JPS6224719B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプラント内で微粉状原料を燃焼する方
法および装置に関するものであつて、本装置には
多列サイクロン予熱器と、キルンと、燃焼後の原
料を空気によつて冷却する冷却ユニツトであつて
その空気が後になつてキルンを通り予熱器のキル
ン列を上方に通過させられる流れとか焼器を通り
予熱器のか焼器列を上方に通過させられる流れと
の２つの流れに分割されるようになつている冷却
ユニツトとが含まれている。

便宜上本明細書に使用した「微粉状」という用
語はアルカリ類のみならずまた塩素および硫黄も
含むものと理解されたい。

予熱器を、キルンからの廃ガスの形態の予熱空
気を受け入れる１列と、か焼器を通る予熱ガスを
受け入れる第２の列とで構成すると、処理されて
いる原料中のほこりまたは被覆の形態の不純物が
予熱器のサイクロン段に集積し、従つて臨界温度
範囲では、サイクロンと立ち管とを閉塞しがちで
特にキルン内で放出された揮発性不純物のために
か焼器列におけるよりも不純物の濃度が一層重要
であるキルン列を閉塞しがちである。

閉塞が生じる原因は原料の温度がサイクロンと
キルンとを通過する際に上昇すると、アルカリ、
硫黄、および塩素化物の混合物が蒸発してキルン
ガスと共にサイクロン内を上方に原料と逆流関係
にして吸引されることと、また低い温度になると
揮発性不純物が予熱器内の冷たい表面上か通過す
る原料の粒子上で凝縮して固化しがちであるとい
う事実に基づいている。

凝縮段階において、不純物は原料の一部分をそ
れに付着させ非常に敏速に完全な閉塞を起す。

集積する不純物の含有量を減少するためキルン
ガスの一部分を予熱器をバイパスさせて沈降器に
指向させることが知られている。しかしながら、
経済的運転の要求を満たすためにはプラントをで
きるだけバイパス量を少なくして運転する必要が
あるので、その結果予熱器を閉塞するという非常
な危険がなお存在する。

サイクロン内の不純物による問題を克服する最
も容易であるが極めて高価な方法は、キルンガス
のすべてを廃棄して、燃焼後の原料を冷却して熱
交換により暖たかくなつた冷却空気（以下冷却済
みの冷却空気という）のみを使用してサイクロン
予熱器を下向きに通過する原料を予熱することで
ある。

従つて、本発明の目的は、サイクロンと立ち管
との内部における不純物の濃度を減少し、その結
果として閉塞の恐れを少くすることである。

この目的のため本発明によれば、キルン９に接
続されたキルン列１Ｋ〜４Ｋとか焼器列１Ｃ〜４
Ｃとを含む多列サイクロン予熱器と、か焼器列１
Ｃ〜４Ｃの底部サイクロン４Ｃにまで延びた立ち
管に連結されたか焼器７と、キルン９と、燃焼さ
れた微紛状原料を空気によつて冷却する冷却ユニ
ツト８とからなり、冷却済みの該空気は続いてキ
ルン９を通り予熱器のキルン列１Ｋ〜４Ｋを上方
に通過させられる流れとか焼器７を通り予熱器の
か焼器列１Ｃ〜４Ｃを上方に通過させられる流れ
との２つの流れに分割されるようになつている微
粉状原料を燃焼する装置であつて、該装置は更
に、 か焼器列の下から２番目のサイクロン３Ｃから
の原料をキルン９からキルン列の底部サイクロン
４Ｋにまで延びている立ち管に送る手段と、 キルン列の底部サイクロン４Ｋからの原料か焼
器７に送る手段と、 か焼器列の底部サイクロン４Ｃからの原料をキ
ルン９に送る手段とを備えて成る。

装置が本発明の新規な方法により運転されると
もともと不純物含有量の少ない原料がか焼器列か
らキルン列の底部サイクロンに延びる立ち管に送
られて該キルン列の底部サイクロンに連続的に送
給される。これにより該キルン列の底部サイクロ
ンでは、か焼器列からの原料はもともと不純物で
飽和されていないので、きわめて有効にキルンの
廃ガスから不純物を取上げることができ、これに
より従来例の場合には増大する傾向にあるキルン
列における不純物の集積量を大巾に減少せしめ、
キルン列の閉塞を防止し運転性を向上しうる。

理想的には、か焼器列とキルン列とからの予熱
された原料の全部がキルン列の底部サイクロンに
即ち実際にはキルンからこの底部サイクロンにま
で延びている立ち管に送給される。その理由はこ
のようにすると原料に接触することによりキルン
の廃ガスの温度を最大限に低下させ、その結果原
料の粒子上にアルカリ蒸気を沈降させるのに有効
であるからである。しかしながら、もし立ち管を
昇るキルンの廃ガスの流れが原料の総量を搬送す
るのに不十分であると、原料の一部分をキルン列
の底部のサイクロンを通過させずにか焼器に通す
必要のある場合がある。その場合には、キルン列
の下から２番目のサイクロンからの原料の一部分
か全部をキルン列の底部のサイクロンをバイパス
させて直接か焼器に送ることが好ましい。このよ
うにするとキルン列からの同量の原料の代りにキ
ルン列の底部サイクロンに供給できるか焼器列か
らの不純物の少ない原料の量が多ければ多い程、
この個所において原料によりキルンの排気ガスか
ら抽出される不純物の量が多くなるので有利であ
る。２つの予熱器列をこのように交差連結すると
か焼器列における不純物の含有量が増大する結果
になることは明らかであるが、不純物の濃度がキ
ルン列の含有量を超えることは決してなく、これ
ら列間の総体的不純物の平衡が一層大にできる。

原料の流れを交差連結させることにより得られ
るもう１つの利点は、現在許容されているよりも
不純度の高い原料と硫黄含有量の多い安価な燃料
油を使用できるということである。

予熱器列における原料の流れがこれら予熱器列
を通過する空気量の相対質量比に等しい相対質量
比を有するようにすると有利で、この質量比はか
焼器列を通過する冷却済みの冷却空気のほぼ2/3
でキルン列を通過する冷却済みの冷却空気の約1/
３である。キルンを通過する空気流のうち第１の
部分はキルン列に直接送ることができ、冷却済み
の冷却空気の約15％に相等する第２の部分は予熱
器をバイパスして大気に直接向けられるようにす
るか、あるいは空気流から不純物を含むダストを
沈降させる沈降器に向けるか、あるいはこの第２
部分に含まれた熱が有用に熱交換されるミルまた
はその他の装置に向けることができる。

本発明の原理に基き作用しかつ製作された装置
の２つの例と、比較のための従来技術の１つの装
置とが添付図面に示してある。

第１図にはキルン列の４つのサイクロン段１Ｋ
から４Ｋと、か焼器列の４つのサイクロン段１Ｃ
から４Ｃとを備えた従来技術の予か焼装置が示し
てあり、この装置では処理される原料はそれぞれ
符号５Ｋ，５Ｃで示した個所で立ち管６Ｋ，６Ｃ
にそれぞれ供給され、次いでそれぞれ第２段のサ
イクロン２Ｋ，２Ｃからそれぞれ第１のすなわち
最上部のサイクロン１Ｋ，１Ｃに流れる予熱空気
に懸濁される。第１のサイクロンにおいて原料は
ガスから分離され、第３のサイクロンと第２のサ
イクロンを接続する立ち管に送給され、その後こ
の分離と懸濁との工程が繰り返される。

サイクロン３Ｃと４Ｋから、予熱された原料が
サイクロン４Ｃにまで延びた立ち管中のか焼器７
に送給され、このか焼器においてか焼が行われ
る。

その後、か焼された原料は冷却器８からの予熱
空気に運ばれて分離用サイクロン４Ｃに送られ、
キルン９に送給される以前に空気から分離され
る。

第２図に示した装置について説明すると、原料
は第１図に示した装置におけるとほぼ同様に予熱
および予か焼されるが、サイクロン３Ｋにおいて
予熱された原料のすべてがか焼器７に送給され、
サイクロン３Ｃで予熱された同量の原料がキルン
９をサイクロン４Ｋに接続する立ち管に送給され
ることが明らかである。

１例では、冷却済みの冷却空気の70％がか焼器
列を通過せしめられ残りの30％がキルンで二次燃
焼空気として使用される。キルン９からの廃ガス
の半分が予熱器を１０でバイパスして沈降器、洗
浄器、ミル等を通過して他の半分の廃ガスがキル
ン列を直接上昇する。

キルン列に送給される原料とか焼器列に送給さ
れる原料との間の質量比は15対70であり、キルン
列における塩化物の集積量の減少率は、他の条件
を同じとすると第２図の装置では第１図の装置の
場合の約25％である。

従来技術の装置では不可避であつたか焼器列に
おける塩化物の集積量は本発明の装置では殆んど
無視しうる程度である。前記した例では塩化物の
集積量は１ないし２％になる。

第３図には本発明の変形例の装置が示してあ
り、この装置では、キルン列の底部サイクロン４
Ｋに延びている立ち管１３Ｋを上昇するキルンの
廃ガスは両方の予熱器列からの原料のすべてを搬
送するに十分である。従つて、か焼器列内の原料
は下から２番目のサイクロン３Ｃからパイプ１１
Ｃを通過して、下から２番目のサイクロン3Kを
去りパイプ１２Ｋを通るキルン列からの原料に合
体してから立ち管１３Ｋ中に排出される。原料は
搬送されてキルン列の底部サイクロン４Ｋが形成
する分離器に運ばれ、この分離器からか焼器７に
向かう。原料はこのか焼器で少くとも部分的にか
焼された後、か焼器列の底部サイクロン４Ｃが形
成する分離器で分離された後にキルン９に送給さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術の２列４サイクロン段予か焼
装置を示す線図、第２図と第３図とは本発明の原
理に従い運転するようにした装置の線図である。 ３Ｃ……下から２番目のサイクロン、４Ｃ……
底部サイクロン、７……か焼器、８……冷却器、
９……キルン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ キルン９に接続されたキルン列１Ｋ〜４Ｋと
   か焼器列１Ｃ〜４Ｃとを含む多列サイクロン予熱
   器と、か焼器列１Ｃ〜４Ｃの底部サイクロン４Ｃ
   にまで延びた立ち管に連結されたか焼器７と、キ
   ルン９と、燃焼された微紛状原料を空気によつて
   冷却する冷却ユニツト８とからなり、冷却済みの
   該空気は続いてキルン９を通り予熱器のキルン列
   １Ｋ〜４Ｋを上方に通過させられる流れとか焼器
   ７を通り予熱器のか焼器列１Ｃ〜４Ｃを上方に通
   過させられる流れとの２つの流れに分割されるよ
   うになつている微粉状原料を燃焼する装置であつ
   て、該装置は更に、 か焼器列の下から２番目のサイクロン３Ｃから
   の原料をキルン９からキルン列の底部サイクロン
   ４Ｋにまで延びている立ち管に送る手段と、 キルン列の底部サイクロン４Ｋからの原料をか
   焼器７に送る手段と、 か焼器列の底部サイクロン４Ｃからの原料をキ
   ルン９に送る手段とを備えて成ることを特徴とす
   る装置。 ２ キルン列の下から２番目のサイクロン３Ｋか
   らの原料の流れの少くとも一部分をか焼器７に向
   ける特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ キルン列の下から２番目のサイクロン３Ｋか
   らの原料の流れのすべてをか焼器７に向ける特許
   請求の範囲第２項に記載の装置。 ４ 予熱器列１Ｃ〜４Ｃ、１Ｋ〜４Ｋにおける原
   料の流れがこれら予熱器列を通る空気流とほぼ同
   じ相対質量比を有している前記特許請求の範囲各
   項の何れか１つに記載の装置。 ５ 冷却済みの冷却空気のほぼ1/3をキルン９に
   通過させる前記特許請求の範囲各項の何れか１つ
   に記載の装置。 ６ キルンを通過した空気流の第１の部分がキル
   ン列１Ｋ〜４Ｋに直接向かい第２の部分が予熱器
   １Ｃ〜４Ｃ、１Ｋ〜４Ｋをバイパスする前記特許
   請求の範囲各項の何れか１つに記載の装置。 ７ 空気流の第２の部分が、それに含まれた熱が
   熱交換により有用に使用されるミルまたはその他
   の装置を通過する特許請求の範囲第６項に記載の
   装置。 ８ 第２の空気流の部分が冷却済みの冷却空気の
   ほぼ15％を占めている特許請求の範囲第６項また
   は第７項に記載の装置。