JPS6215461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用エンジンの排気ガス通路に装
着される触媒コンバータに関し、特に触媒コンバ
ータに内蔵されるモノリス触媒の保持構造に関す
る。

触媒ケースに内蔵されるモノリス触媒は、通
常、その上下端がクツシヨン部材を介して環状リ
テーナによつて支持され、またその外周壁部は、
触媒ケース内壁とモノリス触媒外周壁との間の環
状通路に挿入した環状ワイヤネツトにより支持さ
れる。また、排気ガスが前記環状通路を下流側に
流れるのを防止するために、ワイヤネツトと一体
型又は別体型のインタラムと呼ばれる熱発泡性シ
ール部材も設けられる。

従来、インタラムとワイヤネツトが一体型のも
のは、その一体化の製造工程が複雑で作業性が悪
いという問題があつた。例えば、ワイヤネツトの
波付成形作業が困難で、またワイヤネツトを環状
にするときのスポツト溶接作業が困難である等の
問題があつた。

本考案の目的は、モノリス触媒の外周壁を支持
するワイヤネツトと熱発泡性シール部材（インタ
ラム）の一体構造において、その一体化製造を容
易に行なえるようにしたモノリス保持構造を提供
するものである。

そこで、本考案では、自動車用エンジンの排気
ガス通路に触媒ケースを装着し、該触媒ケースに
内蔵されるモノリス触媒を、該モノリス触媒外周
に設けた環状ワイヤネツトにより前記触媒ケース
内壁に対して支持する構造において、前記環状ワ
イヤネツトに抜き穴を設けた帯状金属を周方向に
固着して該帯状金属と前記ワイヤネツトとの間に
環状の溝を形成し、該環状溝内に熱発泡性シール
材を挿入し、該シール部材をワイヤネツトと一体
化したことを特徴とする触媒コンバータのモノリ
ス保持構造が提案される。

以下、添付図面を参照し本考案を更に詳細に説
明する。

第１図において、一般的なマニホルドタイプの
触媒コンバータが示してある。自動車用エンジン
の排気マニホルド１の出口部のすぐ下流に触媒コ
ンバータのケース２がガスケツト３を挾んで取り
付けられ、ケース２の内部にはモノリス触媒４が
装着される。ケース２の下流側は排気管（図示せ
ず）に接続される。モノリス触媒４は周知のよう
に直径が70〜140mmの略円筒形で軸方向に多数の
孔を有し、排気ガスがこれらの孔を通過する間に
浄化されるのである。排気マニホルド１の出口部
は下方に向いて開口しており、従つてケース２お
よびモノリス触媒４は図示のように略上下方向に
配置され、この部分では排気ガスは矢印Ｐで示す
ように下方に向けて流れる。

モノリス触媒４はその上下方向はその上下端に
設けた環状のリテーナ５および環状のクツシヨン
６で保持され、またその円周側部は中空円筒状の
ワイヤネツト７および熱発泡性シール部材（イン
タラム）８で保持されている。図示のようにイン
タラム８はワイヤネツト７の中央部に設けられた
形態で、主として排気ガスがモノリス触媒４の外
側を通過して下流に流れるのを防止する役目を
し、これに対しワイヤネツト７は主としてモノリ
ス触媒４の側部の保持の役目をする。

第２図および第３図は本考案におけるワイヤネ
ツト７とインタラム８の一体構造の一実施例を示
すものである。ワイヤネツト７は細い金属ワイヤ
を網状に編んで平板状にネツトにしたものを用い
る。この平板状のネツトを折りたたんで二重に
し、その中央部７ａを除き上部７ｂと下部７ｃを
図示のように波付成形する。この波付成形は、環
状ないし中空円筒状のワイヤネツト７の軸方向に
対して波の方向が図示のように傾斜しているのが
望ましく、また上部７ｂと下部７ｃとで波の傾斜
方向が互いに逆方向に向いているのが望ましい。
波付のなされていない中央部７ａは環状ワイヤネ
ツト７に対して円周方向にのびており、この部分
７ａに第４図に示すような穴抜き加工をした帯状
薄鉄板のような金属板１０をスポツト溶接１１等
で固着する。帯状金属板１０は穴抜き加工をした
多数の穴１０ａを有し、この金属板１０の下端部
がワイヤネツト中央部７ａの下端部に円周方向に
スポツト溶接１１されるのである。帯状金属板１
０は第３図に示す断面形状が略Ｌ字状でワイヤネ
ツト中央部７ａとの間で環状溝１２が形成され
る。その後ワイヤネツト７の両縁部をスポツト溶
接等で固着し、環状又は中空円筒状のワイヤネツ
トとする。次に、前記環状溝１２内にビニール等
で被覆した帯状の熱発泡性シール材（インタラ
ム）８を挿入するのである。インタラム８および
帯状金属１０は環状ワイヤネツト７の外側に設け
てもよいが、内側に設ける方がより好ましい。

第５図および第６図は本考案におけるワイヤネ
ツト７とインタラムの一体構造の他の実施例を示
すものである。この実施例では、インタラム８′
の両端付近を互いに重ね合せて二重にし、インタ
ラム８′が円周方向に切れ目を有することなく連
続し、円周方向のシール性より向上させたもので
ある。

本考案によれば、ワイヤネツト７の波付成形の
作業が容易になる。この点、従来は、ワイヤネツ
トの素材を折りたたんで二重にし、この二重のワ
イヤネツト素材の間にインタラムを挿入すべき通
路を設けかつその通路以外の部分に波付成形の施
していたので、波付成形の作業が複雑で困難なも
のであつた。また、従来はインタラム挿入後、ワ
イヤネツトを環状にしていたが、本考案によれ
ば、ワイヤネツト７を環状にする際のスポツト溶
接等がインタラム８を挿入していない状態で行な
うことができるので、容易でありかつ作業性が良
い。また、インタラム８を一体化したワイヤネツ
ト７をモノリス触媒４に組み付ける際、前述のよ
うにインタラム８をワイヤネツト７の内側に一体
化すればインタラム８の内側にはワイヤネツト７
の部分がないからモノリス触媒４への組み付けが
容易となる。以上のように、本考案ではワイヤネ
ツト７とインタラム８の一体化製造が容易でかつ
作業性が良く、モノリス触媒への組み込みも容易
となる。

なお、インタラム８は前述のように熱発泡性の
シール材であり、排気ガスの温度が高くなればな
るほど膨張し、第１図におけるモノリス触媒４の
外壁と触媒ケース２の内壁間の環状通路を固く閉
じそのシール特性が高くなる。帯状金属板１０は
多数の穴１０ａを有するので、可撓性にすぐれイ
ンタラム８の膨張によりモノリス触媒４の外壁又
はケース２の内壁に対し強く押圧される。また、
第３図および第６図に示すワイヤネツト，インタ
ラム一体構造は、第１図に示す触媒コンバータの
上下位置に対して、図示の上下位置で組み込むの
が好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な触媒コンバータの断面図、第
２図は本考案のモノリス保持構造におけるワイヤ
ネツト・インタラム一体構造の斜視図、第３図は
第２図の線−における拡大断面図、第４図は
本考案で用いる帯状金属の斜視図、第５図はワイ
ヤネツト・インタラム一体構造の他の実施例の斜
視図、第６図は第５図の線−における拡大断
面図である。 １……排気マニホルド、２……触媒ケース、３
……ガスケツト、４……モノリス触媒、５……リ
テーナ、６……クツシヨン、７……ワイヤネツ
ト、８，８′……熱発泡性シール材（インタラ
ム）、１０……帯状金属、１１……スポツト溶
接、１２……環状溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車用エンジンの排気ガス通路に触媒ケース
   ２を装着し、該触媒ケースに内蔵されるモノリス
   触媒４を、該モノリス触媒外周に設けた環状ワイ
   ヤネツト７により前記触媒ケース２内壁に対して
   支持する構造において、前記環状ワイヤネツト７
   に抜き穴１０ａを設けた帯状金属１０を周方向に
   固着して該帯状金属と前記ワイヤネツトとの間に
   環状の溝１２を形成し、該環状溝内に発泡性シー
   ル材８，８′を挿入し、該シール部材をワイヤネ
   ツト一体化したことを特徴とする触媒コンバータ
   のモノリス保持構造。