JPS6219731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は水道等の給水栓の取付け構造に関す
る。

住宅の給水施設は一般に住宅近くの道路に埋め
込まれた配水管（水道本管）から住宅内の給水設
備を設ける場所まで給水管を引き込んだ後に、こ
の給水管を立ち上がらせて室内に導き、その先端
に給水栓を取り付けて構成される。この際、給水
栓を洗面台の洗面器や浴槽の縁部、又は壁等に固
定することになるが、従来は洗面器や浴槽の縁部
に給水栓を直接固定していたため、給水栓を操作
する際の手の力等が洗面器や浴槽の給水栓固定部
分に直接付加されて固定部分を傷めるという問題
がある。この問題は近年特に増加したFRP製の
浴槽や洗面台では大きな問題となり、給水栓の固
定部分に大きな力が加わることによつて浴槽や洗
面器の給水栓固定部分が破損してしまうことがあ
る。また、配管工事の際に、浴槽や洗面器の給水
栓の取付け位置に給水管の先端を正確に引き込む
のは、給水栓の取付け位置が固定的に設けられて
いるため至難なことが多い。

この考案は上記事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは、給水栓を装飾カバ
ーを介して基板に取り付けることによつて、給水
栓に給水栓を操作するための力やその他の外力が
加わつても給水栓の取付け部を傷めることがない
上に、給水栓の取り付けが容易にできるととも
に、防水性が高く、収まり良く取り付けることが
できる給水栓の取付構造を提供することにある。

以下、この考案を図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図はこの考案の一実施例を示
すもので、浴槽１に突設された基板２の突出部２
ｂに給水栓Ａの管径Ｄよりも大きな窓孔３が設け
られている。そして上記基板２には給水栓Ａの管
径Ｄとほぼ等しい径の円形の透孔４，４を有する
装飾カバー５が、上記窓孔３と透孔４，４の位置
を合わせて窓孔３を覆つて取り付けられている。
この装飾カバー５はその両端部５ａを折曲して形
成されたもので、この装飾カバー５を上記基板２
の突出部２ｂに嵌め込むことにより装飾カバー５
が上記のように基板２に取り付けられている。ま
た、この装飾カバー５の内面５ｂには上記窓孔３
を囲む突条６が突設されるとともに、この突条６
の端面には溝６ｂが形成されており、この溝６ｂ
にプチルゴム等で形成されたシール部材７が嵌め
込まれている。

なお、装飾カバー５の上下両端部には前記突条
６とほぼ等しい高さの突条部５Ａが第３図に示す
如く突条６と離間して形成されている。

一方、上記透孔４から窓孔３にかけて給水栓Ａ
が挿通される一方、この給水栓Ａは上記装飾カバ
ー５の外面に当接させた給水栓Ａの鍔８によつて
装飾カバー５を押えつけることで装飾カバー５と
ともに固定される。

ところで、給水栓Ａを取り付ける場合には、装
飾カバー５の透孔４に給水栓Ａを挿通し続いてこ
の給水栓Ａを窓孔３近傍まで配設されている給水
管９に窓孔３を介して接続する。この際、給水栓
Ａを基板２側にねじ込み移動して上記装飾カバー
５を基板２に圧接させて、窓孔３のまわりをシー
ル部材７にて覆うようにする。この際、シール部
材７と突条６が基板２に押し付けられると、突条
部５Ａも基板２の表面に押し付けられて弾性接触
するために、突条部５Ａが基板２に密着する。こ
のため突条部５Ａを隙間なく基板２の表面に密着
させることができ、基板２に収まり良く装飾カバ
ー５を取り付けることができる。また、突条部５
Ａによつてシール材７を目隠しできるために、装
飾カバー５の美観を損なうこともない。以上の場
合、上記給水管の位置が透孔４からずれていて
も、基板２の給水栓Ａの管径Ｄよりも大きい窓孔
３が上記ずれを所定距離許容するため、給水管９
に給水栓Ａを簡単に接続することができる。ま
た、給水栓Ａに外力が加わることがあつても、装
飾カバー５がわずかに基板２の突出部２ｂに沿つ
て移動して、給水栓Ａの固定部である装飾カバー
５の透孔４まわりに加わる力を低減するため、装
飾カバー５の透孔４のまわりを傷めることがな
い。

なお、前述のように装飾カバー５を取り付けた
場合、シール材７により窓孔３を囲む構成となる
ために、窓孔３まわりの防水性も十分高い構造と
なる。また、突条５ｂの全周長さは装飾カバー５
の全周長さよりも小さいために、装飾カバー５の
全外周にシール材７を設ける場合よりもシール材
７を少なくすることができ経済的である。更に、
装飾カバー５の全周にシール材７を設ける場合に
比較してシール材７を短くできるために、シール
材７が短い分、防水切れの可能性も低くなる。

なお、上記装飾カバー５は基板２の突出部に接
着剤等で固着してもよい。この場合に、給水栓Ａ
に大きな力が加わると、接着剤が剥離するととも
に上記装飾カバー５が移動して装飾カバー５の破
損を防ぐ。また、上記装飾カバー５は図示のよう
な形状に限るものではなく、取付場所に合わせて
様々な形状に変更可能である。なおまた、図面に
は給水と給湯用の２本の給水栓Ａが設けられてい
るが、１本の給水栓Ａのみを装飾カバー５に取り
付けてもよいのは勿論である。さらに、給水栓Ａ
の固定手段はこの実施例のものに限らずに、広く
一般に用いられている様々な配管施工上の接続手
段を用いてよい。

ところで、前記構成によれば、突条６のシール
材７により防水性を得る構成のために、装飾カバ
ー５の外周部の形状は自由に設計できる特徴があ
り、設計の自由度が向上する効果がある。

以上説明したように、この考案の給水栓の取付
構造は給水栓の管径とほぼ等しい径の透孔を有す
る装飾カバーを上記給水栓の径よりも大きい窓孔
を有する基板に取り付け、上記透孔から窓孔に給
水栓を挿通した構成になつているので、給水栓に
外力が加わることがあつても上記装飾カバーが移
動して、この外力を給水栓の取付部である透孔ま
わりに直接伝えることがない。したがつて、給水
栓に外力が加わることがあつても、装飾カバーお
よび基板が破損することがない。また、基板の窓
孔は給水栓の位置を上下左右に所定距離許容する
ため、給水管と給水栓の取付作業が簡単にできる
等の効果を奏する。

更に、装飾カバーを基板に取り付けた場合、シ
ール部材と突条が基板に押し付けられると、突条
部も基板の表面に押し付けられて弾性接触するた
めに、突条部が基板に密着する。このため突条部
を隙間なく基板の表面に密着させることができ、
突条部がシール材を目隠しすることと相まつて基
板に収まり良く装飾カバーを取り付けることがで
きる効果がある。なお、前述のように装飾カバー
を取り付けた場合、シール材により窓孔を囲む構
成となるために、窓孔まわりの防水性も十分高い
構造となる。また、突条の全周長さは装飾カバー
の全周長さよりも小さいために、装飾カバーの全
外周にシール材を設ける場合よりもシール材を少
なくすることができ経済的である。更に、装飾カ
バーの全周にシール材を設ける場合に比較してシ
ール材を短くできるために、シール材が短い分、
防水切れの可能性も低くなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は片方の給水栓の取付状態を示す斜視図、第２
図は縦断面図、第３図は横断面略図である。 Ａ……給水栓、２……基板、Ｄ……管径、３…
…窓孔、４……透孔、５……装飾カバー、５Ａ…
…突条部、６……突条、６ｂ……溝、７……シー
ル部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給水栓が挿通される基板に、給水栓の管径より
   大きな窓孔が形成され、上記窓孔の開口部外面
   に、窓孔を覆う装飾カバーが装着されるととも
   に、上記装飾カバーの中央側には前記給水栓を挿
   通する透孔が形成され、上記透孔の周囲部分に上
   記窓孔の開口周縁部を囲む大きさの環状の突条が
   形成され、上記装飾カバーの上下両端部には前記
   突条と略同一高さの突条部が形成されるととも
   に、上記環状の突条の先端面にはその全長にわた
   り溝が形成され、上記溝にはシール部材が装填さ
   れるとともに、上記装飾カバーが透孔に給水栓を
   挿通し、シール部材と突条と突条部を前記基板の
   表面に押し付け、突条で窓孔を囲んで基板に固定
   されてなることを特徴とする給水栓の取付け構
   造。