JPS6217124Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続圧延設備において板の巻取りに使
用する巻取機に関する。

連続圧延設備においては、圧延機を停止させる
ことなく板を連続して巻取ることができるよう複
数台の巻取機を並列に配置し、交互に板を巻付け
ている。この場合、送られてくる板をデフレクタ
ーロールの個所で巻取機に向け斜め下方に曲げる
工程を含み、従来は斯る作業を行なつていたた
め、あまり高速では板を巻取り機に巻き付けられ
なかつた。

本考案は以上の問題を解決するためになしたも
ので、筒状回転体の中空部に回転自在に嵌込んだ
中空軸と、油圧により作動する拡縮装置により拡
縮し得る複数の巻取胴と、該複数の巻取胴を前記
中空軸の軸線を中心に公転自在且つ自転自在に支
持する装置と、前記筒状回転体に回転力を与える
駆動装置と、前記中空軸に回転力を与える駆動装
置と、前記筒状回転体の回転を一方の巻取胴に伝
える伝動装置と、前記中空軸の回転を他方の巻取
胴に伝える伝動装置と、前記中空軸の中空部を貫
通し前記拡縮装置に圧油を送る圧油供給パイプと
を備えたことを特徴とするものである。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

第１図及び第２図に示すように、円筒状の回転
フレーム１と回転ケース２を１本の軸線Ｏを中心
に回転自在に設け、該軸線Ｏと平行に延びる２本
の巻取胴３，４の支持軸５，６を回転フレーム１
に軸受７を介して回転自在に取付けている。回転
フレーム１と回転ケース２は外周に軸受８，９を
備え、回転フレーム１は軸受８を巻取機ベース１
０上の台座１１に載せることにより巻取機ベース
１０に回転自在に支持されており、回転ケース２
は軸受９をドライブベース１２上の台座１３に載
せることによりドライブベース１２に回転自在に
支持されている。回転フレーム１と回転ケース２
の互いに対向する側壁部に大径の歯車１４，１５
を固定し、該大径の歯車１４，１５と噛合する小
径の歯車１６，１７を公転用モータ１８により回
転して回転フレーム１と回転ケース２を同一の回
転速度で同一方向に回転せしめるよう構成してい
る。１９，２０は小径の歯車１６，１７に固定し
た軸、２１，２２は該軸１９，２０を回転自在に
支持した軸受、２３は公転用モータ１８の回転力
を軸１９，２０に伝える歯車装置である。従つて
２本の巻取胴３，４は支持軸５，６を中心に回転
（自転）すると共に、公転用モータ１８の駆動よ
り軸線Ｏを中心に回転（公転）できるようになつ
ている。

次に巻取胴３，４を自転する機構を説明する
に、筒状回転体２４の中空部を貫通し軸線Ｏと同
一方向に延びる中空軸２５を回転ケース２の中心
部に貫挿し、中空軸２５と筒状回転体２４との間
に軸受２６を介在せしめている。中空軸２５の一
端と筒状回転体２４を軸受２７，２８により支持
して回転ケース２に回転自在に取付け、又中空軸
２５の他端を軸受２９により支持してドライブベ
ース１２上の固定フレーム３０に回転自在に取付
けている。又中空軸２５の回転を一方の支持軸５
に伝えるため、中空軸２５の一端に歯車３１を一
体に設け、該歯車３１に噛合する歯車３２を軸３
３に固定し、該軸３３を軸受３４により支持して
回転ケース２に回転自在に取付け、該軸３３と一
方の支持軸５を自在継手３５及びコネクテイング
ロツド３６により連結している。又筒状回転体２
４の回転を他方の支持軸６に伝えるため、筒状回
転体２４の一端に歯車３７を一体に設け、該歯車
３７と噛合する歯車３８を軸３９に固定し、該軸
３９を軸受４０により支持して回転ケース２に回
転自在に取付け、該軸３９と他方の支持軸６を自
在継手４１及びコネクテイングロツド４２により
連結している。

中空軸２５と筒状回転体２４は駆動モータ４
３，４４により回転できるようになつている。具
体的には、中空軸２５の他端に歯車４５を一体に
設け、該歯車４５と噛合する歯車４６を軸４７に
固定し、該軸４７を軸受４８により支持して固定
ケース３０に回転自在に取付け、該軸４７にカツ
プリング４９を介して駆動モータ４３の出力軸を
連結し、又筒状回転体２４の他端に歯車５０を固
定し、該歯車５０に噛合する歯車５１を軸５２に
固定し、該軸５２を軸受５３により支持して固定
ケース３０に回転自在に取付け、該軸５２にカツ
プリング５４を介して駆動モータ４４の出力軸を
連結し、駆動モータ４３の回転力は歯車４６，４
５、中空軸２５、歯車３１，３２、コネクテイン
グロツド３６等を経由して支持軸５に伝わり、こ
れにより一方の巻取胴３が回転し、又駆動モータ
４４の回転力は歯車５１，５０、筒状回転体２
４、歯車３７，３８、コネクテイングロツド４２
等を経由して支持軸６に伝わり、これにより他方
の巻取胴４が回転する構成としている。

巻取胴３，４は拡縮用油圧ロータリーシリンダ
５５，５６の働らきにより拡縮できるようになつ
ており、外部油圧源から拡縮用油圧ロータリーシ
リンダ５５，５６に圧油を供給するため、中空軸
２５の中空部に圧油供給用パイプ５７，５７を貫
挿し、且つ回転フレーム１の中心部及び支持軸
５，６に回転継手５８，５９，６０を設け、圧油
供給用パイプ５７，５７を前記回転継手５８，５
９及び連絡用ホース６１を介して一方の拡縮用油
圧ロータリーシリンダ５５に連通せしめ、又圧油
供給用パイプ５７，５７を前記回転継手５８，６
０及び連絡用ホース６２を介して他方の拡縮用油
圧ロータリーシリンダ５６に連通せしめている。

なお図中６３はコイルを示している。

以上のように構成した巻取機の使用方法を第３
図乃至第５図により説明する。

第３図は圧延機６４を出て分割シヤー６５，デ
フレクターロール６６を通過し一定の速度Ｖで移
動してきた板６７を一方の駆動モータ４３の働ら
きにより一方の巻取胴３に巻取つている状態を示
し、いま、この巻取胴３での巻取りが終了に近づ
いたときは、他方の駆動モータ４４も作動し、パ
スラインと同一高さに位置する他方の巻取胴４の
回転を開始せしめてその周速νが板６７の速度Ｖ
と略同じになるように保つ。これと同時にベルト
ラツパー６８、板案内６９も所定の位置で待機せ
しめておく。そして分割シヤー６５により板６７
が分割されると、他方の巻取胴４にて後続の板の
巻取りを開始し、巻取りが開始したらベルトラツ
パー６８及び板案内６９を退去する。巻取胴３に
巻取られたコイル６３はこの間にコイルカー７０
により搬び出される。

次に公転用モータ１８を作動し巻取胴３，４を
第４図及び第５図に示すように軸線Ｏを中心とし
て矢印ａ方向に180゜回転する。この間巻取胴４
による巻取りは継続する。第５図の状態に巻取胴
３，４を公転した後は通常の巻取り操作により板
６７を巻取る。

以上の動作を繰り返し行なえば、圧延機を停止
することなく、板を連続して巻取ることができ
る。

本考案の巻取機によれば、板の巻取りを開始す
るに際し、板を停止することなく高速で行うこと
が出来る。又中空軸２５の中心部を油圧供給用パ
イプを通すことにより、回転フレーム１，回転ケ
ース２を一方向に何度でも回転出来、従つて連続
巻取作業が可能となる。中空軸２５の中心部は油
圧供給用パイプのみならず、回転フレーム１上の
軸受７に潤滑油供給用パイプを通すことが出来る
ことは云うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の平断面図、第２図は第１図の
−矢視図、第３図乃至第５図は本考案の使用
状態を示す説明図である。 １……回転フレーム、２……回転ケース、３，
４………巻取胴、１４，１５，１６，１７，３
１，３２，３７，３８，４５，４６，５０，５１
……歯車、１８……公転用モータ、２４……筒状
回転体、２５……中空軸、３５，４１……自在継
手、４３，４４……駆動モータ、５５，５６……
拡縮用油圧ロータリーシリンダ、５７……圧油供
給用パイプ、５８，５９，６０……回転継手、６
３……コイル、６４……圧延機、６６……デフレ
クターロール、６７……板、Ｏ……軸線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状回転体の中空部に回転自在に嵌込んだ中空
   軸と、油圧により作動する拡縮装置により拡縮し
   得る複数の巻取胴と、該複数の巻取胴を前記中空
   軸の軸線を中心に公転自在且つ自転自在に支持す
   る装置と、前記筒状回転体に回転力を与える駆動
   装置と、前記中空軸に回転力を与える駆動装置
   と、前記筒状回転体の回転を一方の巻取胴に伝え
   る伝動装置と、前記中空軸の回転を他方の巻取胴
   に伝える伝動装置と、前記中空軸の中空部を貫通
   し前記拡縮装置に圧油を送る圧油供給パイプとを
   備えたことを特徴とする巻取機。