JPS62156917A - 粉体粉砕用等のボ−ルおよびその製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、射出成形用の割り型金型の球状中空部の中心
部に金属球を配置するための「傘の骨状のポリアミド製
の支持体」と、ポリアミド樹脂の射出成形被覆層とが、
一体となって、金属球の周囲を均一な厚さに被覆してい
る、偏心の少ないボールミル用ボールなどの粉体粉砕用
ボール、粉体攪拌用ボールおよび粉体混合用ボールに関
するものであり、さらにその製法に関するものである。

本発明の粉体粉砕用のボールは、耐溶剤性、耐摩耗性、
表面硬度が優れており、特に、ボールミルによる粉砕に
おいて、無機質の不純物が混入することがなく、極めて
高純度の種々の材料（粉体）の粉砕に好適に使用するこ
とができる。

［従来技術の説明］ 従来、金属球の周面がポリアミド樹脂などの熱可塑性樹
脂で被覆された粉体粉砕用ボールは、（１）金属球の半
球面に沿って覆うことができる射出成形用の金型を使用
して、熱可塑性樹脂の射出成形によって、金属球の半球
面毎に、二回被覆する方法、または、 （２）金属球の半周面を覆うように形成された「おわん
型の成形支持体」を予め成形しておき、これを射出成形
用割り型金型の下部金型内に金属球と共に配置して、次
いで、前記下部金型に上部金型を合致させて、一体の割
り型金型を形成し、最後に、その割り型金型に熱可塑性
樹脂を射出して、前記おわん型の支持体および金属球の
周囲を一体に熱可塑性樹脂で被覆してしまう方法などで
製造されることが、すでに知られていた。

しかしながら、前記の（１）の方法は、射出成形を二回
行う必要があり生産性が悪く、また、（１）の方法で得
られたボールミル用ボールは、金属球の半周面毎に二回
被覆された熱可塑性樹脂層の境界において、互いの樹脂
層の接着力が充分でなく、このボールを使用して粉砕を
行った場合に、比較的短時間でその樹脂層の境界面で割
れてしまうことがあり適当ではなかった。

また、前記の（２）の方法では、予め成形されている「
おわん型の支持体」と金属球との密着または接着、ある
いは、「おわん型の支持体」と新たに射出された熱可塑
性樹脂との密着または接着が充分ではなく、このために
それぞれの境界において「割れ」を起こしやすいこと、
および、予め成形した「おわん型の支持体」で被覆され
た部分が、ボールを粉砕に使用した際に「割れ」を起こ
しやすいこと、さらに、射出成形において、前記の「お
わん型の支持体」を金属球と共に、割り型金型内で偏心
のないように固定することが困難であるので、偏心のあ
る樹脂被覆金属球ができやすく、そのために被覆層の薄
い部分の摩耗によってボールの寿命が決まってしまうこ
となどの理由によって、実用的に適当ではなかった。

［問題を解決するための手段］ 本発明者らは、前述の公知の粉体粉砕用ボールにおける
欠点を有していない、金属球の周面がポリアミド樹脂で
被覆されている粉体粉砕用ボールについて鋭意検討した
結果、射出成形機の割り型金型の球形中空部の中心部に
金属球を配置することができる傘の骨状のポリアミド樹
脂製支持体を内蔵したままでポリアミド樹脂の射出成形
被覆層が金属球の周囲に被覆されているボールが、偏心
などのない均一な厚さの被覆層を有する金属球であり、
優れた粉砕性、耐摩耗性などを有することを見い出し、
本発明を完成した。

すなわち、本発明は、射出成形機の割り型金型の球形中
空部の中心部に金属球を配置するための傘の骨状のポリ
アミド製の支持体と、ポリアミド樹脂の射出成形被覆層
とが、一体となって、金属球の周囲を均一な厚さに被覆
していることを特徴とする粉体粉砕用ボールに関する。

また、本発明は、射出成形機の割り型金型の球状中空部
の中心部に、傘の骨状のポリアミド製の支持体を使用し
て、金属球を配置し、その割り型金型に溶融したポリア
ミド樹脂を射出して、前記支持体と射出成形された被覆
層とが、一体となって、金属球の周囲を均一な厚さに被
覆することを特徴とする粉体粉砕用ボールの製法に関す
る。

本発明の粉体粉砕用ボールの製法は、前述の要件を有す
る特定の支持体が使用されていることにより、−回の射
出成形で、偏心のないポリアミド被覆金属球を、再現性
よく工業的に製造しうるものである。

本発明の粉体粉砕用ボールは、前記の支持体が内蔵され
ているポリアミド樹脂からなる射出成形被覆層が金属球
の周囲を被覆しているものであり、射出成形における溶
融されたポリアミド樹脂と金属球の外周面とが直接に接
触している面積が大きいので、極めて偏心のないもので
あると共に、ポリアミド樹脂からなる支持体と射出成形
された層とからなる被覆層とが一体となって金属球の外
周面に密着して金属球を保護しているので、耐摩耗性、
耐久性、耐薬品性などが極めて優れているのである。

［本発明の詳細な説明］ 以下、図面を参考にして、本発明の詳細な説明する。

第１図は、本発明の粉体粉砕用ボールの製法において、
射出成形用の割り型金型（上部金型と下部金型とからな
る）内に、支持体と金属球とを配置した状態の一例を示
す断面図である。

第２図は、本発明の粉体粉砕用ボールの一例を示す断面
図である。

第３図は、第１図において示された支持体の斜視図であ
り、第４図は、その支持体の平面図である。

本発明の粉体粉砕用ボールは、第１図に示すように、被
覆すべき金属球４の外径より大きな内径を有する「球状
中空部を有する射出成形用の割り型金型１」の下部金型
２の内部に、傘の骨状の支持体７が配置されており、そ
して、そのように下部金型２の内部に配置されている支
持体７の上に「ポリアミド樹脂で被覆すべき金属球４」
が保持の配置されていて、さらに、溶融したポリアミド
樹脂を射出するための射出口８が開口している上部金型
３が前記下部金型２に合致されていて、金型１の球状中
空部に金属球４が配置されている「射出成形用割り型金
型１」が一体に形成されている射出成形機を使用して、
ポリアミド樹脂の射出成形によって、工業的に製造され
るのである。

前記製法では、前記の射出成形被覆層を形成するポリア
ミド樹脂としては、射出成形に使用することができる公
知のポリアミド樹脂を使用すればよい。

前記の支持体は、金属球の周囲に射出されるポリアミド
樹脂とのなじみのよい同種または類似のポリアミド樹脂
であって、充分な剛性を有する押出成形体または射出成
形体を形成できる材質であればよい。

本発明で使用される支持体の構造は、例えば、第１図、
第３図および第４図に示すように、脚部６から湾曲支柱
部５がいくつかの方向にのびている傘の骨状の一体成形
品であればよい。

なお、本発明において、支持体は、湾曲支柱部５を、少
なくとも３〜１０個、特に３〜８個程度有していること
が好ましいが、溶融状態で射出されるポリアミド樹脂と
金属球とが直接密着している面積ができるだけ大きいこ
とが適当であること、金属球の保持が偏心もなく安定的
であって確実であること、および支持体の成形が容易で
あることなどから、湾曲支柱部が４個であることが最適
である。

さらに、本発明では、前記支持体は、その脚部が一本で
あれば充分であるが、必要であれば脚部が複数（例えば
２〜５本、特に２〜３本）に分岐されているものであっ
てもよい。

本発明の製法において、例えば、前述のような金型１の
球状中空部に金属球４が内蔵されている射出成形用割り
型金型１が一体に形成されている射出成形機を使用して
、前記上部金型３の射出口８から、割り型金型１の球状
中空部の内周面と金属球４の外周面との間の空隙部（支
持体部分を除いた空隙部）に、溶融したポリアミド樹脂
を射出することによって、第２図に示すように、射出さ
れて被覆されたポリアミド樹脂層９が前もって配置され
ていた支持体７と一体となって形成されているポリアミ
ド樹脂層（被覆層）１０で、前記金属球４が強固に被覆
されている本発明の粉体粉砕用ボールが製造されるので
ある。

本発明において、金属球の外周面に被覆されているポリ
アミド樹脂層の厚さは、約０．５〜２０薗、特に０．８
〜１５ｍｍ程度であることが好ましい。

また、本発明では、金属球の外周面積の約７０〜９７％
、特に８０〜９５％程度が、前述の射出されたポリアミ
ド樹脂層で、直接に被覆されていることが好ましい。

以下、本発明の実施例および比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。

実施例１ 第１図に示すような形式であって、内径２５ｍｍの球状
中空部を有する割り型金型の下部金型の内部に、第３図
および第４図に示すようなポリアミド製の支持体（湾曲
支柱部の曲率半径；９，５ａｍ、湾曲支柱部の厚さ；１
．５ｍｍ、先端突出部の突出長さ；１．５ｍｍ、湾曲支
柱部の幅；２ｍｍ、脚部の長さ；３１）が配置されてい
て、その支持体の湾曲支柱部の上に外径１９ｍｍの鋼球
が保持されており、そして、溶融したポリアミド樹脂の
射出口が開口している上部金型が前記下部金型に合致さ
れていて、球形の中空部に金属球が内蔵されている射出
成形用割り型金型が一体に形成されている射出成形機を
使用して、溶融したポリアミド樹脂を、前記上部金型の
射出口から、割り型金型の内周面と金属球の外周面との
間の空隙に射出して、前記金属球が、支持体と射出され
たポリアミド樹脂層とで一体に被覆されているボールミ
ル用ボールを製造した。

この製造されたボールのポリアミド樹脂層の最大肉厚と
最少肉厚とを測定した結果、偏心は実質的になく、また
、定性的な金属球の偏心状態を見るために、平板上でボ
ールをころがして、そのボールのころがり曲がりの度合
を調べた結果、ころがりにおいて曲がることがなかった
。

さらに、このボールをボールミルでセラミックの粉砕に
使用した場合の耐久性について調べた結果、極めて長時
間使用できることを確認した。

比較例１ 厚さ１ｍｍのおわん型の半球体とその底部に設けられた
長さ６ｍｍの脚部とからなるポリアミドで形成されてい
る支持体を使用し、そして、割り型金型の下部金型が底
部に前記支持体の脚部が嵌入できる凹部を有する割り型
金型を有する射出成形機を使用した他は、実施例１と同
様にして、前記金属球がポリアミド樹脂で一体に被覆さ
れているボールミル用ボールを製造した。

前記の方法で製造したボールは、偏心が大きく、また、
ボールミルで使用した場合に、前記ボールのポリアミド
被覆層が、おわん型の半球体の上部円周縁にそって、比
較的短時間のうちに割れてしまった。

［作用効果］ 本発明の粉体粉砕用ボールの製法は、被覆層に内蔵され
ている傘の骨状の支持体が、単純な構造であって、しか
も、合計の容積が極めて小さく、さらに、金属球を割り
型金型の球状中空部の中心部に配置することができるも
のであるので、後で射出された溶融したポリアミド樹脂
が金型の内面と金属球の周面との間の空隙部をスムース
に流れるのであり、また、射出されたポリアミド樹脂層
が金属球の表面に高い割合で直接強固に密着すると共に
、偏心のないポリアミド樹脂からなる被覆層が均一な厚
さで強固に金属球の外周面を被覆するのである。

本発明の方法で製造された粉体粉砕用ボールは、偏心の
ないポリアミド樹脂からなる被覆層を有しているので、
耐溶剤性、耐摩耗性、表面硬度が優れており、特に、ボ
ールミルによる粉砕用のボールとして、無機質の不純物
が混入することがなく、極めて高純度の電子材料、セラ
ミック材料、特殊顔料、塗料などの粉砕に好適に使用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の粉体粉砕用ボールの製法において、
射出成形用の割り型金型（上部金型と下部金型とからな
る）内に、・支持体と金属球とを配置した状態の一例を
示す断面図である。 第２図は、本発明の粉体粉砕用ボールの一例を示す断面
図である。 第３図は、第１図において示された支持体の斜視図であ
り、第４図は、その支持体の平面図である。 １；金型、２；下部金型、３；上部金型、４；金属球、
５；湾曲支柱部、６；脚部、７；支持体、８；射出口、 ９；射出されたポリアミド樹脂層、 １０；被覆層。 第２図 第４図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）射出成形機の割り型金型の球状中空部の中心部に
   金属球を配置するための傘の骨状のポリアミド製の支持
   体と、ポリアミド樹脂の射出成形被覆層とが、一体とな
   って、金属球の周囲を均一な厚さに被覆していることを
   特徴とする粉体粉砕用等のボール。
2. （２）射出成形機の割り型金型の球状中空部の中心部に
   、傘の骨状のポリアミド製の支持体を使用して金属球を
   配置し、その割り型金型に溶融したポリアミド樹脂を射
   出して、前記支持体と射出成形された被覆層とが、一体
   となって、金属球の周囲を均一な厚さに被覆することを
   特徴とする粉体粉砕用等のボールの製法。