JPS6222655Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトンネルに防水シートや防水板を水密
に取附ける装置に関するものである。

トンネルが防水性に富んでいなければならない
ことは周知の事項である。そのため、従来種々の
防水方法が提案され、実施されているが、それら
の中に防水シートをトンネルの防水すべき個所に
アーチ状に貼着する方法がある。この方法は、ト
ンネルの防水シートを取附ける部分の両側にアン
カーボルト穴を適宜定間隔で設けて該穴上にアー
チ状にブチルゴム等から成るシール材を貼着け、
その上にクロロプレンゴム等から成るシール材を
貼付けてから防水シートの両端をその上に配し、
該防水シートの上にFRPから成る押え板を置
き、更にその上にワツシヤを配して、その上から
先端にアンカープラグを取附けたアンカーボルト
を前記穴に打込み、該アンカーボルトをねじ込ん
で前記プラグを穴の周壁に圧設させることによ
り、防水シートをトンネルに強固に取附ける方法
であり、トンネルの漏水が比較的少ない場合は、
施工後漏水するおそれは殆んどないが、漏水の激
しいトンネルにあつては、水がアンカーボルトを
伝つて漏れることが多い。

本考案の考案者はその原因について探究した結
果、アンカーボルトの部分に原因のあることが判
明した。即ち、その原因は従来のアンカーボルト
により防水シートをトンネルに取附けると、水が
一番下のシール材とトンネルの間から二番目のシ
ール材の内部に入り込み、そこからアンカーボル
トを伝つてトンネル内部に漏出することにある。

本考案はこの問題点に鑑み、上記漏出を防ぐに
は、水が二番目のシール材の中に入り込んでも、
その中に封じ込めた状態にすればよい点に着目し
てなされたもので、その構成は、トンネルの防水
シートを取附ける部分の両側にアンカーボルト穴
を適宜定間隔で設け、これらの穴の上にブチルゴ
ム等から成り平断面略状をなすシール材をアー
チ状に貼付け、上面にクロロプレンゴム等から成
るシール材が貼付けられる防水シートの両端を上
記状をなすシール材の上に配し、該防水シート
の上にFRPから成る押え板を置き、この押え板
の上に、ボルト本体の頭部の下部にワツシヤとゴ
ム又は軟質合成樹脂から成のその外径より大きい
長さを有するパツキング用スリーブが嵌着されて
おり且つ該ボルト本体の下部にアンカープラグが
取附けられて成るアンカーボルトにおける前記ワ
ツシヤを配し、このワツシヤの上から先端にアン
カープラグを取付けた上記アンカーボルトを前記
穴に打込み、当該アンカーボルトを上記プラグに
ねじ込むことを特徴とするものである。

次に本考案の実施の一例を図に拠り説明する。

第１図において、２はボルト本体、２はその頭
部、３はボルト本体１の頭部２の下部に嵌着した
ワツシヤ、４は同じくワツシヤ３の下部に嵌着し
たゴム又は軟質合成樹脂から成るパツキング用ス
リーブで、その外径より大きな高さを有する。５
はボルト本体１の下部に取附けたアンカープラグ
である。

本考案装置は、上記のように構成されるアンカ
ーボルトを主体に構成されるのでそれを使用した
本考案装置の一例を第２図に拠り説明すれば、次
の通りである。

第２図において、ｔはトンネル、ｈは該トンネ
ルｔの防水すべき個所を挟んでアーチ方向に適宜
間隔を置いて多数設けたアンカーボルト打込用の
穴で通常300mm内外のピツチで設けられる。１１
は防水シート、１２はブチルゴム等から成るシー
ル材、１３はクロロプレンゴム等から成るシール
材、１４は１２と同様のシール材、１５はFRP
から成る押え板である。

而して、上記の各部材は、穴ｈの上にシール材
１２，１３を順次積層し、その上に防水シート１
１の一端部を載置すると共に該防水シート１１の
上にシール材１４を介し押え板１５を配して、そ
の上から上述のアンカーボルトを穴ｈに打込み、
該アンカーボルトをねじ込めば、アンカープラグ
５を穴ｈの周壁に圧接させると共に、図示のよう
にパツキング用スリーブ４を押し潰し、この押し
潰されたスリーブ４が防水シート１１をシール材
１２に圧接させると共にこのスリーブ４は押え板
１４と防水シート１１の間においてアンカープラ
グ５の周壁並びに押え板１５の裏面に圧接され
る。

従つて、このようにして順次アンカーボルトを
穴ｈに打込み、ねじ込むことにより防水シート１
１は強固に且つ水密に、即ち、シール材１３によ
り一次シールされ、また、押し潰されたスリーブ
４によつて二次シールされてトンネルｔに貼着さ
れるのである。

而して、本考案装置は防水シート１１を上記の
ようにしてトンネルｔに貼着し、漏水の有無を調
べるため、穴ｈの空隙部に加圧空気を送り込んで
７Kg／cm²の加圧を行なつたところ、空気洩れは皆
無であつた。これは一次シールとしてのシール材
１３と二次シールとして作用するパツキング用ス
リーブ４がパツキング効果を充分発揮するからで
あると考えられる。

本考案装置は上記の通りであるから、防水シー
トや防水板を用いるトンネルの防水工事に際し、
トンネルにそれらを水密に貼着するのに用いる取
附装置として好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置に用いるアンカーボルトの
正面図、第２図は本考案装置により防水シートを
トンネルに貼着した状態の断面図である。 １……ボルト本体、２……頭部、３……ワツシ
ヤ、４……パツキング用スリーブ、５……アンカ
ープラグ、１１……防水シート、１２，１３，１
４……シール材、１５……押え板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トンネルの防水シートを取附ける部分の両側に
   アンカーボルト穴を適宜定間隔で設け、これらの
   穴の上にブチルゴム等から成り平断面略状をな
   すシール材をアーチ状に貼付け、上面にクロロプ
   レンゴム等から成るシール材が貼付けられる防水
   シートの両端を上記状をなすシール材の上に配
   し、該防水シートの上にFRPから成る押え板を
   置き、この押え板の上に、ボルト本体の頭部の下
   部にワツシヤとゴム又は軟質合成樹脂から成のそ
   の外径より大きい長さを有するパツキング用スリ
   ーブが嵌着されており且つ該ボルト本体の下部に
   アンカープラグが取附けられて成るアンカーボル
   トにおける前記ワツシヤを配し、このワツシヤの
   上から先端にアンカープラグを取付けた上記アン
   カーボルトを前記穴に打込み、当該アンカーボル
   トを上記プラグにねじ込むことを特徴とするトン
   ネル防水シートの取附装置。