JPS6218213Y2

JPS6218213Y2 -

Info

Publication number: JPS6218213Y2
Application number: JP1982066671U
Authority: JP
Priority date: 1982-05-10
Filing date: 1982-05-10
Publication date: 1987-05-11
Also published as: JPS58178866U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、魚礁用ブロツクに関し、特にヤリ
イカの産卵に使用される魚礁用ブロツクに関す
る。

ヤリイカは、日本の沿岸各地に広く分布し、産
卵接岸期には、一本釣り、すくい網、定置網等に
より漁獲され、冬期の沿岸漁業における重要な資
源となつている。そして、ヤリイカが沿岸よりの
砂礫底か藻類、構造物等に産卵することが知られ
ており人工的に有効な産卵および育成の場を造成
することがより生産高を増加することになる。

ところで、増殖用ブロツクとしては第１図乃至
第３図に示すように、全体が立方体、直方体等で
天井面１のみを設けた、いわゆる開放型（第１
図）、天井面１及び二つの側面２，２′を覆つた、
いわゆる半閉鎖型（第２図）や、六面全てを覆い
側面に孔部３を開設しヤリイカの入口及び出口を
形成した、いわゆる閉鎖型（第３図）等が知られ
ている。しかしながら、閉鎖型のものにあつて
は、産卵面積は広くなるが、新鮮な潮流がブロツ
ク内に流入しにくく卵のふ化率が低い、という問
題点があり、一方、半閉鎖型のものにあつては、
いわゆる潮流の通りが悪く、同様にふ化率が低い
という欠点を有していた。

また、さらに、開放型にあつては潮流が魚礁用
ブロツク内を自由に通過してしまうため、潮流が
早い場合には、ふ化した幼稚仔は海中を漂流し死
亡してしまうという問題を有していた。また、食
害生物から発見され易く容易に食べられてしまう
危険があつた。

一方、従来からの経験則として、ヤリイカの産
卵は、人工魚礁用ブロツクの天井面に成される場
合がほとんどであるという事実が知られており、
閉鎖型（第３図）及び半閉鎖型（第２図）のもの
にあつては、ブロツクの側板が無駄になつてしま
う、という欠点をも有していた。

この考案は、このような従来の欠点に鑑み成さ
れたものであつてその目的とするところは、半閉
鎖型の人工魚礁用ブロツクであつて、潮流を適度
にブロツク内に流入させかつ排出すると共に産卵
面積が広く、さらに天然礁に準ずる産卵環境を作
り出す魚礁用ブロツクを提供することにある。

以下添付図面に示す実施例に基づきこの考案を
詳細に説明する。

この実施例に係る魚礁用ブロツク４は、第４図
に示すように、全体六角形状の天井板５と、この
天井板５の裏面において天井板５周縁部から下方
へ向けて垂直に連設された三つの脚部７とから成
る。

天井板５は、第５図に示すように、三つの長辺
６′と、これら三つの長辺６′の間を結ぶ三つの短
辺６″とにより構成された六角形に形成されてい
る。一方、三つの脚部７は、第６図に示すよう
に、上記天井板５の三つの長辺６′周縁部から下
方へ向けて垂直に連設されている。これらの脚部
７は側面形状が逆三角形状を成し、その基部８は
天井板５の長辺寸法ｌと同じ長さに形成されてお
り、これらの脚部７下端を水平に切欠いて、平坦
な底部９が形成されている。この脚部７外側面は
平担な垂直面を形成しているが、内側面は脚部７
の基部８が厚肉になるように、やや傾斜して形成
されている。

従つて、この魚礁用ブロツク４を使用する場合
には、ヤリイカの生息する水深80ｍ位までの海中
にクレーンにより吊り下げながら沈め、底部９が
夫々接地するように海底に設置する。また、第７
図に示すように複数の魚礁用ブロツクを積み重ね
て使用することも可能である。

この考案に係る魚礁用ブロツクは、以上のよう
にヤリイカの産卵利用率の最も高い天井板が広く
形成され、かつ利用率の低い側板が天井板を支え
る脚部として形成されているため、従来の箱状の
魚礁用ブロツクよりも、よりヤリイカの生態に即
したものである。また、三つの脚部により天井板
裏面の大部分が囲まれているため、設置された場
合、天井板裏面は薄暗い状態となり、ヤリイカが
産卵する天然礁と略同様の環境を作り出すことが
でき、産卵を促進させることが可能となる。さら
に、三つの脚部が夫々三方向に存在するため、潮
流が三つの脚部のいずれかによりさえぎられ、直
接ブロツク内に流入してふ化した幼稚仔をブロツ
ク外へ押し流してしまうことがなく、しかも、三
つの脚部の間から適度に新鮮な海水がブロツク内
へ流入し排出されるため、ふ化率を高めることも
可能となる。更に、害敵から発見されにくく、食
べられることも少いので、生残率を高める事がで
きる。

また、第７図に示すように複数積み重ねて使用
した場合であつても、従来の魚礁用ブロツクより
も安定した設置が可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来使用されていた魚礁用ブロツク
のうち、いわゆる開放型のものを示す斜視図、第
２図は同様にいわゆる半閉鎖型のものを示す斜視
図、第３図は同様にいわゆる閉鎖型のものを示す
斜視図、第４図は、この考案に係る魚礁用ブロツ
クを示す斜視図、第５図は、この考案に係る魚礁
用ブロツクに使用されている天井板を示す平面
図、第６図は、この考案に係る魚礁用ブロツクに
使用されている脚部を示す平面図、第７図はこの
考案に係る魚礁用ブロツクの使用状態の一例を示
す斜視図である。５……天井板、６′……長辺、６″……短辺、７
……脚部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

周縁が三つの長辺６′とその間を結ぶ三つの短
辺６″とにより構成された六角形状の天井板５
と、この天井板５裏面の各長辺部６′から下方へ
向けて垂直に連設された側面形状が逆三角形状の
三つの脚部７とから成る魚礁用ブロツク。