JPS6225279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は観賞魚用あるいは養魚用の水槽内の
水を微生物による生物化学的処理と曝気とにより
浄化する装置において、浮遊固形を効率よく浄化
することを目的とした水槽用水浄化装置に関する
ものである。

先に出願人は、微生物処理部と曝気槽とを組み
合わせた水槽用水浄化装置（実願昭55−175713
号）を提案した。しかしながら前記考案において
は、水槽の底にたまり易い糞や餌の残りなどの堆
積し易い浮遊固形物は、微生物処理部内へ流入し
難いという問題点があつた。

しかるにこの考案は、微生物処理部を給水間隙
をおいて対向設置すると共に、前記ケースの下方
に前記給水間隙と連通する幅広の吸水口を設けた
ので、堆積し易い浮遊固形物等が流入し易くな
り、前記問題点を解決したものである。

以下この考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

直方体状のケース１内の左右両側にハニカムコ
ア２，２が給水間隙３を隔て、かつその前後両側
をケース１の壁面に当接させて対向設置してあ
る。前記ハニカムコア２，２は通水路４を水平に
して設置してあると共に、その下面２ａは前記ケ
ース１の左右側壁へ向けて下降した傾斜面として
ある。前記ハニカムコア２，２の対向側面２ｂ，
２ｂおよび下面２ａ，２ａは近接して設置された
多孔の覆板５，５で覆つてあり、水流出面２ｃ，
２ｃに小間隙を保つて曝気槽６の一側壁をなす多
孔の塞板７，７がケース１を仕切るように設置し
てある。前記塞板７，７の透孔７ａは、ハニカム
コア２，２の水流出面２ｃ，２ｃに対向して穿設
してあり、上下流水路中を均等量の処理水が通過
するように前記孔径は上から下に向つて順次小さ
くしてある。また前記ケース１の前面下部には、
前記左右の塞板７，７間に亘つて幅広の吸水口８
が設けてある。

前記曝気槽６，６には槽内を縦に二分するよう
に頂板１ａより垂下する仕切板９，９が設けてあ
り、この仕切板９，９により屈曲通水路が構成さ
れている。前記仕切板９，９の下部でケース壁側
に散気管１０，１０が水平に、かつケース壁と平
行に設置してある。図中１１，１１はケース１の
前面上部に設けたフード２６，２６付の排水口、
１２，１２は散気管１０に加圧空気を送る送気管
である。

上記実施例に示す水浄化装置によつて水槽内の
水を浄化するには、装置を水槽内に沈設し、散気
管１０，１０に加圧空気を給送してその透孔より
小気泡を矢示２３のように浮上させる。このよう
にすると、屈曲通水路に矢示２４，２５のような
流動を生じるので、結局吸水口８よりケース１内
へ流入した水は第３図中矢示２０，２１のように
給水間隙３を上昇すると共に、覆板５，５の透孔
５ａを通過してハニカムコア２，２の通水路４，
４へ流入し、該通水路４，４を通過する間に水中
に含まれる有機物は、通水路４，４の内壁面に形
成された微生物被膜によつて生物化学的処理を受
け、浄化された水が曝気槽６へ流入する（矢示２
２）。曝気槽６内では散気管１０，１０より浮上
する気泡により前記のように矢示２３の方向へ流
れが生じているので、曝気槽６へ流入した水は矢
示２４，２５のように屈曲流動すると共に、前記
小気泡により曝気されて排水口１１，１１より排
出される。

上記実施例においては、微生物処理部としてハ
ニカムコアを用いたので、単位容積当たりの表面
積を大きくできるが要は多数の小通水路が並列横
設してあればよく、小通水路の断面形状は円形、
方形を問わない。また上記実施例によれば、多孔
の覆板５，５で微生物処理部を覆つたので、微生
物処理部に流入する固形物径を適宜規制し、通水
路が詰らないようにすることができるが、覆板に
代えて網を用いたり、大径物の流入のおそれがな
ければ用いなくてもよい。

また上記実施例によれば、塞板７，７の透孔の
径を上から下に向けて順次小さくしたので、全て
の通水路４における流速が均一化し、全ての通水
路の処理効率をほぼ均一にすることができるが、
透孔の径に限定なく要は流水速度の均一化を図る
ことである。従つて塞板は必須要件ではない。

更に上記実施例においては、散気管１０を仕切
板９，９の下部に取付けたが、散気管１０の設置
位置は実施例に限定されるものではなく、要は散
気管１０より浮上する小気泡により第３図矢示２
５方向の水流が生じればよいのである。

また上記実施例によれば、微生物処理部２の下
面を傾斜面としたので、ケース内へ流入した水は
比較的抵抗小さく給水間隙３へ導かれ、装置内の
水の循環がスムーズに行なわれるが、傾斜面とす
ることは必須要件ではない。

また上記実施例によれば、吸水口８を塞板７，
７間の幅としたが、吸水口８の幅は装置内の循環
流水量および処理水の流入容易性を考慮して適宜
定めるものである。

すなわちこの考案によれば、ケース内に対向設
置した微生物処理部に連通して設けた曝気槽に、
その頂板より垂下する仕切板を設けて屈曲通水路
を構成し、該通水路の下部ケース壁側に散気管を
設けたので曝気槽内で排水口へ向かう屈曲流が生
じ、微生物処理部より曝気槽内へ水が強く吸入さ
れる。従つて装置全体としての水の流動力が増大
する。しかも２個の微生物処理部へ流入する水が
一個の吸入口より吸入されるので、より強い吸入
力が得られる。よつて糞や餌の残りなどの堆積し
易い浮遊固形物を浄化装置内へ吸い込み、有効に
処理することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案実施例の斜視図、第２図は同
じく平面図、第３図は同じく断面図である。 １……ケース、２……ハニカムコア、３……給
水間隙、４……通水路、５……覆板、６……曝気
槽、７……塞板、８……吸水口、９……仕切板、
１０……散気管、１１……排水口、１２……送気
管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ケース内両側に多数の小通水路を並列横設し
   てなる微生物処理部を、給水間隙をおいて対向
   設置すると共に、前記ケースの下方に前記給水
   間隙と連通する幅広の吸水口を前記ケースの下
   部に設け、前記微生物処理部の水流出側には
   夫々微生物処理部と連通する曝気槽を設け、該
   曝気槽にはその頂板より垂下する仕切板を設け
   て屈曲通水路を構成し、該通水路の下部ケース
   壁側に散気管を設けてなる水槽用水浄化装置。 ２ 微生物処理部は、ハニカムコアとした実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の水槽用水浄化装
   置。 ３ 微生物処理部の底面は、水流出側に向かつて
   下降する傾斜面とした実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の水槽用水浄化装置。 ４ 曝気槽の一側壁は、微生物処理部の水流出面
   と小間隙を保つて立設された多孔塞板とした実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の水槽用水浄
   化装置。 ５ 多孔塞板を透孔は、その孔径が上から下に向
   つて順次小さくなるように穿設した実用新案登
   録請求の範囲第４項記載の水槽用水浄化装置。