JPS6217570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フユーエルリツドのうち、特に車体
の側部に開閉可能に設けられたスライドドアを有
する自動車の車体外板に設けられるフユーエルリ
ツドのフユーエルリツドオープナーの改良に関す
るものである。

従来、自動車の車体外板に設けられたフユーエ
ルリツドを開放するフユーエルリツドオープナー
においては、車体の側部に開閉可能に設けられた
スライドドアを有する自動車であつても、該スラ
イドドアの開閉にかかわらず作動し、フユーエル
リツドが開放されるようになされていた。

したがつて、この従来のものでは第１図に示す
ようにフユーエルリツド２がスライドドア１の開
放位置の車体外板３に設けられている場合（通
常、この位置が燃料タンクの位置、フユーエルパ
イプの配置及び給油作業性等により最もよい位置
になる場合が多い。）には、スライドドア１の開
放時にフユーエルリツド２を開いてしまうと、ス
ライドドア１の閉扉時に、該スライドドア１の内
張り等とフユーエルリツド２とが互いに干渉し、
双方を破損させてしまう等の問題もある。

このために従来では、上記のような問題を解決
するため、不適当な位置であつても、止むを得ず
スライドドアの開放位置から外れた位置にフユー
エルリツドを設けていた。

そこで本考案は上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであつて、スライドドアが開放されてい
るときにはフユーエルリツドを開けることができ
ないようにしたフユーエルリツドオープナーを提
供し、スライドドアの開放位置に関係なく、フユ
ーエルリツドを車体外板の最もよい位置に設ける
ことができるようにすることを目的をするもので
ある。

そのために本考案では該フユーエルリツドオー
プナーを、車体に取付けられた軸受板にハンドル
が枢支され、該ハンドルの一方には握持部が設け
られ、他方にはプツシユロツドが摺動可能に保持
され、かつ、上記軸受板にはレバーが枢支され、
該レバーはリンケージによりフユーエルリツドの
ロツク装置に連結され、又、上記プツシユロツド
の一端にはプツシユパツドが設けられ、他端には
上記レバーに係脱する突出部が設けられていると
共に、上記車体の側部に設けられたスライドドア
には、該スライドドアの閉時に上記プツシユパツ
ドを押圧し、上記突出部とレバーとを係合させる
プツシヤが設けられ、さらに、上記プツシユロツ
ドとハンドルとの間には、プツシユロツドをスラ
イドドアの方向に付勢し、上記スライドドアの開
時には、上記突出部とレバーとの係合を解除させ
るスプリングが設けられている構造とすることに
より所期の目的を達成するようにしたものであ
る。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

スライドドア３１が装着される車体側部に設け
られたドア開口部３５の前側に近接した位置の車
体フロア１１に、一対の軸受板１２，１３が、そ
れぞれの基端に形成された取付片１２ａ，１３ａ
を介してビス１４により固定されて取付けられて
いる。該軸受板１２，１３の先端寄りには、シヤ
フト１５が渡設され、該シヤフト１５には、横片
１６ａと縦片１６ｂとで側面〓形に形成され、か
つ、該縦片１６ｂの先端に二叉状部１６ｃ，１６
ｄが形成されたハンドル１６の縦片１６ｂの基端
が回動可能に枢支されている。そして、上記二叉
状部１６ｃ，１６ｄのうちいずれか一方には、一
端が車体側に固定されたリターンスプリング１８
の他端が取付けられ、ハンドル１６を通常位置の
方向に付勢している。上記ハンドル１６の横片１
６ａの先端には握持部１７が設けられ、又、上記
ハンドル１６の二叉状部１６ｃ，１６ｄには、上
記軸受板のうち、車体の外側、すなわちスライド
ドア３１側に位置する軸受板１３に穿設された横
方向に長い条孔２０及び上記二叉状部１６ｃ，１
６ｄを貫通し、内側の二叉状部１６ｃから突出す
る突出部である内側突出部１９ａと、上記軸受板
１３から突出するドア側突出部１９ｂが形成され
たプツシユロツド１９が摺動可能に保持されてい
る。上記ドア側突出部１９ｂの先端には樹脂等で
形成されたプツシユパツド２１が取付けられてい
る。

又、上記シヤフト１５の軸受板１２とハンドル
１６の間に位置する部位にはレバー２３の基端が
回動可能に枢支されている。該レバー２３の先端
寄りにはリンケージ２４の一端が連結され、該リ
ンケージ２４の他端はフユーエルリツド（図示せ
ず）のロツク装置３０に連結されている。又、上
記レバー２３の先端には一端が車体に固定された
リターンスプリング２５の他端が取付けられ、上
記レバー２３をロツク装置３０の施錠方向に付勢
している。又、該レバー２３の中間部には、上記
プツシユロツド１９の内側突出部１９ａが係脱さ
れる係合部２６が設けられている。

上記プツシユロツド１９とハンドル１６との間
には、プツシユロツド１９をスライドドア３１の
方向に付勢するスプリング２２が設けられ、スラ
イドドア３１の開時には、上記内側突出部１９ａ
とレバー２３との係合を解除させるようになされ
ている。

上記スライドドア３１の内面前側の下端の上記
プツシユロツド１９のドア側突出部１９ｂに取付
けられたプツシユパツド２１と対向する位置には
プツシヤ３２が設けられ、スライドドア３１の閉
時において上記スプリング２２のばね力に抗して
上記プツシユパツド２１を押圧し、上記内側突出
部１９ａとレバー２３とを係合させるようになさ
れている。

２７はレバー２３のストツパー、３３は車体の
一部を構成するシルインナー、３４はシルアウタ
ーである。

次に本考案によるフユーエルリツドオープナー
の作用について説明する。

今、スライドドア３１を閉ると、プツシヤ３２
によりプツシユパツド２１がスプリング２２のば
ね力に抗して押圧される。これによりプツシユロ
ツド１９が内側に移動し、内側突出部１９ａはレ
バー２３の係合部２６に係合される。この状態、
すなわちスライドドア３１の閉時の状態でハンド
ル１６の握持部１７を握持して第２図に示すＸ方
向に引上げると、その動きがプツシユロツド１９
及びレバー２３を介してリンケージ２４に伝えら
れ、フユーエルリツドのロツク装置３０が解除さ
れ、該フユーエルリツドを開けることができる。

又、スライドドア３１を開放させると、開放時
において該スライドドア３１は先ず第３図に示す
Ｙ方向に移動する。この時プツシユロツド１９は
スプリング２２のばね力により外側に弾発的に移
動し、これにより、内側突出部１９ａはレバー２
３の係合部２６から外れる。したがつて、この状
態すなわちスライドドア３１の開放状態でハンド
ル１６をＸ方向に引上げてもレバー２３にはその
動きが伝達されないため、該レバー２３は作動せ
ず、したがつてリンケージ２４も作動しないた
め、フユーエルリツドのロツク装置３０は解除さ
れない。

尚、上記実施例において、プツシヤ３２とプツ
シユパツド２１との間にベルクランクを設け、プ
ツシヤ３２がベルクランクを蹴り、該ベルクラン
クがプツシユパツド２１を押圧するように構成し
てもよい。

以上述べたように本考案によれば、車体に取付
けられた軸受板にハンドルが枢支され、該ハンド
ルの一方には握持部が設けられ、他方にはプツシ
ユロツドが摺動可能に保持され、かつ、上記軸受
板にはレバーが枢支され、該レバーはリンケージ
によりフユーエルリツドのロツク装置に連結さ
れ、又、上記プツシユロツドの一端にはプツシユ
パツドが設けられ、他端には上記レバーに係脱す
る突出部が設けられていると共に、上記車体の側
部に設けられたスライドドアには、該スライドド
アの閉時に上記プツシユパツドを押圧し、上記突
出部とレバーとを係合させるプツシヤが設けら
れ、さらに、上記プツシユロツドとハンドルとの
間には、プツシユロツドをスライドドアの方向に
付勢し、上記スライドドアの開時には、上記突出
部とレバーとの係合を解除させるスプリングが設
けられている構造とし、スライドドアの閉時の
み、フユーエルリツドを開くことができるように
し、スライドドアの開時にはフユーエルリツドを
開くことができないようにしたので、スライドド
アの内張り等とフユーエルリツドとの干渉を防止
して双方の破損をなくすことができる。したがつ
て、スライドドアを有する自動車であつても、該
スライドドアの開放位置に関係なくフユーエルリ
ツドを車体外板の最もよい位置に設けることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフユーエルリツドの取付位置を示す車
体の側面図、第２図は本考案によるフユーエルリ
ツドオープナーを示す斜視図、第３図はスライド
ドアとフユーエルリツドオープナーとの関係を示
す第２図のＡ方向から見た正面図である。 １１は車体フロア、１２，１３は軸受板、１５
はシヤフト、１６はハンドル、１７は握持部、１
８，２５はリターンスプリング、１９はプツシユ
ロツド、１９ａは内側突出部、２１はプツシユパ
ツド、２２はスプリング、２３はレバー、２４は
リンケージ、２６は係合部、３１はスライドド
ア、３２はプツシヤ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体に取付けられた軸受板にハンドルが枢支さ
   れ、該ハンドルの一方には握持部が設けられ、他
   方にはプツシユロツドが摺動可能に保持され、か
   つ、上記軸受板にはレバーが枢支され、該レバー
   はリンケージによりフユーエルリツドのロツク装
   置に連結され、又、上記プツシユロツドの一端に
   はプツシユパツドが設けられ、他端には上記レバ
   ーに係脱する突出部が設けられていると共に、 上記車体の側部に設けられたスライドドアに
   は、該スライドドアの閉時に上記プツシユパツド
   を押圧し、上記突出部とレバーとを係合させるプ
   ツシヤが設けられ、さらに、上記プツシユロツド
   とハンドルとの間には、プツシユロツドをスライ
   ドドアの方向に付勢し、上記スライドドアの開時
   には、上記突出部とレバーとの係合を解除させる
   スプリングが設けられていることを特徴とするフ
   ユーエルリツドオープナー。