JPS6225980B2

JPS6225980B2 -

Info

Publication number: JPS6225980B2
Application number: JP55149192A
Authority: JP
Inventors: Katsuyuki Totsu
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1980-10-24
Filing date: 1980-10-24
Publication date: 1987-06-05
Also published as: JPS5773644A

Description

【発明の詳細な説明】この発明はトルク検出器に関するものであつ
て、一層詳細には、ボルトやナツト等の被緊締物
の締付けトルク及び緩みトルクを連続的に高精度
で測定し得るトルク検出器に関するものである。

従来より、ボルトやナツト等の被緊締物が所定
の締付けトルクで締め上げられているか、また既
に締付けの完了したボルトやナツトがどれ位の外
来トルクにより緩むか、を測定点検する手段とし
ては、一般にトルクドライバが知られている。こ
のトルクドライバは渦巻きばねを内蔵し、その機
械的変形量をトルク値として目盛板に指板表示す
るものであるが、精度的に難点がある。そこで、
このような機械的検出手段に代えて、物性歪みを
電気抵抗の変化に変換するトランスジユーサとし
て所謂ストレンゲージを使用し、検出された歪み
トルク値を数値的に直接デジタル表示するトルク
メータが開発されるに至つている。この種のトル
クメータでは、歪みに対する検出精度が高く、ま
たトルク測定値はデジタル表示されるために直読
容易である等の利点がある。しかし、前述したト
ルクドライバやトルクメータは、何れも測定対象
物の上限トルク（例えば、最大締付けトルク、最
大緩みトルク等の静的トルク）を検出することを
目的とするものであつて、ボルトやナツト等の締
付けを開始した時点から最終的に締付けが完了す
る時点迄の間における連続的なトルクの変動乃至
推移を監視し得るものではない。

すなわち、従来のトルクドライバ等は、締付け
が既に完了している被緊締物について、その締上
がつている最大トルクまたはこれを緩めるに必要
な最大トルクを主として検出するものであるか
ら、ボルト等の締付全工程における動的なトルク
変動を連続的に検出するには適していなかつた。

しかしながら、貫通孔にねじ溝を螺切しつつね
じの締付けを同時完了する所謂タツピンねじで
は、ねじ孔が穿設される材料の材質がプラスチツ
クのように比較的脆弱なものである場合、容易に
クラツキングが生じたりするので、タツピング時
における最適な締付けトルクを知るためには、実
際にねじをねじ込む工程において、連続的に変動
するトルク値を検出するようにするのが便利であ
り、また実際的である。また、ボルトやナツト等
の被緊締物を取付けられる材料の材質によつて
は、締付けが強力すぎると材料の変形が生じた
り、ねじ溝が圧潰したりするので、締付け作業時
におけるトルクの連続的な変動を監視して、最適
トルク値の範囲内での締付けを行うようにすれば
良好なトルク管理が達成される。

そこで発明者は、ボルト、ナツト等の締付け作
業に際し、締付け開始から締付け完了に至る迄の
間のトルク値の変動を、実際に締付けている状態
において連続的に測定し得るトルク検出器を得る
べく研究試作を重ねた結果、例えば電動ドライバ
ーを使用してねじの締付けを行う場合には、その
締付けに必要なトルクと全く同じ分量の反対トル
クが電動ドライバーの動力部に帰還している筈な
ので、この逆伝達された反対トルクをストレンゲ
ージにより検出するようにすれば、ねじの締付け
全工程における動的なトルク変動を連続的に測定
し得ることが判つた。そして、動力部に逆伝達さ
れるトルクを検出すためには、この動力部をケー
シング中に支持体と軸受とを介して懸架支持し、
到来した反対トルクは全て前記支持体に集中さ
せ、この支持体に生ずる物性歪みをストレンゲー
ジにより電気抵抗変化に変換させるようにすれ
ば、トルク損失を生ずることがないので、極めて
正確な測定をなし得るものである。

従つて本発明の目的は、ねじの締付け等の作業
を行いながら、当該作業の全工程を通じての動的
なトルクを、トルク損失を生じることなく連続的
なトルク値の変動として高精度に測定し得るトル
ク検出器を提供するにある。

この目的を達成するため本発明では、モータと
減速機とを連結し、更に前記減速機から出力軸を
導出してなるねじ締め用動力ユニツトにおいて、
前記動力ユニツトの一端を前記出力軸を支持する
軸受を介してケーシング内に固定すると共に動力
ユニツトの他端をその軸方向に延在する偏平状の
板体を介してケーシング内に固定し、前記板体の
一側面にストレンゲージを取付けることを特徴と
する。

次に、本発明に係るトルク検出器につき、好適
な実施例を挙げて添付図面を参照しながら以下詳
細に説明する。第１図は本発明に係るトルク検出
器の内部構造を示す縦断面図であつて、参照符号
１０で指示されるトルク検出器は、円筒状のケー
シング１２と、このケーシング１２内に収納され
る動力ユニツトと、この動力ユニツトをケーシン
グ１２内においてケーシング内周に対し所定の環
状遊隙を保持しつつ支持する支持体１４とから基
本的に構成される。すなわち、円筒状のケーシン
グ１２は好ましくは剛性に富む材料、例えば金属
その他硬質プラスチツクを成形加工して得られ、
底部開放部は蓋体１６により着脱自在に閉塞固定
される。

動力ユニツトは、電気モータ１８とこの電気モ
ータに連結される減速機２０とから構成され、こ
の動力ユニツトは前記ケーシング１２内に支持体
１４を介して収納保持される。すなわち、支持体
１４は第２図に示すように偏平な板状の支幹部２
２と、この支幹部２２の両端部に一体的に形成し
たフランジ部２４，２６とからなり、第１図に示
す通り一方のフランジ部２６をケーシング底部蓋
体１６に固着し、他方のフランジ部２４を前記動
力ユニツトの一部を構成するモータ１８の底部に
固着することにより、動力ユニツトをケーシング
１２内においてケーシング内面に対し所定の環状
空隙Ｃを保持して中空支持する。更に、減速機２
０から軸線方向に導出される出力軸２８は、ケー
シング１２に配設した軸受３０により回転自在に
軸支されて、ラジアル方向への支持がなされる。
従つて、モータ１８と減速機２０とからなる動力
ユニツトは、支持体１４及び軸受３０によつて、
ケーシング１２内に懸架されることが諒解されよ
う。

次に、前記支持体１４の支幹部２２の適宜位置
には、機械的な応力歪みを電気抵抗の変化に変換
する所謂ストレンゲージ３２を適宜の手段により
取付ける。このストレンゲージ３２としては、構
造物表面に貼付けた金属細線の電気抵抗変化を測
定する抵抗線歪み計（電気的歪み計の一種）が典
型的に使用される。更に詳細には1/50〜1/200mm
の金属細線を合成樹脂基板又は合成樹脂を含浸さ
せた紙片に鋳込み、これを前記支持体１４の支幹
部表面に接着剤等の手段により貼付け、応力が加
わつた際の変形による電気抵抗変化をホイースト
ンブリツジで測定するか、またはオシログラフ乃
至デジタルカウンタで直読記録するものである。
従つて、第１図に示すように、ストレンゲージ３
２からはリード線３４が夫々導出され、デジタル
表示器、オシログラフ（何れも図示せず）等に電
気的に接続される。

なお、前記出力軸２８には公知のクイツクチヤ
ツク３６が固定され、このクイツクチヤツク３６
に、例えばドライバービツト３８（その他用途に
応じてナツトビツト）が着脱自在に装着される。
また図示しないが、動力ユニツトのモータ１８へ
の給電のON、OFFを行う主スイツチ及びモータ
の回転方向の正逆切換えを行う切換スイツチが、
ケーシング１２または外部の制御ユニツト中に組
込まれている。

次に、このように構成した本発明に係るトルク
検出器の作用及び効果につき説明する。いま、第
１図に示すトルク検出器１０を用いて、ねじの締
付作業を行う場合を規定する。勿論このねじ締開
示前に、デジタル表示器（図示せず）は、トルク
検出器１０の無負荷状態においてデイスプレイが
零表示となるよう、予め零調整をしておく。モー
タ１８を付勢してねじの締付を開始すると、ねじ
がねじ孔中に螺入する際に必然的に生ずる所謂ね
じ込み抵抗は、反対トルクとしてドライバービツ
ト３８→クイツクチヤツク３６→出力軸２８→減
速機２０→モータ１８を介して支持体１４に忠実
に逆伝達される。このとき、前記支持体１４はケ
ーシング１２の底部蓋体１６に強力に固定されて
いるから、反対トルクはこの支持体１４に加わる
外力となつて支持体を歪ませ、変形させることに
なる（これは視覚では殆んど確認し得ない極めて
微小なものである）。結局、支持体１４には、ね
じ込み作業中の間連続的に変動推移する応力歪み
がもたらされることになる。この応力歪みは、前
記ストレンゲージ３２により電気抵抗の変化とし
て変換され、従つてこれはオシロスコープやデジ
タル表示器に表示されて直読測定することができ
る。

このように本発明によれば、ボルトやナツト等
のねじ込み作業（及び緩め作業）の遂行に際し、
支持体に連続的に加わる応力歪みの変動をストレ
ンゲージにより検出するよう構成したので、ねじ
締付け開始から完了に至る迄の連続的なトルク変
動が正確に測定可能である。

なお、本発明に係る構成を、例えばウインチ機
械の駆動源に組込み、オーバーロードとなる負荷
値を予め比較器に記憶させると共に前記駆動源か
ら検出されるトルク値を比較器にフイードバツク
するよう構成しておけば、過負荷時に駆動源への
給電を自動的に遮断するよう応用可能である。ま
た、テープやロール紙の巻取機にも本発明を応用
することにより、簡単にテンシヨン調整を行うこ
とができる。更に、外部の回転体の回転トルクを
測定する場合にも、この回転体の回転軸を本発明
に係るトルク検出器の出力軸に直結することによ
り（この場合、モータへの給電は停止しておく）
簡単に測定可能である。

以上、本発明に係るトルク検出器につき好適な
実施例を挙げて説明したが、本発明はこの実施例
に限定されるものではなく、発明の精神の範囲内
で多くの改良変更をなし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るトルク検出器の内部構造
を示す縦断面図、第２図は本発明に使用する支持
体の一実施例の斜視図である。１０…トルク検出器、１２…ケーシング、１４
…支持体、１６…蓋体、１８…モータ、２０…減
速機、２２…支幹部、２４，２６…フランジ、２
８…出力軸、３０…軸受、３２…ストレンゲー
ジ、３４…リード線、３６…クイツクチヤツク、
３８…ドライバービツト。

Claims

【特許請求の範囲】

１モータと減速機とを連結し、前記減速機から
出力軸を導出してなるねじ締め用動力ユニツトに
おいて、前記動力ユニツトの一端を前記出力軸を
支持する軸受を介してケーシング内に固定すると
共に動力ユニツトの他端をこれと同軸に延在する
偏平状の板体を介してケーシング内に固定し、前
記板体の一側面にストレンゲージを取付けること
を特徴とする連続的に変動するトルク値をトルク
損失なく測定し得るトルク検出器。