JPS6215446B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁石式連続輸送装置の磁性ベルトの改
良に関し、特に磁性ベルトの磁性材片に吸引・吸
着すべき移動体界磁に多極界磁を用いる場合に適
した梯子形の複数の磁気回路を形成し、かつ連続
組立製造に適するようなプレハブ構造にした多極
界磁用プレハブ形磁性ベルトを提供するものであ
る。本発明の実施例を図面と共に詳述すれば次の
とおりである。

第１図、第２図及び第３図はそれぞれ本発明の
一実施例に係る磁性ベルトの平面説明図、正面説
明図及び第２図Ａ−Ａ断面図である。なお、第１
図の左側は後述する第１の磁性材片及び固着用止
めピンを取り外した状態を示し、第２図の左側は
第１図の中央部の断面状態を示し、そして第３図
磁性ベルトに移動体（図示せず）電磁石Ｍが磁気
吸引・吸着した状態を示している。この電磁石Ｍ
は永久磁石であつてもよい事はいうまでもない。

この磁性ベルトは次に述べる第１の磁性材片
１、ベルト部材２及び第２の磁性材片３から構成
されている。

第１の磁性材片には、これに磁気吸引・吸着す
べき長さ方向の両端及びその間に、電磁石Ｍの界
磁極数に応じた数（図示しない移動体の幅方向に
沿つて見た数）で、且つ同界磁々極面に対応した
位置に突出部１１が設けられ、ベルト部材２の上
面に所定間隔をもつて載置され、突出部３１をも
つ第２の磁性材片３と、両磁性材片１，３の突出
部１１，３１が相対するように留めピン１２を介
して固着されている。この実施例では電磁石Ｍの
界磁極数が「３」であるから、突起部１１の数も
３個となつている。各突起部１１には固着用止め
ピン１２と嵌合するための孔１３が設けられてい
る。

ベルト部材２は第１の磁性材片１の両端の突起
部１１の内壁どうしを結ぶ長さの幅寸法で、その
中央部には第１の磁性材片の中央部の突起部１１
及び後述する第２の磁性材片の中央部の突起部３
１が挿入される切欠き部２１が、長さ方向に所定
間隔をもつて設けられている。この部材２には、
該磁性ベルト回動時における騒音、震動を小さく
する為防水性のゴム引帆布等のエラストマーが用
いられる。特に大きな抗張力を必要とする場合に
は、図示のように補強部材２２を内包固着したベ
ルト部材が用いられる。補強部材２２には、一般
的にはプラステイツク可撓撚線又は鋼可撓撚線が
使用される。所定強度があればよい。

第２の磁性材片３は、第４図に示されるよう
に、第１の磁性材片１と略同一形状であり、その
中央部の突起部３１をベルト部材の切欠き部２１
に挿入し、第１の磁性材片の中央部の突起部１１
と対向させ、突起部３１に設けられた孔３２と突
起部１１の孔１３とを介して固着用止めピン１２
が嵌合され、第１の磁性材片１と第２の磁性材片
３とがベルト部材２を挾んで固着されている。

以上の構成からなる磁性ベルトにおいて特に次
の事項が配慮されている。

第１の磁性材片１及び第２の磁性材片３の突出
部１１，３１は電磁石Ｍの磁極面位置Ｎ，Ｓ，Ｎ
に対応した位置に設けられ、その数は界磁極数に
応じた数となつている。このように構成したこと
により、磁束量を界磁Ｎ，Ｓ毎にできる複数の磁
気回路（第３図の破線を参照）均一に分散でき、
かつ、電磁石Ｍからの磁束は第１の磁性材片１の
他に第２の磁性材片２にも流れて、バイパス回路
が構成されることにより、磁性ベルト内の磁気飽
和を防ぎ且つ漏洩磁束をより小さくすることがで
き、電磁石Ｍからの磁束密度を大きくすることが
できる。更に、磁石を多極化することで、磁極面
と吸着磁性ベルト面間の個々の吸着力を分散して
小さくすることができ、両者間の滑り時（相対速
度差発生時）における両者の吸着面摩耗が小さく
なる。しかし、磁石全体としての吸着力は変らな
い。

また、第１の磁性材片１と第２の磁性材片とは
略同一の断面形状の部材を使用して磁性ベルトの
異種部品点数を少なくしており、その生産及び生
産管理を容易なものにしている。

上記実施例に係る磁性ベルトの組立ては次のよ
うにして行なわれる。

ベルト部材２の切欠き部２１にその下面側から
第２の磁性材片３の突起部３１を順次挿入し、次
に上面側から第１の磁性材片１の突起部１１を同
様に順次挿入する。その後第１の磁性材片の孔１
３と第２の磁性材片の孔３２に固着用止めピン１
２を嵌合固着して、第１の磁性材片１、ベルト部
材２及び第２の磁性材片３を一体化することによ
り組立が完了する。この組立の際第５図に示され
るように移送ベルト４を使用し、その溝４１に第
２の磁性材片３を載置し、その上にベルト部材２
及び第１の磁性材片１を順次載置し、上述の場合
と同様に固着用止めピン１２を嵌合固着してもよ
い。

また、ベルト部材２の下面側の露出部分と第２
の磁性材片をエラストマー（図示せず）によつて
被うことにより、ベルト移動の際に発生するプー
リ（駆動源）とのすべり騒音の発生及び摺動摩耗
の軽減化を図ることができる。なお、上述の実施
例においてはＮ，Ｓ，Ｎという３極界磁の場合に
ついて説明したが、本発明はこのことに限定され
るものではなく、あらゆる多極界磁を対象として
いることは云うまでもない。

以上の説明から明らかなように、本発明に係る
磁性ベルトは、第１の磁性材片の他に第２の磁性
材片を挿入して複数の磁気回路を形成し、電磁石
と作用する部分の磁束密度を高めてその吸着力を
大きくすることを可能にし、また、第１の磁性材
片と第２の磁性材片とは略同一形状の部材を使用
し、かつ、プレハブ構造にしてあるからその生産
及び生産管が容易になつており、実用上きわめて
有用な発明であると云えよう。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図及び第３図はそれぞれ本発明の
一実施例に係る磁性ベルトの平面説明図、正面説
明図及び第２図Ａ−Ａ断面図、第４図は第１の磁
性材片及び第２の磁性材片の説明図、第５図は移
送ベルトの説明図である。 １……第１の磁性材片、２……ベルト部材、３
……第２の磁性材片、４……移送ベルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 長さ方向の両端及びその中間に移動体の幅方
   向の界磁極数に応じた数で、且つ対応する位置に
   突起部をもつた第１の磁性材片と、上記中間部の
   突起部に対応した切欠き部が設けられ、幅が上記
   両端の突起部の内壁を結ぶ寸法となつているベル
   ト部材と、上記第１の磁性材片と略同一形状の第
   ２の磁性材片とを備え、上記第１の磁性材片の突
   起部と上記と第２の磁性材片の突起部とを上記ベ
   ルト部材の切欠き部を通して対向させ、当該第１
   の磁性材片と第２の磁性材片とを当該ベルト部材
   を介して固着した構造としたことを特徴とする多
   極界磁用プレハブ形磁性ベルト。 ２ ベルト部材に補強部材を内包固着した特許請
   求の範囲第１項に記載の多極磁界用プレハブ形磁
   性ベルト。