JPS6220964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可変抵抗器に関し、とくに摺動子に特
徴のある可変抵抗器の構造に関する。

一般に第１図および第２図に示すような可変抵
抗器は第３図のように基板１の上に円弧状の抵抗
体２および電極３，４，５（それぞれ番端子、
番端子、番端子の端子引き出し電極となる）
を形成し、その上を摺動子６が摺動する。一方、
気密を保持するため回転板７、Ｏリング８をケー
ス９で固定する構造となつている（第４図参
照）。

従来、可変抵抗器の摺動子６を小形化し、かつ
低価格にするため接点とバネを兼ねたものとして
抵抗体２上をそれぞれ第５図または第６図に示す
ように第１図のＢ−B′切断面からみて円または角
の接触面をもつ導電性ゴムを用いる手段があつた
が、第５図の円断面の場合は摺動子の圧縮の程度
により接触面積が変化し、また第６図の角断面の
場合も横方向に摺動する操作力と摩擦力との関係
で、摺動子の一部が変形して持ち上がり、部分的
に抵抗体２と接触しない個所が出るため、可変抵
抗器の重要な性能である抵抗値Ｒ−，Ｒ−
および端子の抵抗体に対する接触抵抗が変つ
てしまい不安定であるという欠点があつた。

また可変抵抗器の理想の摺動子の接触状態、す
なわち抵抗体の幅方向には出来るだけ多く接し抵
抗体の長手方向には最小の長さのみしか接しない
という、いわゆる「線接触」を得ようとすると、
抵抗体の長手方向にあたる摺動子の幅を小さくす
る必要がある。しかし、摺動子自体が変形しやす
いこと、および前述の接触面積の不安定傾向がさ
らに著しく表われることのため、安定な線接触を
得ることが不可能であつた。

本考案の目的はかかる従来欠点を解消した可変
抵抗器を提供することにある。

本考案によれば一対の非導電性弾性部材の間に
抵抗体に線接触する導電性弾性部材を挾持させて
一体化したサンドイツチ構造の摺動子を有するこ
とを特徴とする可変抵抗器が得られる。

以下本考案の実施例について第７図および第８
図を参照にして説明する。

第７図は本考案可変抵抗器の摺動子である。す
なわち、導電性を有する未加硫のシリコンゴム系
導電ゴム６ａを非導電性の未加硫シリコンゴム６
ｂの間にはさんで、同時に加硫させて一体化する
などの公知手段により摺動子６を形成する。本考
案構造の摺動子を用いることにより抵抗体２への
接触面積を圧縮力、操作力にかかわらず設計上決
めた任意のほぼ一定の値に維持し、かつ安定な線
接触を得ることができる優れた性能を示した。

第８図は本考案の第２の実施例で操作時の摩擦
を低減するため摺動子６の非導電性部分の一部す
なわち両端を切欠いた構造のもので、バツクラツ
シユの影響の低減等をはかつたものである。

以上の本考案によれば下記の如き効果がある。

(イ) 接点とバネとを一体化した摺動子を形成する
ことにより、量産向き可変抵抗器が得られる。

(ロ) 従来摺動子の如く圧縮程度により特性が変化
しないので使用部品の寸法程度はラフで良い。
また、経時変化、環境変化に対する特性の安定
性が良い。

(ハ) 操作後の摺動子の抵抗体に対する接触状態が
安定なのでセツテイングスタビリテイ・バツク
ラツシユ特性が良い。

(ニ) 安定な線接触が得られるので摺動ノイズ、接
触抵抗が小さく、しかもセツテイングスタビリ
テイが良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は可変抵抗器の平面図、第２図は側面
図、第３図は可変抵抗器の基板の平面図、第４図
は第１図のＡ−A′で切つた断面図、第５図、第
６図は第１図のＢ−B′で切つた従来例の摺動子部
分の断面図、第７図ａ，ｂは本考案可変抵抗器の
摺動子の第１の実施例のそれぞれ平面図および側
面図。第８図ａ，ｂは本考案の第２の実施例の平
面図および側面図。 １……基板、２……抵抗体、３，４，５……電
極、６……摺動子、７……回転板、８……Ｏリン
グ、９……ケース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一対の非導電性弾性部材の間に抵抗体に線接
   触する導電性弾性部材を挾持させて一体化した
   サンドイツチ構造の摺動子を有することを特徴
   とする可変抵抗器。 (2) 前記摺動子の非導電性弾性部材の摺動する面
   の一部を切り欠いたことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の可変抵抗器。