JPS622123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガラス板、金属板等の被印刷体に見当
精度、及び印刷画像再現精度を要する特殊インキ
を用いて印刷する厚膜印刷等を施すための特殊凹
版オフセツト印刷機に関する。

従来、上記被印刷体面への画像形成、レジスト
膜形成、反応物質等を含むインキによる画像形成
のための厚膜印刷に於て、画像周辺部における画
像の高度なる再現性及び絵付膜厚の比較的厚い画
像形成が要求される場合には、一般的にシルクス
クリン印刷方式では充分にその要求を満足し得る
ものではなかつた。

更に被印刷体、例えば、ガラス板等の厚みの多
少の相違によつて生ずる一枚ごとの印刷圧の相違
が印刷画像の再現精度に良い影響を与えないこと
があり、均一な厚みのガラス板は非常に高価であ
るために、ガラスの厚みのバラツキに関係なく、
良好な印刷画像を得ることが望まれ、又重ね刷り
等の見当合わせを必要とする印刷において高度な
見当精度及び印刷画像再現精度を要する場合は、
被印刷体の厚さ誤差の修正及び見当を的確に合わ
せる装置が必要となる。

本考案は上記の如き欠点、要望を補い、ガラ
ス、金属等の板に見当精度及び印刷再現精度を満
足する、特殊インキを用いてのガラス板及び金属
板への特殊印刷、厚膜印刷を可能とする凹版オフ
セツト印刷機である。

本考案は特殊インキを用いてガラス板、金属板
等に見当精度及び再現精度を要する特殊印刷を行
なう特殊凹版オフセツト印刷機であり、縦、横、
角度の微調整が可能な凹版固定装置と該凹版面と
ドクターブレードとのなす接触角度θ１の調整を
行ない、且つ凹版面上のインキング架台進行方向
に対してある移動角度θ２をもつてドクタリング
し、このドクター移動方向に対して、時に応じて
角度変化が可能であるが、通常直角になるように
ドクターブレードの水平面内回転角度θ３の調整
を行なうドクタリング調整機構と、バキユームバ
ツクを備え被印刷体表面を常に任意な一平面に保
つことの可能な被印刷体固定装置とを備えたこと
を特徴とする凹版オフセツト印刷機である。

本考案を図面に沿つて説明する。第１図、版固
定装置の版固定Ｘ−Ｙクロステーブル１５面上に
画像パターン１６′を製版した凹版１６を取付
け、例えばストライプパターンがブランケツト胴
１８の移動方向と平行になるようにサーキユラー
テーブル１４のハンドル１４′にて角度調整を行
ない、ガラス板１の印刷すべき所定位置にパター
ンが印刷されるようにＸ−Ｙクロステーブル１５
のハンドル１５′にて位置調整を行なう。このと
き、インキング架台２５は、印刷基台２７上の左
端（点線で示す位置）にあり、印刷架台２６は、
インジケーターアーム６が基台２７内に収納され
た状態で基台２７上の右端にある。次に、インキ
ング架台２５がロツドレスエアーシリンダーによ
り往路右方向に移動し、インキングスキージ２０
によつてインキングされ、復路でドクターブレー
ド２１により、ドクタリングされる。このように
して、凹版１６へのインキングを完了した時点
で、バキユームバツクを備えたガラス板固定盤２
に、ガラス板１を三点ピン板４に当接し、起動ス
イツチの操作により第１図左側に点線で示すよう
に印刷架台２６のブランケツト胴１８が凹板１６
の左先まで来て停止する。そして、次に操作ボタ
ンによつてシグナルインジケーターアーム６がた
だちに作動し、ガラス板１を固定盤２のバキユー
ムが最初弱吸引し、第４図平面図に説明するよう
に、該ガラス板の表面に３カ所に於て修正量を検
知する３基のインジケーター１３の測定接触部１
３′が載置され、ガラス表面の水平性を検知し、
所定の水準状態となるような方向に、３基のモー
ター９、，９′，９″によつてガラス板固定盤２の
水準が３点にてすばやく修正される。

所定水準状態にガラス板１の水準修正完了が知
らされた時点で、ソレノイド５が作動し、スライ
ド板３がガラス板１に突き当てられ固定盤２のバ
キユームが強吸引され、ガラス板が確実に固定盤
２に固定された後、ただちにシグナルインジケー
ターアーム６が再び第１図破線に示す基の収納位
置に戻る。尚、シグナルインジケーターアーム６
の作動はアームの支軸部に備えるロータリーエア
ーシリンダー６′が行なう。

次に凹板１６の左先に停止状態にある点線で示
す印刷架台２６のブランケツト１８が、胴入れ状
態で反転移動し、第１図右方向に進行し、先ず低
速にて凹版に付着せるインキをブランケツト胴１
８に転移し、更にガラス１面上で高速に変速され
て、ガラス板にインキを転着した後、架台２６は
右端にて停止する。ガラス板に印刷完了後はスラ
イド板３が離れ、バキユームのリークが停止す
る。

次に本考案印刷機の各機構について詳細に説明
する。先ず、ドクタリング調整機構は、第２図ド
クターブレードの凹版接触各θ１と、第３図に説
明する印刷基台２７に沿つて進行するインキング
架台進行方向とドクターブレード２１の進行方向
とのなす角度θ２と、ドクターブレード２１の水
平面内回転角度θ３の各々角度調整を可能と為
し、これによつて凹版への適性なるインキングが
得られる。上記調整を行なうドクターブレードホ
ルダーは第２図に説明するようにドクターブレー
ド２１をブラケツト２１′にて支持し、該ブラケ
ツト２１′は接触角度θ１調整ホルダー部２８に
回動軸２３を介して回動自在に保持することによ
り、ブレード２１をホルダー２８に対してある角
度θ１に回動調整でき、ホルダー２８の長孔２
８′外側よりブラケツト２１′に螺着される止めネ
ジ２９によつて版に対する接触角度θ１を設定し
て固定する。更に第３図に示すドクターブレード
水平面内回転角度θ３の角度調整は係止ネジ３２
によつて係止された軸芯部３１の回転によつて調
整される。又、進行方向角度θ２は、第６図、ド
クターホルダー部を支持するブラケツト２４がネ
ジシヤフト２２の変速可能な回転により左右移送
され、この移動方向に対して直角方向にインキン
グ架台が進行するために決定される。そして、該
ネジシヤフト２２の回転速度は、ネジシヤフト自
体の変更によるピツチ及び／もしくは該ネジシヤ
フトを駆動させるプーリー径の変更により設定す
る。なお、インキングスキージ２０及びドクター
２１のそれぞれ上下動作は、ガイドコロ３６，３
７を印刷基台２７の上縁部に沿うように取り付け
られたカム板上を移動させることによつて、それ
ぞれ該ガイドコロ３６，３７を上下動作させ、且
つ、該コロによつてそれぞれ支持するそれぞれ各
アーム３８を連動動作させ、それによつて上下動
作する点線にて示すアーム３８の端部側に取り付
けたそれぞれ上下動コロ３５，３４が、スキージ
２０及びドクター２１を押上及び押下解除動作す
ることにより行なう。

次にガラス板等被印刷体を固定する固定盤２の
平面調整機構について説明すれば、シグナルイン
ジケーター１３にてガラス板平面状態を検知し、
該ガラス板１の平面が所定水準状態にない場合に
モーター９に信号が入力し、該モーターの駆動に
よりテーパーブロツク１１が昇降し固定盤２の平
面状態を調整する。一連の該機構２，９，１０，
１１は固定盤２の下方に３基設置されていて、上
方のシグナルインジケーター１３にて測定された
３点に於ける各々の入力信号に応じて３基のモー
ター９が各々調整をシグナルインジケーター１３
の信号が終了するまで行なうように為したもので
ある。

尚、本考案印刷機は、凹版からブランケツト面
及びブランケツトからガラス面への適性なるイン
キ転移条件となるような印刷速度を設定すること
ができるように、インキング架台及び印刷架台の
移動速度を印刷−工程中に変速し得るようにする
ことは可能である。

以上述べた如く本考案は凹版面での縦、横、角
度の微調整を可能にすることによつて、見当合わ
せが精度良く能率的に出来るようになり、ガラス
板等被印刷体の素材がもつ厚みの偏位により生ず
る平面状態を、印刷に適した所定の平面状態に修
正するための被印刷体固定部の平面調整装置によ
つて修正することによつて、被印刷体の厚さバラ
ツキによつて生ずる印刷圧の変動を防止し、再現
精度のある高品質な印刷物を得ることが可能とな
り、更にドクターの凹版との接触角度θ１、ある
いは、凹版上でのドクター進行方向角度θ２及び
水平面内回転角度θ３を適宜調整できるようにす
ることによつて、ドクタリング軌跡を個々に調整
することが出来、凹版面に製版された、例えばス
トライプパターンの方向、幅等、製版画像パター
ンの方向性及び形状性に応じて凹版へ適正なイン
キングを行なつて印刷することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案印刷機の側面図、第２図は本考
案印刷機に備えるドクターブレードホルダーの角
度調整部の側面図、第３図は本考案印刷機におけ
るドクタリング軌跡の一例を示す平面図、第４図
は本考案印刷機に備えるシグナルインジケーター
及び被印刷体固定装置の平面図、第５図は本考案
印刷機に備える被印刷体固定装置の側面図、第６
図は本考案印刷機のインキング架台の駆動系を説
明する側面図である。 １……ガラス板、２……ガラス固定板、３……
スライド板、４……三点ピン板、５……ソレノイ
ド、６……インジケーターアーム、６′……エア
ーシリンダー、７……シグナルインジケーター保
持具、８……アームストツパー、９……モータ
ー、１０……テーパーブロツクＡ、１１……テー
パーブロツクＢ、１２……手動テーパーブロツ
ク、１３……シグナルインジケーター、１４……
サーキユラーテーブル、１４′……テーブル調整
ハンドル、１５……Ｘ−Ｙクロステーブル、１
５′……Ｘ−Ｙクロステーブル調整ハンドル、１
６……凹版、１７……インキ保持溝、１８……ブ
ランケツト胴、１９……ピニオンギア、２０……
スキージ、２１……ドクターブレード、２２……
ネジシヤフト、２３……回動軸、２４……ブラケ
ツト、２５……インキング架台、２６……印刷架
台、２７……印刷基台、２８……θ１調整ホルダ
ー、２９……θ１調整ネジ、３０……軸芯、３１
……軸芯部、３２……係止ネジ、３３……ピニオ
ンギア、３４……ドクター上下動コロ、３５……
スキージ上下動コロ、３６，３７……ガイドコ
ロ、３８……アーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 凹版固定装置と被印刷体固定装置を備え、該
   装置上側にて往復移動可能に、ブランケツト胴
   を有する印刷架台と、ドクター部及びスキージ
   部を有するインキング架台とを備え、特殊イン
   キを用いてガラス板及び金属板等に印刷を行な
   う平台凹版オフセツト印刷機に於いて、縦、
   横、角度の微調整が可能な凹版固定装置と、該
   凹版面とドクターブレードとのなす接触角度θ
   １の調整を行ない、且つ凹版面上をインキング
   架台進行方向に対してある移動角度θ２をもつ
   てドクターリングし、更に前記インキング架台
   進行方向に対して直交する方向とドクターブレ
   ードとのなす水平面内回転角度θ３の調整を行
   なうドクタリング調整機構と、バキユームバツ
   クを備え被印刷体表面を常に任意な一平面に保
   つことの可能な、被印刷体固定装置とを備えた
   ことを特徴とする凹版オフセツト印刷機。 ２ 前記被印刷体固定装置のバキユームバツク方
   式固定盤上にセツトされるガラス板等前記被印
   刷体外周内側表面３カ所に対して当接し該被印
   刷体の所定水準を検出する水平シグナルインジ
   ケーターを、該表面に対して当接動作及び収納
   動作するインジケーターアームの先端に取付け
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の印刷
   機。