JPH0533697Y2 - - Google Patents

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JPH0533697Y2
JPH0533697Y2 JP6919289U JP6919289U JPH0533697Y2 JP H0533697 Y2 JPH0533697 Y2 JP H0533697Y2 JP 6919289 U JP6919289 U JP 6919289U JP 6919289 U JP6919289 U JP 6919289U JP H0533697 Y2 JPH0533697 Y2 JP H0533697Y2
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main
exhaust passage
exhaust
engine
main valve
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は2サイクルエンジンの排気装置の改
良に関する。
〔従来の技術〕
従来より、2サイクルエンジンでは、シリンダ
に連通する排気通路内に上下動可能にバルブを設
け、このバルブの移動量によつて、排気ポートの
開度を低速時には小さくし、あるいは高速時には
大きくして、排気ポートの断面積をエンジンの回
転速度に見合つたものとすることにより、出力の
向上をはかつている(たとえば、特開昭63−
173817号参照)。ここで、これまでの2サイクル
エンジンの排気装置の排気ポート部分の構造を模
式的に表した第4図について説明すると、シリン
ダ11内に連通する主排気通路22内に主バルブ
33が上下動可能に配装されたものであつて、こ
の主バルブ33の上下動によつてエンジンの回転
速度に対応した排気を行いうるような排気ポート
44の断面積を得ようというものである。そし
て、この排気ポート44の断面積をエンジンの回
転速度に見合つたものにすることにより、シリン
ダ11内で爆発燃焼し膨張した燃焼ガスを排気ガ
スとして上記排気ポート44から主排気通路22
内に流入させて排出できるようにしたものであつ
て、これによりエンジンの回転速度に応じた出力
の向上がはかられるようになつている。ちなみ
に、エンジンの高速回転時には第5図aに示すよ
うに、主バルブ33を上動して排気ポート44を
一杯に開度させてその断面積を大きくし、また、
低速回転時には第5図bに示すように、主バルブ
33が下動させて排気ポート44の開度を制限す
ることにより、その断面積を狭くすることによつ
て、エンジンの回転速度に見合つた排気ポート4
4の断面積が得られるようになつている。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の従来の2サイクルエンジ
ンの排気装置によれば、特に、低速回転時に主バ
ルブ33の両端部と主排気通路22の内壁との間
に隙間55a,55bが奥行方向に直線状に存在
するが、排気ガスが高圧ガスであるので主排気通
路22内のみならず、同時にその一部が上記隙間
55aならびに55b内へも流入することにな
る、いわゆる「ガス漏れ現象」である。いうまで
もなく、2サイクルエンジンにおけるエンジンの
出力の向上は排気ポート44の断面積がエンジン
の回転速度に見合つた大きさでかつ「ガス漏れ現
象」を極力少なくすることにより達成されるもの
であるから、主排気通路22内で上下動して排気
ポート44の断面積の大きさを決定する主バルブ
33のバルブ効果が要求される。したがつて、上
述のように、主排気通路22と主バルブ33との
間に存在する隙間55aならびに55bからのガ
ス漏れ現象があると、主バルブ33のバルブ効果
が充分に発揮できなくなつて、エンジンの出力向
上の点からみて不都合であつた。
この考案は上述の課題に鑑みてなされたもので
あつて、主排気通路の両側内壁と主バルブの両端
部との間に存在する隙間からのガス漏れ現象が実
質的にほとんど無視でき、これによつて主排気通
路内における主バルブのバルブ効果が充分に発揮
され、結果的にエンジンの出力向上をはかること
ができる2サイクルエンジンの排気装置を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この考案はシリン
ダに連通する主排気通路内で主バルブを上下動さ
せることによりエンジンの回転速度に応じた主排
気通路のポート断面積が得られるようにした2サ
イクルエンジンの排気装置において、主排気通路
をその間口寸法に比べ内部幅寸法が幅広となるよ
うに段差を付けて形成するとともに主バルブを上
記排気通路の内部形状と略相似に形成したことを
特徴とする。
〔作用〕
この考案の特徴によれば、エンジンの回転速度
に応じて主バルブが主排気通路内を上下動してそ
の垂直面に対して上部〜下部寄りに位置させら
れ、排気ポートの断面積がエンジンの回転速度に
見合つた大きさとなる。つまり、高速回転の時に
は上部寄りに位置してポート断面積が大きく、ま
た、低速回転の時には下部寄りに位置してポート
断面積が小さくなる。そして、エンジンの回転時
にシリンダ内から発生する高圧の排気ガスのほと
んどはシリンダに連通する排気ポートから主排気
通路内へ排出されるが、同時に排気ガスの一部は
主排気通路と主バルブとの間に存在する隙間内に
も流入する。この隙間は直線状に存在するもので
はなく、段差が付けられて曲折したものであるの
で、隙間内に流入した排気ガスは直進することな
く、何度か主バルブの段差部や主排気通路の内壁
に衝突してその運動エネルギーを急速に失つて勢
いがなくなる。このように勢いがなくなつた排気
ガスは主排気通路内へ流入してストレートに排出
される高圧の排気ガスに比べると、格段にその排
出速度が遅くなつて隙間内でやや停滞気味となつ
て、これが隙間内における一種にシーリング効果
をもたらす結果となる。このような隙間内におけ
るシーリング効果により「ガス漏れ現象」が実質
的にほとんど無視できる状態となる。したがつ
て、シリンダ内から排気ポートへ流入した排気ガ
スの排出は事実上、主排気通路のみから行われる
ことになつて、主バルブによるバルブ効果、特
に、低速回転時におけるバルブ効果が充分に発揮
されることになつて、エンジンの出力向上に資す
るところが大きい。
〔実施例〕
つぎに、この考案の一実施例を添付図面にもと
づいて説明する。
2サイクルエンジンの排気装置の要部を模式的
に表した断面図である第1図において、シリンダ
1の一側壁にはシリンダ1内からの排気ガス(燃
焼ガス)を外部へ排出するための主排気通路2が
連通状態に形成されている。また、4は排気ポー
トであつて、上記主排気通路2内に上下動可能に
配装された主バルブ3の上下動によつてこの排気
ポート4の断面積を可変しうるようになつてい
る。すなわち、主バルブ3を上動させて排気ポー
ト4を完全に開放すれば、排気ポート4の断面積
が大きくなる。この状態は第2図aに示すように
エンジンの高速回転時に対応する。また、主バル
ブ3を下動させて排気ポート4の一部を閉塞すれ
ば、同排気ポート4の断面積が小さくなる。この
状態は第2図bに示すようにエンジンの低速回転
時に対応する。要するに、エンジンの低速回転時
の、主排気通路2内における主バルブ3の位置を
示す第2図bから明らかなように、主バルブ3の
存在によつて排気ポート4の断面積は高速回転時
に比べ幾分狭くなつている。
そして、上記の主排気通路2はその間口寸法l
に比べ内部幅寸法LがL>lの関係となつて幅広
となるように段差5a,5bが付けられており、
主バルブ3の外観形状も主排気通路2の内部形状
に相似小に形成され、段差6a,6bが付けられ
ている。なお、図示のものでは主排気通路2なら
びに主バルブ3の段差部分近傍はいずれも角張つ
ているが、必ずしもこれに限定されるものでな
く、たとえば、段差部分近傍の角部がアール状に
形成されたものでもよい。
このように、主排気通路2内に主バルブ3が適
宜の公知手段によつて上下動可能に配装されてい
るが、主排気通路2と主バルブ3との間には加工
精度上の問題や製作誤差によつて僅かな隙間7
a,7bが存在する。したがつて、この左右一対
の隙間7a,7bにも上記の段差5a,5bと段
差6a,6bによつて結果的にできる隙間段差8
a,8bを有している。
また、主バルブ3は図示しないが、取付ピンを
支点として回動する回動タイプ、あるいは取付軸
の回転によつて回転して排気ポートの断面積を規
制する回転タイプ、上下方向に平行移動すること
によつて排気ポートの断面積を規制する上下スラ
イドタイプなどの種々のものがあるが、特に、限
定されるものではない。
なお、上記実施例では便宜上、補助排気通路を
設けない2サイクルエンジンについて説明した
が、補助排気通路を設けた2サイクルエンジンに
ついてもこの考案を適用できることはいうまでも
ない。
つぎに、上記構成の動作について説明する。
まず、エンジンの低速回転時には主バルブ3が
下動して、主バルブ3は排気ポート4の断面積が
狭くなつて低速回転に見合つた小さなものとな
る。このような状態のもとで、シリンダ1内の排
気ガスが上記排気ポート4から主排気通路2内へ
流入すると、排気ガスの一部は主排気通路2と主
バルブ3との間に存在する隙間7a,7b内へも
同時に流入することになる。この隙間7a,7b
内に流入した排気ガスは従来のように直進して排
出されることなく、第3図の矢印で示すように、
何度か曲折して排出されることになる。つまり、
第3図に示す隙間7aでいえば、排気ガスの一部
はまず、流路R1に入り込み、主バルブ3の段差
6aに衝突する。ついで、流路R2に流入して主
排気通路2の側壁9に衝突する。続いて、流路
R3に流入して排出される。したがつて、排気ガ
スの運動エネルギーやガス圧は度々の衝突によつ
てかなり低減し、排出速度が著しく低下する。こ
の排出速度が低下した排気ガスは主排気通路2の
中央を流れる排気ガスに比べて隙間7aならびに
7b内にて停滞気味となつて、結果的に隙間7a
ならびに7bに対するシーリング作用を発揮する
ことになる。このシーリング作用によつて前記隙
間7aならびに7bからのガス漏れ現象は従来の
場合に比べてほとんど無視できうる程度となる。
極言すれば、シリンダ1内からの排気ガスはガス
漏れ現象を起こすことなく主排気通路2からのみ
排出されることになるので、排気ポート4の断面
積の可変を規制する主バルブ3のバルブ効果が充
分に発揮されて、エンジンの出力の向上に資する
ところが大きい。
この考案は上記実施例のように構成されている
ので、特に、エンジンの低速回転時に主排気通路
内の主バルブを下動して排気ポートの断面積を小
さく絞り込んだ場合に主排気通路と主バルブとの
間に存在する隙間からのガス漏れ現象がエンジン
の出力に影響を与えない程度に無視できるので、
結果的に主バルブのバルブ効果が発揮されること
になる。したがつて、エンジンの低速回転時にシ
リンダ内から発生した排気ガスを低速回転に見合
つた断面積となつた排気ポートの主排気通路から
のみ排出されることになつて、エンジンの出力の
向上がはかれる。また、主バルブはその前部(間
口寸法)に比べ後部(内部幅寸法)が幅広である
ので、主バルブを大きくでき、少しの上下移動量
で排気ポートの下流側の主排気通路の断面積も大
きく変化させることができる。さらに、主排気通
路や主バルブの段差は図示の実施例では一つの段
差の場合を例示したが、複数の段差が階段状に形
成されて迷路形状としてもよく、この場合、ある
程度の構造の複雑化は否めないが、より大きなバ
ルブ効果が期待できると考えられる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案によれば、主バ
ルブによる排気ポートに対するバルブ効果が充分
に発揮できるので、エンジンの低速回転時の出力
低下のおそれもなく、また、主排気通路と主バル
ブのみの設計変更によつてバルブ効果をあげてエ
ンジンの出力向上をはかることができるので、エ
ンジンの構造が複雑化するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の2サイクルエンジンの排気
装置の要部を模式的に表した断面図、第2図aは
同じく高速回転時の排気ポートを模式的に表した
正面図、第2図bは同じく低速回転時の排気ポー
トを模式的に表した正面図、第3図は第2図bの
低速回転時における排気ガスの流れ状況を模式的
に表した拡大断面図、第4図は従来の2サイクル
エンジンの排気装置の要部を模式的に表した断面
図、第5図aは同じく高速回転時の排気ポートを
模式的に表した正面図、第5図bは同じく低速回
転時の排気ポートを模式的に表した正面図であ
る。 1……シリンダ、2……主排気通路、3……主
バルブ、4……排気ポート、5a,5b……段
差、6a,6b……段差、7a,7b……隙間、
L……内部幅寸法、l……間口寸法。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. シリンダに連通する主排気通路内で主バルブを
    上下動させることによりエンジンの回転速度に応
    じた主排気通路のポート断面積が得られるように
    した2サイクルエンジンの排気装置において、主
    排気通路をその間口寸法に比べ内部幅寸法が幅広
    となるように段差を付けて形成するとともに主バ
    ルブを上記排気通路の内部形状と略相似に形成し
    たことを特徴とする2サイクルエンジンの排気装
    置。
JP6919289U 1989-06-14 1989-06-14 Expired - Lifetime JPH0533697Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6919289U JPH0533697Y2 (ja) 1989-06-14 1989-06-14

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JP6919289U JPH0533697Y2 (ja) 1989-06-14 1989-06-14

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JPH038619U JPH038619U (ja) 1991-01-28
JPH0533697Y2 true JPH0533697Y2 (ja) 1993-08-26

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JPH038619U (ja) 1991-01-28

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