JPS6225390B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は流体物を注射器から放出させる為の機
構（さらに詳細には、注射器ピストン或いはプラ
ンジヤを前進させるのにスプリング形態の方式に
より作動される機構）と、ピストンの前進速度を
調節する為の機械式時計仕掛（或いはタイマ）と
をそれぞれ具備する連続液注出装置にかかる。

数多くの病気の治療にあたり、患者の血液流中
に薬物のみならず人体に自然に存する非常に有効
な化学物質を少量づつ長期の期間にわたり連続的
に投薬する必要がある。当該目的の為、注射器を
保有した小さな容器が患者の身体に固定される。
当該注射器は歯車駆動により、連続注入の状態と
される。かような機構はバツテリを動力源とする
電動機によつて操作され、歯車によつて回転され
るナツトを有するネジ部材から構成されるのが通
常である。即ち、当該ナツトの直線運動が注射器
ピストンに伝達され、結果的に、注射器内の液体
が放出されるものである。当該機構には当然のこ
ととしてタイマ或いは時計仕掛部材は包含されて
いない。液体の流れは歯車駆動によつておこなわ
れることから、結果的に、注入速度が相違する毎
に上記した容器の設計が必要となる。更には、投
薬速度を適正に調節する為に、注入液或いは注入
物の流動特性値が注意深く一定の標準に規格化さ
れる必要も生じる。

上記した機構の信頼性はバツテリの充電状態に
も依存する。しかして、もしバツテリの故障が予
期せず生じたような場合、液注入は瞬時に停止す
る。一方において上記したバツテリの使用に係る
固有の欠点たる非安全性を排除する為に、上記機
構は必要に応じて病棟等に設けられた電源供給源
に接続可能な形式ともされているが、この様な場
合に於いても、患者自身は全投薬期間中は瞬時と
も病室から離れられないこととなる。更に、いか
に少量、例えばマイクロアンペア程度の電気（電
流）でも、それが患者にかかることがあれば心臓
障害を招来することは事実として確認されてい
る。

電気的駆動に係る不測の事態を避け、患者に連
続投薬を可能とする為の注射器作動器機として、
スプリング力駆動による歯車駆動が、例えば、米
国特許第3886938号にみる様に提案されている。
即ち、当該特許によれば、スプリング力駆動機構
は注射器ピストンを前進させ、液体供給の制御は
機械的な方式によるタイマ（或いは時計仕掛）に
よるものである。当該機構は注射器ピストンに連
結されたギアラツクを有し、且つ液体を注射器注
出端から注出される様に注射器のピストンを前方
向に押圧する様、ギアラツクを引つぱるのにヘリ
カル或いはスパイラルスプリングを使用する。ギ
アラツクの前進はギアラツクとかみ合つているピ
ニオンギヤに係合される機械的な時計仕掛によつ
て制御されている。当該完全機械方式による装置
は電動駆動に関連した欠点を排するが、一方にお
いて、それ自体の欠点を包含している。特に、使
用によるヘリカルスプリングの疲れ並びに、結果
として生じるその力付与性能の制御不可能な劣化
が問題となる。この事はピニオンギアが推進駆動
力を時計仕掛スプリングからギアラツクへと伝動
することにより時計仕掛制御の確度の劣化を招来
することになる。又、当該機構は一方において、
注射器ピストンと注射器シリンダ壁間でのしゆう
動抵抗或いは摩擦の程度を変化させるに必要なヘ
リカルスプリングの推進駆動力調節手段或いは時
計仕掛制御の調節手段を共に欠いている。種々雑
多なしゆう動抵抗特性を有するピストン或いはプ
ランジヤを具備した注射器間に於いて、不適正な
注出の招来という事態が防止されるには、注射器
相互が全く同一なしゆう動抵抗を生ずるピストン
或いはプランジヤを準備することとなる。しか
し、この事は明らかに非現実的であり且つ不可能
なことでもあろう。更に、当該公知例によれば、
装置は単に一つの操作速度を持つにすぎない。即
ち、このことは、換言すれば、注出速度が変化さ
れる度毎に、各相違したスプリング部材を具備し
た駆動ユニツトを必要とする事となる。更に、ヘ
リカルスプリングを付勢するに時計仕掛の巻上げ
機構が使用されていることから、ヘリカルスプリ
ングの調節長さが注射器からの注出液の完全な放
出を招来するに十分である様に、ヘリカルスプリ
ングがそれぞれ十分に付勢されているか否かを本
来的に確め得ないという点に、当該既往の非安全
性が、又、一方において存する。

本発明は、種々な注射器間に於けるピストン或
いはプランジヤに係る雑多なしゆう動抵抗の変化
にかかわらず、注射器ピストン或いはプランジヤ
が常に均一に前進せしめられる連続注出注射器の
機械的駆動機構を提供することを目的とする。
又、本発明は上記機構であつて、上記前進速度の
調節が種々に可能であり且つ又、上記したピスト
ン或いはプランジヤの均一な前進が単純かつ信頼
できる方法によつて実現される機構を提供するこ
とをそれぞれ目的とする。

本発明によれば、上記各目的は、時計仕掛に動
力を付与する事と、注射器ピストン或いはプラン
ジヤを推進駆動させる事とに於いて、個別並びに
相互に独立した動的作用或いは力を利用すること
で達成される。第一のコイルスプリング及びホイ
ール（或いはギア）機構が時計仕掛を駆動し、第
二のコイルスプリング及びホイール機構が注射器
プランジヤを駆動推進する。各駆動機構は相互に
独立して操作するので、結果的に、均一な時計仕
掛運動、並びに、注射器ピストンの均一な駆動推
進がそれぞれ達成される。本発明機構の使用によ
り、各種注射器個有のピストン及びシリンダ間の
しゆう動抵抗の不均一性に係る問題は解消され
る。又、本発明機構は、相互に相違した種々の注
射器間において、それらの各内容物を所定の時間
内に、同一の精度でもつて放出せしめるに使用可
能である。本発明機構に採用された巻上げ可能な
コイルスプリングは、長年使用においても、その
特性は実質上、不変な状態に維持され作動し得る
と共に、ホイール或いはギア機構を介して注射器
ピストンに伝動されるスプリング力は本質上均一
に維持される。時計仕掛機構の引張りコイルバネ
は独立排他的に時計仕掛を作動し、結果的に、注
射器ピストンにいかなる推進駆動力も付与するこ
とにはならない。しかして、上記のことより、非
常に正確な時計仕掛の制御を招来する反面、注射
器ピストン或いはプランジヤの均一な前進を招来
することになる。

双方のコイルは良好な実施例を実現するため
に、同一シヤフト上に共軸をなして装着され且
つ、共通の巻上げシヤフトに連結される。このよ
うな機構々成により、双方のコイルは通常、同時
に巻上げられることになり、結果的に、いづれか
のコイルの巻上げが見すごされ、巻上げがなされ
ずに存するという事態を生じない。コイルスプリ
ングを巻上げるにはキイが使用され得る。しかし
ながら、回動カバを注射器駆動ギア及び時計仕掛
を包含するハウジング内のスプリング巻上げシヤ
フトに連結するのが便宜である。ハウジングは注
射器支持空間を包摂し、当該空間はカバによつて
覆われている。注射器支持空間の開放はカバを定
位置から回転させることによつて実現される。カ
バの可回転運動で、双方コイルスプリンが巻上げ
られる。ユーザが双方のコイルスプリングを常に
完全に巻上げるに便宜な様に、カバが閉じられる
直前に作動する安全具が具備されている。当該安
全具は部分的に歯切りされたヘリカルデイスクか
らなり、カバに固定的に接続されており、且つ、
又当該デイスクはスプリングラチエツトと協働す
るように構成されており、カバは、上記デイスク
がスプリングラチエツトを、カバが閉じられる位
置から180度回動させた時点でのみ、ロツクされ
る。即ち、カバは、液体注出供給機構及び時計仕
掛が180度に相当する引張り負荷或いは付勢負荷
を完全に負荷された時にのみ完全に閉止されう
る。ヘリカルデイスク上の同伴ピンによつて作動
されるカム面は回動終点においてスプリングラチ
エツトをロツクするに使用される。カバは必要に
応じて、注射器をハウジング内の注射器支持具か
ら除去する際には自由に開放でき、注出経時中に
おいても同様である。

偏心軸は、トランスミツシヨンを介してギアラ
ツクを前進させる為のがんぎ車に作用しているが
んぎレバを回動する。ギアラツクは作動可能な状
態で注射器ピストン或いはプランジヤの一端に当
接するアームを保有する。偏心軸は時計仕掛の第
二（タイム）ホイールに係るものと同一のシヤフ
ト上に設けられている。しかして、当該機械的構
成により、時計仕掛によつて招来される経時制御
機能は注射器ピストン或いはプランジヤの駆動式
には前進機構の制御に供する様、伝達されること
になる。単純な機構形態であるからして時間制御
は反面において十分に信頼出来る状態で招来され
る。がんぎレバはがんぎ車に作用し、瞬時、その
回転に阻止抵抗を与えることにより、供給機構の
ギア運動を漸次的に阻止する。しかしながら、時
計仕掛の第二ホイール或いはギアの継続回転は、
がんぎ車が再度回転しうる様に、がんぎレバとが
んぎ車の係合を脱係合の状態とする。がんぎ車が
スプロケツト及びトランスミツシヨンの働きによ
り回転すると、ギアラツクとかみ合つているピニ
オンギアが駆動される。がんぎレバの作動阻止抵
抗の状態は、注射器ピストン送り、或いは前進機
構のピニオンギアに、押圧力等の負荷を単位時間
当り所望回数負荷することにより解除できる。本
発明に係るがんぎレバ及びがんぎ車の形態構成に
より、種々相違した動的サイクルを制御すること
が可能である。結果的に注出されるべき調合剤の
粘度並びに注射器シリンダ中でのピストン或いは
プランジヤのしゆう動抵抗は関係なく、あらゆる
場合において、注射器内液の均一且つ漸次的な放
出が可能となる。

がんぎレバはがんぎ車との係合の為に二本の縦
列的なストツパを具備されてもよい。がんぎ車は
羽根車或いは撹拌羽根様に適宜に設計され、羽根
或いは、翼は、それぞれ径方向対称をなして配列
配備されている。各羽根相互の羽根幅は、がんぎ
レバがシヤフト上、がんぎ車羽根の位置に対して
相対的に調節可能なその軸方向位置の変位を介し
て、適宜に、がんぎ車の回転を阻止しうる様に、
相互に、順次列をなして相違する構成としてもよ
い。このことにより、結果的に、注射器ピストン
は各様のスピードで前進させ得る。時計仕掛は上
記制御によつては影響をうけず且つ通常、上記作
動経時中には、非巻上げの状態にある。長時間に
わたる注出を実施するには、がんぎレバが単位時
間あたり出来るだけ数多く、がんぎ車羽根の運動
を阻止する様にすればよいが、このことは、結果
的に注射器ピストンの前進運動が短距離毎の増分
に分割され、換言すれば全供給時間が長くなるこ
とに相当する。全供給時間を減ずるには、注射器
ピストンの前進増分を増加させることによつて可
能となる。前進増分を増加させるには、単位時間
当りのがんぎ車の停止回数を減少させる為にがん
ぎレバとがんぎ車羽根との単位時間当りの阻止係
合回数を少なくさせることによつて行なわれる。

がんぎレバを軸方向に変位させる為に、起伏す
る波状の側面を有するデイスク形態をとるカム
が、がんぎレバを保持するシヤフトに設けられた
横方向スロツトと係合する様に便宜上、配備され
る。上記カムデイスクはハウジングの外側面上に
設けられ、適宜なクリツプ状止め具によつて固定
しうるダイアル或いは同様な操作部分を介して調
節し得るように出来る。当該注出機構の使用者は
上記ダイアルを作動することにより、自在に注出
時間を選択し得、且つ又、簡単に注出プロセスを
中断することなく種々の時間周期へと切換えるこ
ともできることとなる。

本発明装置によつて提供された他の有用な改良
として、ギアラツクが、一端がハウジングに回動
可能な状態で連結されているロツカアーム自体に
固定された一対のロツド状を案内されるという構
成がある。ロツカアームの他端は作動可能な状態
で、引張りスプリング及びコイルスプリング巻上
げシヤフト上に装着されたカムデイスクとに係合
されている。結果として、カバが回動して開けら
れると、注射器ピストンを前進せしめるギアラツ
クは自動的に供給機構との係合を断たれる。しか
してラツクは自由しゆう動可能となり且つ、注射
器用駆動係は、注射器がハウジングから除去され
うると共に、コイルスプリングが完全に巻上げら
れることにより再度始動されうる様に、操作不能
の状態となる。上記状態に対応して、注射器は選
択的に、脱気され得、或いはハウジングを開いた
状態でピストンを他の相違した位置に位置占めせ
しめる為の手動作動が可能となる。時計仕掛は、
注射器が装置内に設置されており、カバが開放さ
れ、注射器が作動されていない状態下では、巻戻
り得ないが、このことは、送り機構が脱係合して
いることによる。

本発明によれば、ハウジングカバの運動は三つ
の重厚な機能と関連する。即ち、これら機能と
は、双方コイルスプリングの巻上げ、双方スプリ
ングが完全に巻上げられる以前にカバが閉じられ
ることを防止する為の安全機構、並びにカバが開
かれた状態下におけるピストン送り機構の脱係合
である。

以下に本発明の構成を実施例にもとづき、添付
した図面に従つて説明する。

第１図から明らかな様に、本発明にかかる連続
注出装置は、注射器用、例えば取替え自在の注射
器の支持部或いはサポート部２を有するハウジン
グ１からなる。サポート部２はハウジングの上端
面及び側面の双方との関係でハウジングの無蓋部
を構成するように、ハウジングの隅部に設けられ
ている。送り駆動部に連接可能なギアラツクのア
ーム４はハウジング内の注射器サポート部２内に
延在する（第２図参照）。アーム４は注射器３の
ピストン３ａを押圧する。カバ５は注射器サポー
ト部２を覆うに使用される。又、カバ５は、シヤ
フト６によつてハウジング上に回動自在に装着さ
れる隅曲げされたプレートである。シヤフト６上
のカバ５の回動点は、ハウジングに関して、カバ
５が開かれる為に図中の矢印、Ａ方向に回動され
るたび毎に、常に、注射器３の内部前端換言すれ
ばプランジヤ端がまず開放されるように構成され
ている。指用凹部７は装置の取扱い、操作上の便
宜を考慮して設けられている。

本発明装置は時計仕掛（或いはタイマ）並びに
送り機構を別個、独立な機械的駆動手段でもつて
それぞれ個別に駆動することを特徴とする。この
為に、時計仕掛機構はハウジング中軸方向に延在
する平面の一側部に位置占めさせ、かつ、送り機
構は上記平面の他側部に位置占めさせ得る（第３
図参照）装置の構成としうる。

第３図に例示した実施例において、時計仕掛は
ハウジングの底部空間内に設置されている。通常
の方法により、時計仕掛はコイルスプリング８か
らなり、そのスプリング力はそれぞれシヤフト１
７上のスプロケツト１８、微小（タイム）ギア或
いはホイール９、微小センタギア或いはホイール
１０、第二の（タイム）デユアルギア１１（当該
ギアは小ギア部分と大ギア部分とをそれぞれ包含
する）により仕掛１２に伝動される。コイルスプ
リング８はシヤフト１７上のスプロケツトホイー
ル１４と、インデツクスギア１５によつてスプリ
ング巻上げシヤフト１３に連結されている。スプ
リング巻上げシヤフト１３はシヤフト６と一体と
して同時に回動する様にシヤフト６に連携されて
いる。同様に、シヤフト６は一体として同時に回
動するようにカバ５に連結されている。結果的
に、カバ５の回動がコイルスプリング８を巻上げ
ることになる。

スプリング巻上げシヤフト１３は、又、送り機
構と連携し且つシヤフト１７上、コイルスプリン
グ８と共軸的に配備されたコイルスプリング１６
を巻上げる。双方のコイルスプリング８，１６は
カバ５の回動に際して均一に巻上げられる。時計
仕掛及び送り機構をそれぞれ駆動する双方のコイ
ルスプリング８，１６が常に均一に巻上げられる
様にカバ５が常時180度、回動されることを保障
する為に、本発明装置は第６図から８図に例示し
たカム−ラチエツト機構を具備している。

部分的にはすば歯車をなすデイスク１９（第７
図）は、カバ５が回転した時にシヤフト６，１３
上で回転する様にカバ５に固定的に連結されてい
る（第６図）。上記デイスク１９はその中心に関
して横方向に位置するピン２０を有し（第７
図）、当該ピン２０は第二のデイスク２２中の半
円弧状スロツト２１中を延在している。第二のデ
イスク２２は第７図中に図示した様に、微小角α
に係る回転のみが可能とされている。第二のデイ
スク２２は、その円周上に径方向凹部２３を有す
る。第３のスパイラルデイスク２４は部分的に歯
車の形態をなし、上記二つのデイスク１９，２２
と共軸的に位置、配備されている。デイスク２４
上に形成された半円弧状スロツト２５は、その円
弧長に係り、デイスク２２上に形成された上記ス
ロツト２１よりわずかに長めである。デイスク１
９上のピン２０は又、スロツト２５中をも延在す
る。カバ５が時計仕掛を巻上げる為に回動される
と、ピン２０はデイスク２４を回転せしめ、且つ
又、デイスク２４の歯車形態部２６は、スプロケ
ツトホイール２８（第３図）を介して、カバ５の
回動運動をスパイラルテンシヨンスプリング８，
１６双方を保持するシヤフト１７に伝動する。カ
バ５が回動して開くたび毎に、カバは、スプリン
グ力負荷の状態下にあるラチエツト２９によつ
て、その閉じの位置へ戻るのを防止される。当該
ラチエツト２９はデイスク１９の歯切り（或いは
歯車部分）及びデイスク２２中の凹所２３の双方
に係合している。ラチエツト２９は、カバを180
度回動させ、機構上同時且つ本質的に双方のスプ
リング８，１６を完全に巻上げることによつての
み、デイスク２２のカム面３０によつて上記した
係合が脱係合とされる。即ち、上記回動が生じた
後においてのみ、カバは自在にハウジング閉じの
状態に逆回動されうる。デイスク２２による微小
角α（第７図）に係る回転運動は、デイスク２４
中の半円弧状スロツト２５の長さがデイスク２２
中の半円弧状スロツト２１のそれよりはわずかに
大であるという前記した事実とから可能である。
送り機構のコイルスプリング１６によつて発生さ
れる力は、第２、第３図中、一点鎖線或いは破線
で示された駆動力伝動機構（或いはドライブ・ト
ランスミツシヨン）３２に係合するシヤフト１７
上のスプロケツト３１、がんぎ車５０、スプロケ
ツト６０並びに上記したトランスミツシヨン３２
の付随的部材によつて、ギアラツク３４に係合す
るピニオンギア３３へとそれぞれ伝達される。ギ
アラツク３４は注射器３のプランジヤ或いはピス
トン３ａの一端を押圧するアーム４を有してい
る。

もし、なんらかの原因により、注射器３がその
全注出時間の満了前に除去されることがあれば、
注射器３が注射器サポート部２に再入され且つカ
バが閉じられるまでは、ギアラツク３４は上記駆
動系とは非連接の状態でありうる。即ち、このこ
とは、カバ５が回動に伴ない開かれ自動的にギア
ラツク３４をピニオンギア３３から脱係合の状態
とすることによつて実現される。第３ａ図に示し
た機具が当該機能を達成する為のものである。カ
ム３５は、カバ５が回動した時、カム３５が回転
する様に、シヤフト６，１３と共に回転する様に
これらシヤフトに連結されている。カム３５は弓
状スプリング（或いはボースプリング）３６を保
有し、当該弓状スプリング３６は一方においてギ
アラツク３４を支持するロツカアーム３７上に押
圧されている。ロツカアーム３７の一端はピボツ
ト３８（第２図）によつてハウジング１に連結さ
れている。ロツカアーム３７の他端は、図番号４
０の点においてハウジング１（第３ａ図）に連結
されているヘリカルスプリング３９に連結されて
いる。ラツク３４は二本のロツド４１に案内され
ているが、第２図中では一本のロツドのみが図示
されているのみである。双方ロツド４１の端部は
ロツカアーム３７に固定されている。カバ５が閉
じられると、機構は第３ａ図に示す位置決めをす
る。カム３５の切り欠き部分が弓状スプリング３
６に押圧状態で当接されている時、ロツカアーム
３７にかかる下方向の圧力ではロツカアームを引
張り上げているスプリング３９に帰因する引張り
力を陵駕するには十分でない。結果的に、駆動機
構のピニオンギア３３はギアラツク３４と係合の
状態に維持される。カバ５が開かれると、カム３
５は自動的回転し且つカムの上方円状端部が弓状
スプリング３６の可とう力に抗して当接する。即
ち、結果として、弓状スプリング３６によつてロ
ツカアーム３７に加えられる通常以上の力は、ロ
ツカアーム３７が、第３ａ図中、矢印Ｃ方向に運
動可能とするようにヘリカルスプリング３９の力
を陵駕することになる。ギアラツク３４は、ロツ
カアームをピニオンギア３３から脱係合させる状
態で、当該ロツカアームに同伴的運動する。

上記状態で係合されている送り機構は時計仕掛
によつて制御されている。当該制御機構は、第二
の（タイマ）ホイール１１を包含するシヤフト４
２上に偏心軸４１１を含む。がんぎレバアーム４
４の二又或いはフオーク部４３は偏心軸４１１と
係合する。シヤフト４５上、回動可能な状態で位
置決めされているがんぎレバ４４はその下方向ア
ーム上に縦列状に二本のストツパ部４６を有す
る。

がんぎレバ４４のストツパ部４６はがんぎ車５
０（第４図）の羽根或いは、翼と作用しており、
当該がんぎ車５０はスプロケツト６０及びドライ
ブトランスミツシヨン３２を介して、ギアラツク
を駆動するピニオンギア３３と連接されている。
羽根によるがんぎレバ４４のストツパ４６に対す
る衝突に際して、がんぎ車５０の回転の阻止によ
り、送り機構における先行の歯車のかみ合い位相
は、ギアラツク３４による送りが、時計仕掛によ
る機構周期の制御の状態において、連続的均一の
小増分の送り列にと分割される様各瞬時毎に止め
られる。

各種の送り速度を実現する為に、がんぎレバ４
４はシヤフト４５上、軸方向に調節可能である。
波形状デイスク４７（第２及び３図）は、がんぎ
レバ４４の軸方向変位を可能とする。デイスク４
７は部材４８（第１図）によつてハウジング１の
外部から手動によつて回転させられる。デイスク
４７はシヤフト４５中の横断方向スロツト４９に
係合する。デイスク４７が回転すると、デイスク
４７は、がんぎレバ４４ががんぎ車５０の羽根の
各様の幅を有する羽根と選択的に係合可能なよう
に、がんぎレバの軸方向変位を招来する。

第４図に図示した実施例においては、がんぎ車
５０はその周方向、相互に90度の角をなして位置
決めされている四枚の羽根を備えている。羽根幅
は常に一定ではなく、特に、羽根５１の羽根幅
は、これと軸対称配備されている羽根５２の羽根
幅の半分であり、一方において、他の二枚の羽根
５３の羽根幅は羽根５１の羽根幅の半分とされて
いる。第二の（タイム）ホイール１１の回転によ
つてがんぎ車５０の全四枚の羽根５１ないし５３
ががんぎレバ４４によつてその運動中に運動抵抗
をうける様にがんぎレバ４４を調節することによ
り、がんぎ車５０が装着されているギアは毎分当
り四回の回転阻止抵抗をうけ、結果的に、小距離
送り前進が可能となり、注射器プランジヤ或いは
ピストンの完全な変移が二十四時間の時間経過を
もつて完遂されることになる。十二時間送りの送
りに適合させるには、単に、相互に90度をなす羽
根が運動阻止抵抗をうける場合に比し、二倍の前
進送りが招来される様に相互に180度をなす羽根
が運動阻止抵抗を受ける様にすれば良い。即ち、
ストツパ４６が羽根５１及び羽根５２に係合する
様にされれば、全ストローク長変位は十二時間の
装置操作時間により完遂されることになる。六時
間の連続注出を達成する為の上記と同様な調節に
よれば、漸次的ともいえる前進は380度に一回の
割合で止められ、当該六時間操作においては、一
回の前進量、換言すればプランジヤの変位量は40
mmとなる。当該六時間操作においては、羽根５２
がストツパ４６で運動阻害抵抗をうけるのみであ
る。

仮りに、さらに各様の相違した送り速度に適合
しうる各様の条件が必要とされる場合には、がん
ぎ車５０の羽根に係るサイズ、形状、枚数が変更
されることによつて達成される。

なお、第２図及び第３図には、がんぎレバアー
ム４４のフオーク部４３と係合している偏心軸４
１１を作動させる為に、シヤフト４２を駆動する
スプロケツト１８に係る時計仕掛のギア或いはに
ホイール配備機構は模式的に図示しているが、こ
れら機構は通常の伝動機構、機械仕掛でも十分達
成することができる。このようなことはスプロケ
ツト３１が動力をがんぎ車５０並びにがんぎ車か
ら動力をピニオンギア３３に伝達する駆動力伝動
機構３２についても全く同様である。

本発明は、上記実施例で詳記した如き構成より
なり所期の目的を達成できるものであるが、その
主旨の範囲内の種々の変更が可能であることは勿
論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は注射器を装着し、開の状態にある本発
明に係る一実施例を図例した斜視図であり、第２
図は上記実施例において送り機構を図例する為に
ハウジングカバを除去し、切断線−にそつた
部分切断面を含む平面図であり、第３図は上記第
２図において矢印Ａの方向からみた本発明装置の
内部機構図であり、送り機構及び時計仕掛を図示
するものであり、第３ａ図はギアラツクが送り機
構から係合、脱係合するに供する機構図であり、
第４図はがんぎレバの部分とがんぎ車の係合を示
す拡大図示図であり、第５図は第３図に於いて矢
印Ｂの方向からみたハウジング内部図示図であ
り、第６図は第５図中の切断線−に沿つて切
断した断面図であり、第７図は第６図に図示した
コイルスプリング巻上げデイスクの展開模式図で
あり、第８図は第７図に示した中間デイスクがラ
チエツト２９によつて運動阻害抵抗を受けない一
変位々置での状態を示した状態図である。 １……ハウジング、２……注射器支持部（サポ
ート部）、３……注射器、４……アーム、５……
カバ、６……シヤフト、８……時計仕掛用コイル
スプリング、９……ギア（ホイール）、１０……
センタギア（ホイール）、１１……デユアルギ
ア、１２……仕掛、１３……スプリング巻上げシ
ヤフト、１４……スプロケツトホイール、１５…
…インデツクスホイール、１６……コイルスプリ
ング、１７……シヤフト、１８……スプロケツ
ト、１９……部分的はすば歯車形態デイスク、２
０……ピン、２１……半円弧状スロツト、２２…
…第二のデイスク、２３……径方向凹部、２４…
…第三のスパイラルデイスク、２５……デイスク
２４上の半円弧上スロツト、２６……デイスク２
４の歯車形態部、２８……スプロケツトホイー
ル、２９……ラチエツト、３０……デイスク２２
のカム面、３１……スプロケツト、３２……駆動
力伝動機構（ドライブトランスミツシヨン）、３
３……ピニオンギア、３４……ギアラツク、３５
……カム、３６……弓状スプリング、３７……ロ
ツカアーム、４２……シヤフト、４４……がんぎ
レバ、４６……ストツパ部、４７……波形状デイ
スク、５０……がんぎ車、５１，５２，５３……
羽根（かい）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プランジヤを有する注射器と、注射器ピスト
   ンを前進させる為のコイルスプリング式駆動機構
   と、上記ピストンの前進を制御する為の機械式の
   時計仕掛とからなり、注射器からの液体を連続的
   に投入する装置において、第一のコイルスプリン
   グとホイール形態により構成される伝動機構によ
   り作動されるピストン駆動機構並びに第二のコイ
   ルスプリングとホイール形態により構成される伝
   動機能により操作されるがんぎ車による時計仕掛
   制御手段を具備することを特徴とする連続液注出
   装置。 ２ 前記双方のスプリングが共軸的に、一つのス
   プリングシヤフト上に装着されていることを特徴
   とする前記特許請求の範囲第１項に記載の連続液
   注出装置。 ３ ハウジングと、当該ハウジング中に設けられ
   た注射器支持部と、当該注射器支持部の覆いの為
   の回転自在カバと、当該回転自在カバをスプリン
   グ巻上用シヤフトに、当該カバ及び巻上用シヤフ
   トが共に回動とする様に連続する手段をそれぞれ
   具備し、並びに、前記スプリングシヤフトが上記
   スプリング巻上用シヤフトに連携作動可能な状態
   をなして係合されていることをそれぞれ特徴とす
   る前記特許請求の範囲第２項に記載の連続液注出
   装置。 ４ 前記カバと付随回転する様に当該カバに固定
   接続され且つ当該カバが閉状態から180度回動さ
   れた後においてのみ錠締めされうる様にしてラチ
   エツトと協動するはすばデイスクを包含すること
   を特徴とする前記特許請求の範囲第３項に記載の
   連続液注出装置。 ５ 前記はすばデイスクに、前記カバがその終局
   回動位置にいたつた時前記ラチエツトを脱係合せ
   しめうるように作動可能な状態で係合されている
   カムデイスクが包含されていることを特徴とする
   前記特許請求の範囲第４項に記載の連続液注出装
   置。 ６ 偏心軸であつて、前記時計仕掛の第二ホイー
   ルを具備し、それぞれがんぎ車と、当該がんぎ車
   に作用する為に上記偏心軸によつて作動可能な状
   態で係合されているがんぎレバと、上記がんぎ車
   によつて駆動される伝動機構と、注射器ピストン
   を前進させるに供する上記伝動機構によつて駆動
   されるギア・ラツクとに連携しているシヤフト上
   に位置占めせられる上記偏心軸を備えることを特
   徴とする前記特許請求の範囲第１項に記載の連続
   液注出装置。 ７ 前記がんぎ車が対称的に配列された径方向羽
   根を有することを特徴とする前記特許請求の範囲
   第６項に記載の連続液注出装置。 ８ 前記がんぎ車が相互に90度の間隔をなす四枚
   の羽根を具備することを特徴とする前記特許請求
   の範囲第７項に記載の連続液注出装置。 ９ 前記がんぎレバが前記がんぎ車に縦列的に係
   合する二つのストツパを有することを特徴とする
   前記特許請求の範囲第７項に記載の連続液注出装
   置。 １０ 前記羽根の少なくとも一つは他の羽根とは
   相違した羽根幅を有するものであり、並びに前記
   がんぎレバが相互に相違した羽根幅を有するがん
   ぎ車羽根と選択的に係合しうる為にシヤフト上を
   軸方向に可動であることをそれぞれ特徴とする前
   記特許請求の範囲第７項に記載の連続液注出装
   置。 １１ 回転可能に装着され、波状の側面が作動可
   能な状態で前記がんぎレバと係合し、その回転に
   より上記がんぎレバを軸方向に移動せしめるカム
   デイスクを具備することを特徴とする前記特許請
   求の範囲第１０項に記載の連続液注出装置。 １２ 前記波状の側面を有するカムデイスクは、
   前記ハウジング外に存し、支持部材によつて固定
   されている手段によつて回転可能であることを特
   徴とする前記特許請求の範囲第１１項に記載の連
   続液注出装置。 １３ 前記注射器ピストンを前進させる為、一端
   において前記ハウジングに連結されたロツカアー
   ムに固定された一対のロツド上に装備されたギア
   ラツクを具備することを特徴とする前記特許請求
   の範囲第１項に記載の連続液注出装置。 １４ 前記ロツカアームの他端が、前記ギアラツ
   クを、前記カバが閉じられた状態下では前記ピス
   トン駆動機構に係合させ、前記カバが開かれた状
   態下では脱係合するように、可とう的に付勢され
   ていることを特徴とする前記特許請求の範囲第１
   ３項に記載の連続液注出装置。 １５ 前記カバの回動運動によつて回転可能なシ
   ヤフトに連結されたカムと、カムによつて変位可
   能で、前記ロツカアームを当該ロツカアーム上に
   設置された前記ギアラツクを前記ピストン駆動機
   構から脱係合させる様にロツカアームを運動させ
   る為の手段とをそれぞれ具備することを特徴とす
   る前記特許請求の範囲第１４項に記載の連続液注
   出装置。