JPS6216854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、生茶葉を蒸気で蒸す製茶葉蒸し機に
関するものである。

従来におけるこの種の蒸し機は、始端部に茶葉
投入口を有する固定胴と、終端部に排出口を有す
る回転胴とを同軸上に連通配置し、両胴内に撹拌
手を有する回転軸を貫通配置し、上記固定胴内に
ボイラの蒸気供給管を直接接続する構成であつた
（実公昭50−33159号）。

このものは、胴内に投入された茶葉が、ボイラ
によつて生成された乾き度の小さい蒸気によつて
蒸されるため、蒸され方がゆでるに近い状態とな
り、これでは製品が変色したり味が低下したりす
る欠点があつた。

さらに、従来のように乾き度の低い蒸気で蒸す
と胴内の茶葉に露が付着し、次工程の粗揉機工程
に移行する前に、別途上記露を除去する工程が必
要となる欠点があつた。

本考案は、上記実情により開発したものであ
り、ボイラで生成された蒸気を加熱器で加熱して
これの乾き度を高めるとともに、この乾き度の高
い蒸気を緩やかに蒸し機に吹き込むことにより、
製品の品質劣化が防止でき、しかもエネルギーロ
スの少ない製茶蒸し機を得ることを目的とする。
本考案は、上記目的を達成するために、以下の如
く構成したことを特徴とする。

即ち、搬送始端部に茶葉投入口を有する筒状の
固定胴と、搬送終端部に茶葉排出口を有する回転
胴とを同軸状に連通配置し、固定胴及び回転胴内
に回転軸を延出配置するとともに、該回転軸に固
定胴から回転胴方向に向かつて送り傾向を有する
撹拌手を設け、一方ボイラからの蒸気供給管に加
熱器を接続し、該加熱器の蒸気吐出部と前記固定
胴とを蒸気吹込管を介して接続するとともに、前
記蒸気供給管の通路面積に対する蒸気吹込管の通
路面積の増大量を加熱器による蒸気の比容積増大
量に略対応させてなる製茶葉蒸し機である。

以下、上記構成が具体化された実施例を図面に
基づいて説明する。

第１図は本考案による製茶蒸し機の要部断面正
面図を示し、架台１の左半部に無孔板金材で円筒
状に形成した固定胴２を載置固定する。この固定
胴２は、左端上部に生茶葉を投入する投入口３を
有し、さらに胴部上面に３本の蒸気導入管４を一
体的に起立固定する。

また、架台１の右半部に金綱等の多孔板材で円
筒状に形成した回転胴５を、その左右両端部にて
第３図に示すようにローラ７を介して回転自在に
載置する。

上記回転胴５は、固定胴２と同径かつ同軸に配
置するとともに、固定胴２と近接させて連通させ
る。また、回転胴５の左端に環状の大径ギヤ８を
嵌挿固定し、この大径ギヤ８は第３図に示すよう
に、架台１にステー１０を介して取付けた一対の
小径ギヤに噛合し、一方の小径ギヤ（第３図にお
いて右側）をプーリ１１、Ｖベルト１２を介して
モータ１３に連結する。

上記固定胴２および回転胴５内に回転軸１４を
貫通し、両胴内に位置する回転軸１４に多数の撹
拌手１５を放射状に突出させて固定する。上記回
転軸１４は、架台１の左端部に載置したモータ１
６により前述した回転胴５と同方向に回転させ、
また上記撹拌手１５は回転軸１４によつて回転さ
れた際に、両胴内に収容された茶葉を排出口６に
向けて移送する如く捩らせておく。

１７は加熱器であり、円筒状に形成したケーシ
ング１８内に電熱性のヒータ１９を配置し、ケー
シング１８の右側にボイラ（図示省略）の蒸気供
給管２０を連通接続し、左側下部に蒸気吹込管２
１を連通接続してなる。なお熱発生源は電熱ヒー
タに限るものではなく、ガスバーナでもよい。

上記ヒータ１７は、蒸気供給管２０から供給さ
れた蒸気、例えば乾き度0.0036〜0.00089の水蒸
気を、乾き度0.15〜0.18の水蒸気となるように、
その熱容量を調節設定しておく。

また、上記蒸気吹込管２１は、蒸気供給管２０
よりも大径にした３本の分岐管２１ａを有し、こ
れら各分岐管２１ａを前述した蒸気導入管４に連
通接続する。

この蒸気吹込管２１および蒸気導入管４の、蒸
気供給管２０に対する通路面積の増大量は、蒸気
供給管２０から供給された蒸気が加熱器１７内で
加熱されて増大する比容積の増大量に略対応する
如く設定する。

次に上記実施例の作用・効果について説明す
る。

まずボイラ（図示省略）から蒸気供給管２０を
介して加熱器１７内に供給された蒸気、即ち乾き
度0.0036〜0.00089程度の水蒸気は、ヒータ１９
により加熱されて乾き度0.15〜0.18程度に高めら
れる。

この乾き度の高い水蒸気は、蒸気吹込管２１・
分岐管２１ａ・蒸気導入管４を経て固定胴２内に
吹き込まれることになる。この場合、蒸気吹込管
２１および蒸気導入管４の通路面積は、蒸気供給
管２０の通路面積に比し、加熱器１７における蒸
気の比容積増大量に略対応させて増大させたか
ら、蒸気導入管４から固定胴２内に流入する蒸気
の流入速度は、蒸気供給管２０内を流通する蒸気
の流速と略同等の低流速でもつて、蒸気吹込管２
１から固定胴２内に吹き込まれる。

このため、上記吹込み時に蒸気の潜熱が奪われ
難く、しかも固定胴２内に吹込まれた蒸気は、該
固定胴２内の茶葉に対して緩やかに接触し、茶葉
のむら蒸しが防止されるとともに、蒸気の潜熱が
適度に茶葉と熱交換されて、茶葉を効率良く蒸す
ことができる。さらに、蒸気が所定の乾き度に高
められているので、固定胴２および回転胴５内を
通過して行く際に、凝縮することが少なく、蒸さ
れた茶葉に露が付着し難くなる。

一方、投入口３から固定胴２内に投入された茶
葉は、回転軸１４に固定された撹拌手１５の回転
により固定胴２および回転胴５内で撹拌されつ
つ、排出口６に向かつて移送され、該排出口６か
ら排出される。

以上の実施例で説明したことから明らかなよう
に、本考案の構成によれば、ボイラにて生成され
た乾き度の低い蒸気が、加熱器で所定の乾き度に
高められて、茶葉を収容した胴内に供給されるこ
とになり、しかも乾き度の高められた蒸気は、通
路面積の大きな蒸気吹込み管によつて緩やかに胴
内に吹き込まれることになるので、茶葉のゆでる
状態を回避した理想的な蒸し作用を行ない、製品
としての品質を高めることができ、しかもエネル
ギーロスの少ない製茶蒸し機を得ることができる
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による製茶蒸し機の要部断面正
面図、第２図および第３図はその−，−
線断面図である。 １……架台、２……固定胴、３……投入口、４
……蒸気導入口、５……回転胴、６……排出口、
７……ローラ、８……大径ギヤ、９……小径ギ
ヤ、１０……ステー、１１……プーリ、１２……
Ｖベルト、１３……モータ、１４……回転軸、１
５……撹拌手、１６……モータ、１７……加熱
器、１８……ケーシング、１９……ヒータ、２０
……蒸気供給管、２１……蒸気吹込管、２１ａ…
…分岐管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 搬送始端部に茶葉投入口を有する筒状の固定
   胴と、搬送終端部に茶葉排出口を有する筒状の
   回転胴とを同軸状に連通配置し、固定胴及び回
   転胴内に回転軸を延出配置するとともに、該回
   転軸に固定胴から回転胴方向に向かつて送り傾
   向を有する撹拌手を設け、一方、ボイラからの
   蒸気供給管に加熱器の蒸気吐出部と前記固定胴
   とを蒸気吹込管を介して接続するとともに、前
   記蒸気供給管の通路面積に対する蒸気吹込管の
   通路面積の増大量を、加熱器による蒸気の比容
   積増大量に略対応させてなる製茶葉蒸し機。 ２ 前記加熱器の熱発生源は、電熱ヒータからな
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の製茶葉
   蒸し機。 ３ 前記加熱器の熱発生源は、ガスバーナからな
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の製茶葉
   蒸し機。