JPS622159B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は縦形ポンプにおいて、回転軸とポンプ
本体との間の液漏れを防止するシール装置に関し
ている。

技術背景 揚水羽根を有する羽根車を回転させる回転軸と
ポンプ本体とのシール構造で、一般にメカニカル
シールと称されるものは、回転軸に設けたシール
部材をスプリングを介して本体に圧接する構造で
あつた。この方式はポンプ作動中はシール部材が
圧接された状態で回転するので部品の摩耗が激し
く寿命が短いという難点があつた。

又、特開昭52−56401で代表される液体シール
構造のものは、羽根車に揚水羽根の他に裏羽根を
設け、揚水羽根によつて生ずる吐出力と裏羽根に
よつて発生する遠心力とを調和させることによつ
て、裏羽根部分に液体シールを構成して回転軸か
らの液漏れを防止するものである。この方式はシ
ール部材に圧接する部分がないから部品の摩耗な
どの問題がなく、優れたシール構造であつたが、
ポンプ停止時には全くシール作用をしないので、
ポンプの設置位置が常に吸水する液面より高い位
置でないと運転できないという不便があつた。

この点、前記したメカニカルシール構造では、
シール部材をスプリングで圧接しているので、ポ
ンプの設置位置が自由に選べる利点があるが、前
述のような構造からくる難点をもつていた。

発明の目的 本発明はポンプ本体内にフロートを設けると共
に、フロートの上面にシール部材を設けたもの
で、ポンプ内の液面の上昇に伴つてフロートを上
昇させてシール作用を行うもので、液体シール構
造と組合せると優れた効果を発揮するものであ
る。

発明の要約 本発明は上記目的を達成するため、ポンプ本体
内で羽根車の上方にフロート室を設け、このフロ
ート室に上面にシール部材を設けたフロートを収
容し、前記シール部材が対向した位置に固定され
た他のシール部材が設けられており、フロート室
内に侵入した液体によつてフロートが浮上してフ
ロートのシール部材、およびポンプ固定側のシー
ル部材によつてシール作用をする装置である。

実施例 第１図および第２図が第１実施例であつて、ポ
ンプ本体１は吸込管接続口２、吐出管接続口３を
有し、内部中央にフロート室４およびその下方に
揚水室５が設けられている。６は揚水室５内に収
容した羽根車で、下面に揚水羽根７が設けられる
と共に、羽根車６には上面に裏羽根９を有するシ
ール円盤８が重合されており、両者はポンプ本体
１に軸架された回転軸１０によつて結合されてい
る。１１は回転軸１０を駆動するモータで、ポン
プ本体１の上面に設けられている。

回転軸１０の回転によつて羽根車６が回転する
と揚水羽根７によつて液体は吐出口１２から吐出
管接続口３へ向つて排出されるが、同時に回転軸
１０との隙間からポンプ本体１の外へ漏出しよう
とする。前記した円盤はフロート室４と揚水室５
の間で、三方が壁面で構成されている液体シール
室１３内に収容されていると共に、裏羽根９の回
転によつて発生する遠心力で液体は液体シール室
１３に押付けられているから、揚水羽根７による
吐出液は回転軸から漏れないことになる。

前記フロート室４内にはフロート２０が収容さ
れており、このフロート２０の上端に設けたフラ
ンジ状取付部２１がポンプ本体１に張設したダイ
ヤフラム２２に固定されている。又ダイヤフラム
２２の上面にはリング状のシール部材２３が取付
けられている。

前記ダイヤフラム２２の上方位置で、ポンプ本
体１にはもう１つのシール部材となる固定リング
２４が設けてあり、この固定リング２４とダイヤ
フラム２３との間にシール室２５が形成されてい
る。２６は前記シール室２５内で、回転軸１０に
固定した回転環で、外側に上下が前記シール部材
２３と固定リング２４に接合するシール環２７が
ダイヤフラム２８を介して設けられている。

ポンプの運転が停止すると、液体シール室１３
でのシール作用がなくなるので、液体は液体シー
ル室１３からフロート室４へ侵入し、フロート２
０を押上げる。そしてフロート２０の浮上に伴つ
てシール部材２３がシール環２７を固定リング２
４に向つて圧接し、シール環２７の上下の接合面
でシールされて液漏れが防止される。

前記したシール環２７は回転軸１０にダイヤフ
ラム２８によつて上下に自由に移動可能に取付け
られているから、ポンプ運転の前後では接合した
状態で摺動することなどを考慮して各シール部材
の材料は、フロートのシール部材２３はカーボン
かテフロン、本体の固定リング２４はセラミツ
ク、これら両者と接合するシール環２７はカーボ
ンかテフロンが適しているが、耐摩耗性があれば
他の材料でもよいことはいうまでもない。

第３図は第２実施例で、フロート１２０の上面
にシール部材１２３が設けられていて、第１実施
例のような本体部分のダイヤフラムが省略されて
いるが、本体上方に設けた固定リング１２４、回
転軸１０に設けた回転環１２６、ならびにダイヤ
フラム１２８によつて上下方向に可動できるシー
ル環１２７が設けられている。

又、第４図は第３実施例で、フロート２２０を
本体に設けたダイヤフラム２２２に固定したこと
は第１実施例と同じであるが、回転軸１０に設け
た回転環２２６をフロートのシール部材２２３に
接合されている。

第３実施例ではシール面が１カ所であるが、第
１、第２実施例ではシール環は上、下面にシール
面をもつているからシール効果は第１、第２実施
例の方が優れている。

発明の効果 ポンプ本体内にシール部材を有するフロートを
設け、フロートを収容しているフロート室に侵入
する液体によてフロートを浮上させ、フロートの
シール部材を固定された他のシール部材に圧接す
ることによつて液漏れを防止するようにしたの
で、液体シール構造のポンプに使用したときは、
シール作用を行うのが運転停止時であるから部材
の摩耗がなく部品交換を長時間しないですむこと
の効果がある。

又、液体シール構造ポンプに使用した場合は運
転停止中の液漏れを防ぐから、ポンプの設置が自
由に選べることの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例で、全体を組立てた中央縦
断面図、第２図は第１実施例の主要部の中央縦断
面図、第３図は第２実施例を、第４図は第３実施
例を表わしており、何れも要部のみの中央縦断面
図である。 １……ポンプ本体、２……吸込管接続口、３…
…吐出管接続口、４……フロート室、５……揚水
室、６……羽根車、７……揚水羽根、８……シー
ル円盤、９……裏羽根、１０……回転軸、１１…
…モータ、１２……吐出口、１３……液体シール
室、２０，１２０，２２０……フロート、２１，
２２１……取付部、２２，２２２……ダイヤフラ
ム、２３，１２３，２２３……シール部材、２
４，１２４……固定リング、２５，１２５，２２
５……シール室、２６，１２６，２２６……回転
環、２７，１２７……シール環、２８，１２８…
…ダイヤフラム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポンプ本体内で羽根車の上方にフロート室を
   設け、このフロート室に上面にシール部材を設け
   たフロートを収容し、前記シール部材が対向した
   位置に固定された他のシール部材が設けられてい
   ることを特徴とする縦形ポンプのシール装置。