JPS6222308A - 難燃性電気ケ−ブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、燃焼時に有毒なハロゲン系ガスを発生しない
難燃性電気ケーブル、特にＩＥＥＥ（米国電気電子技術
者協会）３８３の垂直トレイ燃焼試験（ＶＴＦＴ）に合
格する高度の難燃性を有し、しかも低発煙性の難燃性電
気ケーブルに関するものである。

［従来の技術］ 近年、ビルなどの高層建築物、発電所、各種プラントな
どにおいて火災が発生した場合のことを考えて、人体に
対する影響や機器の腐食の原因になるハロゲン系ガスを
発生しない難燃性電気ケーブルが強く望まれている。

しかも、この場合の難燃性レベルは、上記のＶＴＦＴに
示しであるように極めて厳しいものが要求されている。

従来、このような厳しい難燃性レベルを満足するケーブ
ルとしては、ビニルやポリオレフィンにハロゲン系難燃
剤を混和した材料を絶縁体とし、ビニル、クロロプレン
ゴムなどをシースとしたタイプのものしかなかった。

［発明が解決しようとする問題点］ しかし、これらのケーブルは燃焼時に多量のハロゲン系
ガスを発生するという問題があり、また発煙量が多く避
難及び消火活動を妨げるという問題もある。

また、絶縁線心を保護するシースの機能を考えると、機
械的特性、耐環境性が重要であり、難燃性を強化すると
これらが犠牲になるので限界があった。

本発明は上記に基づいてなされたもので、ＶＴＦＴに合
格する高度の難燃性を有すると共に機械的特性や耐環境
性に優れ、しかも低発煙性で燃焼時に有毒なハロゲン系
ガス等を発生しない難燃性電気ケーブルの提供を目的と
するものである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の難燃性電気ケーブルは、絶縁線心外周に、アク
リレート含有量が５重量％以上であるポリオレフィン１
００重量部に対し、水酸化マグネシウムを５０重量部以
上含有する組成物からなる防火層を設け、この外周にポ
リオレフィン１００重量部に対して含水無機化合物を５
０〜２００重量部含有する組成物からなる保護シースを
設けて構成したことを特徴とするものである。

本発明において、絶縁線心は導体外周に絶縁体を設けて
構成したもので、−条でもあるいは複数条を撚合せたも
のでもよい。

絶縁線心の絶縁体はハロゲンを含まないポリマからなり
、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ４
メチルペンテン−１、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロ
ピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プ
ロピレンターポリマ、エチレン・エチルアクリレート共
重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、天然ゴム、ブチルゴム、スチレンブタジ
ェンゴム、シリコーンゴムといったものがあげられる。

本発明者は、かがる絶縁線心を火災時に保護するための
被覆層について鋭意検討した結果、ＩＥＥＥ３８３のＶ
ＴＦＴに合格するような高度の難燃性を付与するために
は、燃焼時に堅固な殻を形成して内部を保護する効果の
あるものが最良であるとの考えに立脚し、 （ａ）アクリレート含有量が５重量％以上であるポリオ
レフィン１００重量部に対し、 （ｂ）水酸化マグネシウムを５０重量部以上含有する組
成物でもって防火層を形成し、この防火層の外周に、 （イ）ポリオレフィン１００重量部に対し、（０）含水
無機化合物を５０〜２００重量部含有する組成物でもっ
て保護シースを形成することが極めて有効であることを
見い出し本発明に到った。

すなわち、上記（ａ）　、（ｂ）の組成物からなる防火
層は、燃焼時に堅固な炭化層の殻を形成して崩れ落ちる
ことがなく、絶縁線心を保護することから高度の難燃性
を付与でき、上記（イ）　、（［＋）の組成物からなる
保護シースは機械的特性、耐環境性の向上に寄与するも
のである。

防火層を形成する材料であるアクリレート含有量が５重
量％以上のポリオレフィンとしては、エチレン・アクリ
レート共重合体、すなわち、エチレン・メチルアクリレ
ート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体
、エチレン・ブチルアクリレート共重合体など、あるい
はこれらと他のポリオレフィン、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチ
レン・プロピレン共重合体などとの混合物であって、ア
クリレート含有量が５重量％以上のものがあげられる。

なお、アクリレート含有量が５重量％未溝のポリオレフ
ィンでは堅固な殻を形成できず、高度の難燃性を付与で
きない。

水酸化マグネシウムは、ポリオレフィン１００重量部部
に対して５０重量部以上の範囲で含有せしめる必要があ
り、５０重量部未満ではポリオレフィンに十分な難燃性
を付与できず、また堅固な殻を形成できない、上限は特
に規定しないが、加工性の点から５００重量部以下が好
ましい。

上記成分に加えてカーボンブラック、フェロセン、赤リ
ン、酸化モリブデン等を添加することにより、更に堅固
な殻を形成できることになる。

更に、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、軟化剤、分散剤
等を適宜添加してもよい。

上記組成物からなる防火層は、−条または複数条の絶縁
線心の直接外周に形成してもよいが、必要に応じて絶縁
線心外周に金属テープ、難燃性テープの一方または双方
を施した外周に形成してもよい。

また、絶縁線心が複数条の撚合せからなる場合は、空隙
部にクラフト紙などの紙を介在とすることが　“好まし
い。

なお、防火層の形成は、押出によりあるいはテープ成形
したものを巻回することにより行われる。

保護シースを形成するポリオレフィンとしては、エチレ
ンプロピレンコポリマ、エチレンブロピレンジエンター
ボリマ、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマ、
エチレンエチルアクリレートコポリマ、エチレンブテン
コポリマ、エチレンブテンジェンターポリマといったも
のかあ、げられ、これらは単独または２種以上混合して
使用可能である。

また、含水無機化合物としては、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイド
ロタルサイト類、水酸化カルシウムといったものがあげ
られる。

含水無機化合物は、ポリオレフィン１００重量部に対し
て５０〜２００重量部の範囲で含有せしめる必要がある
。５０重量部未満ては目的とする難燃性を付与できず、
２００重量部を越えると機械的特性、耐環境性の低下が
著しい。

上記成分以外にフェロセン、赤リン、酸化モリブデン等
を加えてもよく、更に、必要に応じて、カーボンブラッ
ク、酸化防止剤、滑剤、軟化剤、分散剤等を適宜添加し
てもよい。

［実施例コ 各種成分を第１表に示すような配合割合に従って１３０
℃に保持された１２インチロールに投入してロール混練
を行って防火層用の組成物を作製した。

また、各種成分を第２表に示すような配合割合に従って
１３０℃に保持された１２インチロールに投入してロー
ル混練を行って保護シース用の組成物を作製した。

次に、第１表および第２表の各配合例の組成物を第３表
の各個に示すような絶縁線心外周に１５０℃に保持され
た４０ｍ／ｍ押出機（Ｌ／Ｄ＝２５）を用いてそれぞれ
所定の厚さに押出被覆して電カケープルを作製した。

各個における評価結果は第３表に示す通りである。

評価は次のようにして行った。

難燃性：垂直トレイに長さ２．４ｍのケーブルを外径の
１／２の間隔で、導体断面積が２２ｍｔｎ’で３線心、
８ｍｍ”で１線心のケーブルでは垂直に８本並べ、導体
断面積が２　ｍｒｒｒで３線心のケーブルでは垂直に１
０本並べ、下から７万８ＴＵ／ｈｒの炎を２０分間当て
た後バーナな消炎し、自己消炎すれば合格であり、１．
８ｍの高さまで燃える時は不合格とした。

引張特性：ケーブルから保護シースを剥離し、２０℃の
恒温室に２４時間放置した後、ショツパー型引張試験機
により引張速度２００　ｍｍ／ｍｍで測定した。

熱老化性：剥離した保護シースを１００℃で２日間熱劣
化後における引張強さ残率な求めた。

第３表からも明らかな通り、本発明に係わる実施例１〜
６では、いずれもＶＴＦＴに合格する高度の難燃性を有
し、また機械的特性および耐環境性（耐熱老化性）にも
優れている。

比較例１〜６は防火層が本発明の規定値を外れる組成物
からなるものであり、いずれもＶＴＦＴに不合格である
。

比較例７及び８は保護シースが本発明の規定値を外れる
組成物からなるものであり、機械的特性、耐熱老化性が
著しく劣る。

［発明の効果コ 以上説明してきた通り、本発明はアクリレート含有量が
５重量％以上のポリオレフィンに水酸化マグネシウムを
含有する組成物の防火層およびポリオレフィンに含水無
機化合物を含有する組成物の保護シースを設けて構成し
たものであり、被覆層が燃焼によって堅固な炭化層の殻
を形成することがらＶＴＦＴに合格する高度の難燃性を
有すると共に機械的特性、耐環境性に優れ、燃焼時に有
毒なハロゲンガスを発生せず、低発煙性の電気ケーブル
を実現できるようになる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）絶縁線心外周には、アクリレート含有量が５重量
   ％以上であるポリオレフィン１００重量部に対し、水酸
   化マグネシウムを５０重量部以上含有する組成物からな
   る防火層が設けられ、この外周にポリオレフィン１００
   重量部に対して含水無機化合物を５０〜２００重量部含
   有する組成物からなる保護シースが設けられてなること
   を特徴とする難燃性電気ケーブル。