JPS6223566B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、遠心分離式のコーヒー抽出装置に関
する。

〔発明の技術的背景〕 従来、遠心分離式のコーヒー抽出装置として
は、たとえば、特公昭52−20905号公報に示され
るように、平盤体の上方に円錐形を配設し、この
平盤体と円錐体とを高速回転するとともに、内部
にコーヒー原料と湯とを供給し、遠心力によつて
コーヒー液を平盤体と円錐体との外周縁部の隙間
から導出し、これを外側のトラフで受けて外部に
導き、また、コーヒー液の抽出後は平盤体と円錐
体との間を開き、遠心力で内部に残つたコーヒー
滓を放出するようにしたものが知られている。

〔背景技術の問題点〕

しかし、上記公報に示された従来のものは、コ
ーヒー液の抽出時には、平盤体と円錐体との両者
を上昇させてトラフ位置に臨ませるとともに、コ
ーヒー滓の排出時には両者を下降させてトラフよ
り下方に位置させるようにし、かつ、これにとも
なつて両者間の押圧力および隙間を変化させてコ
ーヒー液の抽出とコーヒー滓の排出とを行うよう
にしているとともに、平盤体の外周縁部にばね板
を取付け、そのたわみで隙間を形成するようにし
ている。

そのため、上記従来のものにおいては、平盤体
と円錐体との昇降および隙間の形成機構が複雑に
なるとともに、調整がむずかしいという問題があ
る。

また、上記従来のものにおいては、コーヒー滓
は下方に落下集積するようにしており、これの排
出を行わなければならない。

〔発明の目的〕

本発明は、上述のような問題を解決しようとす
るもので、可動部分の構成を簡易化し、確実に一
定のコーヒー液の抽出ができるとともに、調整も
容易に行えるようにし、さらに、コーヒー滓の排
出も同時に行えるようにすることを目的とするも
のである。

〔発明の概要〕

本発明は、上部にコーヒー原料および湯の導入
口を有し回転自在に設けられた円形状の下部チヤ
ンバー体と、この下部チヤンバー体の上方に上下
動自在に設けられて縁部で下部チヤンバー体と接
合しかつ下方に付勢された上部チヤンバー体と、
上記下部チヤンバー体と上部チヤンバー体の接合
部の外側に上下動自在に配設され一側に導出口を
有するトラフと、このトラフを昇降しかつ上記上
部チヤンバー体を昇降して上記下部チヤンバー体
との縁部の接合部を開閉する昇降装置と、上記下
部チヤンバー体の下方に設けられ一側部に排出口
を有する排出枠部と、この排出枠部内に回転自在
に設けられた排出羽根と、を備えたことを特徴と
し、コーヒー抽出時は上部チヤンバー体を一定の
付勢力で所定の隙間を保つように保持するととも
に、コーヒー滓の排出時には下部チヤンバー体は
昇降させずに上部チヤンバー体を昇降させるよう
にし、さらに、コーヒー滓を排出羽根で外部に放
出するようにしたものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図において、１は合成樹脂で一体に形成し
た下部チヤンバー体で、この下部チヤンバー体１
は、上面を平坦状にした円形状の盤体２を有し、
この盤体２の中央上部に、上端に導入口３を開口
した円筒状の筒体４が接着により立設され、この
筒体４の下端周囲に、第２図にも示すように複数
個の案内口５が開口されているとともに、筒体４
の外周部に上枠部６が設けられ、この上枠部６の
内側にほぼ円錐状の空間部７が形成されている。
さらに、上記上枠部６上に複数個の支杆８が間隔
をおいて突設されている。

そして、上記下部チヤンバー体１の中心下部
に、モータ１１の駆動軸１２が連結されている。

１５は合成樹脂で一体に形成した上部チヤンバ
ー体で、この上部チヤンバー体１５は、上記下部
チヤンバー体１の上枠部６の外側に嵌合する枠部
１６を有し、この枠部１６の内側下部に上記円錐
状の空間部７に連らなる傾斜面１７が形成されて
いる。また、上記枠部１６の上端外周部にフラン
ジ部１８が設けられているとともに、枠部１６の
上壁部に上記各支杆８に対応する係合孔１９が穿
設されている。そして、上記上部チヤンバー体１
５の枠部１６は、上記下部チヤンバー体１の上枠
部６にＯリング２１を介して上下動自在に嵌合さ
れ、枠部１６の下端が盤体２の縁部上に接合され
ているとともに、各係合孔１９に各支杆８が挿入
され、この各支杆８にその上端に設けた係止部材
２２との間にコイルスプリング２３が装着され、
上部チヤンバー体１５は常時下方にすなわち下部
チヤンバー体１に対して付勢されている。

上記上部チヤンバー体１５の外側部に断面Ｌ字
状をなす円環状の昇降枠２５が上下動自在に設け
られ、この昇降枠２５の下部に円環状のトラフ２
６が取付けられ、このトラフ２６の内周面に、上
記下部チヤンバー体１の盤体２と上部チヤンバー
体１５の枠部１６との接合面に臨ませた溝状の受
入口２７が形成されているとともに、トラフ２６
の一側部に導出口２８が設けられている。また、
上記昇降枠２５の上部に上記上部チヤンバー体１
５のフランジ部１８に対する複数個の支持ローラ
２９が間隔をおいて軸架されている。

上記トラフ２６の外側から下方にホツパー状の
カバー３１が設けられ、このカバー３１の下端に
円形状の排出枠部３２が設けられ、この排出枠部
３２の一側部に、第３図に示すように排出口３３
が形成されているとともに、排出枠部３２内に上
記駆動軸１２に取付けた排出羽根３４が配設され
ている。なお、上記カバー３１の上部一側に上記
導出口２８を突出した上下方向の切欠部３５が形
成されている。

また、第４図および第５図に示すように、上記
昇降枠２５の両側下部に昇降板３７が取付けら
れ、この両側の昇降板３７の下端に軸３８でクラ
ンク杆３９の一端が連結され、この両側のクラン
ク杆３９の他端に、ギヤモータ４０の駆動軸４１
が連結されて、昇降装置４２が構成されている。

また、第１図に示すように、上記上部チヤンバ
ー体１５の上方位置に原料容器４５が配設され、
この原料容器４５の下部に供給口４６が設けら
れ、この供給口４６に原料繰出機構４７が設けら
れている。さらに、上記供給口４６に隣接する位
置に給湯装置４９の供給管５０が延設され、この
供給管５０に電磁弁５１が設けられている。そし
て、上記供給口４６および供給管５０は上記下部
チヤンバー体１の導入口３上に臨ませられてい
る。

つぎに、作動を説明する。

コーヒーの供給指令を受けると、第１図の状態
において、まず、モータ１１が駆動されて駆動軸
１２を回転し、下部チヤンバー体１およびこの上
に支持されている上部チヤンバー体１５を一体的
に高速回転させる。

ついで、原料容器４５の原料繰出機構４７が作
動されて、原料容器４５内のコーヒー原料を供給
口４６から一定量繰出し、下部チヤンバー体１の
中央部の導入口３から筒体４内に投入する。この
投入されたコーヒー原料は遠心力により案内口５
から盤体２上で空間部７に導かれ、下部チヤンバ
ー体１と上部チヤンバー体１５との合せ目に導か
れる。

そして、コーヒー原料の投入に続いて、給湯装
置４９の電磁弁５１が作動され、湯を供給管５０
から一定量供給し、同じく下部チヤンバー体１の
中央部の導入口３から筒体４内に注入する。この
湯は遠心力により案内口５から外方に導かれ、コ
ーヒー原料内を通過し、これによつて得られたコ
ーヒー液が下部チヤンバー体１と上部チヤンバー
体１５との合せ目の隙間から抽出させる。このコ
ーヒー液はその外側のトラフ２６内に内周面の受
入口２７から入り、導出口２８から導出される。

上記のコーヒー液の抽出に際し、上部チヤンバ
ー体１５は各スプリング２３により下部チヤンバ
ー体１に押し付けられており、上部チヤンバー体
１５が遠心力によつて浮き上つて下部チヤンバー
体１との合せ目が開こうとする力を阻止してお
り、その合せ目の隙間を0.1mm程度に保つことに
より、コーヒー液のみを流出させてコーヒー滓は
内部に保留させる。

コーヒー液を抽出した後、昇降装置４２のモー
タ４０が駆動されてその駆動軸４１とともにクラ
ンク杆３９が回動し、昇降板３７を介して昇降枠
２５を上昇させ、第６図のように、トラフ２６を
下部チヤンバー体１と上部チヤンバー体１５の合
せ目より上方に位置させるとともに、各支持ロー
ラ２９を介して上部チヤンバー体１５のフランジ
部１８を支持して上部チヤンバー体１５を一定高
さ持上げ、下部チヤンバー体１と上部チヤンバー
体１５の合せ目を開き、残つているコーヒー滓を
遠心力によつて外方に飛び出させる。そして、こ
のコーヒー滓はホツパー状のカバー３１によつて
下方に導かれ、下端の排出枠部３２上に落下する
とともに、駆動軸１２に取付けられている排出枠
部３４により排出口３３から外部に放出される。

これとともに、クランク杆３９の回動により昇
降枠２５が下降し、上部チヤンバー体１５が下降
して下部チヤンバー体１と接合し、元位置に復帰
する。

〔発明の効果〕

本発明によれば、下部チヤンバー体と上部チヤ
ンバー体とを回転するとともに、両者で形成され
るチヤンバー内にコーヒー原料および湯を供給す
ることにより、遠心力によつてコーヒー液を下部
チヤンバー体と上部チヤンバー体との間のわずか
な隙間から抽出させ、このコーヒー液の抽出後
は、上部チヤンバー体を上昇することにより、遠
心力によりコーヒー滓を放出させることができ、
しかも、この際には、コーヒー滓を放出するのに
必要な程度のみ上部チヤンバー体を上昇させれば
よく、そして、上部チヤンバー体は開閉に必要な
だけの大きさとすることができ、これにともない
上部チヤンバー体を開こうとする力も小さくなつ
て付勢力も小さくでき、可動部分の構成を簡易化
できるとともに、調整も容易に行うことができ
る。

また、コーヒー滓は落下して排出枠部内に入る
とともに、排出羽根によつて抽出口から外部にた
だちに排出され、コーヒー滓の処理をただちに行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の一実施例を示す縦断面
図、第２図は第１図−部の断面図、第３図は
第１図−部の断面図、第４図は第１図の装置
の昇降装置の一部を切り欠いた正面図、第５図は
第４図の昇降装置の側面図、第６図は第１図の装
置のコーヒー滓排出状態を示す一部の縦断面図で
ある。 １……下部チヤンバー体、２……盤体、３……
導入口、４……筒体、５……案内口、１５……上
部チヤンバー体、２６……トラフ、２８……導出
口、３２……排出枠部、３３……排出口、３４…
…排出羽根、４２……昇降装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上部にコーヒー原料および湯の導入口を有し
   回転自在に設けられた円形状の下部チヤンバー体
   と、 この下部チヤンバー体の上方に上下動自在に設
   けられて縁部で下部チヤンバー体と接合しかつ下
   方に付勢された上部チヤンバー体と、 上記下部チヤンバー体と上部チヤンバー体の接
   合部の外側に上下動自在に配設され一側に導出口
   を有するトラフと、 このトラフを昇降しかつ上記上部チヤンバー体
   を昇降して上記下部チヤンバー体との縁部の接合
   部を開閉する昇降装置と、 上記下部チヤンバー体の下方に設けられ一側部
   に排出口を有する排出枠部と、 この排出枠部内に回転自在に設けられた排出羽
   根と、 を備えたことを特徴とするコーヒー抽出装置。 ２ 下部チヤンバー体は、円形状の盤体の中央上
   部に、上端に導入口を開口するとともに下端周囲
   に案内口を開口した筒体を設けたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載のコーヒー抽出装
   置。