JPS622227B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷凍容器（コンテナ）中の商品を冷却
する冷凍容器に関する。

船又は自動車に備えつけた断熱容器内の内容物
を冷却するには、例えば、塊状又はより計量供給
しやすい小球状のドライアイス即ち固形炭酸ガス
を利用した固定又は可動低温源に関係ない冷凍貯
蔵輸送装置が用いられている。

ドライアイスで冷却されるこれらの冷凍容器は
“イグル（igloo）”という呼称で知られてきてお
り、生肉、鮮魚および花を船便で、望ましくは航
空便で、輸送し、ドライアイスで冷やされたすぐ
に販売できる新鮮な食物をトロリ（trolley）で運
ぶことができるようにされている。

このような容器において、ドライアイスは単に
冷却するだけでなく、冷却空間に発生した炭酸ガ
スは微生物の生育を抑制する保護ガスとしての細
菌発生防止空気／炭素酸化混合物にもなる。

上述の如き容器を設計するに際しての問題点
は、低温源を熱力学的に覆うことである。すなわ
ち低温源は、雰囲気中において−78℃の昇華温度
を有するものであるが、低温源の近くでは冷却商
品が凍らないように且つ冷却室の隅の方でも十分
に冷却されるよう、例えば６℃乃至10℃の温度に
冷却室内が保たれるように低温源を覆う必要があ
る。

従来公知の冷凍容器において、静止状態で−
187℃であるドライアイスと冷凍商品との間の温
度差は最小限の熱伝達係数を有する厚い断熱層に
よつて橋絡されている。

このようにして構成的に定められた断熱層の厚
さは、ドライアイスを装入した後の大気中での低
昇華温度即ち、部分圧Ｐ_CO2≒0.12気圧で約−100
℃を通常考慮していないので、大きな温度衝撃を
生ずる。

上述の先行技術と照して、本発明の目的は二相
冷凍により冷却期間に影響を及ぼす問題を処理す
るものである。

上述の目的を達成するために、本発明において
は、冷気を冷却工程中氷結する媒体中に貯え、そ
の後所望の冷凍期間中上記媒体（望ましくは水）
から冷気を序々に放出することにより、二酸化炭
素発生中における冷凍層の発端での大きな温度衝
撃を避けることができるようにしてある。

この大きな温度蓄積はタンデム式冷凍又は二相
冷凍と呼ばれているが、これは、冷凍室を所望の
要求に応じた温度にするよう冷却工程中にさらに
媒体を追加するからである。

本発明を実施するために提供される装置におい
て、液体媒体を容れた容器が温度貯蔵手段として
冷凍剤を容れた室と冷却室との間に配設されてい
る。

以下添付図面の実施例と照らして本発明をさら
に詳しく説明する。

第１図において冷凍容器はドライアイス２を収
納する室１で構成され、該室１は断熱壁３と蓋５
とで画成されているが、この断熱壁３は冷凍室４
の側壁も兼ねている。また、蓋５は冷凍媒体を容
器内に容れる時に開かれるが、側部から冷凍剤を
入れるようにした引出しを設けても良い。

冷凍剤２は容器内を室１と冷凍室４とに２分割
している穿設板６上に載置されており、この冷凍
剤２の下方には液体媒体を容れたトラフ７が設け
られており、媒体の熱、内部エネルギ、固化熱を
ドライアイスに向けて放出している。

例えば、冷凍剤２は密封されたプラスチツク容
器内に収納しておくこともできるが、図中では別
個に示していない。

トラフ７と側壁３との間には空間又は孔又はス
ロツト８を形成するように設計されているので、
冷凍剤からのガスは穿孔を通つて流下し図中矢印
で示されるように冷凍室４中に流れてゆく。

液体貯蔵媒体の熱は有用な熱で冷凍剤の昇華率
を増し、特に第１冷却相での冷凍室４で必要とさ
れる冷凍剤からのガスの発生を高める。

例えば、20℃で２Kgの水が低温貯蔵媒体として
使用される時、545KJ／Kg（130Kcal／Kg）の昇
華熱を有する約1.5Kgの固形炭酸ガスが、−78℃の
昇華温度で水を冷却し氷結する為に必要な熱を消
費する。例えば、ドライアイスの量を0.5Kgだけ
増すことにより室１の外壁による熱損失を補うこ
とができ、氷結水をさらに冷却する。結局、環境
条件から昇華に必要とされる熱は主に水から得ら
れるもので、超冷却氷結水は隣接する冷凍室の低
温貯蔵媒体として作用し、冷凍室から熱を吸収す
る。

ドライアイスから発散する冷気は、部分圧力に
よつて順次かわるドライアイスの昇華温度より高
い温度で貯えられる。ドライアイスの温度レベル
と低温貯蔵媒体の温度レベルとの間の保有熱差が
移行すると、低温貯蔵媒体から周囲環境に多少温
度変化が生ずるので、貯蔵媒体がない場合に比べ
て本発明容器では冷凍剤の要求量は少なくてよ
い。

第２図は第１図に示された本発明の冷凍容器の
他の実施例を示すもので、販売用飲物のトロリの
形状をしている。固定取付けされたトラフ７ａの
下方には所定の冷凍期間後に立方体の氷を作る仕
切部９中に引出容器１０が配置されている。な
お、図中飲物は省略してある。

貯蔵上の効果に関すると、装置全体、即ち液体
媒体を容れたトラフ７ａおよびトラフの下方で水
で満された引出部１０、が貯蔵手段とみなすこと
ができる。

以上本発明によれば、冷凍剤が液体貯蔵媒体を
氷結し過冷却させつつ冷気を発散すると、この発
散した冷気は穿孔を通つて冷凍容器内に入り冷凍
容器内部とりわけ上部区域を冷却する。その後、
冷凍剤が使い果されると、氷結し過冷された低温
貯蔵媒体が今度は冷凍容器内を引き続き冷却す
る。このようにして冷凍容器内の冷却を長びかせ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の冷凍容器の一実施例の要部断
面図であり、第２図は他の実施例の要部断面図で
ある。 ２，２ａ……冷凍剤、４，４ａ……冷凍室、
６，６ａ……穿孔板、７，７ａ……トラフ、１０
……引出容器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定の熱容量を有する液体貯蔵媒体を容れた
   容器が、冷凍剤を支える穿孔板とそれに隣接する
   被冷凍商品を収納した冷凍室との間に貯蔵部とし
   て設けられていることを特徴とする冷凍容器。 ２ 氷塊を製造する水で満された引出容器が貯蔵
   部に直接隣接する冷凍室内に配置されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の冷凍
   容器。