JPS6224881B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は白熱電球と交換して使用でき、省電力
化の図れるけい光ランプ装置に係り、特にその曲
管形バルブ、点灯管および安定器を支持するシヤ
ーシの構造に関する。

この種のけい光ランプ装置は、口金を備えたシ
ヤーシにこのシヤーシ外周を覆うベースを取付け
るとともに、両端に電極を設けた管形バルブをそ
の中央で略Ｕ字状に曲成させて曲成部を形成し、
かつこの両端部を上記Ｕ字形を含む平面と略直交
する方向に略Ｕ字状に彎曲させた曲管形バルブを
取付け、さらにこの曲管形バルブの外周をシヤー
シに被冠されたグローブによつて覆うことにより
構成される。

ところで、上記シヤーシには曲管形バルブの他
に安定器や点灯回路等が取付けられるが、スペー
ス的な問題から安定器はその外周を上記曲管形バ
ルブによつて包囲される位置、つまりバルブの両
端部と曲成部との間に位置するようにして取付け
られる場合が多い。このような構造ではバルブと
安定器とがきわせて近接するために、このバルブ
が、点灯中に発熱する安定器からの輻射熱を受け
て昇温され、この結果バルブ中の水銀蒸気圧が最
適値よりも高くなつて紫外線強度ならびにけい光
体から放射される可視線強度が著しく低下し、点
灯効率が低下する虞れがある。

本発明はこのような事情にもとづいてなされた
もので、その目的とするところは、曲成形バルブ
に安定器からの輻射熱が作用するのを防止でき、
ランプ点灯中におけるバルブ内の水銀蒸気圧を最
適値に保ち、光束維持率等のランプ特性の向上を
図れるけい光ランプ装置を提供しようとするもの
である。

以下本発明を図面に示す一実施例にもとづいて
説明する。

図中１はシヤーシであつて、これは例えば耐熱
性合成樹脂材料から成形してある。このシヤーシ
１は一端に筒状部２を備え、この筒状部２の先端
側外周面には口金取付用のねじ部３を設けてあ
る。そして筒状部２周面の互に対向する２個所に
は、その軸方向に沿う装着溝４，４を形成してあ
り、これら装着溝４，４の一端は筒状部２の先端
開口縁に開口している。このような筒状部２には
ベース５を取付けてある。このベース５は略椀状
をなし、その一端開口縁の互に対向する２個所に
は、上記装着溝４，４内に一端開口を介して挿脱
可能に嵌合する支持突起６，６を突設してある。
したがつてベース５を筒状部２に取付けるには、
支持突起６，６を装着溝４，４内に嵌合させると
ともに、ねじ部３に例えば白熱電球用のE26型の
如き口金７を螺装し、この口金７の開口縁部をベ
ース５の一端開口側周面に係着させ、上記支持突
起６，６を装着溝４，４の終端に押接させること
によつて固定するようになつている。またこのベ
ース５の他端開口縁には、一部に開口８を有して
略球状をなしたグローブ９を被冠してある。この
グローブ９は好ましい例としてポリカーボネート
樹脂を使用し、この樹脂中に光拡散材料を混入さ
せることによつて光拡散性の白色に着色したもの
である。そしてグローブ９の開口縁の複数個所に
は、係止爪部１０……を設けてあり、このグロー
ブ９は上記係止爪部１０……を、ベース５の他端
開口縁の複数個所に設けた係止突起１１……に係
止させることによつて着脱可能に固定してある。

一方、上記筒状部２の基端縁の互に対向する２
個所には、グローブ９側に進むに従つて互に拡開
するように傾斜して突出するアーム部１２，１２
を設けてあり、これらアーム部１２，１２の先端
部間には取付体１３を一体成形してある。この取
付体１３は略長方形板状をなし、そのアーム部１
２，１２間に位置する中央部には透孔１４を形成
してある。そして取付体１３のグローブ側の面に
は、透孔１４を挾んで離間対向するようにして略
コ字状をなした嵌合壁部１５，１５を突設してあ
る。これら嵌合壁部１５，１５間には安定器１６
を圧入して取り付けてあり、この安定器１６はベ
ース５側の両端部が上記嵌合壁部１５，１５によ
り狭持固定されている。なお、安定器１６の支持
強度を補強するため接着剤を併用してもよい。そ
して安定器１６はリード線１７ａ，１７ｂが導出
するベース５側を向くように取付けられており、
他の部分はグローブ９内に臨在されている。な
お、嵌合壁部１５，１５の突出高さＬは、安定器
１６の高さｌの略25％程度に設定してある。また
上記アーム部１２，１２の対向面には夫々リブ１
８，１８を突設してあり、これらリブ１８，１８
は、その一端が上記安定器１６のベース５側の面
に当接してこれを保持するとともに、アーム部１
２，１２の補強をも兼ねている。

しかして、このような取付体１３には、安定器
１６の周囲を包囲するようにして曲管形のけい光
ランプ１９を取付けてある。そしてこの曲管形け
い光ランプ１９のバルブ２０は以下のようにして
曲成してある。すなわち、直管形のガラスバルブ
をその中央で略Ｕ字状に曲成させて曲成部２１を
形成するとともに、その両端部を上記Ｕ字形を含
む平面と略直交する方向に略Ｕ字状に彎曲させ、
全体として概略鞍形状に成形したものである。こ
のような曲管形バルブ２０はその両端部ならびに
曲成部２１を取付体１３に向けて装着されるもの
であり、この実施例では上記両端部および曲成部
２１が夫々支持されている。この支持構造につい
て説明すれば、上記取付体１３には嵌合壁部１
５，１５の対向方向と直交する方向に離間して、
曲成部２１を支持する係止腕２２および両端部を
支持する支持片２３とを一体に設けてある。係止
腕２２は、上記透孔１４の一周縁から筒状部２側
に向つて延出された延出板２４に一体に設けてあ
り、略Ｌ字状をなしている。そしてこの係止腕２
２はその内面と上記延出板２４との間で、曲成部
２１の周面を着脱可能に挾持するようになつてい
る。また上記支持片２３は、取付体１３のグロー
ブ９側の面よりも筒状部２側に段差を有してフラ
ンジ状に延出されている。さらにこの支持片２３
の両端部は夫々同一平面内で円弧状に一体に延出
された延出部２５，２５をなし、これら延出部２
５，２５上にバルブ２０の両端部が当接して位置
されるようになつている。したがつて、取付体１
３に曲管形バルブ２０を装着した状態にあつて
は、安定器１６の両側に曲成部２１および両端部
が近接して位置するようになつている。そして、
上記取付体１３には安定器１６とバルブ２０の両
端部および曲成部２１との間に位置するようにし
て遮熱壁部２６ａ，２６ｂを一体に設けてある。
すなわち、一方の遮熱壁部２６ａは上記延出板２
４の上縁をグローブ９側に延出させてなるととも
に、他方の遮熱壁部２６ｂは、延出板２４に正対
する透孔１４の周縁を、グローブ９側にプレート
状に延出させて構成してあり、これら遮熱壁部２
６ａ，２６ｂによつて安定器１６からの輻射熱が
曲成部２１および両端部に作用するのが防止され
ている。

また、上記支持片２３には、遮熱壁部２６ｂの
外側であり、かつ曲管形バルブ２０の両端部間に
位置するようにして装着孔２７を形成してある。
この装着孔２７のグローブ９側周縁の互に対向す
る２個所は、グローブ９方向に断面円弧状に突出
する支持壁部２８をなしており、これら装着孔２
７および支持壁部２８内には始動器としての点灯
管２９を嵌挿してある。そしてこの点灯管２９は
支持壁部２８によつて移動不能に挾持されるとと
もに、導電線３０ａ，３０ｂが導出する側の端部
が装着孔２７内に臨在されている。この点灯管２
９の導電線３０ａ，３０ｂはコンデンサ３１に並
列に接続してあるとともに、バルブ２０の両端部
の電極フイラメント３２，３２から夫々導出され
た一方の外部導線３３ａおよび３４ａに接続して
ある。そして電極フイラメント３２，３２から導
出された他方の外部導線３３ｂおよび３４ｂは、
夫々口金７の開口縁部および安定器１６の一方の
リード線１７ａに接続してある。この場合、リー
ド線１７ａと接続される外部導線３４ｂは、上記
支持片２３に突設した突部３５，３５のうちの一
方の周面に１ターン程度巻回したのち、例えば１
ターンループ状に巻回してループ部３６を形成す
ることによつて、リード線１７ａと接続される端
部が、このリード線１７ａから離反する方向にテ
ンシヨンをかけてある。そしてこの実施例ではリ
ード線１７ａと外部導線３４ｂとの半田付けに、
共晶点が略180゜前後である銀−鉛合金を使用し
ている。また安定器１６の他方のリード線１７ｂ
は、口金７のアイレツト端子に接続してある。

なお、上記曲管形バルブ２０の内面にはけい光
体被膜を被着してあるとともに、内部には所定量
の水銀と不活性ガスとを封入してある。

このような構成によれば、安定器１６とバルブ
２０の両端部および曲成部２１との間に遮熱壁部
２６ａ，２６ｂを介在させてあるので、ランプ点
灯中における安定器１６からの輻射熱が曲成部２
１や両端部に直接作用するのを防止できる。そし
て、曲成部２１は点灯中発熱するバルブ２０の両
端部から離間しているとともに、特に口金７を下
向きにして点灯した場合、バルブ２０の両端の電
極および安定器１６からの発生した熱は、グロー
ブ９内の対流作用によりグローブ９の頂部側に移
動するため、曲成部２１の管壁温度は比較的低温
に保たれる。したがつて、上記遮熱壁部２６ａが
安定器１６からの輻射熱を遮熱することと相まつ
て曲成部２１に対する熱影響が少なくなり、この
曲成部２１は最冷部として機能することになる。
よつてけい光ランプ１９の管内蒸気圧は上記最冷
部の影響を受けて略最適値に保たれ、ランプの点
灯効率を良好に維持することができる。

加えて上記構成によれば、シヤーシ１がけい光
ランプ１９や点灯管２９を始めとして重量が大で
ある安定器１６を支持しているので、外方に露出
するベース５に上記安定器１６等の荷重が加わら
ずに済む。このためベース５が否むこともなく、
外観が向上するとともに、グローブ９との連結を
長期に亘つて安定して行なえる。しかもベース５
には大きな機械的強度が要求されないので、その
構成材料として合成樹脂等の軽量材を使用するこ
とができ、装置全体の軽量化に寄与する。

また安定器１６の固定に際しては、そのベース
５側の両端部を嵌合壁部１５，１５によつてコ字
形に包囲するようにし、かつ嵌合壁部１５，１５
の突出高さＬを安定器１６の高さｌの略25％程度
に設定してあるので、安定器１６の放熱効果を高
めつつ安定器１６の振動を抑えることができる。
なお、嵌合壁部１５，１５の突出高さＬの範囲は
振動対策や熱的問題を考慮して設定したものであ
り、安定器１６の高さｌの略25％程度において好
結果が得られた。

そしてまた、点灯管２９をバルブ２０の両端部
間に配置してあるので、点灯管２９の導電線３０
ａ，３０ｂおよび外部導壁３３ａ，３４ａの配線
距離が短かて済み、配線が煩雑化するのを防止で
きるばかりでなく、導線材料を削減できコストの
低減を図れる。それとともに本発明に係るけい光
ランプ装置は、口金７を上向きにしての垂直点灯
が他の点灯方向に比べて一般的であり、このため
バルブ２０や安定器１６からの輻射熱がベース５
内に蓄熱され、このベース５内が高温雰囲気状態
になり易いものである。この場合、点灯管２９が
ベース５側に位置していると、その可動極と固定
極とが周囲温度に影響されて溶着状態、すなわち
接点溶着を起し点灯管２９の機能が損なわれる虞
れがある。しかるにこの実施例では、点灯管２９
をグローブ９側に配置してあるので、点灯管２９
の周囲温度が接点溶着を発生するまでには至ら
ず、点灯管２９と安定器１６との間には遮熱壁部
２６ｂが位置しているので、安定器１６の熱が点
灯管２９に作用することも防止でき、したがつて
点灯管２９の接点不良を確実に防止できる。さら
に点灯管２９がグローブ９側に位置しているのに
伴い、この点灯管２９の始動をグローブ９を通し
て容易に視認できる。

そしてまた、例えば安定器１６のシヨートや点
灯管２９の短絡等により電流の急激な上昇が生じ
た場合、安定器１６の温度が異常に上昇し、シヤ
ーシ１等の変形を招く虞れがあるが、この実施例
では安定器１６のリード線１７ａに接続される外
部導壁３４ｂに、ループ部３６を形成しその接続
端部がリード線１７ａから離れる方向にテンシヨ
ンを付与してあるので、安定器１６の異常な発熱
に伴いリード線１７ａと外部導線３４ｂとの接続
部分の半田が溶融し始めると、外部導線３４ｂは
弾発的にリード線１７ａから外れ、回路が遮断さ
れる。したがつて、構造が簡単で確実に動作する
温度保障機能を得ることができ、安定器１６の許
容限度以上の発熱を未然に阻止することが可能と
なる。

なお、本発明は上記実施例に制約されない。例
えば口金の取付構造は実施例に示されるようなね
じ込み形に限らず、筒状部に接着剤を介して固定
したりポンチングする等種々の既成手段が適用で
きる。

また上記実施例では外部導線にテンシヨンを与
えるためにループ部を形成したが、例えば外部導
線の一部を弓形状に彎曲させたり、あるいはこの
外部導線の先端に薄板状の金属板を半田付けする
とともに、この金属板を弓形状に曲成し、金属板
にテンシヨンを与えるようにしてもよい。

さらにグローブの材質も実施例に限らず例えば
アクリル樹脂でも良いとともに、グローブとベー
スとの取付構造も実施例に特定されない。

されにまた上記実施例では、バルブ２０がシヤ
ーシ１から脱落しないように曲成部２１を係止腕
２２に支持させ、このバルブ２０の両端部はシヤ
ーシ１の延出部２５，２５に当接して位置決め支
持するように構成したが、曲成部２１のみをシヤ
ーシ１から脱落しないように支持しなくてもよ
く、またはバルブ２０の両端部のみをシヤーシ１
から脱落しないように支持するように構成しても
よい。

上述の記載から明らかなように、曲管形バルブ
２０の支持構造は、曲成部および両端部の少なく
とも一部分を、シヤーシ１に設けたバルブ支持部
で支持することによりバルブがシヤーシ１から脱
落しないように構成されていなければならない。

上述の如く本発明は、シヤーシに口金とこのシ
ヤーシ外周を覆うベースとを取付けるとともに、
このシヤーシに、両端に電極を設けた管形バルブ
をその中央で略Ｕ字状に曲成させて曲成部を形成
しかつその両端部を上記Ｕ字形を含む平面と略直
交する方向に略Ｕ字状に弯曲させてなる曲管形バ
ルブを取付けるとともに、安定器を固定し、この
曲管形バルブの周囲を上記ベースに被冠されたグ
ローブによつて覆うようにしたけい光ランプ装置
において、上記シヤーシにバルブ支持部を形成
し、このバルブ支持部に上記曲管形バルブの曲成
部および両端部の少なくとも一部分を上記シヤー
シから上記曲管形バルブが脱落しないように支持
するとともに、このシヤーシに上記曲管形バルブ
の両端部および曲成部によつて囲まれる部分に位
置して安定器嵌合壁部を設け、この安定器嵌合壁
部に安定器を嵌合支持し、かつ上記シヤーシには
上記嵌合壁部に支持された安定器と、上記曲管形
バルブの両端部および曲成部との間に位置して遮
熱壁部を突設したことを特徴とする。

このような構成によれば、ランプ点灯管におけ
る安定器の輻射熱が上記バルブの曲成部や両端部
に作用するのを防止でき、特にこの曲成部は点灯
中発熱するバルブの両端から熱的に離間されるた
め、この曲成部の管壁温度は比較的低温に保た
れ、最冷部として機能することになる。したがつ
て、バルブと安定器とが近接するのも拘らず、管
内の水銀蒸気圧を略最適値に保つことができ、点
灯効率を良好に維持することができる。

また上記構成によると、シヤーシがバルブや安
定器を支持するので、ベースには大きな荷重が加
わらずに済み、このためベースが歪むこともない
とともに、大きな機械的強度も要求されないの
で、その構成材料として軽量な合成樹脂を採用す
ることもでき、材料選択の自由度が増す度の利点
がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は断面
図、第２図は第１図中−線に沿う断面図、第
３図は口金側から見た断面図、第４図はシヤーシ
の斜視図、第５図は点灯回路図である。 １……シヤーシ、５……ベース、７……口金、
９……グローブ、１５……嵌合壁部、１６……安
定器、２０……曲管形バルブ、２１……曲成部、
２２，２３……バルブ支持部（係止腕、支持
片）、２６ａ，２６ｂ……遮熱壁部、２８……支
持壁部、３２……電極（電極フイラメント）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シヤーシに口金とこのシヤーシ外周を覆うベ
   ースとを取付けるとともに、このシヤーシに、両
   端に電極を設けた管形バルブをその中央で略Ｕ字
   状に曲成させて曲成部を形成しかつその両端部を
   上記Ｕ字形を含む平面と略直交する方向に略Ｕ字
   状に弯曲させてなる曲管形バルブを取付けるとと
   もに、安定器を固定し、この曲管形バルブの周囲
   を上記ベースに被冠されたグローブによつて覆う
   ようにしたけい光ランプ装置において、上記シヤ
   ーシにバルブ支持部を形成し、このバルブ支持部
   に上記曲管形バルブの曲成部および両端部の少な
   くとも一部分を上記シヤーシから上記曲管形バル
   ブが脱落しないように支持するとともに、このシ
   ヤーシに上記曲管形バルブの両端部および曲成部
   によつて囲まれる部分に位置して安定器嵌合壁部
   を設け、この安定器嵌合壁部に安定器を嵌合支持
   し、かつ上記シヤーシには上記嵌合壁部に支持さ
   れた安定器と、上記曲管形バルブの両端部および
   曲成部との間に位置して遮熱壁部を突設したこと
   を特徴とするけい光ランプ装置。 ２ 上記曲管形バルブの両端部は上記バルブ支持
   部に支持されており、このバルブ支持部には、曲
   管形バルブの両端部間に位置して点灯管を嵌入支
   持するための支持壁部を設けたことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載のけい光ランプ装置。