JPS62158843A - 原子炉材料に添加するためのニツケルボロン - Google Patents

原子炉材料に添加するためのニツケルボロン

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JPS62158843A
JPS62158843A JP61000429A JP42986A JPS62158843A JP S62158843 A JPS62158843 A JP S62158843A JP 61000429 A JP61000429 A JP 61000429A JP 42986 A JP42986 A JP 42986A JP S62158843 A JPS62158843 A JP S62158843A
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nickel
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Shunichi Yuzuhara
柚原 俊一
Takashi Abe
隆志 阿部
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Power Reactor and Nuclear Fuel Development Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、軽水炉、高温ガス炉、高速増殖炉、核融合
炉等の中性子照射環境下で使用される原子炉材料であっ
て、ホウ素−11(”B)含有量が自然界での存在比よ
りも高い割合で含むニッケル基合金材料、鉄鋼材料等を
主として製造する際の溶解・精錬時に添加するための1
16 B縮ニッケルボロンに関するものである。
〈従来の技術〉 ニッケル基合金材料、鉄鋼材料等には、クリープ強度や
引張り延性の向上等の目的でホウ素が添加されている。
また、これらの材料が、溶接及びろう付けに使用される
場合にも、延性。
靭性を向上させると共に、施工時に自溶性を高めるため
等の目的でホウ素が添加されている。
これらの目的で従来から用いられているホウ素は天然ホ
ウ素であり、原子量10のホウ素(”B)が約19.6
%(重量%、以下同じ)、原子団11のホウ素(11B
>が約80.4%含有されている。天然のホウ素を含有
する材料が中性子照射を受けると、材料中のホウ素のう
ち10Bのみが中性子を吸収してヘリウムガスを生成す
る反応、すなわち B (n、α)7Liの核変換を生
ずる。
生成されたヘリウムは、材料の高温延性の低下、クリー
プ強度の低下、ワレ感受性の増大等の材料の機械的性質
を劣化させる主な原因となり、構造部材の炉内使用限界
を低くしている。
そのため、天然ホウ素に比較して11Bの割合が多いホ
ウ素成分を含有し、10sによるヘリウムの生成を回避
せしめる原子炉構成材料およびこれらの材料の接合材料
等(これらを総称して以下“原子炉材料″という)の開
発が必要とされてきている。
ニッケル基合金材料、鉄鋼材料等に11Bを添加する方
法としては、天然ホウ素に比較して11Bの割合が多い
11 s 濃縮ホウ酸または金属ホウ素をこれらが添加
される上記材料の溶解・精錬時に直接添加する方法が採
用できるが、ホウ酸を添加する方法では溶湯との濡れ性
が劣ることおよび比重が小さく浮上しやすいことなどの
ために11Bの添加歩留りが低く、かつ適性量を添加す
ることは極めて難しい。一方、金属ホウ素を合金溶湯に
添加する方法においても比重が小ざく浮上しやすいこと
および金属ホウ素の製造が複雑でおるために製造コスト
が高く、当該材料の経済性が損われるという欠点がある
上記の欠点を解消するために、特に鉄鋼材料に添加する
 BlB縮化合物として11 s y2縮フエ0ボロン
が本願と同−出願人等により提案されている(特願昭6
0−123106号)。このフェロボロンを鉄鋼材料製
造時の溶解・精錬工程で溶鋼に添加した場合には、短時
間に溶解し、また溶鋼の比重と実質的に等しいため添加
したフェロボロンが浮上することなく均一にかつ歩留り
よく溶融混合させることができる。また、得られた鉄鋼
材料は全ホウ素量(10B+11B)に対する11Bの
割合が高いために、中性子照射環境下においても材料中
の10Bと中性子との反応によるヘリウムの生成を低減
でき、良好なりリープ強度や高温延性を維持することが
できる。
しかしながら、上記先願発明による11B濃縮フエロボ
ロンは、鉄鋼材料への添加原料として開発された鉄成分
を主成分とするものでおるため、鉄成分が不要の材料お
るいは鉄成分を精密に調整する必要がある材料に対して
は、添加原料として使用することができない。加えC添
加原料として有効な約10%以上のホウX;4分を含む
フェロボロンは、約1430’C以上の社交的高い融点
を有しているため、低榊占r″鵡ろ−とを必要とする原
料としての使用等には適さ・、い。
また、濃縮11Bを含有し、■比較的低融点で1いられ
る、■ニッケル成分を主成分とする、■鉄成分を多量に
含まない、■添加原料として有害なアルミニウム等の不
純物を影響を及ぼすほどには含まないこと、等を特徴と
する所要の添加原料は製造されていなかった。
〈発明が解決しようとする問題点〉 そこでこの発明の主目的は、中性子照射環境下において
も材料中の10sの中性子との(n。
α)反応によるヘリウム生成量の少ない、おるいは全く
ないニッケル基合金材料、鉄鋼材料等を製造するに際し
て、ざらには11sを添加することによって改善された
非放射線下の空気中でのクリープ強度、高温引張り延性
、靭性等を中性子照射下でも保持しうるニッケル基合金
材料。
鉄鋼材料等を製造するに際して、当該材料への最適量の
11Bの添加を迅速、効果的かつ経済的に行なうことが
でき、しかも比較的低融点で使用できる、ニッケル成分
を主成分とするIIBg縮添加原料を提供することにあ
る。
〈問題点を解決するための手段〉 この発明によれば、ホウ素(B)を2〜15%、不純物
としてのアルミニウムを0.1%以下および炭素を0.
5%以下含有し、残りがニッケル成分からなり、仝ホウ
素含有量に対してホウ素−11(11B)が90%以上
でかつ融点が1200℃以下であることを特徴とするニ
ッケル基合金材料、鉄鋼材料等の原子炉材料に添加する
ためのニッケルボロンが提供される。
かようなこの発明の11 B 濃縮ニッケルボロンをニ
ッケル基合金材料、鉄鋼材料等の原子炉材料製造時の溶
解・精錬工程で溶湯に添加することによって、11B含
有量の高い原子炉材料を効率よくかつ経済的に得ること
ができる。かくして得られた材料は全ホウ素含有m (
10B+11B>に対する11Bの割合が高いために、
中性子照射環境下においても材料中の10sと中性子と
の反応によるヘリウムの生成を低減でき、良好なりリー
プ強度や高温延性を維持することができる。
また、この発明のニッケルボロンを合金溶湯中に添加す
るに際しても、添加後辺時間に溶解し、また溶湯の比重
と実質的に等しいために添加したニッケルボロンが浮上
することなく均一に溶湯中に溶融混合させることができ
る。
ニッケルボロンは、添付図面に示したニッケルーホウ素
平衡状態図(POrtnOi、 K、  1.およびR
omashov、 V 、 M 、著“B 1nary
 constitution diagrams of
 system composed of vari−
OuS elements and boron−A 
 reVieW”。
5OViet POWder Metallur(II
V &  MetalCeramics、11(197
2)、 p37B−384より引用〕かられかるように
、ホウ素成分的4%で融点1095℃、7%で1ioo
℃、10%で1018℃、13%で1015℃となり、
従ってi ooo〜1100℃の融点範囲では4〜13
%のホウ素含有量を選択することができる。これらの融
点とホウ素含有量との関係は、不純物の影響により若干
の変動が考えられるが、先願発明に係るフェロボロンの
場合には約4〜13%のホウ素含有量範囲における融点
は通常的1150℃から1500℃の間にあり、かつホ
ウ素成分が多くコスト的にはより有効となる7%以上の
ホウ素含有量では融点は約1300℃以゛上となる。
後述する実施例で比較のために併記したフェロボロンの
例では、11.5%(11B濃縮度98%)のホウ素含
有量で1550℃の融点を示した。このように、この発
明のニッケルボロンは、同程度のホウ素含有量のフェロ
ボロンに比較してかなり低い温度での融点を選択するこ
とができる。
その結果、ニッケル基合金材料、鉄鋼材料等の溶湯中に
この発明のニッケルボロンを添加した場合、フェロボロ
ンと比較してより短時間で均一に混合溶解させることが
できるのである。
この発明のニッケルボロン中のホウ素含有量は、前述し
た融点との関係だけでなく、後述する比重、不純物含有
量、コスト等の観点も考慮して、2〜15%の範囲とす
る。ホウ素含有量が2%より少ない場合には、合金溶湯
中に所望量の11Bを含有させるために添加するニッケ
ルボロンが多量に必要となり経済性が損われる。
一方、ニッケルボロン中のホウ素含有量が15%以上の
場合、例えば20%より多い場合には、ニッケルボロン
の融点が1650’Cより高くなると同時に比重が小さ
くなり、ざらには高純度のものが得られにくくなる傾向
がある。従って、ニッケルボロン中のホウ素含有量は1
5%以下とする。ニッケルボロンの融点が1650’C
より高くなると、合金溶湯へ添加したニッケルボロンが
短時間に均一に溶解、混合しにくくなり、またニッケル
ボロンの比重が小さくなると溶湯へ添加したニッケルボ
ロンが浮上してしまい、溶湯表層部の不純物にホウ素が
吸収されてしまったり、表層部のホウ素の密度が高くな
るといった問題が生じる。これらのことは、添加したニ
ッケル基合金材料、鉄鋼材料等への11Bの添加歩留り
を低下せしめ、さらには均一溶解を妨げることから好ま
しくない。
この発明のニッケルボロンにおいて全ホウ素含有量に対
して11Bを90%以上とする理由は以下の通りである
。すなわち、ホウ素を含有する材料の10B(n’、α
)反応による単位体積〔cl13〕当りのヘリウム生成
@(生成ヘリウム原子数>NH,は、中性子照射条件が
一定である場合には一般に次式で表わされる。
一φσt ”He=NB−1o (1−e     )ここでN 
B−10は材料の単位体積(cm3)当り含有される1
0sの原子数、φは熱中性子束C、n/CI2・SeC
〕、σは10Bの熱中性子吸収断面積〔CI2〕、tは
照射時間(sec)である。この式から理解されるよう
に熱中性子照射量φtが同じであれば、′。Bの熱中性
子吸収断面積は変化しないから、′。Bからのヘリウム
生成量は材料の初期の10B成分量に比例することにな
る。すなわち天然ホウ素では、10Bは全ホウ素成分に
対して19.6%含まれているが、これが約2%に減少
すればヘリウム生成量は同一照射量の場合には約1/1
0に低下することになる。一方、中性子照射による材料
特性変化の代表例として材料の高温引張り破断伸びへの
影響を検討すると、材料中のヘリウム生成量がほぼ10
−8から10−6のレベルの原子分率(伸びに対するヘ
リウム生成量依存性が顕著に表われる原子分率範囲)で
の伸び値の変化は、ニッケル基合金ハステロイXの場合
(渡辺他、鉄と鋼、 68.682(1982) ’)
 、ヘリウムの原子分率が10倍増加すると約16〜6
%伸び値が減少し、°304ステンレス鋼の場合(Re
pOrt ORN L −TM −2019゜Jan、
 196B>約6%減少の例がおる。同様な原子分率範
囲でヘリウムの原子分率が2倍増加すると上記のハステ
ロイXでは5〜2%、304ステンレス鋼では約2%伸
び値が減少する。ニッケル基合金および鉄鋼材料への代
表的なホウ素添加の例として総量で5owppmとした
場合、天然ホウ素にあっては10Bは1 Qwppm含
まれる。
この1owppmの10Bは熱中性子照射量が5×10
16〔n/cI2〕で約10−8のヘリウム原子分率、
5X1018〔n/Cll12〕テ約10−6のヘリウ
ム原子分率となる。これらのヘリウムの原子分率は初期
の材料中の10Bの含有量に比例するのでおるから、1
owppmの初期含有量を1/2に低減することによっ
て、上記のような約2〜5%の伸び値の低下を防止でき
ることになる。
なお、上述した5×1016〜5X1018(n/c1
2)の熱中性子照射量は、ニッケル基合金材料および鉄
鋼材料を例えば原子炉構造物の代表的機器である原子炉
容器等に用いた場合、通常の供用期間中に受ける照射量
に対応する値で必る。
以上の理由から、この発明においては全ホウ素含有量に
対する10Bの割合を天然ホウ素の場合の1/2以下、
すなわち約10%以下とし、従って全ホウ素含有量に対
する11Bの割合〔11B/ (10B+”B))を9
0%以上とするのが有効である。全ホウ素含有量に対す
る11Bの割合が90%より小さいと、ニッケルボロン
を添加して得られたニッケル基合金材料、鉄鋼材料等の
10Bを低減させて中性子照射環境下で生成されるヘリ
ウム帛を抑制する効果が小さくなり、かような11 B
 濃縮物を製作する経済的メリッ1〜、すなわち設計の
合理化や構造物の長寿命化などのメリットが少なくなる
この発明のニッケルボロンの工業的な製造法としては酸
化ホウ素の還元方法の違いから、2種に分けられる。第
一の方法はアルミニウムを還元剤として使用する所謂テ
ルミット法であり、第二の方法は炭素を還元剤として使
用する電気炉法である。テルミット法を採用した場合に
は不純物としてのアルミニウム含有量が約3〜5%とな
り、電気炉法では炭素成分が、やや高めの〜1%程度に
なるという欠点がある。その他に原子炉用の合金添加原
料として好ましくない不純物成分としては、中性子放射
化断面積が大きくかつ半減期が長く、強いγ放射線源と
なるため、炉内で移行した場合に機器保守上問題となる
コバルト、タンタル等があるが、これらについては、精
製したニッケルボロン用の原料を使用することにより、
不純物としての混入は避けることができることがわかっ
た。
アルミニウムは不純物としてニッケル基合金材料に添加
された場合に、高温では内部酸化により結晶粒界が浸食
される。内部酸化の観点からはアルミニウム含有量が0
.1%以下であることが望ましい(渡辺他、鉄と&I!
468. 682(1982))。また、オーステナイ
トステンレス鋼では、微量のアルミニウム成分(0,1
〜0.03%)により長時間のクリープ破断強度が低下
する(新谷他、鉄と鋼71 、 144 (1985)
 )。このようにアルミニウムは、ニッケル基合金材料
および鉄鋼材料への添加が好ましくない点があるため、
3〜5%のアルミニウムの混入が避けられないテルミッ
ト法はこの発明のニッケルボロンの製法としては不適で
ある。
炭素は良く知られているように、ニッケル基合金材料、
鉄鋼材料等におっては適量添加することにより、これら
の材料の機械的性質を良好ならしめるための支配的因子
であるが、多量に添加されると延性および靭性を低下さ
せると共に、溶接性、耐食性の観点からも好ましくない
影響をもたらす。これらの原子炉材料の炭素成分最調整
は、ニッケルボロンの添加とは別途になされるのがより
効率的と考えられるので、むしろニッケルボロン中の不
純物としての炭素はできるだけ少なくし、添加・稀釈さ
れた場合に殆んど影響のない範囲の値とすることが望ま
しい。電気炉法で炭素を還元剤として使用した場合、不
純物としての炭素を低目に抑えるためには、一つには再
溶解により炭素濃度を低減させる方法、ざらには還元剤
としての炭素の原料を還元当量よりも少な目にする方法
があるが、後者の方法では濃縮11B原料であるホウ酸
のニッケルボロン製品化に対する歩留りを悪くする。
これらの点を種々検討した結果、この発明では不純物と
しての炭素成分最を0,5%以下とした。
従って、この発明の11s濃縮ニツケルボロン中の不純
物としてのアルミニウムおよび炭素の量は、添加した場
合の稀釈効果も考慮した上で、それぞれ0.1%および
0.5%以下に抑えている。
フェロボロンでは、鉄の同位体元素54Fe(自然の存
在比5.84%)が中性子を吸収して”4Fe (n、
D)反応により放射性54Mnを生成する。この54M
nは半減期が長く、強いγ放射線源となるため、炉内で
54Mnが移行した場合、機器への近接、保守上問題と
なる核種である。かような、放射線源の核種生成という
観点からはニッケルボロンでは問題が生じない。
ざら、にこの発明によれば、上記したニッケルボロンに
対してシリコン(S i )を3〜10%の範囲で添加
したシリコン添加ニッケルボロンが提供される。すなわ
ちこのシリコン添加ニッケルボロンはホウ素(B)を2
〜15%、シリコン(S i )を3〜10%、不純物
としてのアルミニウムを0.1%以下および炭素を01
5%以下含有し、残りがニッケル成分からなるものでお
る。このシリコン添加ニッケルボロンは、ニッケルボロ
ンと同様に比較的低融点を有するため、ニッケル基合金
材料、鉄鋼材料等の原子炉材料への添加原料として有効
であるだけでなく、原子炉材料の接合用ろう材としても
好ましく使用することができる。すなわち、シリコンは
ホウ素との関係において、溶融時の自溶性を高める作用
をするため、シリコン添加ニッケルボロンを接合用ろう
材として用いた場合には、接合対象物の熱歪みをより少
なくし、熱損傷を与えることなく自溶性等を高めたより
効果的な接合施工が実施できることになる。シリコン添
加ニッケルボロンの効果的な融点範囲として約1000
℃から1200℃を選択すると、シリコン添加量は約7
%に限定されるが、この場合のホウ素量としては約4%
までの範囲である。後述する実施例におけるシリコン添
加ニッケルボロンでは、シリコン6%、ホウ素(11B
濃縮度98%)4.8%としたとき、1040℃の融点
を示した。このように融点等を考慮したニッケルボロン
へのシリコン添加量としては3〜10%の範囲が適切で
あり、また、Si/Bの重母比としては約1.5とする
ことが望ましい。
なお、i ooo℃から1200℃の融点を有するこの
発明のシリコン添加ニッケルボロンからなる接合用ろう
材の原子炉への適用として、例えば高速増殖炉を考える
と、この炉の中性子照射下で使用される構造物の高温側
の代表的な使用温度はほぼ550’Cとみなせるから、
ろう材としての耐熱性は炉内使用時に十分維持されるこ
とになる。
〈実施例〉 以下に実施例を挙げてこの発明をざらに詳述する。
X塵叢ニー ”B/ (10B+11B)の値が98%である11B
濃縮ホウ酸(H3BO3)の粉末、高純度電解ニッケル
粒および精錬上必要な還元用の炭素粉末を第1表に示す
割合で混合し、高純度アルゴン雰囲気で満たした高周波
加熱炉内でこの混合物を還元溶解した。
溶製後のニッケルボロン中のホウ素の同位体分析を行な
った結果、全ホウ素中の11Bの比率は98%のままで
あった。
得られたニッケルボロンの融点は1027°C1比重は
7.5 (a/cm’)であった。これらの特性値はニ
ッケル基合金材料等の原料として溶融合金に添加した際
に短時間に溶解し、均一混合させるのに十分な値である
。第1表にこれらの特性値を併記する。
なお、IIs濃縮ホウ酸を製造する方法としては、ホウ
酸ナトリウム、ホウ酸カルシウム、または粗製ホウ素等
からのホウ酸を沈澱させて再結晶により精製したのち、
′。Bと11Bの重量差を利用する方法か、あるいはホ
ウ酸からホウ素のハロゲン化物を作りその化学的特性差
を利用する方法、その他の方法がある。
第1表 ニッケルボロンの製造原料割合 ホウ酸粉末          40%(H3803、
Bl縮度  98%) 電解ニッケル粒        55%炭素粉末   
         5%ニッケルボロンの特性値 全ホウ素含有■(%)    10.6  (11,5
)”11B/ (10[3+”B)(%) 98   
(98)”炭素含有量(%)0.5 アルミニウム含有量(%)0,1 融点 (’C)   1027 (1550)”比重 
  (Mcm3>     7.5註:*()内の数値
は、比較のために調製したフェロボロンについてのもの
である。
上記で得られたニッケルボロンを、ニッケル基合金材料
ハステロイXの精錬末期の脱ガス後に、溶1100kg
当り45g添加した。ニッケルボロンは合金溶湯に添加
されたのち直ちに溶は始めた。ニッケルボロンが溶解し
た後、分析試料を採取した。ホウ素を分析した結果、全
ホウ素含有量は521)t)mであり、IIsの全ホウ
素中に占める割合は94%でめった。
実施例2゜ 実施例1で得られたニッケルボロンを破砕して細粒とし
たものと、金属シリコン粒および電解ニッケル粒とを第
2表に示す割合で混合し、高純度アルゴン雰囲気で満た
した電気炉内でこの混合物を還元溶解し、合金塊を装造
した。
溶製後のシリコン添加ニッケルボロン中のホウ素の同位
体分析を行なった結果、全ホウ素中の11Bの比率は9
8%のままであった。
1qられたシリコン添加ニッケルボロンの融点ハ101
4℃、比重は7.85、ホウ素およびシリコンの含有量
はそれぞれ4.1%および6.0%であった。不純物と
してのアルミニウムおよび炭素の母は、それぞれ0.0
4%および0.01%で必りた。これらの特性値はニッ
ケル基合金材料等の添加原料として用いた場合に、フェ
ロボロンと比較して低温で短時間に溶解、均一に混合さ
せるのに十分な値となっている。また原子炉材料接合用
のニッケルろう材として使用に適した融点を有し、Si
/B比(重量比)で約1.5であり、良好な自溶性を有
する値となっている。
第2表 シリコン添加ニッケルボロンの製造原料割合ニッケルボ
ロン(実施例1)の破砕粒 40%金属シリコン粒  
          6%電解ニッケル粒      
     54%シリコン添加ニッケルボロンの特性値 全ホウ素含有量(%)4.1 11B/(10B+”B) (%)98シリコン含有量
(%)6.O 炭素含有は(%)          0.04アルミ
ニウム含有甜(%)      0.01融点 (’C
)    1014 比重 (Mcm3)    7.85 〈発明の効果〉 以上の説明かられかるように、この発明の11 B g
縮ニッケルボロンあるいはシリコン添加ニッケルボロン
をニッケル基合金材料、鉄鋼材料等の中性子照射環境で
使用される原子炉材料に添加すること、あるいは接合材
料として用いることによって、材料中の10Bを増加さ
せることなく11Bを有効に含有せしめることができる
また、耐自己融着性、耐摩耗性が必要とされる部位に用
いられる表面硬化合金、例えばニッケル基のコルモノイ
合金等に、従来の天然ボロンの添加に代えて、この発明
の11 s 濃縮ニッケルボロンあるいはシリコン添加
ニッケルボロンを原料として加えることによって、表面
硬化合金の耐中性子照射性を改善させることもできる。
また、先願発明の11 B 濃縮フェロボロンは鉄を主
成分とするため、鉄成分の添加が好ましくないニッケル
基合金、鉄鋼材料等の中性子照射環境用の合金材料には
使用できなかったのに対し、この発明のニッケルボロン
およびシリコン添加ニッケルボロンを用いれば上記のご
とき合金材料に対しても適性量の11Bを効果的かつ経
済的に添加することが可能となる。特に、この発明のニ
ッケルボロンおよびシリコン添加ニッケルボロンは、フ
ェロボロンに比較して低融点でおることから、より短時
間で合金材料に混合溶解させやすく、さらには、中性子
照射環境での部材接合用ろう材もしくはその原料として
用いた場合には、熱歪みのより少ない条件で接合施工を
行なうことができる。
このようにして、この発明の116 B縮ニッケルボロ
ンおよびシリコン添加113 B縮ニッケルボロンを添
加して得られたニッケル基合金材料等においては、10
s(n、α)反応による核変換を生じないために、添加
された11Bと他の成分元素との好ましい相互作用が中
性子照射環境でも保持されることになる。そのため中性
子照射環境下でニッケル基合金材料等への11Bの添加
が広〈実施されるようになり、それに伴い、耐中性子照
射性に優れた材料の開発並びに構造物の開発が促進され
ることになる。このような材料を使用することにより、
キーテクノロジーとしての中性子照射環境下で用いられ
る原子炉内構造物の安全性の向上並びに長寿命化を図る
ことができるのである。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、ニッケルーホウ素平衡状態図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ホウ素(B)を2〜15重量%、不純物としてのア
    ルミニウムを0.1重量%以下および炭素を0.5重量
    %以下含有し、残りがニッケル成分からなり、全ホウ素
    含有量に対してホウ素−11(^1^1B)が90重量
    %以上でかつ融点が1200℃以下であることを特徴と
    するニッケル基合金材料、鉄鋼材料等の原子炉材料に添
    加するためのニッケルボロン。 2、ホウ素(B)を2〜15重量%、シリコン(Si)
    を3〜10重量%、不純物としてのアルミニウムを0.
    1重量%以下および炭素を0.5重量%以下含有し、残
    りがニッケル成分からなり、全ホウ素含有量に対してホ
    ウ素−11(^1^1B)が90重量%以上でかつ融点
    が1200℃以下であることを特徴とするニッケル基合
    金材料、鉄鋼材料等の原子炉材料に添加するための、あ
    るいは該原子炉材料の接合用ろう材として用いるための
    ニッケルボロン。
JP61000429A 1986-01-06 1986-01-06 原子炉材料に添加するためのニツケルボロン Granted JPS62158843A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007269621A (ja) * 2006-02-16 2007-10-18 Coi Ceramics Inc 原子力用途のための炭化ケイ素材料、前駆体及びその形成方法、及び材料を含む構造
JP2019206456A (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 株式会社トクヤマ 六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法
JP2020517910A (ja) * 2017-04-26 2020-06-18 ウェスティングハウス エレクトリック スウェーデン アーベー セラミック核燃料ペレット、燃料棒および燃料集合体

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