JPS6221375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばＨ形鋼等のごとき形鋼に穿孔
加工を行う形鋼加工機におけるワーク搬送装置に
関するものである。

公知のように、形鋼加工機においては、形鋼の
搬出入を行うために搬出入を行う前後側にそれぞ
れコンベア装置が設けられており、このコンベア
装置に備えられた支持ローラを回転することによ
つて、形鋼の搬出入を行うものである。したがつ
て、形鋼の位置決め時には慣性や滑りが影響し、
高精度の位置決めが困難なものである。

そこで、従来においては、例えば特公昭54−
30553号公報に開示されているように、コンベア
装置にワーククランプ装置を移動自在に設け、こ
のワーククランプ装置でもつて形鋼のフランジの
１部を挟持した状態において形鋼の位置決めが行
われている。

ところが、上述のワーククランプ装置はコンベ
ア装置の上面から常に突出した状態にあるので、
例えば形鋼加工機と切断機によつて加工ラインを
構成し、必要により切断機のみの使用によつて長
尺材を切断する加工条件のときには、長尺材と前
記ワーククランプ装置とが干渉しないように、形
鋼加工機から切断機を遠く離さなけれならず、大
きな面積を必要としたものである。すなわち、前
記コンベア装置を形鋼加工機と切断機でもつて共
用することができなかつたのである。

本考案は上記のごとき従来の問題点を改善すべ
くなされたもので、以下図面を用いてその１実施
例について詳細に説明する。

第１図、第２図を参照するに、本考案を実施し
た形鋼加工機１は、例えばＨ形鋼のごとき形鋼Ｗ
に上方向からおよび左右方向から穿孔加工を行う
もので、次のように構成されている。すなわちベ
ース３の一側に立設した固定コラム５に対して接
近離反自在な可動コラム７がベース３の他側に立
設してあり、上記固定コラム５の上部に一端部を
固定支持されたビーム部材９の他端部側は、前記
可動コラム７に摺動自在に支承されている。

前記固定コラム５および可動コラム７には、形
鋼Ｗに対し、第１図において左右方向から穿孔加
工を行う水平ドリルユニツト１１がそれぞれ上下
位置調節自在かつ左右方向に移動自在に支承され
ている。また前記ビーム部材９には、形鋼Ｗに対
して上方から穿孔加工を行う垂直ドリルユニツト
１３がビーム部材９の長手方向（第１図において
左右方向）に位置調節自在かつ上下動自在に支承
されている。

上記構成のごとき形鋼加工機は公知であるの
で、より詳細な構成の説明および作用の説明は省
略する。

第２図に示されるように、形鋼加工機１に対し
て形鋼Ｗの搬出入を行うために、形鋼加工機１の
前後側（第２図においての上下側）には搬送用の
コンベア装置１５（後側、第２図において上側の
コンベア装置は図示省略）が配置されている。上
記コンベア装置１５は、枠体構造のフレーム１７
上に複数の支持ローラ１９を回転自在に備えてな
り、このコンベア装置１５の一側部には、形鋼Ｗ
のフランジ部の１部をクランプ自在なクランプ装
置２１が、形鋼Ｗの搬出入方向へ往複動自在かつ
コンベア装置１５の上面に対して出没自在に備え
られている。

より詳細には、第３図、第４図に示されるよう
に、前記フレーム１７（第３図、第４図には図示
省略）には、前記形鋼Ｗの搬出入方向（第３図、
第４図においては左右方向）に離隔して垂直な昇
降ガイド部材２３が対抗して設けられており、各
昇降ガイド部材２３の下端部は連結部材２５を介
して一体的に連結してある。上記各昇降ガイド部
材２３の間には、昇降枠体２７が上下動自在に設
けられている。

すなわち、上記昇降枠体２７は、各昇降ガイド
部材２３に上下動自在に案内支承された両側の支
持フレーム２９と両支持フレーム２９の下端部を
連結した底部材３１等により枠体に構成されてい
る。上記各支持フレーム２９の間には、前記形鋼
Ｗの搬出入方向（第３図においては左右方向）に
延伸した複数のガイド部材３３が上下に離隔して
配置してあり、各ガイド部材３３の両端部はそれ
ぞれ各支持フレーム２９に一体的に支持されてい
る。

前記クランプ装置２１は上記ガイド部材３３に
往復動自在に支承されているものである。このク
ランプ装置２１を往複動するための駆動装置とし
て設けられたシリンダ３５が前記一方の支持フレ
ーム２９に支承されており、このシリンダ３５に
往複動自在に備えられたピストンロツド３７の先
端部が前記クランプ装置２１に適宜に連結してあ
る。したがつて、クランプ装置２１が形鋼Ｗのフ
ランジ部の１部を把持した状態にあるときに、シ
リンダ３５を適宜に作動することにより、クラン
プ装置２１がガイド部材３３に沿つて移動され、
形鋼Ｗの移送が行われ得るものである。

前記形鋼Ｗにおけるフランジ部の１部を把持す
るために、前記クランプ装置２１は次のように構
成されている。すなわち、第５図、第６図に詳細
に示されるように、前記ガイド部材３３に往復動
自在に支承されたスライドベース３９の上部に
は、形鋼Ｗにおけるフランジ部を受容するための
溝部４１が形鋼Ｗの搬出入方向（第６図において
は上下方向）に形成してあり、この溝部４１の両
端部側にはフランジ部を支持するためのローラ４
３が回転自在に備えられている。

前述のごとくスライドベース３９の上部に溝部
４１を形成したことにより、スライドベース３９
の上面には内側壁部４５と外側壁部４７が対向し
て形成された態様となつている。上記外側壁部４
７の外側面には一対の支持ブラケツト４９が水平
に取付けてあり、各支持ブラケツト４９の先端部
は連結板５１によつて互いに一体的に連結してあ
る。

上記一対のブラケツト４９の間にはクランプシ
リンダ５３が配置してあり、このクランプシリン
ダ５３内に備えられたピストン５５と一体のピス
トンロツド５７の一端部は前記連結板５１に固定
されており、ピストンロツド５７の他端部は前記
溝部４１に臨んで設けられている。したがつて、
固定された状態のピストンロツド５７に対してク
ランプシリンダ５３が相対的に移動することとな
る。上記クランプシリンダ５３には、前記溝部４
１を横切つて延伸したクランプジヨー支持部材５
９が一体的に取付けてあり、このクランプジヨー
支持部材５９には、前記ピストンロツド５７の他
端部と対向してクランプジヨー６１が取付けてあ
る。

上記構成により、クランプ装置２１におけるス
ライドベース３９の溝部４１内で、かつピストン
ロツド５７の他端部とクランプジヨー６１との間
に形鋼Ｗのフランジ部が位置するときに、クラン
プシリンダ５３を、第５図、第６図において右方
向へ移動せしめることにより、形鋼Ｗのフランジ
部はピストンロツド５７とクランプジヨー６１と
の間に把持されることが理解されよう。

上述のごとくクランプ装置２１が形鋼Ｗのフラ
ンジ部を把持した状態にあるとき、前述したよう
にシリンダ３５を適宜に作動することにより、形
鋼Ｗを搬送方向に移動できるものである。

再び第３図を参照するに、前記クランプ装置２
１をコンベア装置１５の上面に対して出没するた
めに、前記連結部材２５には昇降枠体２７を上下
動する昇降駆動装置としての昇降シリンダ６３が
装着してある。この昇降シリンダ６３に上下動自
在に備えられたピストンロツド６５の上端部は前
記昇降枠体２７の底部材３１に連結してある。ま
た、上記連結部材２５と底部材３１との間には、
昇降枠体２７を上昇すべく付勢されたコイルスプ
リングのごとき弾機６７が弾装してある。

したがつて、昇降シリンダ６３を適宜に作動す
ることにより昇降枠体２７が上下動され、この昇
降枠体２７に支持されたクランプ装置２１はコン
ベア装置１５の上面に対して出没されることとな
る。すなわち、クランプ装置２１は、不要のとき
にはコンベア装置１５の上面に対して没入してお
くことができるものである。

上述のごとく昇降枠体２７を上下動するとき、
昇降枠体２７等の重量の１部は弾機６７によつて
支承されることとなり、昇降枠体２７の下降時に
おける衝撃等が防止されると共に、昇降シリンダ
６３の負荷が軽減されることとなる。したがつて
昇降シリンダ６３を小型化することができること
となり、安価に製造できることとなる。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案の要旨は実用新案登録請求の
範囲に記載のとおりであるから、その記載より明
らかなように、本考案においては、形鋼加工機に
対して形鋼の搬出入を行う方向の一側方に配置さ
れたコンベア装置の一側部に昇降枠体が上下動自
在に配置してある。この昇降枠体には、形鋼のフ
ランジ部を把持自在なクランプ装置が形鋼の搬送
方向に往復動自在に支承されていると共に、クラ
ンプ装置を往復動するための駆動装置が装着され
ている。

したがつて、昇降枠体、クランプ装置および駆
動装置を１つの組立ユニツトとして取扱うことが
でき、コンベア装置に対する組付け作業が容易に
行われ得るものである。

また本考案によれば、コンベア装置のフレーム
昇降枠体との間には弾機が弾装してあるので、昇
降枠体を降下せしめたときに衝撃がないととも
に、昇降枠体等の重量の１部が弾機によつて支持
されることとなるので、昇降枠体を上下動するた
めの昇降駆動装置の負荷が小さくなり、昇降駆動
装置を小型化できるものである。

さらに本考案によれば、コンベア装置の上面に
対してクランプ装置を出没できるので、例えばク
ランプ装置を使用しない場合には、クランプ装置
をコンベア装置の上面から没入しておくことによ
り、上記コンベア装置を一般的なコンベア装置と
して使用できることとなる。したがつて、例えば
形鋼加工機と切断機によつて加工ラインを構成し
た状態において、必要により切断機のみを使用す
る加工条件の場合には、切断機によつて切断され
る長尺材の支持を前記コンベア装置でもつて何等
の問題なしに行い得るものである。すなわち、形
鋼加工機と切断機によつて加工ラインを構成する
場合、形鋼加工機と切断機との距離を従来に比較
して極めて短くでき、占有面積を小さくできるも
のである。

なお、本考案は前述の実施例のみに限ることな
く、適宜の変更を行うことによつてはその他の態
様でも実施可能なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した形鋼加工機の正面図
で１部省略して示してある。第２図は同平面図で
ある。第３図は第２図における−線に沿つた
拡大断面図である。第４図は第３図の平面図で１
部を省略して示してある。第５図は第１図におけ
る−線に沿つた拡大断面図で１部を省略して
示してある。第６図は第５図における主要部分の
みを図示した平面図である。 １……形鋼加工機、１５……コンベア装置、３
３……ガイド部材、２７……昇降枠体、２１……
クランプ装置、３５……シリンダ、６７……弾
機、６３……昇降シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 形鋼加工機に対して形鋼の搬出入を行う方向の
   少なくとも一側方に上記形鋼の搬送用のコンベア
   装置を配置して設け、上記コンベア装置の一側部
   に、形鋼の搬送方向と平行な方向に延伸したガイ
   ド部材を支承した昇降枠体を上下動自在に配置し
   て設け、前記形鋼のフランジ部を把持自在なクラ
   ンプ装置を前記ガイド部材に往復動自在に支承し
   て設けると共に、上記クランプ装置を往復動する
   ための駆動装置を前記昇降枠体に装着して設け、
   前記コンベア装置のフレームと昇降枠体との間に
   弾機を弾装して設けると共に、コンベア装置の上
   面に対して前記クランプ装置を出没せしめるため
   の昇降駆動装置を前記フレームに装着してなるこ
   とを特徴とする形鋼加工機におけるワーク搬送装
   置。