JPS6222751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスパーク着火式火口に関する。さらに
詳しくは、次の（），（）の構成を前提とする
ものに関する。

（） 各々の前端をスパーク電極とする導電性
の内筒と外筒とが、内筒の外周面と外筒の内周
面との間に電気絶縁材が介在する状態で嵌合さ
れている。

（） 前記内筒の前記電気絶縁材に対向する外
周面部に、軸芯方向に沿う溝状の混合ガス流路
が周方向で複数個形成されている。

このような構成をもつ本出願人が提案した従
来の火口の一例を第１図、第２図に示す。１が
内筒、２が外筒、３，４がスパーク電極、５が
電気絶縁材（セラミツク）、６が溝状の混合ガ
ス流路である。内筒１において相隣る混合ガス
流路６，６間の突条を７で表わす。スパーク
は、放電ギヤツプが最小のところで起ころうと
する。したがつて、この従来の火口では、外筒
２の前端内面８と内筒１の突条７の外面との間
でスパークする確率が高い。そのときのスパー
クを９で例示してある。ところが燃焼用の混合
ガスは、周方向で飛び飛びの流路６，６…から
流出している。この流出箇所から離れたところ
でスパーク９が飛ぶ確率が高いということは、
混合ガスのないところで（注：「ない」という
のは「全くない」というのではなく、「濃度的
に薄い」という程度の意味あい。）、スパークし
ているゆえ着火ミスを生じやすい、ということ
である。この傾向は、突条７の幅Ｔが大きくな
るほど強くなる。

さらに従来の火口では、絶縁材５がかなり前
方に位置していて熱的劣化をこうむりやすい欠
点があつた。つまり、絶縁材５の先端１０が内
筒１の先端１１よりも前方にあり、火炎に直接
さらされる。また外筒２の先端１２との間の寸
法Ａがかなり小さいので、強度的に弱くなる
し、外筒先端１２が火炎及び作業対象物からの
熱輻射により加熱され、それが熱伝導によつて
絶縁材５に伝わるが、寸法Ａが小さいだけに絶
縁材５が受ける熱的悪影響が大きかつたのであ
る。

本考案の目的は、このような着火ミスと絶縁
材劣化の問題を合理的に解決しようとする点に
ある。

そのために本考案が講じた手段（要旨構成）
は、前記（），（）の構成を前提として、次
記（）のとおりである。理解を助けるため、
実施例に係る図面（第３図ないし第７図）で用
いた番号を添えて記述するが、これによつて本
考案の技術的範囲に制約を与えると解してはな
らない。

（） 前記電気絶縁材５の前端を、前記内筒１
の前端および前記外筒２の前端よりも後方に位
置させて、前記スパーク電極３，４よりもガス
流れ方向での上手側に、前記電気絶縁材５の前
端と前記内筒１の外周面と前記外筒２の内周面
とで挾まれる空間内で、相隣る混合ガス流路６
から流出したガスどうしが混合することを許す
環状流路１３を形成してある。

この（）の構成の作用は次のとおりである。

(A) 内筒１と外筒２との間のスパークが、周方向
のどの位置で飛んでも、その飛んだところに混
合ガスが必ず存在しているから、従来のものと
比べて着火の確率が大幅に高くなる。すなわ
ち、前記（）でいう環状流路１３においてそ
れまで周方向で分断されていた混合ガスが合流
し、環状の流れとなつて出ていくからである。

(B) 着火性は、先に説明した突条７の幅Ｔによつ
ては、あまり左右されない。

(C) 環状流路１３の形成につき、従来のものを前
提に考えると、単に電気絶縁材５を後方にずら
しただけで形成されたとみなせる。つまりそれ
まで絶縁材５の前部が位置してたところが空間
になり、この空間が環状流路１３になつた、と
いうものである。したがつて例えば、電気絶縁
材５の位置をそのままにし、その内面を切除す
ることで環状流路をつくるものに比し、遥かに
実施しやすいといえる。

(D) 電気絶縁材５の先端は、従来のものに比べて
外筒２の先端より離れている。しかも電気絶縁
材５の前方には環状流路１３すなわち空間があ
る。空間には次々と低温ガスが流出してくるの
であり、この低温ガスは外筒２の構成材（導電
体）に比べて熱伝導率が遥かに低い。このよう
に二重の意味で電気絶縁材５が熱的に保護され
ている。

かくして本考案の効果は、 (イ) 構造が簡単で、製作が極めて容易でありなが
ら、 (ロ) 着火性の著しい改善を果たせ、かつ、 (ハ) 電気絶縁材の充分な保護を果たせる。

ということである。

次に本考案の実施例を説明しよう。

〔第１実施例〕第３図、第４図参照。

１は内筒、２は外筒、３，４はスパーク電極、
５はセラミツクなどの電気絶縁材、６は溝状の燃
焼用混合ガス（C₃H₈＋O₂）の流路、１３は環状流
路、１４は切断酸素流路である。

環状流路１３は、後部の三角形状の大径部分と
前部の小径部分とからなつている。

内筒１の先端１１と外筒２の先端１２とが面一
になつている点で、後記する第５図や第６図のも
のとは違つている。

なお、内筒１、外筒２は夫々、図外の電源に接
続される。その電源としては、トーチヘツドに内
蔵する圧電機構が適当である。

〔第２実施例〕第５照参照。

これは、第１実施例と比べて、内筒１の先端１
１が外筒２の先端１２より後方に位置している
点、および、環状流路１３が、後部の四角形状の
部分と前部の三角形状の部分とからなつている点
が特徴といえる。

その他の点では第１実施例とほぼ同じである。
図中の番号が指す部品ないし部分は第１実施例と
同様である。

〔その他の実施例〕第６図および第７図参照。

これらは何れも環状流路１３が第１、第２の実
施例より単純なものとなつている。図中の番号が
指す部品ないし部分は第１実施例と同じである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図は第１図
における−線矢視の切断端面図である。第３
図は第１実施例を示す断面図、第４図は第３図に
おける−線矢視の切断端面図、第５図は第２
実施例を示す断面図、第６図、第７図はその他の
各別の実施例を示す断面図である。 １……内筒、２……外筒、３，４……スパーク
電極、５……電気絶縁材、６……混合ガス流路、
１３……環状流路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 各々の前端をスパーク電極３，４とする導電
   性の内筒１と外筒２とが、内筒１の外周面と外
   筒２の内周面との間に電気絶縁材５が介在する
   状態で嵌合され、前記内筒１の前記電気絶縁材
   ５に対向する外周面部に、軸芯方向に沿う溝状
   の混合ガス流路６が周方向で複数個形成されて
   いるスパーク着火式火口において、前記電気絶
   縁材５の前端を、前記内筒１の前端および前記
   外筒２の前端よりも後方に位置させて、前記ス
   パーク電極３，４よりもガス流れ方向での上手
   側に、前記電気絶縁材５の前端と前記内筒１の
   外周面と前記外筒２の内周面とで挾まれる空間
   内で、相隣る混合ガス流路６から流出したガス
   どうしが混合することを許す環状流路１３を形
   成してあるスパーク着火式火口。 ２ 前記電気絶縁材５がセラミツクである実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載のスパーク着火
   式火口。