JPS6219374B2 - - Google Patents

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JPS6219374B2
JPS6219374B2 JP11729782A JP11729782A JPS6219374B2 JP S6219374 B2 JPS6219374 B2 JP S6219374B2 JP 11729782 A JP11729782 A JP 11729782A JP 11729782 A JP11729782 A JP 11729782A JP S6219374 B2 JPS6219374 B2 JP S6219374B2
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Japan
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hollow
mgo
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frit
adhesion
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JP11729782A
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Masaki Ikeda
Atsushi Nishino
Hajime Ooyabu
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、低融ホーロフリツトを用いたホーロ
被覆層、特に各種燃焼機器や調理機器に利用され
るホーロ被覆層の改良に関する。 従来例の構成とその問題点 一般に、鉄ホーロの焼付温度は800〜900℃と高
く、鉄のA1変態点(723℃)以上の温度に加熱す
るので、鉄の結晶型がα鉄からγ鉄に変態し、鉄
板が熱歪みにより変形し易く、焼成加工後の寸法
精度が悪く、不良率が大きくなる。そのため、板
厚を厚くしなければならない。また、鉄板を高温
で加熱すると、鉄板に吸着あるいは吸蔵されてい
る水素ガス等の発生が著しくなる。この吸蔵水素
は、特にツマ飛び発生の原因となり、ホーロ層に
とつて、重大な欠陥となる。 従来の高温焼付ホーロに対して、鋼のA1変態
点以下で焼成できる低温焼付ホーロ加工技術があ
る。この方式の場合は、熱歪みによる基材の変形
が少なく、ツマ飛び発生の重大欠陥もなくなり、
また、板厚が0.4mm程度の薄板の使用が可能で、
これにより、従来は熱変形のために、必要以上に
厚板を使用し、「ホーロとは重たいもの」という
概念を打破することができ、軽量化が図れ、さら
に複雑な形状のものにもホーロ加工ができるよう
になる。 また、近年、省資源、省エネルギーが産業界の
重要な問題となつており、ホーロの焼成温度を下
げることにより、燃料費の節減が図れ、さらに薄
板の使用が可能になることにより、基材の材料費
の節減が図れる。 このように、低温で焼成する低融ホーロ加工技
術は、すぐれた特徴を有しているにもかかわら
ず、現状の高温で焼成する普通ホーロに取つて替
るまでに至つていない。その主な理由は以下の点
にある。 密着性を向上させるための前処理の条件が厳
しい。 熱的特性(耐熱性、耐熱衝撃性等)に劣る。 まず、基材とホーロ層との密着機構については
多くの報告がされており、次のように分類するこ
とができる。 ○イ 機械的結合 ホーロと金属の境界面の凹凸によつて両者が
互いに機械的に固着される機構である。すなわ
ち、金属表面のサンドブラスト処理や薬品によ
るエツチングがこれに属する。通常、鉄にホー
ロ加工を行う場合は、硫酸浴によるエツチング
(酸洗処理と言われる)を行う。 ○ロ 化学結合 ガラスの融着に際して、基材の表面酸化物が
ガラス中に溶解し、鉄とホーロ間の化学的結合
を促進する。焼成温度によつて、鉄とホーロの
間の拡散層が成長する。 ○ハ 遷移層による結合 基材とガラスの間に介在する金属表面の酸化
物が密着促進剤として働き、ガラスと基材が結
合される機構である。特に、効果的な金属表面
酸化物はコバルトとニツケルである。しかし、
実際には、コバルト塩はニツケル塩に比べて高
価であるため、広く使われているのはニツケル
であり、通常ニツケル処理と言われている。 低融ホーロ加工における密着性は、前述のよう
に、焼付け温度が従来の高温ホーロ加工に比して
低いため、○ロの熱的な化学結合による密着向上は
期待できない。そのため、低融ホーロ加工におい
て、密着性を向上させるためには、基材の前処理
(酸洗処理、ニツケル処理)にたよらざるを得な
い。しかし、低融ホーロ加工技術において、焼付
け温度を低下させるためには、用いるホーロフリ
ツト中にアルカリ成分をかなり添加せざるを得な
い。したがつて、酸洗によつて、鉄の表面エツチ
ングが過度に進行した場合、低温焼成用ホーロ釉
薬と鉄の反応が、従来の高温焼成用フリツトを用
いた場合に比して、より進行するため、鉄基地か
らの水素ガスの発生が顕著であり、焼成を行う
と、ホーロ層中にピンホールあるいはみかん肌状
の小さなアワの発生が観察される。 したがつて、低融ホーロ加工技術の場合、ピン
ホール、みかん肌状の小さなアワの発生の観点か
ら、過度の酸洗エツチングすることは避けなけれ
ばならない。また逆に、酸洗エツチングが少なす
ぎると、密着性が極端に低下する。この適性エツ
チング量の範囲は、従来の高温焼付ホーロ技術に
おけるそれに比して、非常に狭いものとなる。 さらに、密着促進材の効果を有するニツケル処
理工程において、ニツケルの付着機構は、鉄とニ
ツケル浴中のニツケルイオンの置換反応であるた
め、基材の鉄のエツチング量とニツケル付着量は
密接な関係がある。低温ホーロ加工技術の場合、
前述のように、鉄表面のエツチングを多くするこ
とができないため、ニツケル処理工程において、
ニツケル浴条件(濃度、温度、PH、浸漬時間等)
が複雑で、かつコスト高になる。 次に、熱的特性(耐熱性、熱衝撃性等)につい
て説明する。 従来の高温焼成ホーロで、光沢性にすぐれてい
る場合、耐熱性は常時使用で400℃程度、熱衝撃
性は250℃程度と言われており、熱器具に用いた
場合、必ずしも良好と言えない。したがつて燃焼
器具などのように、かなり高温で使用される場
合、高温焼成用フリツトにAl2O3、SiO2などの耐
火性材料をフリツト100重量部に対して10〜20重
量部ミル添加剤として加え、800〜900℃で焼付け
る方法がある。この方法によると、ホーロ層は艶
消し、マツト状になり、耐熱性、熱衝撃性は500
〜600℃程度に向上する。これは耐熱ホーロとし
て市販されている。 一方、低温焼成ホーロの場合、ホーロの作業温
度が従来の高温焼付ホーロに比べて100〜200℃低
いため、それだけ耐熱性、耐熱衝撃性に劣る。し
たがつて、低融ホーロ加工技術が使用可能な用途
としては、一般化粧用などが主であり、使用温度
が400℃以上の熱器具あるいは燃焼器具などへの
応用が困難であつた。 本発明者らは、低温焼成可能な耐熱ホーロ層を
得るために、従来の高温焼付ホーロで行われてい
る耐熱ホーロを得る方式を低融ホーロに適用し、
前述の耐火性材料Al2O3をミル添加剤として加え
る方法について検討した。その結果、アルミナの
添加量を増すと、耐熱性は向上するが密着性が低
下するというように、耐熱性と密着性とは相反す
る関係にあり、従来の方式では、低融ホーロフリ
ツトを用いて耐熱性と密着性にすぐれたホーロ層
を得ることはできなかつた。 発明の目的 本発明は、低融ホーロフリツトを用いて、基材
の変態に伴う不都合を生じさせることなく、密着
性および熱的特性にすぐれたホーロ被覆層を提供
することを目的とする。本発明は、特に使用温度
が400℃程度以上の燃焼器具や熱器具に適用でき
るホーロ被覆層を提供するものである。 発明の構成 本発明は、低融ホーロフリツトと少なくとも
MgOを含むミル添加剤からなり、MgOの含有量
が出来上りのホーロ層の1〜20重量%相当である
スリツプを基材に塗布し、鉄のA1変態点(723
℃)以下の温度で焼成することを特徴とする。 本発明によれば、密着性を損なうことなく、熱
的特性(耐熱性、耐熱衝撃性等)を向上させるこ
とができる。その理由は、MgOが焼成時に素地
金属の酸化層Fe2O3と容易に反応してMgO・
Fe2O3を形成し、強い結合作用を与えることによ
るものと考えられる。また、アルミニウム素地の
場合は、スリツプ中のアルカリ成分であるMgO
によつて素地表面が溶解し、これが焼成されて形
成されるガラス中に拡散することにより、密着強
度が向上するものと考えられる。さらに、MgO
は他の成分と異なり、少量添加することにより、
ホーロ層をマツト状にする作用がある。この効果
により、ホーロ層を熱的に強くする。これは
MgO特有の効果であり、他の酸化物成分には見
られない効果であつた。 以下、本発明に用いるホーロフリツト及び
MgOについて詳しく説明する。 (A) ホーロフリツト (1) フリツトの熱膨張係数 ホーロ加工される素地金属の代表的なもの
は、鉄、ステンレス鋼、アルミナイズド鋼、
アルミニウムなどであり、それらの0〜100
℃の温度範囲での熱膨張係数を第1表に示
す。
【表】
【表】 従つて、これら素地金属に合うようにフリ
ツトの熱膨張係数を変更する必要がある。 一般にフリツトの熱膨張係数αは経験則と
して次の様な加算式が便宜的に用いられてい
る。 ここで、aはフリツトの酸化物成分による
熱膨張係数因子、pは各成分の重量百分率で
ある。 第2表はフリツトの代表的な成分の熱膨張
係数因子を示す。フリツトの組成を決定する
場合、上記の式を参考にして、適当な膨張係
数となるよう組成を決定しなければならな
い。 例えば、素地金属が鋼板の場合、通常、一
般ホーロでは、フリツトの膨張率が(85〜
105)×10-7deg-1のフリツトを選択しなけれ
ばならない。その理由は、85×10-7deg-1
下ではホーロ表面が割れたり、素地金属が凸
変形したり、ホーロ層がひけて素地が露出し
たりするからである。 また、フリツトの膨張率が105×10-7deg-1
より大きいと、素地金属が凹変形したり、焼
成後、冷却時にホーロ層が剥離するような現
象を生じる。鉄のA1変態点以下の温度で焼
成するフリツトの場合、現在一般的に使われ
ている鉄用フリツトの膨張率の適正範囲(85
〜105)×10-7deg-1より大きめの値(85〜
115)×10-7deg-1が最適範囲であつた。その
理由は、一般ホーロと比べて、焼成温度が約
100〜200℃低いため、素地金属にかかる熱応
力が小さく、膨張率の適正範囲が一般ホーロ
フリツトより大きくなるからである。 このように、使用基材の種類あるいはホー
ロ焼成温度によつても、選択されるフリツト
の膨張率が規定される。 (2) フリツトの軟化点 低温でホーロを焼成するには、フリツトの
軟化点を下げ、焼成温度でフリツトが軟化流
動し、鋼板の表面をぬらすことが必要であ
る。 例えば、鋼のA1変態点以下の低温でホー
ロ被覆し、素地金属の変形や泡、ピンホール
等の欠陥を防ぐ場合は、ホーロの焼付温度を
723℃以下にする必要がある。また素地金属
が、アルミナイズド鋼板やアルミクラツド鋼
板の場合、600℃以上になると、アルミニウ
ム層と鉄層の間にAl−Fe合金層の成長が著
しくなり、このAl−Fe合金層が成長する
と、ホーロと素地金属の密着性が低下するの
で、焼成温度は600℃以下にする必要があ
る。また素地金属がアルミニウムの場合、ア
ルミニウムの融点は658℃であるため、素地
金属の熱変形を生じさせないように、焼付温
度は600℃以下が必要となる。このように、
使用する素材金属の種類によつても、フリツ
トの軟化点が規定される。 (3) フリツト 本発明に用いるフリツトは、前述のような
膨張率、軟化温度、作業温度の観点から、特
に第3表に示す乳白フリツト、透明フリツト
が適している。 ここで、乳白フリツトとは、ガラス中に溶
解している乳濁剤TiO2が、焼成による再加
熱によつて微細な結晶を析出させ、隠ぺい力
の高い白色ホーロとなるものである。また透
明フリツトとは、これと顔料をまぜあわせ、
所望の色調を呈する着色ホーロを作る時に用
いる。 さらに、第4表は本発明に用いる代表的な
フリツト組成例を示す。膨張率、作業温度を
考えた場合、第4表のNo.1、2は鋼板、ステ
ンレス鋼、鋳物等に使用が可能であり、No.3
はアルミナイズド鋼などに使用することがで
きる。
【表】
【表】 (B) MgO (1) MgOの添加割合 前述のように、MgOはすぐれた性質を有
しているが、その添加量は密着性、熱的特
性、耐食性等の観点から決定される。MgO
の適切な添加割合は、出来上りのホーロ層の
1〜20重量%相当である。 耐熱性を向上するため、他の耐熱材料、例
えばAl2O3、TiO2、ZrO2、SiO2などをMgO
とともに添加することも可能である。その場
合、耐熱性材料の添加量は、総量で出来りの
ホーロ被覆層に対して40重量%以下にしなけ
ればならない。その理由は、ガラスフリツト
材に対して、耐熱性材料が過度になると、密
着性、耐食性に影響を及ぼすためである。 (2) MgOの活性度 MgOの種々の製法によつて、高活性度の
ものから低活性度のものが市販されている
が、本発明に用いるMgOとしては低活性度
のものが好ましい。その理由は、高活性のも
のを用いると、ミル引き後、次のような反応
によつて、スリツプが不安定になりゲル化し
やすいためである。 MgO+H2O→Mg(OH)2 Mg(OH)2+CO2(空気中)→MgCO3+H2O MgOの活性度は、ヨード吸着量から求め
ることができる。その測定法を以下に示す。 試料1gを精秤し、50mlの比色管に取り、
0.1Nヨード試液50ml(ヨードの四塩化炭素
溶液)を入れて密栓する。振とう機で30分間
振とうし、5分間静置後、0.03Nヨードカリ
溶液25ml(75%アルコール溶液)を入れたビ
ーカー(200ml)に上澄液10mlをホールピペ
ツトで取り、0.05Nチオ硫酸ナトリウム溶液
で滴定する。ブランク試験も実施する。 ヨード吸着量=(V2−V1)×127×N/0.2 =mgI/g試料 V1:試料溶液10mlに要したNa2S2O3のml数 V2:ブランク試験 N1:Na2S2O2の規定度(0.05×F) 本発明者らは、種々の活性度のMgOを用い
て、前述のヨード吸着量を測定するとともに、ス
リツプを調製し、スリツプの粘度の経時変化を測
定した結果、ヨード吸着量で30mgI/g以下のも
のを用いるのがよいことがわかつた。 実施例の説明 以下、本発明の実施例を説明する。 実施例 1 MgOの添加割合とホーロ層の特性について検
討した結果を説明する。 第5表は、MgOの添加割合の異なるスリツプ
を用いて、大きさ50×90mm、厚さ0.6mmの鉄板に
被覆したホーロ層の密着性、耐熱性、耐食性の評
価結果を示す。また、比較例として、MgOの代
わりにAl2O3を用いた場合の密着性、耐熱性を第
6表に示す。 なお、スリツプの調整、塗布及び焼成等は、後
述の実施例3に示す組成Cのものに準じた。ま
た、評価方法は以下に従つた。 (1) 耐熱性 650℃の電気炉中に試料片を入れ、30分間保
持後、直ちに取り出し15分間自然放冷する操作
を1サイクルとして、合計30サイクル繰り返し
た。その時の試験片のホーロ層の状態を観察し
た。 ×:ホーロ表面にアワ、クラツク、ヒケ等が認
められるもの。 △:ホーロ表面にアワ、クラツク、ヒケ等が認
められないが、表面に雲つているもの。 〇:外観点に変化が認められないもの。 (2) 密着性 JISR−4301(1978)に示されている密着性
試験器具を台上に水平に置き、その上に前述の
試験片を固定する。その試験片の中央部に径
36.51mmの鋼球(質量200g)を1mの高さから
自然落下させ、衝撃面の状態を観察した。 〇:衝撃面にホーロ層の割れは認められるが、
剥離は全く生じていない。 △:衝撃面にホーロ層の一部欠落が認められる
が、素地に至る剥離は生じていない。 ×:衝撃面に、素地に至る剥離を生じた。 (3) 耐食性 試験片を塩水噴霧装置に10日間かけた後のホ
ーロ面の錆の発生状態を観察した。 〇:錆の発生が全くない △:2〜3個のピンホール状の錆が発生してい
る ×:4個以上の錆が発生している
【表】
【表】 上記の結果から明らかなように、従来の高温ホ
ーロに用いられているAl2O3を低融フリツトに添
加しても、密着性を損なうことなく耐熱性を向上
することができない。 これらに対して、MgOを用いる場合は、その
添加割合を適切にすれば、密着性を損なうことな
く耐熱性を向上することができる。 MgOの添加割合が、出来上りのホーロ層の1
重量%より少ないと、ホーロ表面があまりマツト
状にならず、それほど耐熱性も向上しない。逆
に、20重量%を超えると、ホーロ層が著しくマツ
ト質になり、小さなピンホールの発生が見られ、
それによつて耐食性が著しく低下することが判明
した。以上から、MgOの添加割合は1〜20重量
%が適切である。 実施例 2 ヨード吸着量の異なるMgOを用いて調整した
スリツプについて、常温における粘度の経時変化
を図面に示す。 ここでスリツプの調整は、実施例3の組成Cの
ものに準じた。ただし、MgOの添加割合は5重
量%とし、粘度はB型粘度計で測定した。 図から明らかなように、高活性なMgOを添加
したスリツプほどゲル化が激しいことがわかる。
それに対し、ヨード吸着量が30mgI/gのMgO
を用いると、MgO未添加のスリツプとほぼ同様
な経時曲線を示し、安定なスリツプを調製するこ
とができる。本発明に用いるMgOの活性度とし
ては、ヨード吸着量で30mgI/g以下のものを使
用することが好ましい。 実施例 3 第7表に示す組成の原料を2時間ミル引きして
スリツプを調整した。また、ホーロ用基材として
は、組成a、b、c、e、fのスリツプについて
は、酸洗、ニツケル処理を施した直径150mm、厚
さ0.4mmの円板状のSPP鋼板製ガスストーブ用天
板、組成dのスリツプについては、脱脂処理を施
した直径150mm、厚さ0.4mmの円板状アルミナイズ
ド鋼板製ガスストーブ用天板を用いた。
【表】 各々のスリツプを基材の両面にスプレーガンで
約100μmの厚さに塗布し、約120℃の乾燥機で約
10分間乾燥した後、組成a、b、c、eのスリツ
プを塗布したものは690℃で5分間、組成dのも
のは550℃で5分間、組成fのものは850℃で5分
間それぞれ焼成して試料とした。 これらの試料についての密着性、熱サイクル後
の密着性、耐熱サイクル性、耐食性、実機での水
中急冷、実機テスト(連続燃焼、間けつ燃焼)の
評価結果を第8表に示す。 なお、テスト方法は以下に示す。 密着性:試料の中央部に1mの高さから硬球を落
下した。評価は前述と同じ基準に従つた。 耐熱サイクル性:550℃の電気炉中に20分間試料
を入れ、取り出して15分間放冷する操作を1サ
イクルとし合計100サイクル繰り返し、前述の
耐熱性評価と同様な基準で評価した。 耐熱サイクル後の密着性:耐熱サイクルテストを
100回繰り返した後、試料中央部に1mの高さ
から鋼球を落下した。評価基準は前述と同様で
ある。 耐食性:塩水噴霧試験を連続10日間行つた後のホ
ーロ面の発錆状態を前述と同様な基準で評価し
た。 実機での水中急冷:ガスストーブに試料を実装
し、10分間燃焼(プロパンガス圧300mmH2O、
試料の中心温度は約520℃)させた後、試料を
取り外し、20℃の水中に投入して急冷する操作
を1サイクルとして20回繰り返した。評価基準
は前述の耐熱性の評価基準に準じた。 実機テスト(連続燃焼):ガスストーブに試料を
実装し、1000時間燃焼(プロパンガス圧300mm
H2O)させ、その時のホーロ表面の状態を観察
した。評価基準は、前述の耐熱性の評価基準に
準じた。 実機テスト(間けつ燃焼):ガスストーブに試料
を実装し、燃焼30分、消火15分を1サイクルと
して、1000サイクル繰り返した。その時のホー
ロ表面の状態を観察した。評価基準は前述の耐
熱性の評価基準に準じた。 ここで、第7表について説明すると、ミル組成
a、b、c、dは本発明の代表的な組成であり、
MgOはヨード吸着量として20mgI/gのものを
使用した。ミル組成eは従来の低融ホーロ用の代
表的な組成であり、ミル組成dは従来の高温焼成
を行う耐熱ホーロ組成である。
【表】
【表】 第8表から明らかなように、従来の低融ホーロ
は耐熱特性に問題がある。さらに従来の高温焼成
用耐熱ホーロにおいて、実機での水中急冷試験、
実機テスト(連続燃焼、間けつ燃焼)の項目で一
印がある理由は、使用した基材の板厚が0.4mmと
非常に薄いため、焼成時において、熱変形を起こ
し、ガスストーブに実装が不可能であつたためで
ある。そのため天板の変形によつて、燃焼バラン
スがくずれ、立炎、不完全燃焼が生じた。これに
対して、本発明の耐熱ホーロ層は、すべての項目
において、すぐれた特性を示した。 この実施例においては、ガスストーブの天板に
適用した例を述べたが、その他に、石油ストー
ブ、給湯暖房器などの一般燃焼器、あるいはオー
ブン、トースター、ホツトプレートなどの調理器
などへの応用も可能である。 発明の効果 以上のように、本発明は、省資源、省エネルギ
ーが図れ、しかも軽量化、熱変形、熱ひずみが防
止できる低融ホーロ加工技術を、耐熱性が要求さ
れる用途にまで拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
図面はMgOの各種活性度におけるスリツプ粘
度の経時変化を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 低融ホーロフリツトと少なくともMgOを含
    むミル添加剤からなり、MgOの含量がホーロ被
    覆層の1〜20重量%相当であるスリツプを基材に
    塗布し、723℃以下の温度で焼成することを特徴
    とするホーロ被覆層の製造法。 2 前記MgOが、ヨード吸着量30mg/g以下で
    ある特許請求の範囲第1項記載のホーロ被覆層の
    製造法。
JP11729782A 1982-07-05 1982-07-05 ホ−ロ被覆層の製造法 Granted JPS598639A (ja)

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