からなるので、たと
えば第６図のように、定量切出し装置２６，２
７，２８を有するホツパ２３，２４，２５と、送
り装置２９とを備えた現場設備に付設し、材料投
入部１２を送り装置２９の先端下部に位置させれ
ば、配合は材料投入部１２から可とう性ケーシン
グ３に順次投入される。

ケーシング内に入つた配合は、回転軸８と同心
状の送り用スクリユー羽根９により押動される
が、送り用スクリユー羽根９の内径は空部２３と
なつており、その空部に前記送り用スクリユー羽
根９と交差するピツチの細かいかくはん用スクリ
ユー羽根１０が通つている。

そのため配合のうち外側のスクリユー羽根の領
域にあるものは押動されるが、これより内側の領
域にあるものは空部により押圧が弱化解放される
ので、適度にてい留した状態となり、この状態で
次に前記かくはん用スクリユー羽根１０で斜めに
せん断され、さらにかくはん用スクリユー羽根で
外側のスクリユー羽根と逆方向に押圧移動させら
れ、続いて送り用スクリユー羽根との交点に達し
たところで巻込み作用により半径方向に移動さ
れ。ここで反転し送り用スクリユー羽根により前
方に移動する挙動が与えられる。この間送り用ス
クリユー羽根９に対してはその外径端面に対して
可とう性ケーシング３が接触し、全量を確実に送
る。

このような移動速度の差と反転送り作用および
カツテング作用により複雑な混合かくはん状態が
材料投入部１２から軸線方向に順次得られ、した
がつて、とぎれなく混練物が作られ前送される。

そして、本考案は可とう性ケーシング３の先端
部に排出部１４が、ケーシング底でなくこれの側
面部位に変位して設けられているので、混練中の
材料は排出部１４を高位レベルとしてそれより後
方に向うほどレベルノ低くなるように堆積状態で
前送される。これにより適度に資料を貯えつつこ
れよ送り用スクリユー羽根９の押圧でオーバーフ
ローさせて排出するかたちとなる。

このことから、前記かくはん用スクリユー羽根
１０による逆送りとカツテング作用がより効果的
に働いてきわめて均一な混練状態が形成される。
また、混練性能の向上のためにケーシングの傾斜
角度を大にしこれを運転中保持する必要がなくな
り、ほとんど水平状態で良好なかくはんが行える
ので、機構の簡易化、落下高さの減少による飛散
防止効果を得ることができる。

なお、可とう性ケーシング３を単純にＵ状にし
てミキサー本体２を接線方向で外囲した場合、送
り用スクリユー羽根とケーシング側壁の間でＶ状
の隙間が形成され、回転軸回転方向のケーシング
側壁に資料が付着し、それが運転中次第に成長し
て一定量に達したときに自重で剥離する現象が起
き、これにより排出部からの吐出にバラツキが生
じポンプ圧送の場合に脈動が生じたり、圧送ノズ
ルやホースに詰りを生じさせる。

しかるに本考案では可とう性ケーシング３の少
なくとも回転軸回転方向に対応する側壁３１を垂
直よりも内側に傾斜させている。そのため、ケー
シング側壁と送り用スクリユー羽根の間に隙間が
形成されず、ケーシング内の資料レベルが高いと
きにもケーシング側壁への資料付着や堆積を生じ
させず、常時スムーズな定量排出を行うことがで
きる。

以上説明した本考案によるときには、コンクリ
ート、モルタル、炉材などの配合を投入するだけ
でこれを前送しつつ均一に混練することができ、
特に排出部１４をケーシングの底部でなく、側方
に変位した位置に設けているので、資料を適度に
滞留させつつ送り用スクリユー羽根９とかくはん
用羽根１０による前送、戻しおよびカツテングを
効果的に働かせることができ、また、ケーシング
をきつい角度に傾斜させる必要がなくなるので、
機構が簡単になると同時に、排出時の資料の落下
高さが低くなるので飛散が生じにくいなどのすぐ
れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンクリート類の連続ミ
キサーの一実施例を示す部分切欠側面図、第２図
は同じくその部分切欠平面図、第３図は同じくそ
の部分切欠端面図、第４図は本考案におけるスク
リユー本体の別の実施例を示す側面図、第５図
ａ，ｂは本考案における可とう性ケーシングの実
施例を示す断面図、第６図は本考案の使用例を示
す側面図である。 ３……可とう性ケーシング、９……送り用スク
リユー羽根、１０……かくはん用スクリユー羽
根、１２……材料投入部、１４……混練物排出
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送り用スクリユー羽根９とかくはん用スクリユ
   ー羽根１０とを有する回転軸を内装した可とう性
   ケーシング３の一端に材料投入部１２を設けると
   ともに、他端には、吐出口がケーシング底位置よ
   り周方向に変位した混練物排出部１４を設けたこ
   とを特徴とするコンクリート類の連続ミキサー。