JPS6216500B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインライン形複数電子ビームカラー受
像管に最適な偏向装置に関するものである。

複数電子ビームを使用するカラー受像管のフア
ンネル部外壁に装着される偏向装置は、このカラ
ー受像管に内装される複数個の電子銃から射出さ
れる電子ビームを蛍光スクリーン面上に電磁気的
に走査しラスタを描かせる装置であり、一般に使
用される偏向装置は第１図に示す様に、水平方向
に電子ビームを走査する水平偏向コイル対１，２
と、これとほぼ直交する方向に電子ビームを走査
する垂直偏向コイル対３，４と、これらを組立て
るためのボビン５からなり、更にこのボビン５か
ら延在形成された保持部８と、この保持部８を締
付ねじ７を介してカラー受像管のネツクに締付け
る締付金具６を有している。

そして前記水平偏向コイル対１，２はサドル
形、垂直偏向コイル対３，４はトロイダル形の各
コイル形態に巻かれているのが特性上有利とさ
れ、通常この組合せが使用されている。

また前記カラー受像管が水平方向に直線配列さ
れた所謂インライン形をなす複数個の電子銃を内
装し、これらの電子銃から射出された電子ビーム
を蛍光スクリーン上で集中させるためには第２図
に示す如く水平偏向磁界の磁力線２１はピンクツ
シヨン形の磁界分布を有し、第３図に示す如く垂
直偏向磁界の磁力線３１はバレル形の磁界分布と
することが必要である。

然るに前述したように偏向磁界を非斉一磁界と
するため、この様な特性を有する偏向装置の磁界
分布の誤差、あるいは前記カラー受像管の管軸
と、前記偏向装置の軸線との不一致などによりコ
ンバーゼンスのずれ（以下ミスコンバーゼンス）
が生じる。

このミスコンバーゼンスの主なパターンの一種
は第４図に示す様に管軸上にある電子銃から射出
される電子ビームの形成するラスタ４１に対し、
管軸上にない一方の電子銃より射出される電子ビ
ームの形成するラスタ４２は前記ラスタ４１より
相対的に大きなラスタを形成し、他方の電子銃か
ら射出される電子ビームの形成するラスタ４３は
前記ラスタ４１より相対的に小さなラスタを形成
する。

また他のミスコンバーゼンスの他のパターンは
第５図に示す様に管軸上にある電子銃から射出さ
れる電子ビームの形成するラスタ５１に対し、管
軸上にない一方の電子銃から射出される電子ビー
ムの形成するラスタ５２は前記ラスタ５１に対し
て相対的に時計廻りのずれを生じ、他方の電子銃
から射出される電子ビームの形成するラスタ５３
は、前記ラスタ５１に対し、相対的に反時計廻り
のずれを生じる。

この様に非斉一磁界の偏向装置を使用する場合
には管軸と軸線のわずかなずれによつてもミスコ
ンバーゼンスを起しやすいという欠点がある。

本発明は前記欠点に鑑みなされたものであり、
管軸と軸線とのわずかな位置ずれを簡便にして安
価な方法により補正することが可能な偏向装置に
関するものである。

次に本発明の偏向装置の一実施例を第６図によ
つて説明する。

即ちカラー受像管のフアンネル外壁に装着され
る偏向ヨーク６０は水平偏向コイル６１と、垂直
偏向コイル６２とを組合せて保持するボビンとか
らなり、前記ボビンは本体部６３と、カラー受像
管のネツクに遊嵌す軸線方向に複数個の片状部に
分割された保持部６４と、コンバーゼンス補正装
置６５と、このコンバーゼンス補正装置６５を保
持する円環状板６６と、この両者を前記保持部６
４に支持し前記コンバーゼンス補正装置６５を軸
線とほぼ直角方向に摺動自在に取着させるように
形成された複数個の爪部６７を有するネツク側支
持体６８と、前記片状部に分割された保持部６４
を締付ねじ６９を介してカラー受像管のネツクに
締付ける締付金具７０から成り、前記のコンバー
ゼンス補正装置６５は中心に長孔７３を有し、矢
印７４方向な摺動自在動な非磁性材からなる略長
方形板（以下単に摺動板と云う）７１及びこの板
の長手方向の端部の一方向に固着された高透磁性
材料からなる板体（以下単に磁性体と云う）７２
より形成されている。

次に第７図により前記構造を有する偏向装置に
よるミスコンバーゼンスを補正する方法を説明す
る。

第１に第５図に示す様なミスコンバーゼンスを
補正するには、コンバーゼンス装置６５を第７図
ａの様に磁性体７２が上部にくるよう偏向ヨーク
の軸線の廻りに摺動板７１を回転させると、偏向
ヨークからネツク側に漏洩した磁界分布が磁性体
７２の作用により変化し、主にスクリーン側から
向つて管軸の右側に位置する電子銃から射出され
る電子ビームは時計廻りに回転し、向つて管軸の
左側に位置する電子銃から射出される電子ビーム
は反時計廻りに回転するような作用を受ける。ま
たコンバーゼンス装置６５を第７図ｂの様に磁性
体７２が下部にくるように軸線の廻りに摺動板７
１を回転させると、電子ビーム群は前述した第７
図ａの場合とそれぞれに逆方向に回転するような
作用を受ける。。

この場合補正量は摺動板７１を長手方向即ち上
下に摺動し、ネツク８０と磁性体との距離を調整
することにより行うことが出来る。

第２に４図に示す様なミスコンバーゼンスを補
正するにはコンバーゼンス装置６５を第８図ａの
様に磁性体７２がカラー受像管の蛍光スクリーン
から向つて左側に来るようにすると、偏向ヨーク
からネツク側に漏洩した磁界分布か磁性体７２の
作用により変化し、主に管軸の左側に位置する電
子銃から射出される電子ビームによるラスタは相
対的に小さなラスタを形成する様に作用し、右側
に位置する電子銃から射出される電子ビームによ
るラスタは相対的に大きなラスタを形成する様に
作用する。またコンバーゼンス装置６５を第８図
ｂの様に磁性体７２が右側に来るようにすると、
電子ビーム群は第８図ａの場合とそれぞれ逆な作
用をする。

この場合補正量は摺動板７１を長手方向即ち左
右に移動し、ネツク８０と磁性体との距離を調整
することにより行なうことが出来る。

更に第４図と第５図とが混合した様なミスコン
バーゼンスの場合には、例えば第９図ａ，ｂ，
ｃ，ｄに示す様に磁性体７２がラスタの対角方向
にくる様に摺動板６５を回転し矢印方向に移動す
ることにより調整可能である。

前記実施例に於いては摺動板６５、及びこの摺
動板６５に取着した磁性体をそれぞれ１個とした
が、これは１個に限定されるものではなく、摺動
板６５の長手方向に対称的に１対の磁性体を設け
てもよいし、また複数個の摺動板６５にそれぞれ
磁性体を設けることにより、より複雑なミスコン
バーゼンスを調整することが出来ることは云う迄
もない。

本発明の偏向装置をカラー受像管に装着するこ
とにより、カラー受像管の管軸と偏向装置の軸線
の不一致または他の理由によるミスコンバーゼン
スを簡単な構造、調整によりなくすことが出来る
ので、その工業的価値は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の偏向装置の一例を示す斜視図、
第２図は水平偏向磁界を示す平面図、第３図は垂
直偏向磁界を示す平面図、第４図及び第５図はそ
れぞれ異なるラスタのミスコンバーゼンス図形を
示す説明図、第６図は本発明の偏向装置の一実施
例の分解斜視図、第７図ａ，ｂ、第８図ａ，ｂ、
第９図ａ，ｂ，ｃ，ｄは第６図に示す偏向装置に
内装するコンバーゼンス補正装置とカラー受像管
のネツクの関係を示す説明用簡略平面図である。 ６０…偏向ヨーク、６５…コンバーゼンス補正
装置、７２…磁性体、８０…ネツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カラー受像管のフアンネル部外壁に装置され
   た偏向ヨークと、前記偏向ヨークのネツク側に近
   接し且つ前記偏向ヨークの前記ネツク側漏洩磁界
   内に配され、前記偏向ヨークの軸線の廻りに回転
   自在であると共に前記軸線にほぼ直角方向に摺動
   自在に取着された少なくとも１個の非磁性材から
   なる摺動板と、前記摺動板の長手方向の中心線上
   に前記摺動板に固着された少なくとも１個の磁性
   体とを具備することを特徴とする偏向装置。 ２ 摺動板が独立に回転・摺動自在な複数個から
   なり、それぞれの摺動板の長手方向の中心線上に
   それぞれの磁性体が固着されてなることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の偏向装置。