JPS6221629Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コンクリートに断熱材等を同時打
込みにより施設する工法に適用する型枠の締結装
置に関するものである。

近頃は、コンクリート壁面に施設する断熱材や
吸音材等を型枠と同時に組み込んでコンクリート
を打設する、いわゆる同時打込み工法が実施され
るようになつてきた。このような工法における型
枠締結手段としては、従来の型枠工法に使用され
ている型枠受具等に若干の改良を加えたものが実
用化されている。例えば、軟質である断熱材や吸
音材等の締め付けによる破損を防止するために、
断熱材等に接する側の型枠受具に断熱材等の厚み
とほぼ同等の長さを有する軸脚挿通筒を設けたも
のが使用されている（一例として実公昭53−
17151号公報参照）。

しかし、このような型枠受具を用いる方法で
は、施設する断熱材等の厚みが異るごとに、その
厚みに対応した長さの軸脚挿通筒を有する型枠受
具が必要となるため、多種類の型枠受具を用意し
ておかねばならず、コストが著しく高くなると共
に在庫管理や取扱いも面倒である、という多くの
欠点がある。

この考案は、前述のような欠点を改善するため
に提案されたもので、一端に小径のフランジと他
端に大径のフランジを形成した筒体の一端部に、
セパレータ及び軸脚ボルトを螺合する締結内ネジ
を設け、他端部には前記締結内ネジより大径の取
付内ネジを設けて型枠受片を形成し、これに取り
付ける連結パイプ及び軸脚ボルトと、連結パイプ
の外端部に挿着するキヤツプと、軸脚ボルトの外
端部に螺着させる座金とを組み合せることによ
り、断熱材等の厚みの相違に対しては、安価に製
作できる連結パイプの長さの異るものを用いるだ
けでその都度型枠受片の異る種類のものを適用す
る必要がなく、コストの大巾な低減が図れるばか
りでなく、取扱いや在庫管理が簡易化されると共
に、型枠の締結にあたつて断熱材等の破損を防ぐ
ことができる。型枠締結装置を提供せんとするも
のである。

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。

第１図はこの考案装置における各部材をそれぞ
れ分離して示したもので、Ａは型枠受片、Ｂは連
結パイプ、Ｃは軸脚ボルト、Ｄは座金、Ｅはキヤ
ツプである。

型枠受片Ａは、合成樹脂材等よりなる筒体１の
一端に小径フランジ２を、また他端に大径フラン
ジ３を設け、一端部にはセパレータ及び軸脚ボル
トを螺合する締結内ネジ４ａを設けた金属製の胴
体４を内装させると共に、他端部には前記締結内
ネジ４ａより大径とした取付内ネジ５を設けて形
成されれている。連結パイプＢは、合成樹脂材等
により長い筒体６に形成され、その一端部には型
枠受片Ａの取付内ネジ５に螺合する外ネジ７が設
けられ、また他端部には内ネジ８が設けられてい
る。そして、連結パイプＢの内径は軸脚ボルトを
遊挿するに適した大きさに形成されており、また
その長さは後述するように施設する断熱材の厚み
に適応したものとする。軸脚ボルトＣは、型枠受
片Ａに螺着された連結パイプＢ内を貫通して締結
内ネジ４ａに螺着させるもので、金属製の杆体９
の一端部には前記締結内ネジ４ａに螺合する短い
外ネジ１０が設けられ、また他端部には締付金具
（後述）に螺合すると共に、該金具に対応した座
金（後述）を螺合する長い外ネジ１１とスパナ掛
け１２とが設けられている。Ｄは前記軸脚ボルト
Ｃの外ネジ１１に螺合する内ネジ１３を有する座
金で、外ネジ１１に深く螺合され、断熱材側の型
枠板の受片として使用される。キヤツプＥは打設
したコンクリートが硬化して軸脚ボルトＣを除去
した後の孔を埋めるもので、連結パイプＢの内ネ
ジ８に螺合する外ネジ１４を一端部に設けた軸杆
１５の他端部に、前記座金Ｄの外径と同様な径の
頭体１６を形成し、その端部には角穴１７が設け
られている。

次に、この考案装置の使用例を説明すると、第
２図に示すように、型枠受片Ａの一端部にセパレ
ータＳの一端部を螺合すると共に、軸脚ボルトＣ
を螺合させ、これに連結パイプを遊挿しその一端
部を型枠受片Ａの他端部に螺合して取付ける。こ
の状態で断熱板等Ｆの取付けを行うが、断熱板等
は一般に軟弱であるため、軸脚ボルトＣの外方か
ら押し込むようにするだけで軸脚ボルトＣや連結
パイプＢは断熱板等Ｆに挿通されることになる。
また、押し込むだけでは挿通できないような材料
である場合には、断熱板等Ｆの方にあらかじめ挿
通孔を設けておけばよい。次いで、断熱板等Ｆの
外側面にはフレキシブルボードＧを添設する。こ
のフレキシブルボードＧには前記軸脚ボルトＣに
対応した位置に、座金Ｄの外径を越える径の貫通
孔１８をあらかじめ設けておき、その貫通孔１８
から軸脚ボルトＣの端部を突出させるようにす
る。

なお、断熱板等Ｆとフレキシブルボード１８と
がすでに一体化したものを使用する場合もある
が、このような場合には、断熱板等Ｆとフレキシ
ブルボードＧの両方向位置に貫通孔を設けておい
て施工すればよい。そして、軸脚ボルトＣの長い
外ネジ１１に座金Ｄを螺合して、その外側面がフ
レキシブルボードＧの外側面にほぼ一致する深さ
に位置させる。続いて、所定の位置に貫通孔１９
を設けた合板型枠Ｈを、軸脚ボルトＣに通して添
装し、それより突出した軸脚ボルトＣの外ネジ１
１に締付金具Ｋを螺合して、座金Ｄと締付金具Ｋ
とにより合板型枠Ｋを締着する。このようにして
おいて断熱材等ＦとセパレータＳを介して取付け
られた他方の型枠板（図示を略す）との間にコン
クリートＬを捗設するのである。

コンクリートＬが硬化すれば、締付金具Ｋを取
外し、合板型枠Ｈを除去する。そして、第３図に
示したように、フレキシブルボードＧの貫孔１８
からキヤツプＥを挿入してその外ネジ１４を連結
パイプＢの内ネジ８に螺合し、軸脚ボルトＣの抜
けた孔を閉塞する。

なお、前記のキヤツプＥは、第４図に示したよ
うに、頭体１６の外端に更に頭体１６より大径の
フランジ２０を設けておけば、そのフランジ２０
によつてフレキシブルボードＨを外側から押える
ことができ、断熱板等Ｆの施設が一層強固に行え
ることになる。

以上説明したように、この考案の装置は、型枠
受片Ａの大径フランジ３を設けた他端部に軸脚ボ
ルトＣを遊挿できる連結パイプＣを螺着できるよ
うにし、型枠受片Ａに螺合した軸脚ボルトＣの他
端部の外ネジに座金Ｄを螺合させて、座金Ｄと締
金具Ｋとの間に断熱板Ｆ側の型枠板Ｈを締着でき
るようにしたので、締金具Ｋの締付力が座金Ｄの
位置により規制され、断熱材等の破損が防止でき
ると共に、適正な型枠の締付けができる。また、
型枠受片Ａには断熱板等Ｆの厚みに応じて、それ
に適合した長さの連結パイプＢを用いるようにす
ればよいので、型枠受片Ａは断熱板の厚みに関係
なく一種類のものの使用で足りることになり、し
たがつて型枠受片Ａのコストを大巾に低減できる
と共に、その取扱いや在庫管理が容易となる。さ
らに、型枠受片Ａに螺着した連結パイプに対して
断熱板等Ｆを押し付けて取付けた後で軸脚ボルト
Ｃの取付けを行うような場合には、この連結パイ
プＢにより軸脚ボルトＣが案内されるから、その
挿入、螺合の操作が容易で能率的に行える等、多
くの実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案装置の各部材の実施例を示し
たもので、Ａは型枠受片の半截側断面図、Ｂは連
結パイプの半截側断面図、Ｃは軸脚ボルトの側面
図、Ｄは座金の側断面図、Ｅはキヤツプの側断面
図、第２図はこの考案装置の組付け施工状態を示
した側断面図、第３図は施工後の状態を示した側
断面図、第４図は他の実施例によるキヤツプの取
付け状態を示す側断面図である。 Ａ……型枠受片、Ｂ……連結パイプ、Ｃ……軸
脚ボルト、Ｄ……座金、Ｅ……キヤツプ、Ｆ……
断熱板等、Ｇ……フレキシブルボード、Ｈ……合
板型枠板、Ｋ……締付金具、３……大径フラン
ジ、４ａ……締結内ネジ、５……取付内ネジ、７
……外ネジ、８……外ネジ、１０……短い外ネ
ジ、１１……長い外ネジ、１４……外ネジ、１６
……頭体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に小型フランジと他端に大型フランジを形
   成した筒体の一端部に、セパレータ及び軸脚ボル
   トを螺合する締結内ネジを設けると共に、他端部
   に前記締結内ネジより大径の取付内ネジを設けた
   型枠受片と、一端部に前記締結内ネジに螺合する
   短い外ネジを、また他端部に締付金具に螺合する
   長い外ネジを設けた軸脚ボルトと、該軸脚ボルト
   の長い外ネジに螺合する座金と、前記軸脚ボルト
   を遊挿できると共に、一端部に前記型枠受片の取
   付内ネジに螺合する外ネジと、他端部に内ネジを
   設けた連結パイプとを具備したことを特徴とす
   る、断熱材等の同時打込み用型枠締結装置。