JPS6219415Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、工作装置を装着して所望する加工位
置まで移動させ、該工作装置に加工作業を行わせ
るための位置割出し装置に関するものである。

（従来技術） 従来、被加工物に所定の加工作業を施す際、そ
の加工作業に適応した工作装置を有する専用機
（例えば、溶接加工であれば、マルチスポツト溶
接装置等）を使用して加工作業を行つていた。し
かしながら、かような専用機は被加工物の複数の
加工部に対応し得るよう複数の工作装置を固定的
に配設しているので、専用機自体が大型化し、製
作コストが高く、しかも被加工物の変更に対し対
応が行い難いという問題を有している。

一方、上記工作装置を装着して水平方向と上下
方向に移動させて加工作業を行わせるための位置
割出し装置も種々提案されているが、このものに
おいては、工作装置を上昇させるのに要する駆動
力が工作装置の盾量の分だけ大となるために、そ
の駆動源としては容量の大きいものしか使用でき
ない。また、被加工物の変更により工作装置を取
り替えた場合は、工作装置の重量が異なることに
より上記駆動源に付加される負荷も異なる等の問
題が生じる。

（考案の目的） 本考案は、この点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、構造が簡易化し被加工物の変更に対し
対応が容易で、かつ、第２の位置割出し台を上昇
させるための駆動源に付加される負荷が小となる
ようにした位置割出し装置を提供することにあ
る。

（考案の構成） このため本考案は、水平方向に移動する第１の
位置割出し台と、上下方向に移動するように第１
の位置割出し台に支持された第２の位置割出し台
と、第２の位置割出し台の駆動源とは別個に、第
２の位置割出し台に連結されこれを上昇させると
きに、前記駆動源の駆動力を補助するための上昇
用補助駆動装置とを具備させる構成としたことを
特徴とする。

（作用） 上記の構成からなる位置割出し装置を使用する
ときは、先ず、第２の位置割出し台に、被加工物
を加工するための工作装置（例えば溶接ガン）を
取り付けた後、第１の位置割出し台および第２の
位置割出し台によつて前記工作装置を所望する加
工位置まで移動させ位置決めし、次いで、その加
工位置において所定の加工作業を行わせる。ここ
で、第２の位置割出し台を上昇させる際は、工作
装置等の重量により第２の位置割出し台の駆動源
に付加される負荷が相当大きくなるが、上昇用補
助駆動装置により適当な大きさの駆動力を補助的
に発生させることにより、上昇時の駆動源の負荷
を下降時のそれとほぼ等しい大きさに設定でき
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図、第２図につい
て説明すると、１は一つの水平方向すなわち
XX′方向に横向きに延びる一対のガイドレール１
ａを有する割出し架台で、割出し架台１の一対の
ガイドレール１ａには第１の位置割出し台として
のＸ軸位置割出し台２が図示しないベアリングを
介してXX′方向に移動可能に設けられている。３
はＸ軸位置割出し台２をXX′方向に移動させるた
めの駆動軸で、駆動軸３は図示しない駆動源に連
結されている。

４はケーシングで、ケーシング４はＸ軸位置割
出し台２に固着され該Ｘ軸位置割出し台２から
XX′方向と直角な水平方向に突出して設けられて
いる。このケーシング４には、第２の位置割出し
台としてのＹ軸位置割出し台５が上下方向すなわ
ちYY′方向に移動可能に支持されている。６はＹ
軸位置割出し台５をYY′方向に移動させるための
駆動モータ（駆動源）である。

７は上昇用補助駆動装置としてのエアシリンダ
で、エアシリンダ７は圧力調整弁（図略）を有し
ケーシング４の側面に固設した支持ブラケツト８
によつてＹ軸位置割出し台５と平行に支持されて
いる。９は基端部がＹ軸位置割出し台５の適当位
置に固着された連結ブラケツトで、連結ブラケツ
ト９の先端部と前記エアシリンダ７のロツド部７
ａ下端とは、ピン１０およびナツクル１１を介し
て連結されている。

次に、この位置割出し装置の作動について説明
すると、先ず、Ｙ軸位置割出し台５の下端部に工
作装置（図示せず）を取り付けた上で、図示を略
す制御装置によつてＸ軸位置割出し台２をXX′方
向に、Ｙ軸位置割出し台５をYY′方向にそれぞれ
移動させる。所定の加工位置まで工作装置を移動
させたら、前記両位置割出し台２，５を確実に位
置決め固定し、次いでその位置で工作装置により
所定の加工作業を行わせる。以下、このようにし
て工作装置を被加工物に対応した加工位置まで順
次移動させて所定の加工作業を行わせていけばよ
い。すべての所定の加工作業が終了すると、Ｘ軸
位置割出し台２、Ｙ軸位置割出し台５を原位置へ
復帰させて１加工サイクルは完了する。

ここで、Ｙ軸位置割出し台５を上昇させるとき
は、該Ｙ軸位置割出し台５に作用する下向きの重
力、すなわち前記工作装置等の重量を打ち消すよ
うに、エアシリンダ７のロツド部７ａ側よりエア
を圧送することにより、駆動モータ６に付加され
る負荷がその分だけ軽減される。したがつて、エ
アシリンダ７により駆動モータ６のＹ軸位置割出
し台５に対する駆動力が補助されるので、駆動モ
ータ６は一層容量の小さいモータを使用できるこ
ととなる。

また、被加工物の変更等によりＹ軸位置割出し
台５に取り付けた工作装置を取り替える場合は、
その重量の大きさが変化するので、これに対応し
てエアシリンダ７の駆動力も変化させなければな
らないが、このようなときは圧力調整弁によりエ
アシリンダ７のロツド部７ａ側に供給されるエア
圧を調整するのみで容易に対応できる。

なお、駆動モータ６を正転してＹ軸位置割出し
台５をY′方向に下降させる際は、エアシリンダ
７のロツド部７ａ側へのエア供給を停止して、エ
アシリンダ７をフリー状態にさせるものとする。

本考案は上記実施例に限定されるものではな
く、例えば、第１の位置割出し台、第２の位置割
出し台およびこれに取り付けられる工作装置等の
移動順序ないし作業動作を順次プログラミングし
て制御するようにすれば、全自動作業も可能とな
る。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、第１の位
置割出し台と第２の位置割出し台とがコンパクト
な構成となつているので、装置自体が小型化し設
置スペースが小となり、製作コストが低減し、加
えて被加工物の変更に対しては、前記両位置割出
し台が独立して２方向に移動するので、その対応
が容易でメンテナンスが楽になるという効果を奏
する。

また、第２の位置割出し台を上昇させる際は該
第２の位置割出し台の駆動源の駆動力を上昇用補
助駆動装置により補助するように構成したので、
上昇時と下降時とで前記駆動源に付加される負荷
の大きさをほぼ等しくさせることができ、したが
つて前記駆動源としては一層容易の小さいものを
使用できる。更に、加工組付ラインへの組込も容
易で、全自動化作業に大いに寄与し汎用性が高い
という効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は第１図の下面図である。 ２……Ｘ軸位置割出し台、５……Ｙ軸位置割出
し台、６……駆動モータ、７……エアシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平方向に移動する第１の位置割出し台と、上
   下方向に移動するように該第１の位置割出し台に
   支持された第２の位置割出し台と、該第２の位置
   割出し台の駆動源とは別個に該第２の位置割出し
   台に連結され、これを上昇させるときに前記駆動
   源の駆動力を補助するための上昇用補助駆動装置
   とを備えたことを特徴とする位置割出し装置。