JPS6224097B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は外科用器具一般に関するものである。
さらに詳細には縫合用クリツプを使用する型のカ
ートリツジ装填縫合器具に関するものである。

さらになお詳細には縫合器具および、縫合用ク
リツプが自動的にその使用位置へ進められる問題
とされている型のカートリツジに関するものであ
る。

外科手術においてある型の縫合は、依然として
手で行われており、そこで多分今後も常に手で行
われるであろう。

しかしながら、皮膚縫合や止血縫合などの型の
縫合は、皮膚の中に打込まれ、或は止血クリツプ
の場合、それによつて血流を止めるため血管のま
わりにきつく締縮されるステーブル状の金属クリ
ツプの助けをかりて行われる。

本発明は理解しやすくなるために、止血縫合に
適用される器具として記述しているが、外科縫合
の分野において、より一般的に適用可能性がある
ことを理解すべきである。また、ここで使用され
る“縫合”なる用語は、最も広い意味を有するも
のとして、即ち縫合用クリツプが使用される止
血、皮膚ならびに他の型の縫合を包含するものと
して意図されていることが理解されるべきであ
る。

先行技術においては、例えば別々にクリツプを
装填する止血鉗子を使用することが知られてい
る。これでは縫合手術の間に少くとも２個の鉗子
を使用することがさけられず、従つて外科医は止
血用クリツプを１個の鉗子で血管にあてがう間
に、後に立つている助手（看護婦）は１個のクリ
ツプを使用準備の第２の鉗子のジヨーの間に挿入
する。外科医は使用済みの鉗子を自分の肩越しに
再装填のために戻し、助手は新たに装填した鉗子
を外科医に手渡す。この交換は縫合手術が済むま
で続けられる。かゝる手順が余り効率的でないこ
とは自明である。他の仕事をすることができる筈
の助手（看護婦）を拘束し、そして特に緊急時に
重要なことであるが、外科医の仕事を遅らせるこ
とになる。

これまでにクリツプの半自動送りマガジンを装
填した止血用鉗子が提案されている。

この鉗子は各クリツプをセツトした後に次のク
リツプを操作位置に進めるための“コツキング”
（cocking）操作をする必要があるため、外科医
に受入れられていない。完全自動送りでないため
の明らかな不利な点を別にしても、コツキング操
作は煩らわしく、かつ外科医の手に負担をかけ、
外科医の安定と正確という見地から明らかに望ま
しくない。

箱などを閉じるために使用される器具として提
案されたステーブラー（綴じ器）技術は医療分野
では実施可能でないことが判つた。精密外科用器
具として縫合用器具は小型（正確に負傷部位への
接近の問題がある）、軽量（外科医を疲労させな
いため、および迅速な操作を可能にするため）、
かつ殺菌可能でなければならない。

既知のステーブラー技術はこれらの要求を充さ
ねばならない医療器具において成功裡に完成する
ことはできない。それ故先行技術からの思い切つ
た離脱が所期の目標に到達するために必要とされ
る。

従つて先行技術の不利点を克服することが本発
明の一つの目的である。

さらに詳細には、先行技術の不利点を有しない
改良された縫合器具を提供することが本発明の一
つの目的である。さらにより詳細には、先行技術
を改良しその欠点を回避するカートリツジ装填縫
合器具を提供することが本発明の一つの目的であ
る。

付随的な目的は、縫合のため外科用クリツプを
使用するかかる器具を提供することにある。

さらに他の目的は、比較的小型で軽量な上記の
型の外科用器具を提供することにある。

なお、他の目的は製作が廉価な外科用器具を提
供することにある。

さらに別の目的は簡単かつ使い捨てに充分な程
度に廉価に製作することのできる外科用器具およ
びカートリツジを提供することにある。

これらの目的ならびに以下の記載によつてさら
に明らかになるその他の目的と調和して、本発明
の一つの形は外科用器具、詳しくは止血器具にあ
る。略述すればそのような器具は開閉位置間で動
くことのできる協同する一対のジヨー（JaW）を
有する鉗子から成つている。主としてジヨーだけ
が精密工差を要求するので、製作コストを低減す
るために金属スタンピングとして製作することが
できる。しかしながら、鉗子を合成プラスチツク
材料にて製作すること、或は一部を金属（例えば
ジヨー）そして他の部分を合成プラスチツク材料
にて製作することも考えられる。

外科用器具はさらに鉗子のジヨーへ血管結さつ
クリツプのような外科用縫合クリツプを供給する
ための手段から成つている。該手段は一群のクリ
ツプを収容するに適したハウジングを有すカート
リツジから成り（“一群”という用語は互いに連
結されず、カートリツジ中に列をなして配置され
た複数のクリツプを指し、また連結されたクリツ
プの列を含むことを指している）。カートリツジ
中の一群のクリツプを鉗子のジヨーの方へ進め、
その結果それぞれの先頭のクリツプが、ジヨーの
開位置にある間に逐次挿入され、ジヨーが閉位置
に動くときに締縮されるための手段が設けられて
いる。さらに、ジヨーが閉位置に動く前に、それ
ぞれ先頭のクリツプ以外の一群のクリツプをジヨ
ーから離れた方向へ引込めるための手段が設けら
れている。

鉗子のジヨーは、鉗子の全体の平面より一側に
カーブしており、その結果、外科医に“見得る位
置”を提供する。即ち外科医がさらに容易に自分
の縫合手術をみることができるようになつてい
る。カートリツジは長い形で、クリツプを鉗子の
全体の平面と平行または実質的に平行となるよう
におき得るようにおかれる。

本発明において特長的であると考えられる新規
な特徴は前記した特許請求の範囲に記載されてい
る。そして本発明の構成及び操作方法並びに目
的、利点は添附図面と結びついた以下の特定の実
施態様から最もよく理解される。説明のために、
カートリツジにて供給されるクリツプをあてがう
ためのアプリケータが止血鉗子の形で第１〜３図
に示されている。鉗子１は通常一方のアーム２に
あるピボツトおよび他方のアーム４にある横スロ
ツト８によつて枢動可能に連結された２本のアー
ム２，４を有している。アーム４にはまた、横方
向の間隔を有する一対のカートリツジ保持・安定
用ストツパ９、およびカートリツジのピボツト５
４（第６図参照）を受入れるための孔２６が設け
られている。

アーム２，４には、それぞれ取手１０，１２が
ついており、それらは本実施例においては、ピボ
ツト１４，１４にてアーム２，４に枢着された
別々の素子から成つている。さらに両取手１０，
１２はスロツト・ピン連結１６により対応するア
ーム２，４に連結されている（一方は第１図に詳
しく示されており、他方は向側に位置してい
る）。スロツト・ピン連結８，１６はアームのカ
ーブしたジヨー（JaWs）２８（第２図）のアン
ビル３０を互いに近づける程度にアーム２，４が
互いに相対的に枢動させられた時に、から動き運
動を可能にする。このから動き運動の意義は説明
が進むにつれて明らかになるであろう。

取手１０，１２は互いにピボツト２０，２２，
２２間に枢着したリンンク機構１８によつて連結
されている。ねじりばね２４は両端部をピボツト
２２，２２に巻付けられており、従つてアーム
２，４を常に第１図に示す位置に離しておくよう
に付勢している。取手１０，１２も同様に開いた
位置に付勢されている。第２図はそれぞれのジヨ
ー２８およびアンビル３０が外科医によつて施術
されている負傷部位の見える範囲が鉗子の他の部
分のために不鮮明にされないように確保するため
に、鉗子１の全体の平面の一方にカーブしている
ことを示している。第３図はアンビル３０の向き
合つた面に外科用クリツプのための長手方向の溝
３２がついていることを示している。これらの溝
３２はカートリツジによつて供給されるクリツプ
のための端部ストツパ３４を形成して先端を閉じ
ている。

第４図は１個のクリツプ３６が示されており、
該クリツプは概ね平面視Ｕ字形であり、中間部４
０にて結合されている２本のアーム３８を有し、
且つ前記した端部ストツパ３４に寄りかゝること
に適合した自由端４２を有している。

第４図に示したものは単に例示としてであり、
従つて本発明のカートリツジにおいて使用に適し
たクリツプは第４図に示された形と多くの部分で
異なつても依然として有効である。

第１〜３図のアプリケータで使用するための代
表的なカートリツジの詳細を以下４〜１１図を参
照して説明する。

第５図は幾分略図的な側面図において組立てら
れた状態のカートリツジを示しており、カーブし
た前端部４６（カーブは鉗子のジヨー２８のカー
ブと平行である）、およびカートリツジの後端部
から外に延びるクリツプ引込装置の後部４８を図
示している。ピボツト５４は鉗子１の孔２６に挿
入されるものである。

カートリツジ４４の個々の素子は第６図に示さ
れており、該図は平面状かつ分解された形でカー
トリツジを示している。カートリツジ本体は符号
５０にて示されており、組立てられた状態では裏
蓋５２によつて蓋をされる。裏蓋５２の上には前
述のピボツトピン５４が設けられている（一体形
成かまたは適切な方法にて）。クリツプ引込装置
は符号５６にて示されており、該装置は特定の長
さの例えばばね鋼にて作られていて、その目的は
いずれ明らかになるであろう。クリツプ引込装置
５６の前部５７は幅狭になつており、その自由端
に例えば概ね三角形をしたヘツド５８を有してい
る。後部４８（第５図参照）には前記したリンク
１８の中央のピボツト２０に連結するための連結
手段５９（例えば孔、突起など）がついている。

カートリツジ本体５０は連結されない形の一群
のクリツプ３６を収容する。換言すればクリツプ
３６はばねの作用によつて前方へ（前端４６へ）
送られるように、カートリツジ本体５０のクリツ
プ用の軌道に連続的に、しかも別々に置かれる。
この目的のために一群の中の最後のクリツプ３６
の中間部４０を収容する形をしたノツチを前端に
有す細片状素子であるクリツプ従動部材６０が設
けられている。該従動部材６０の後端には尾片６
２がある。尾片６２は従動部材６０の一方の側へ
突出しており、かつ、クリツプ付勢ばね６８のか
ぎ状端部６６が係合するスロツト６４が設けられ
ている。従動部材６０の少くとも中央部分には、
従動部材を一層可撓性にし、かつ、従動部材がカ
ートリツジの前端部４６のカーブに応じられるよ
うにするために、横に延びている溝６１がついて
いる。

クリツプ付勢ばね６８は恒力コイルばねであり
（商標名“Neg−Ａ−Tor”なるものが市販されて
いる）、ばねの延びにかかわらず従動部材６０
（および従動部材６０を経て一群のクリツプ３
６）に一定の前進ばね力を加えている。

換言すれば、カートリツジ中に群全体が入つて
おり、ばねが最高に延びている時にクリツプ３６
に加えられる引張は、群中の他のクリツプが全部
押下げられ使用された後にカートリツジ中の最後
に残つているクリツプに加えられる引張と同じで
ある。

カートリツジ４４がアプリケータに取付けられ
た時の、カートリツジ本体５０の鉗子の方に向い
た側には、クリツプ引込装置５６が滑り動く凹軌
道７０が形成されている。カートリツジが組立て
られた状態では、この軌道７０は板５２によつて
蓋がされている。カートリツジの先端寄りで、軌
道７０は、引込装置の前部５７より稍幅広のスロ
ツト８０になつている。このスロツト８０は、カ
ートリツジ本体５０中を延び、本体５０の他の側
即ち鉗子１と反対の側に形成されているクリツプ
軌道７２（第７図）に開口している。

本体５０の引込装置軌道７０の側にくぼみ７６
が形成されており、軌道７０と同じ高さの開口端
を有する（第９図）。即ち、くぼみ７６は、軌道
７０の高さより下に位置している。本体５０に
は、また、一側に偏つて（第７図）、ばね６８の
延びた部分と従動装置６０の尾片６２とが通るた
めの軌道兼開口７８が形成されている。従動装置
自体は一群のクリツプの後からクリツプ軌道７２
を通り、そして、その尾片６２が、クリツプ軌道
７２に開口している軌道７８の中に延びている。

本体５０の前端近くでスロツト８０の前かつク
リツプ軌道７２の底面に、引込装置５６のヘツド
５８を収容する大きさのくぼみ８２が形成されて
おり、そのために、ヘツド５８は、くぼみ８２中
におかれた時に前述の底面と同じ高さ（または下
位）になり、その上を通り過ぎるクリツプ３６の
前進運動を妨げないようになつている。傾斜面８
１（第１１Ｂ図）が、スロツト８０の両側に形成
され、くぼみ８２からクリツプ軌道７２の底面の
高さまで昇つている。

カートリツジ４４の、詳しくは本体５０の前端
部４６は、第５図に示されたようにカーブしてい
る。この曲度は、鉗子のジヨー２８の曲度に付従
しており、そして、その目的は、前端部４６をジ
ヨー２８に適合させることにある。対応的に、引
込装置軌道７０とクリツプ軌道７２もカーブして
いる。しかしながら、引込装置５６の前部５７
は、引込装置軌道７０、クリツプ軌道７２の前部
よりも強くカーブしている。引込装置５６の前部
５７は、スロツト８０を通つて軌道７０から軌道
７２（即ち、第１０図に示すように本体５０の一
側から他側）へ延びる。前部５７の反ぱつ性（引
込装置はばね鋼などで形成されている）は、軌道
７０から軌道７２へのこのたわみと逆になつてい
る。そのため、ヘツド５８は、常にクリツプ軌道
７２の底面と接触するように付勢されている。従
つて、ヘツド５８は、引込装置が十分に前進した
時、即ちヘツド５８がくぼみ８２と合つた時に、
くぼみ８２にばちりと入り込む。この位置では、
ヘツド５８は、クリツプ軌道７２中を進むクリツ
プの通路の下に位置し、従つてクリツプの妨害を
しない。しかし乍ら、引込装置が後方へ動かされ
た時には、ヘツド５８は、傾斜面８１を滑り上昇
しクリツプ軌道７２に入る。即ち、ヘツド５８
は、クリツプ３６の通路に位置するようになる。
更に詳細には、ヘツド５８は、先頭のクリツプの
直後にある上流のクリツプ３６ａの両足３８の間
の空間へ入り（第１１Ａ図）、そして、ヘツド５
８は、引込装置５６が更に引込まれると、この上
流クリツプ３６ａの中間部４０の内側に係合し、
クリツプ３６ａ（および、その結果として、その
後の他のクリツプ全部）をカートリツジの前端か
ら引込む。その目的は、閉じつつあるジヨー２８
のアンビル３０の間から、クリツプ３６ａを引出
して（第１１Ｂ図）、ジヨー２８のアンビル３０
が、第１１Ｃ図で示す如く先頭のクリツプ３６を
その間で締められるようにすることである（例え
ば血管のまわりで締めて血管を閉じる）。ジヨー
２８のアンビル３０が再び開くと、引込装置５６
は前方へ滑り、ヘツド５８はくぼみ８２へばちり
と戻り、そして今度は次のクリツプ（即ち３６
ａ）がジヨー２８のアンビル３０の間へ入ること
ができる。

本装置の操作は、前述したところから理解され
るであろう。

カートリツジ４４は、その前端４７をアンビル
３０のノツチ３１へ挿入し、ピボツト５４をを孔
２６へ挿入し、そして連結手段５９をリンク１８
の中央ピボツト２０と連結することによつて、鉗
子１に取付けられる。取手１０，１２が互に締め
られると、リンク１８はそれぞれが中心ピボツト
２０および端部ピボツト２２，２２のまわりで枢
動する。中心ピボツト２０は端部ピボツト２２，
２２を結ぶ線より後方に位置しているため、端部
ピボツト２２，２２を互に接近させることは、中
心ピボツト２０を更にこの線より後方へ押しやる
効果をもつ。クリツプ引込装置５６は、中心ピボ
ツト２０に連結されているから、このように中心
ピボツト２０を後方へ押しやることは、クリツプ
引込装置５６を後方へ滑らせることになり、その
ため、ヘツド５８は、１１Ａ図の位置から１１Ｃ
図の位置へ移動する。カートリツジは、新たに取
つけられたばかりであるから、この時点ではクリ
ツプはアンビル３０，３０の間には、位置してお
らず、そのため、一群のクリツプの引込だけがカ
ートリツジ中で生じる。

取手１０，１２への圧力が緩められると、取手
１０，１２は、ばね２４によつて第１図の位置に
離される。そうすると、中心ピボツト２０は前方
へ移動し、一群のクリツプを経てヘツド５８に圧
力を加えることによつて、ばね６８がクリツプ引
込装置５６を前方位置へ滑らせるのを援けること
を可能にする。ヘツド５８は、くぼみ８２に達す
ると、ばちつとその中に入り、ヘツド５８がそれ
までクリツプの両足３８の自由端４２が端部スト
ツパ３４で静止するまでアンビル３０の溝３２へ
進めるために保持していた先頭のクリツプ３６を
解枚する。この運動間に、次に続くクリツプ（例
えばクリツプ３６ａ）は、その両足の部分がアン
ビル３０，３０の間にあるように前進しており、
もしその位置に留めておくと、装置の本来の操作
を妨げるであろう。しかし乍ら、先頭のクリツプ
３６を例えば血管のまわりにつけるために、使用
者は、クリツプをアンビル３０，３０の間で押し
つぶす（締める）ように再び取手１０，１２を締
めなければならない。そうすることによつて、使
用者は、先頭のクリツプ３６の後に位置している
全部のクリツプ３６ａ等の引込を自動的に行ない
（第１１Ｂ図）、従つて、装置は所期の通り作動す
ることができる（第１１Ｃ図）。取手１０，１２
を連続的に締めたり緩めたりすることにより、各
締めつけの間で取手への圧力が緩められるので次
に続くクリツプをアンビル３０，３０の間に準備
して、他のクリツプを傷口へあてがうであろう。
これはカートリツジ４４が空になるまで続く。

若しも、最後のクリツプが使用された後で、空
になつたアンビル３０，３０が直接に、例えば血
管を圧することになると、アンビルは血管に重大
な損傷を与えるであろう。本発明は、最後のクリ
ツプが使用された後に、従動装置の前端部６０ａ
がアンビル３０，３０の溝３２に入る長さに従動
装置６０をつくることによつて、その可能性を回
避している。換言すれば、最後のクリツプが使用
された後に、ばね６８がその静止位置に戻ると前
端部６０ａを溝３２の中へ押しやる。これはアン
ビル３０，３０が直接、即ちクリツプの介装なし
に、血管のまわりで閉じられることを防止する。
そして同時に、それ以上取手を締めることができ
ない外科医に対して、カートリツジが空になつて
いることを知らせる。

カートリツジ４４はノツチ３１とピボツト２０
とで鉗子１に保持される。従つて、カートリツジ
４４は、限られた範囲で、鉗子の全体的な平面に
平行に鉗子に対して移動することができる。その
ような移動の度合は、カートリツジが位置してい
るストツパ孔９によつて制限されている。前端４
７は、第１１Ａ図〜第１１Ｃ図の比較が示すよう
に、鉗子の使用中、アンビル３０，３０に対し
て、自己調整が可能である。

取手１０，１２がアーム２，４に取付けられて
いる方式によつて与えられる空動の目的は、取手
１０，１２の最初の締めの間、ジヨー２８，２８
およびアンビル３０，３０が互に動き始める前
に、引込装置５６およびクリツプ３６の引込を起
すことである。これは、クリツプ３６ａがアンビ
ル３０，３０の通路から動くことを可能にする。

ばね用くぼみ７６の部位の中でクリツプ軌道７
２が、クリツプとばねとの抵触を避ける薄い壁に
よつて、くぼみ７６から分離されるであろうとい
うことが理解されるであろう。

また、開示された実施例が本発明の概念から離
れることなしに、幾多の変形を可能にすることが
理解されるであろう。例えば、取手１０，１２
は、アーム２，４と一体にまたは少くともそれに
固着して形成されることができる。空動は、その
場合例えば、孔２６の位置でアーム２，４のため
の横方向のスロツト・ピン連結を使用することに
より与えられるであろう。ピン自体は、中空であ
つてもよく、中空部分はピボツト孔２６の代りに
役立つ。上流のクリツプが引込まれそして外科医
が鉗子をジヨーが上昇位置にある状態で保持する
場合に、アンビルの溝に位置しているクリツプが
カートリツジの中へ滑り戻ることを防ぐために、
保持具を設けることも可能であろう。

ばね２４とリンク１８とは、一体のユニツト例
えば、端部がアーム１０，１２にしつかり連結さ
れ、リンク１８と本質的に同様に弾性的に曲げら
れ、そのためピボツト２０に相当する中心がピボ
ツト２０がするのと本質的に同じようにジヨー２
８から遠くに離れたり近づいたりする、概ね山形
のばねで置換されてもよい。カートリツジには、
また、カートリツジが鉗子に取付けられるまで、
ばね６８の圧力下に、最初（先頭）のクリツプが
カートリツジから押し出されるのを抑えるための
取外し自在な保持具をつけることもできる。

カートリツジおよび／または鉗子は、全体また
は一部を合成プラスチツク材料で形成することも
可能である。特にカートリツジ用としての好適な
プラスチツク材料は、医療用としてFDAにより
承認されており強力オートクレープ可能プラスチ
ツクであるポリスルフオン、品質は落ちるがポリ
スルフオンよりは著しく低廉なポリカーボネート
例えば商標名“Lexan”やアセタール例えば商標
名“Delrin”である。勿論、そのようなプラスチ
ツクは、例えば炭素繊維などによつて強化される
ことができる。

カートリツジは使い捨て自在であろう。そして
鉗子は永久的であり得る。鉗子の部品は、製造価
格を下げるため板金例えば真鍮、ステンレス鋼か
ら打抜きされることができる。しかし乍ら、鉗子
は、若しそれが十分に低廉であることができれ
ば、カートリツジと一緒に、それ自体使い捨て自
在となろう。例えば、アーム２，４以外の鉗子の
要部は、合成プラスチツク製であることが可能で
あろうし、アーム自体でさえ、合成プラスチツク
製であることも可能であり、多分、アンビルだけ
が金属製となろう。これは、主として、クリツプ
を使用（締縮）する間に作用する圧力に耐える十
分な力を有するプラスチツクを使用するのについ
ての問題である。アーム２，４は、合成プラスチ
ツク製であることができ、また金属による強化を
有していてもよい。

上述した通り、本発明即ちカートリツジおよ
び／または鉗子は血管結さつ用として特に有用で
ある。しかし乍ら、本発明は、また、一般的な縫
合および外科縫合用として適切である。クリツプ
の形（外観）は、所望により変形可能であり、ク
リツプの自由端は、特殊な非結さつ用途のため尖
つていてもよい。ピボツト２０への引込装置４８
の連結は、引込装置中の孔または引込装置のリン
ク上のリンクとピンとによつてでもよい。しかし
乍ら、いうまでもなく、スナツプ形連結、くさび
連結など他の連結も使用可能である。

以上本発明は、止血鉗子に具体化されたものと
して図示され説明されて来たが、それは示された
詳細に限定されるように意図されたものではな
く、本発明の精神から離れることなく、変形およ
び構造変更が可能である。

新規なものとして請求され、特許によつて保護
されることが求められている事柄が、首記の請求
範囲に記載されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、鉗子の一側を示す平面図である。第
２図は、第１図の鉗子のジヨー部のみを示す側面
図である。第３図は、第２図のジヨーの一部切欠
拡大図である。第４図は、第１〜３図の鉗子と共
に使用される外科用クリツプの平面図である。第
５図は、組立てられた状態で示す本発明のカート
リツジの稍略図的な側面図である。第６図は、分
解された状態でのカートリツジ素子を示す下側の
平面図である。第７図は、第８図のＶ１１−Ｖ１
１線断面図である。第８図は、組立てられたカー
トリツジの略図的斜視図である。第９図は、説明
のために部品が省略された部分的斜視図である。
第１０図は、カートリツジの前端の詳細を示す部
分的斜視図である。第１１Ａ図〜第１１Ｃ図は、
カートリツジの操作を示す簡単作用図である。 １……鉗子全体、２，４……アーム、８……ス
ロツト、９……ストツパ、１０，１２……取手、
１４……ピボツト、１６……スロツト・ピン連
結、１８，１８……リンク、２０，２２，２２…
…ピボツト、２４……ねじりばね、２５，２５…
…足、２６……ピボツト、２８，２８……ジヨ
ー、３６……クリツプ、３０，３０……アンビ
ル、３１……ノツチ、４４……カートリツジ、５
０……カートリツジ本体、３２……溝、３４……
ストツパ、５２……裏蓋、５４……ピボツト、５
６……クリツプ引込装置、５８……ヘツド、５９
……連結手段、６０……従動部材、６２……突出
尾片、６８……クリツプ付勢ばね、７０……引込
装置軌道、７２……クリツプ軌道、７６……くぼ
み、７８……軌道兼開口、８０……スロツト、８
１……傾斜面（カム面）、８２……くぼみ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ アンビルのついた一対の協働するジヨーを有
   し且つ開閉位置間を動くことのできるアプリケー
   タと、一対の取手部分と、該取手部分の間に設け
   られた取付用リンク手段とをもつて構成される止
   血用鉗子に取付手段をもつて取外し自在に取付け
   られ前記ジヨーに外科用クリツプを供給するため
   のカートリツジであつて、該カートリツジは一群
   のクリツプを収容する出口のついたカートリツジ
   本体と、該本体内にあつて本体内のクリツプ群を
   出口方向に前進させて先頭のクリツプを出口から
   順次排出して前記の一対のジヨーに供給する前進
   手段と、先頭のクリツプ以外のクリツプを排出方
   向と逆の方向に引込めて先頭クリツプの前記一対
   のジヨーへの供給を妨げないようにする後端が前
   記のリンク手段に係合された引込手段とをもつて
   構成されていることを特徴とする止血用鉗子のた
   めのカートリツジ。 ２ カートリツジ本体は実質的に平行な２つの主
   要面にそれぞれ一方および他方の凹設した軌道を
   有し、両軌道は長手方向前端部にて一方の軌道か
   ら他方の軌道に延びるスロツトと、一方の軌道中
   で前記スロツトの前端部に一方の軌道の高さより
   低く凹設され、そして該高さの方と後端部の方に
   上傾している傾斜面によつて連結されているくぼ
   みを有し、引込手段は条片状でありかつ弾性材料
   からなる引込部材として構成されていて、該部材
   は他方の軌道から一方の軌道にスロツトを通つて
   延びるように曲げられた前部を有し、該前部が前
   記のくぼみ中に入り、かつ、引込部材が前端部の
   方へ滑る時に一方の軌道の高さより低く位置する
   ようになり、また引込部材が後端部の方へ滑る時
   に前記傾斜面を上昇して一方の軌道に入ることを
   特徴とする特許請求の範囲１に記載のカートリツ
   ジ。 ３ カートリツジ本体は前後両端部の間を延びる
   ２本の実質的に平行な軌道から成り、前進手段は
   該軌道の一つにある一群のクリツプを長手方向の
   前端部へ押すための付勢手段から成り、そして、
   引込手段は該２本の軌道中の他方にあつて一方の
   軌道中へ延び、先頭部分がクリツプから離脱し、
   そして、順次先頭のクリツプが前端部から排出す
   ることを可能にする位置と他の位置即ち先頭部分
   が先頭クリツプの直後のクリツプと係合してそれ
   を引込めかくして先頭以外のクリツプを後端部方
   向へ移動することを可能にする位置との間で動く
   ことのできる引込部材を含むことを特徴とする特
   許請求の範囲１に記載のカートリツジ。 ４ 前記の付勢手段は一方の軌道を滑ることので
   きる従動装置と、該従動装置に係合してそれを後
   尾のクリツプに接触して前端方向へ押しやる定力
   コイルばねとから成ることを特徴とする特許請求
   の範囲３に記載のカートリツジ。