JPS6217200Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、回転円板と下杵とにより圧縮成形
する回転式粉末圧縮成形機に関するものである。

一般に、粉末を圧縮し錠剤等の成形品を得る方
法としては、回転盤に上下に昇降する上杵と下杵
とが挿嵌され、下杵の先端部は臼孔内に入つて粉
末の量を決め、これらの上杵と下杵とは回転盤の
回転と共に移動し、上杵の降下により上杵先端部
は臼孔内に入り、上下の圧縮ロールにより粉末が
圧縮されて錠剤のよのような成形品を成形するよ
うにした回転式粉末圧縮成形機が使用されてい
る。

このような回転式粉末圧縮成形機には、回転盤
があつてその上方にはこの回転盤と一体成形され
た上杵保持盤があり、それに上杵が嵌込まれて圧
縮成形時には回転盤に配設された臼孔に入り込み
粉末を圧縮するのであるが、この上杵が降下して
臼孔に入る時には臼孔の上縁部と上杵の先端縁部
が接触しながら入り込むために、このような状態
を使用により繰返しているとその上杵先端部と臼
孔の上縁部がそれぞれ摩耗して長期の使用が出来
ないものである。特に、フエライトやセラミツク
等の成形品はこれらの性質上、縁にかえりの無い
ものが要求されるために、上記のよううに摩耗に
よりかえりが発生すれば、研磨機等によつてその
かえりを取り除かねばならないものである。

そこで、上杵のかわりに平板で臼孔上部を閉鎖
して下杵により粉末を圧縮する方法が公知である
が、それらのものは臼孔内の粉末が回転盤の回転
により水平移動する間に下杵と平板とにより圧縮
されるため、即ち固定された平板の下面を臼孔内
の粉末が摺動しながら下杵とにより圧縮されるた
めに、その粉末は回転方向と逆の方に片寄せられ
てしまい錠剤等の成形品は肉厚差が発生すると共
に硬度も均一なものではない。

また、臼孔上部を閉鎖する平板等には圧縮成形
時に下方より強大な力を受けることとなり、その
構造も堅牢なものが必要となるものである。

本考案は、そのような欠点を除く目的のために
なされたものであり、その構成を図面について説
明すれば、次の通りである。

この考案は、回転盤１の周縁部に多数配設され
た臼２の中にその先端部がそれぞれ昇降自在に挿
拒されている下杵３、該下杵３の昇降装置８、上
記下杵３をその下方より押圧するために圧縮成形
位置に配設された圧縮ロール１６、上記臼２の中
に充填された粉末１３を上記下杵３とによりその
上方より圧縮するために圧縮成形位置における回
転盤１の上面にその下面７が接触するように配設
された回転円板５、該回転円板５の枢軸６、そし
て上記回転円板５の圧縮成形位置の真上に配設さ
れた補助圧縮ロール２９とから形成された回転円
板と下杵とにより圧縮成形する回転式粉末圧縮成
形機である。

上記構成において、回転円板５は、回転盤１の
回転に追従して回転させることができる。

このようにした場合は、回転盤１が高速で回転
しても確実に粉末の片寄りを防止できる。

また上記構成において、回転円板５の下面即ち
圧縮面７は、粉末１３の付着しないように四フツ
化エチレン樹脂等で表面処理することができる。

このようにした場合には、湿度大成る付着し易
い粉末も容易に圧縮成形することができる。

更に上記構成において、枢軸６は、回転円板と
一体に回転するようにすると共に上記回転円板が
回転盤の回転に追従して回転するようにすること
ができる。

このようにした場合には、回転円板の強度を向
上できると共に回転盤１が高速で回転しても確実
に粉末の片寄りを防止することができる。

また更に上記構成において、回転円板５は、そ
の回転盤１と接触しない部分の下面７を適当な支
持装置によつて支持することができる。

このようにした場合には、回転円板５が圧縮成
形時においても水平を保持することができると共
により堅牢な構造とすることができる。

この考案の回転円板と下杵とにより圧縮成形す
る回転式粉末圧縮成形機の一実施例を、図面につ
いて説明すれば次の通りである。

回転盤１の周縁部に多数配設された臼２の孔中
にフイードシユ４により粉末１３が充填され、そ
の粉末１３の充填量は、分量ハンドル１１を回す
ことにより昇降装置８の一部である分量レール１
２が昇降しその上を通過する下杵３の昇降位置に
より決まるものである。

圧縮ロール１６の位置の上方には、回転盤１の
臼２の上面に接触しその臼２の孔を閉鎖するよう
にその圧縮面である下面７が形成された回転円板
５が配設されており、該回転円板５はフレーム２
０に取着された枢軸６に回転自在に取着されてお
り、回転盤１の回転に追従して回転盤１と共に回
転するものであり、その回転盤１と接触しない部
分の下面７には、ベアリング等を配した支持装置
２８が配設されて圧縮成形時に発生する下向きの
応力を回動自在に受けている。

この回転円板５の圧縮成形位置の真上の上面に
は補助圧縮ロール２９が配設されており、該補助
圧縮ロール２９は、フレーム２０に取着された一
対の支持棒３０に高さ調節自在に取着されている
支持板３１に、補助圧縮ロール用枢軸３２によつ
て回転自在に取着されており、その補助圧縮ロー
ル２９の外周下端が上記回転円板５の上面に接触
して、圧縮成形時における下方より粉末を介して
押し上げられる上方への力等を回動自在に受ける
ものである。

上記圧縮ロール１６は、ロール台１５に配設さ
れたロール枢軸１７により回転しウオーム歯車１
８を回すことにより、その頂点が上下に微調整で
きるようになつている。

上記臼２の孔中に充填された粉末１３と下杵３
が回転盤１の回転によりこの圧縮ロール１６の位
置に移動すると、下杵３は上昇して円板５の下面
７とによりその粉末１３が圧縮成形されて成形品
である錠剤１４が形成される。

この成形された錠剤１４は、昇降装置８である
下杵押上レール９により下杵３の先端部が回転盤
１の上面迄押し上げられて、スクレパ２６により
シユート２７に取り出され、その取り出された下
杵３は昇降装置８である下杵低下器１０により下
降し、再びフイードシユ４により粉末１３が充填
されるものである。

なお、回転盤１は、図示しない電動機の回転
を、ベルト２１とベルト車２２と駆動ウオーム２
３と駆動ウオーム歯車２４とにより伝達し、回転
盤枢軸２５を駆動することにより回転するもので
ある。

本考案は、上記実施例に限定されるものではな
く、たとえば、回転円板の枢軸を回転盤の上方に
配設して、その回転円板と回転盤の回転方向を同
一にしてもよく、また、補助圧縮ロール２９を適
当な駆動装置により回転させるようにしてもよく
任意である。

以上に説明したように、本考案は、回転円板が
圧縮成形時においても回転盤と共に回転するこ
と、即ち圧縮成形位置での周速が同期するため
に、粉末は片寄り無く均一な厚みと硬度を有する
良好な錠剤等の成形品が得られると共に、回転円
板やその枢軸等を強度的により簡単な構造とする
ことができ、しかも圧縮成形圧力を高くしても臼
孔上面を確実に閉鎖しそれを保持することができ
る等の効果を有するもである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案による回転円板と下杵とにより
圧縮成形する回転式粉末圧縮成形機の一実施例を
示すものであり、第１図は要部平面図、第２図は
一部断面にした正面図、第３図は要部側面図であ
る。 図において、１は回転盤、２は臼、３は下杵、
４はフイードシユ、５は回転円板、６は枢軸、７
は下面、８は昇降装置、９は下杵押上レール、１
０は下杵低下器、１１は分量ハンドル、１２は分
量レール、１３は粉末、１４は錠剤、１５はロー
ル台、１６は圧縮ロール、２０はフレーム、２６
はスクレパ、２７はシユート、２８は支持装置、
２９は補助圧縮ロール、３０は支持棒、３１は支
持板、３２は補助圧縮ロール用枢軸を示すもので
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 回転盤１の周縁部に多数配設された臼２の中
   にその先端部がそれぞれ昇降自在に挿嵌されて
   いる下杵３、該下杵３の昇降装置８、上記下杵
   ３をその下方より押圧するために圧縮成形位置
   に配設された圧縮ロール１６、上記臼２の中に
   充填された粉末１３を上記下杵３とによりその
   上方より圧縮するために圧縮成形位置における
   回転盤１の上面にその下面７が接触するように
   配設された回転円板５、該回転円板５の枢軸
   ６、そして上記回転円板５の圧縮成形位置の真
   上に配設された補助圧縮ロール２９とから形成
   された回転円板と下杵とにより圧縮成形する回
   転式粉末圧縮成形機。 ２ 回転円板５が、回転盤１の回転に追従して回
   転するようにしたものであることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の回転円板
   と下杵とにより圧縮成形する回転式粉末圧縮成
   形機。 ３ 回転円板５の下面即ち圧縮面７が、粉末１３
   の付着しないように四フツ化エチレン樹脂等で
   表面処理されたものであることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載の
   回転円板と下杵とにより圧縮成形する回転式粉
   末圧縮成形機。 ４ 枢軸６が、回転円板と一体に回転するように
   すると共に上記回転円板が回転盤の回転に追従
   して回転するようにしたものであることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項ないし第
   ３項のいずれかに記載の回転円板と下杵とによ
   り圧縮成形する回転式粉末圧縮成形機。 ５ 回転円板５が、その回転盤１と接触しない部
   分の下面７を適当な支持装置２８によつて支持
   されているものであることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項ないし第４項のいずれ
   かに記載の回転円板と下杵とにより圧縮成形す
   る回転式粉末圧縮成形機。