JPS6215207B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフイルター装置でろ過した塵埃を着脱
自在な集塵箱に収集するようにした真空掃除機に
関するものである。

従来の真空掃除機にあつて、その集塵装置は、
集塵箱の一側開口にフイルター装置を着脱自在に
装着したものがほとんどで、そのため、内部に収
集された塵埃を廃棄処理するためには、汚れたフ
イルター装置を外して集塵箱の一側を開放しなけ
ればならず衛生面で問題があつた。

この問題点を解消するため、フイルター装置の
下方に集塵箱を着脱自在に設け、塵埃廃棄時には
この集塵箱だけを外せばよいものが考えられた。

例えば、実公昭49−28364号公報に示されてい
るものは、電動送風機を内蔵した本体に、空気流
路を有し、かつ平板状のフイルター装置を装備し
た蓋を可動的に設け、またこのフイルター下方に
位置して着脱自在な集塵箱を設けている。また実
公昭49−21017号公報には円筒状フイルター装置
の下方に着脱自在な集塵箱を設けるとともに、上
記フイルタ装置の内面に接して回転する螺旋状の
塵埃送り体が設けられている。

ところで、これら従来のものでは単体のフイル
ターしか設けられておらず、これを粗塵ろ過用の
一次フイルターと、細塵ろ過用の二次フイルター
を設けたタイプの掃除機にはそのまま採用できな
かつた。特に実公昭49−21017号公報に示されて
いる螺旋状の塵埃送り体を有するものにあつては
一次、二次フイルター間のエアーおよびダストタ
イトが問題となる。

また実開昭49−67453号公報には１次フイルタ
ーの外側に二次フイルターが設けてあるため、フ
イルター装置として大型化してしまうものであつ
た。

さらに特開昭50−125563号公報には、筒状のフ
イルター枠に一次、二次フイルターを一列に設
け、かつ一次フイルターを前後動自在とすること
により塵埃押圧作用を発揮させるものがある。こ
の場合、一次、二次フイルター間のタイトは、同
一次フイルターとフイルター枠との摺動部となる
が、一次フイルターの摺動々作の関係からタイト
性として充分なものがとれなかつた。

本発明はこのような従来の欠点を解消したもの
で、一次、二次フイルター間のタイトを確実とな
し、それぞれのフイルター機能を充分に発揮させ
るようにしたものである。

以下本発明の構成および作用について第１〜８
図に基づいて説明する。

図において、１は電動送風機２を内蔵した掃除
機の本体、３は本体１の下部に設けた本体下カバ
ー、４は本体１に固定した蓋軸５を回転中心にし
て回動する蓋取付金具６に固定された本体蓋、７
は吸込口８を有する前蓋で、フイルター外枠９と
の間で吸込口パツキン１０を挟持するとともに、
上記フイルター外枠９と前蓋７は本体蓋４に共締
めでビス１１により固定されている。１２は本体
蓋４の環状突起１３と蓋当て板１４の一部に嵌合
するとともに、フイルター外枠９で挟持固定され
たフイルターパツキン、１５は細塵を捕集する波
形の形状からなるろ材１６を有する二次フイルタ
ーで、上記フイルターパツキン１２に圧着してご
み洩れを防止するとともに、下部は一次フイルタ
ー１７のフイルター受部１８で支持固定されてい
る。一次フイルター１７は略円筒状に形成される
とともに、複数個所の網部１９を設けて粗塵を捕
集し、上記フイルター外枠９に形成した引掛孔２
０に係止部２１を嵌合させて固定している。２２
は上記フイルター外枠９に嵌着させた弾性を有す
る外枠パツキンである。

２３は本体下カバー３と一次フイルター１７の
間に位置せしめた集塵箱で、塵埃を溜める塵溜部
２４、上記外枠パツキン２２と当接して空気洩れ
を防止する平面部２５、塵埃の落ちこぼれを防止
する全周に設けたフランジ２６から構成されてい
る。２７は集塵箱２３に固定した集塵箱ハンド
ル、２８は集塵箱２３の内面に装着した不通気性
材質よりなる塵埃袋、２９は一次フイルター１７
の内周に回転、及び摺動自在に設けた押圧板、３
０は上記押圧板２９の略中央に凹状に形成した細
塵弁取付部で、細塵排出口３１を有している。上
記押圧板２９の外周には一次フイルター１７の内
面を摺動する筒状の摺動壁３２を設け、これによ
り同時に細塵受３３を形成している。

また上記一次フイルター１７の上端には、内方
に向けて環状の係止突起１７ａが形成され、上記
押圧板２９が上方に位置するとき、同押圧板２９
の摺動壁３２の上端が上記係止突起１７ａの下面
に当接し、押圧板２９の上下空間を遮断する。

１７ｂは一次フイルター１７の不通気部で、上
記押圧板２９が上方に位置した状態における、そ
の摺動壁３２に対向する部分が漏過性を有しない
ように構成されている。

３４は上記押圧板２９の細塵弁取付部３０にビ
ス等で固定し、同細塵弁取付部３０を閉塞する細
塵受板で、前記細塵排出口３１とは約180゜の反
対位置に細塵板入口３５を、まれ略中央部には先
端に複数の受動爪３６を形成した円筒状の回転軸
３７を有し、この回転軸３７は二次フイルター１
５の軸受３８に回転及び摺動できるよう構成して
いる。３９は上記細塵弁取付部３０と細塵受板３
４との間で形成され、空間に挿入される細塵弁
で、ゴム等の弾性体よりなり、貫通孔を形成し
て、細塵溜４０を複数個設けている。中央部は押
圧板軸４１の先端部に固定ビス４２で取付固定さ
れ、押圧板２９と細塵受板３４とが一体になつ
て、一次フイルター１７などの固定部に対して相
対的に回転あるいは摺動できるよう構成されてい
る。４３は一次フイルター１７より一体に形成し
た細塵集塵板で、上記押圧板２９ならびに細塵受
板３４が回転することにより細塵受３３上に溜つ
た細塵を細塵取入口３５に集める。４４は摺動壁
３２に摺動自在に嵌合した遮蔽弁取付板で、弾性
を有する薄板の遮蔽弁４５の下端を取付け、通常
の掃除を行う時は二次フイルター１５とフイルタ
ー外枠９との間で形成した遮蔽弁格納部４６に収
納しており、塵埃を捨て去る時は押圧板２９が下
降し、吸込口８と二次フイルター１５とが直接連
通するため、一次フイルター１７に設けた吸気口
４７の部分を閉じて粗塵が二次フイルター１５側
へ侵入するのを防止している。

４８は、本体蓋４の上面に摺動自在に設けた錠
で、尾錠ばね４９で付勢されて尾錠係止部５０が
本体１に一体に設けた尾錠引掛部５１に係止して
いる。前記押圧板軸４１は細塵受板３４の回転軸
３７の内周部に嵌入し、細塵弁３５とともに細塵
受板３４に相対的に回動自在に構成され、上部に
は押ボタン５２を圧入して取付けている。５３は
押圧板軸パツキン５４を押さえて固定する固定板
で、押圧板軸４１と押ボタン５２に設けた摺動溝
５５に嵌合して押圧板軸４１の回転を止めるとと
もに、押圧板軸４１の内径部に円筒状のばね受座
５６を一体に形成して押ボタン５２との間で押ボ
タンばね５７を挟持している。上記押ボタン５２
はボタン係止部５８を押圧板軸４１に設けた係止
孔５９に嵌合させて抜け止めを行うとともに、上
方には尾錠操作部６０を形成し、尾錠４８に設け
た傾斜部６１に当接して、尾錠４８を尾錠ばね４
９の力に抗して移動させ、尾錠係止部５０と尾錠
引掛部５１の係合を外す役目を果している。上記
ボタン係止部５８と尾錠操作部６０の間には停止
突起６２を設けて押ボタン５２を押し込んで尾錠
４８を外した後に、同尾錠４８と停止突起６２は
係合してその位置で停止するように構成されてい
る。６３は塵落歯車で、二次フイルター１５の軸
受３８に軸支されるとともに、細塵受板３４の上
端に設けた受動爪３６と係合する伝動爪６４を有
し、また二次フイルター１５に振動を伝えて細塵
を落とす振動板６５を形成している。６６は押ボ
タン５２より一体に形成した案内棒で、押ボタン
ばね５７の座屈を防止している。蓋当て板１４は
本体蓋４に固定されて、二次フイルター１５の上
部と電動送風機２の前部負圧部とを連通する空気
流路を形成している。

６９は塵落歯車６３に噛み合う伝動歯車で、本
体蓋４につまみ７０を介して回転自在に設けられ
ている。７１は本体１と蓋当て板１４との間に挟
持された蓋ばねで、尾錠４８の係止が外れた時に
本体蓋４を上方に持ち上げるよう付勢している。
７２はフイルター外枠９に設けた蓋ストツパー
で、本体蓋４が開いて上方に上つた時に本体１の
ストツパー受７３に当接して上記本体蓋４の回動
を規制する。７４は本体蓋４に固定された本体さ
げ手、７５は前輪、７６は後輪である。

上記構成において、掃除を行う時は前蓋７の吸
込口８にホース接続口を差込んで塵埃を吸入する
と、粗塵の大部分は集塵箱２３の塵溜部２４に溜
まりまた一次フイルター１７の網部１９にも捕集
され、空気は網部１９を通過した後、一次フイル
ター１７の外周部を通つて二次フイルター１５に
流入し、細塵はろ材１６により捕獲される。二次
フイルター１５を通過した空気は空気流路を通つ
て電動送風機２に吸込まれる。

この時、上記押圧板２９は掃除機の作動時にお
いては上方に位置し、摺動壁３２の上端が係止突
起１７ａの下端に当接しているため、含塵気流が
一次フイルター１７の網部１９を通らずにダイレ
クトに二次フイルター１５の方に流れることはな
い。

特に本実施例においては、上記気流の遮断を摺
動壁３２の周面と一次フイルター１７の内周面と
の間で行わず、上記摺動壁３２の上端と係止突起
１７ａの下面とで行つているので、合理的な遮蔽
が実現する。すなわち、摺動壁３２と一次フイル
ター１７の不通気部１７ｂとの間で遮蔽を行おう
とすると、押圧板２９自体が軸方向に移動するた
め、摺動壁３２の周面と一次フイルター１７の内
周面が面摺動することはなり、その密接嵌合は困
難であり、また仮に密接嵌合させることができて
も、摺動抵抗がきわめて増大し、正常な動きが困
難になる。これに対し、本構成の場合は遮蔽のた
めに当接させる方向が押圧板２９の摺動方向であ
るため、線接触でよく、また摺動抵抗が増大する
こともない。

掃除が終り、本体蓋４に設けられたつまみ７０
を回転させると、つまみ７０に固定され、塵落歯
車６３に噛み合つた伝動歯車６９が回転し、塵落
歯車６３に回転力が与えられ、振動板６５がろ材
１６に振動を与えて二次フイルター１５に付着し
ている細塵を下方へ落下させ、細塵受３３で受け
止められる。また塵落歯車６３の伝動爪６４と細
塵受板３４の受動爪３６とは係合しているので、
塵落歯車６３が回転すると、細塵受板３４に固着
している押圧板２９も回転を行い、細塵受３３上
に溜つた細塵は細塵集塵板４３によつて集めら
れ、細塵取入口３５に投入される。細塵弁３８の
細塵溜４０は細塵取入口３５より流入した細塵を
溜めて、押圧板２９がさらに回転して細塵溜４０
と細塵排出口３１とが重なつた時に細塵は集塵箱
２３側へ排出される。次に集塵箱２３内の塵埃を
捨て去る時には、押ボタン５２を押すと、押圧板
軸３７に連結している押圧板２９が集塵箱２３側
へ移動して摺動壁３２が一次フイルター１７に付
着した粗塵をこすり落しながら圧縮して塵溜部２
４に押し込みかためるので、一次フイルター１７
の網部１９は粗塵特に綿ごみ等の付着のない清潔
な状態になる。押ボタン５２は押し込むと停止突
起５８は尾錠４８の傾斜部６１を乗り越えて押し
込まれるが、高さが低いので尾錠４８の係止が外
れることはなく、さらに押ボタン５２を押すと尾
錠操作部６０が傾斜部６１を押して尾錠４８を尾
錠ばね４９の力に抗して移動させるため、尾錠引
掛部５１より尾錠係止部５０が外れて係止が解除
される。押ボタン５２が押せなくなる所まで押し
た後、押すのをやめると尾錠４８の係止が外れた
状態で本体蓋４は蓋ばね６９の付勢力で本体１よ
り離される方向に力を受けているので、本体蓋４
は蓋軸５を回転中心として上方へ開離する。同時
に押ボタンばね５７の力で上方へ復帰するため尾
錠４８も尾錠ばね４９の力で基の位置に復帰する
が、本体蓋４は蓋ばね７１の力で先にわずかの隙
間をあけて上方へ移動しているために尾錠引掛部
５１と尾錠係止部５０は先端部分が接触してしま
い、係止することはない。押ボタン５２がわずか
に復帰すると、停止突起６２と尾錠４８が係止し
て押ボタン５２は復帰は止められ、押圧板２９も
一次フイルター１７の網部１９をほぼ覆つた位置
で停止するので、本体蓋４が開いた時一次フイル
ター１７の汚れた面が見えたり細塵が落ちてくる
機会が減少される。本体蓋４が上方へ開いた時、
フイルター外枠９の蓋ストツパー７２と本体１に
設けたストツパー受７３が接合して開離は止めら
れる。このストツパー受７３と蓋ストツパー７２
の接合する位置は集塵箱２３のフランジ２６が外
枠パツキン２２に接触しないようにわずかの隙間
が開くように設定している。本体蓋４が開いた
後、集塵箱ハンドル２７を持つて集塵箱２３を引
き出し、塵埃袋２８の口をすぼめれば、極めて容
易にしかもほこり等が舞上ることなく塵埃を捨て
去ることができる。また塵埃袋２８を使用しない
で直接集塵箱２３の塵溜部２４に塵埃を溜めた場
合でも、塵埃は押圧板２９により圧力を加えられ
て塵溜部２４に入つているので、塵溜部２４より
塵埃を捨て去る時にほこりの舞上り等が極めて減
少される。塵埃を捨ててから塵埃袋２８を集塵箱
２３に取付けて集塵箱ハンドル２７を持ち、本体
にセツトした後、本体蓋４を閉じるため下方へ押
圧すれば、まず最初に尾錠係止部５０は尾錠引掛
部５１に当接するため尾錠４８が尾錠ばね４９の
付勢力に抗して移動し、尾錠４８と停止突起６２
の係止が外れ、押ボタン５２、押圧板２９は押ボ
タンばね５７の力で上方へ移動し、元の位置へ復
帰する。さらに本体蓋４を押し下げると尾錠係止
部５０と尾錠引掛部５１が係止されて本体蓋４は
本体１と接合し掃除が可能な状態となる。

このように本発明は、電動送風機などを内蔵し
た本体と、後端が上記本体の後端に回動自在に軸
支され、同本体に対して上方へ可動できるように
設けられるとともに、前方の吸込口から電動送風
機の吸引側に至る空気流路を形成した本体蓋と、
周壁に上記吸込口と連通する吸気口を有する上下
開放状で、かつ略円筒状の一次フイルター、この
一次フイルターの上方に位置する二次フイルタ
ー、これら一次、二次フイルターの外周を包囲す
るフイルター外枠から構成され、上記空気流路と
連通して本体蓋に取着されたフイルター装置と、
上記一次フイルターの下方開放部に着脱自在に対
設した上方開放状の集塵箱と、一次、二次フイル
ター間を仕切り、同一次フイルターの内面に接し
て下動自在な押圧板とを具備し、この押圧板の外
周には一次フイルターの内面に対する摺動壁を、
一方一次フイルターの上部内方には同摺動壁との
当接によりタイト作用を発揮する環状の係止突起
をそれぞれ設けたものであるから、押圧板が上下
動して塵埃の圧縮ができるとともに、吸引動作時
は上記押圧板の摺動抵抗を上げることなく、同押
圧板と一次フイルターのタイトを確実に行うこと
ができる。さらに述べると、吸引動作時は押圧板
に上方への変位力が働らいてその摺動壁と係止突
起との当接が確実となり、上記タイト性を著しく
高める効果を奏し、その工業的価値はきわめて大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の真空掃除機の断面図、第２図
は集塵箱とフイルターが開離した状態を示す同要
部断面の側面図、第３図は集塵箱を取りはずした
ときの状態を示す同斜視図、第４図は蓋ばね取付
部の要部断面図、第５図は第２図のＡ−Ａ断面
図、第６図は細塵受部の斜視図、第７図は本体蓋
部の部分分解斜視図、第８図は押ボタン部の部分
断面斜視図、第９図は押圧板の部の要部拡大断面
図である。 １……本体、４……本体蓋、９……フイルター
外枠、１５……二次フイルター、１７……一次フ
イルター、１７ａ……係止突起、２３……集塵
箱、２９……押圧板、３２……摺動壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電動送風機などを内蔵した本体と、後端が上
   記本体の後端に回動自在に軸支され、同本体に対
   して上方へ可動できるように設けられるととも
   に、前方の吸込口から電動送風機の吸引側に至る
   空気流路を形成した本体蓋と、周壁に上記吸込口
   と連通する吸気口を有する上下開放状で、かつ略
   円筒状の一次フイルター、この一次フイルターの
   上方に位置する二次フイルター、これら一次、二
   次フイルターの外周を包囲するフイルター外枠か
   ら構成され、上記空気流路と連通して本体蓋に取
   着されたフイルター装置と、上記一次フイルター
   の下方開放部に着脱自在に対設した上方開放状の
   集塵箱と、一次、二次フイルター間を仕切り、同
   一次フイルターの内面に接して下動自在な押圧板
   とを具備し、この押圧板の外周には一次フイルタ
   ーの内面に対する摺動壁を、一方一次フイルター
   の上部内方には同摺動壁との当接によりタイト作
   用を発揮する環状の係止突起をそれぞれ設けた電
   気掃除機。