JPS62189315A - ２サイクルエンジンにおける排気時期制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、エンジンの排気時期制御装置に係わり、特に
、２サイクルエンジンにおける排気ポートの上部（上死
点側）を開閉することにより、該排気ポートの上縁をピ
ストンの摺動方向に変化させて、該ピストンの摺動に伴
うシリンダ内部と排気通路との連通時期を変化させるよ
うにした排気時期制御装置に関するものである。

「従来の技術」 一般に、車両等に搭載されているエンジンは、低回転域
における動力特性に重点をおいた低回転型と、高回転域
における動力特性に重点をおいた高回転型とに大略２分
されており、前者はエンジン出力のピークが低回転域に
おいて得られるように、また、後者はエンジン出力のピ
ークが高回転域において得られるようになっているが、
前者にあっては、高回転域での出力が頭打ちとなり、後
者にあっては、低回転域での出力が前者に比して低くな
ってしまうといった特性をも合わせ持っていることから
、高回転域における高い出力を維持しつつ低回転域での
出力を高めることにより、低回転域から高回転域に至る
広い範囲において動力特性を向上させることが検討され
ている。

その具体的な一解決手段として、低回転域と高回転域と
でエンジンの排気時期を変えることが挙げられているが
、この手段を２サイクルエンジンに適用せんとした場合
、２サイクルエンジンにおける排気が、ピストンによる
排気ポートの開放によって行なわれることから、排気時
期を変化させるためには、該排気ポートの上縁（すなわ
ちピストンの上死点側の縁）をピストンの摺動方向に移
動させる必要がある。

そこで本発明音等は、前述したような排気ポート上縁を
変化させるための一手段として、第１図゛　　に示す構
造を提案した。

この提案においては、第１図に示すように、シリンダ１
に形成された排気通路２の上部（以下上部はピストンの
上死点側を、また、下部はピストンの下死点側を示すも
のとして説明する）であって、該排気通路２のシリンダ
１内面への開口部であるυト気ポート２ａの近傍に、シ
リンダｌの中心線に直交するように袖３を回動自在に設
け、この袖３に弁体４を一体的に取り付け、該弁体４に
相対する排気通路２の上部に、弁体４を収納するための
凹部５を形成し、かつ、前記弁体４の揺動端部の上部に
前記凹部５の内部へ向かって延び、弁体４が凹部４から
突出させられた状態において弁体４の揺動端部と排気ポ
ート２ａの上縁部との隙間を埋める突部６を一体に形成
するとともに、前記凹部５に、前記弁体４の突部６を収
納する深底部５ａを連設した構成を有し、エンジンが低
回転で運転されている場合には、第１図に示すように、
Ｏｑ記弁体４を軸３を中心に揺動させてその揺動端部に
よって排気ポート２ａの上部を閉塞することにより、該
排気ボー）２ａの上縁２ｂを弁体４の揺動端部の下端ま
で距離り分下死点側へ移動さ什て排気時期を遅延させ、
また、エンジンの回転が高回転に至った場合には、弁体
４を凹部５内に収納して排気ポート２ａの上部を開放す
ることにより排気時期をπめ、これによって全回転域で
の出力特性の向上を図っている。

「発明が解決しようとする問題点」 本発明は、前述した提案においてさらなる特性向上のた
めに残されている、次のような点を改善せんとするもの
である。

すなわち、排気時（掃気時）に、前記排気通路２へ排出
される燃焼ガスの一部が前記弁体４と凹部５の内面との
隙間から該凹部５内に僅かながら侵入する現象が生じ、
該燃焼ガス中に含まれているカーボンが凹部５の内面に
付着して固化し、該カーボンが弁体４と凹部５の内面と
の間に介在して、弁体４の収納位置が設定された位置に
対してずらされてしまうことが考えられるといった点で
ある。

特に、訂記凹部５の白書底部５ａの一側面が、排気の流
れ方向に交差して形成されていて、カーボンの付着量が
多いことが想定されることから、該深底部５ａにおける
カーボンの除去対策を講することが必要であると考えら
れる。

「問題点を解決するための手段　ｊ 本発明は、前述した提案における改善すべき点を有効に
解消し得る２サイクルエンジンの排気時期制御装置を提
供せんとするもので、該排気時期制御装置は、特に、２
サイクルエンジンのシリンダ内面に開口する排気ポート
を備えた排気通路の上部壁に、前記排気ポート近傍から
下流側へ向かって四部を形成し、該凹部内に前記シリン
ダと直交する方向に沿った揺動軸線を有する弁体を揺動
自在に設け、前記弁体を凹部から突出させる方向および
収納する方向に揺動させて、その揺動端部によって前記
排気ポートの上部を開閉することにより、シリンダ内部
と排気ポートとの連通時期を変化させるようにした排気
時期制御装置であって、前記弁体の揺動端部に前記凹部
内に向かって延びる突部を一体に形成し、該突部に、前
記弁体が凹部に収納された際に、該凹部の内面と至近距
離で対向させられる凹凸面を形成したことを特徴とする
。

「作用　」 本発明に係わる２ザイクルエンジンの排気時期制御装置
は、排気通路の上部に形成した凹部の内面にカーボンか
付着した場合、弁体を収納方向へ揺動させる際の慣性力
により、該弁体の揺動端部の突部に形成した凹凸面を前
記ツノ−ボンへ衝突さ１５これによってカーボンを粉砕
して凹部内面からカーボンを剥離さ仕て除去するもので
ある。

「実施例」 以下、本発明の一実施例を第２図および第３図に基づき
説明する。

第２図は本発明に係わる排気時期制御装置を備えた２サ
イクルエンジンの縦断面図、第３図は第２図のｍ−ｍ線
に沿う矢視断面図である。

図において符号７はシリンダを示し、シリンダブロック
７ａおよび該シリンダブロック７ａに取り付けられて燃
焼室Ａを形成するシリンダヘッド７ｂを備えている。ま
た、符号８はシリンダ７内に摺動自在に嵌装されたピス
トン、９は掃気通路、１０は排気通路である。該排気通
路ＩＯの内部には、シリンダ７内部への開口部である排
気ポートｌＱａから下流側へ向かって所定長さを有し、
かつ、シリンダ７の長さ方向に沿う補強用のリブ１１が
、排気通路１０をシリンダ７の周方向に２分割するよう
（三設けられている。このリブ１１は排気通路１０の活
気ボーｌ−１０ａ近傍を補強するとともに、ピストン８
か摺動させられる際に、該ビス）・ン８に取り付けられ
たピストンリング１２が、それ自体の弾性により径方向
外方へ広がって、排気ポートｌＯａの上昇１０ｂや下縁
１０ｃに突き当たるのを防止する機能を果たす。また、
該リブ１１には、その長さ方向に沿って冷却水挿通用の
水通路Ｗが形成されて、該リブ１１の温度上昇を抑制す
るようになっている。

そして、前記排気通路１０の上部でその排気ポート１０
ａの近傍に本実施例に係わる排気時期制御装置１３が設
けられている。

次いで、該排気時期制御装Ｒ１３について説明すれば以
下のとおりである。

該排気時期制御装置１３は、排気通路１０の上部壁に、
前記排気ポート１０ａの近傍から下流側へ向かって凹部
１４を形成し、該凹部１４内に前記シリンダ７と直交す
る方向に沿う軸１５を回動自在に配設するとともに、該
軸１５に一体に設けられ、該軸１５によって揺動させら
れる弁体１６を配設し、該弁体１６の揺動端部に前記凹
部１４内に向かって延びる突部１７を一体に形成し、該
突部１７に、前記弁体１６が凹部１４に収納された際に
、該凹部１４の内面と至近距離で対向させられる凹凸面
１７ａを形成し、また、前記軸１５に、該軸１５をエン
ジンの運転状態に対応して所定角度往復回動させる駆動
機構（図示略）を連設した概略構成を有し、前記弁体１
６を駆動機構により凹部１４から突出させる方向および
収納する方向に揺動させて、その揺動端部によって前記
排気ポート１０ａの上部を開閉することにより、シリン
ダ７の内部と排気ポート１０ａとの連通時期を変化させ
るようになっている。

さらに詳述すれば、前記弁体１６は、第３図に示すよう
に、前記リブ１１をはさんでシリンダ７の周方向に２個
配設されており、それぞれ前記軸１５に取り付けられて
一体的に揺動させられるようになっが、前記排気ポート
１０ａの上部をシリンダ７の周方向に全面に亙って覆い
得る長さとなされているとともに、該揺動端部の上部に
形成される前記突部１７もほぼ同様の幅となされ、また
、該突部１７および弁体１６のシリンダ７の内部側のそ
れぞれの揺動側端面は連続させられて、弁体１６が突出
位置に揺動させられた際にシリンダ７の内面とほぼ連続
させられる制御面１８となされている。さらに、前記突
部１７に形成される凹凸面１７ａは、本実施例では前記
突部１７に、弁体１６の幅方向に間隔をおき、かつ、シ
リンダ７の長さ方向に沿う複数の溝を設けることによっ
て形成されている。

一方、前記凹部１４の内面は弁体１６の上面に対応した
形状となされており、前記排気ポート１０ａの近傍には
、弁体１６が収納位置に揺動させられた際に、該弁体１
６の突部」７が収納される断面三角形状の深底部１４ａ
が形成されている。そして、該深底部１４ａから排気通
路１０の下流側へ向かって、前記弁体１６の中間部が収
納される平坦部１４ｂ、および、光ｌ太１Ａの匪］；「
山ｔｒ、如がｗ鏑六わ大断面半田４すめ詐部１４ｃが順
に設けられた形状となっており、前記弁体１６が収納さ
れた状態において、該弁体１６の上面との間に全面に亙
って微少間隔を形成するようになっている。

しかして、このように構成された本実施例、の排気時期
制御装置１３によれば、弁体１６がエンジンの運転状態
に基づいて操作されることにより、エンジンの出力特性
を全回転域において高めるとともに、凹部１４や弁体１
６へのカーボンの付着を抑制する。

すなわち、エンジンが低回転で運転されている場合には
、軸１５を所定方向へ回動させるとともに弁体１６を揺
動させて排気通路１０内に突出させる。

このような弁体１６の移動により、その制御面１８を排
気ポート１０ａの上部に位置させ、これによって、第２
図に実線で示すように、排気ポート１０ｇの上部を閉塞
し、該排気ポート１０ａの上縁ｆｏｂを見掛は上弁体１
６の制御面１８の下端縁までの距離り９下げる。したが
って、排気ポート１０ａの上縁１０ｂを距離り下げた分
、前記ピストン８による排気ポートＩＤａの開放時期、
すなわち排気時期が遅延さしられる。

一方、エンジンが高回転域に至った場合には、弁体１６
を前述とは逆方向に移動させ、第２図に鎖線で示すよう
に、凹部１４内に収納する。これによって、排気ポート
１０ａの上部が開放されて排気時期が早められる。

したがって、エンジンの低回転域から高回転域までの広
い範囲で適切な排気が行なわれて、エンジンの出力特性
が全回転域において向上さ仕られる。

そして、前述した排気、すなわち掃気作用が行なわれて
いる間、前記排気通路１０へ、燃焼ガスとともに混合気
の一部が吹き抜はガスとして排出され、これらのガスの
一部が前記弁体１６と凹部１４との隙間から該凹部１４
内に侵入し、特に、排気の流れに対し大きく交差させら
れている深底部１４ａの内面に接触させられることから
、該深底部ｉ４ｇの内面にカーボンが付着して順次固化
積層されることが考えられる。このように深底部１４ａ
にカーボンが積層された場合にあっては、前記弁体１６
が収納位置へ揺動させられる際の慣性力により、突部１
７の凹凸面１７ａが前記積層されたカーボンへ突当てら
れ、これによって前記カーボンが砕かれて深底部１４ａ
の内面から剥離される。そして、このようなカーボンの
粉砕作用は、該カーボンの積層厚さが、収納状態におけ
る弁体１６と深底部１４ａの内面との間に設定された隙
間以上になった場合に生じることから、前記弁体１６の
収納位置における位置ずれが防止される。

したがって、弁体１６の突出位置および収納位置が長期
に亙って設定値に保持され、前述した排気時期の制御が
精度よく行なわれる。

なお、前記実施例において示した各構成部材の諸形状や
寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可
能である。

例えば、前記凹凸面１７ａを突部１７に複数の略Ｕ字状
の湾を設けることによって形成した例について示したが
、該溝をＶ字状とするとともに、相互＋−Ｌ＆、二Ｃ七
珪イ寡づ−・づ１−１ずｂν−シｈ　々喜聞フー丁−。

ジ部を設けるようにしてもよい。これによって、固化し
たカーボンの粉砕効果を高めることができる。また、弁
体１６の中間部に該弁体１６を厚さ方向に貫通する連通
孔を形成しておき、前述したように粉砕したカーボンを
、その自重により前記貫通孔を介して排気通路へ排出す
るようにすることもできる。

「発明の効果」 以上説明したように本発明に係わる２サイクルエンジン
における排気時期制御装置は、シリンダ内面に開口する
排気ポートを備えた排気通路の上部壁に、前記排気ポー
ト近傍から下流側へ向かって凹部を形成し、該凹部内に
前記シリンダと直交する方向に沿った揺動軸線を有する
弁体を揺動自在に設け、前記弁体を凹部から突出させる
方向および収納する方向に揺動させて、その揺動端部に
よって前記排気ポートの上部を開閉することにより、シ
リンダ内部と排気ポートとの連通時期を変化させるよう
にした排気時期制御装置であって、前記弁体の揺動端部
に前記凹部内に向かって延びる突部を一体に形成し、該
突部に、前記弁体が凹部に収納された際に、該凹部の内
面と至近距離で対向させられる凹凸面を形成したことを
特徴とするもので、燃焼ガスの一部が弁体と凹部との隙
間から凹部内に侵入して、特に、前記弁体の突部が収納
され排気の流れに対し大きく交差させられている部分の
凹部内面にカーボンが固化積層された場合にあっても、
前記弁体を収納位置へ揺動させる際の慣性力により、突
部の凹凸面を前記積層されたカーボンへ突当てることに
よって該カーボンを粉砕して剥離し、この結果、弁体と
凹部内面との間の介在物を除去して該弁体の収納位置に
おける位置ずれを防止するとともに、排気時期制御の精
度を一層向上させることができる等の優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は排気時期制御装置を備えた従来の２サイクルエ
ンジンを示す一部の縦断面図、第２図および第３図は本
発明の一実施例を示すもので、第２図は一実施例が適用
された２サイクルエンジンの縦断面図、第３図は弁体が
凹部に収納された状態を示す第２図の■−■線に沿う矢
視断面図である。 ７・・・・・・フリンゾ、７ａ・・・・・シリンダブロ
ック、７ｂ・・・・・・シリンダヘッド、８・・・・・
・ピストン、１０・・・・・・排気通路、　　　１０ａ
・・・・・・排気ポート、ｌｏｂ・・・・・・上縁、　
　　　１３・・・・・・排気時期制御装置、１４・・・
・・凹部、　　　　　１４ａ・・・・・・深底部、１５
・・・・・・軸、　　　　　　１６・・・・・・弁体、
１７・・・・・・突部、　　　　　　１７ａ・・・・・
・凹凸面。 つ、−−し・

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ２サイクルエンジンのシリンダ内面に開口する排気ポー
   トを備えた排気通路の上部壁に、前記排気ポート近傍か
   ら下流側へ向かって凹部を形成し、該凹部内に前記シリ
   ンダと直交する方向に沿った揺動軸線を有する弁体を揺
   動自在に設け、前記弁体を凹部から突出させる方向およ
   び収納する方向に揺動させて、その揺動端部によって前
   記排気ポートの上部を開閉することにより、シリンダ内
   部と排気ポートとの連通時期を変化させるようにした排
   気時期制御装置であって、前記弁体の揺動端部に前記凹
   部内に向かって延びる突部を一体に形成し、該突部に、
   前記弁体が凹部に収納された際に、該凹部の内面と至近
   距離で対向させられる凹凸面を形成したことを特徴とす
   る２サイクルエンジンにおける排気時期制御装置。