JPS6215033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、身生地端縁にラツパ状テープ生地開
放端を一体に縫着するに当り、ラツパ状テープ生
地内にゴム条テープ地を、必要部分のみ縫着する
と共に他はフリーな状態で介入させるようにした
縫着作業を、正確容易にかつ自動的に得られるよ
うにしたものに関する。

従来パンツその他の下穿類においては、その裾
部に裾仕舞構造としてラツパ状テープ生地を一体
に縫着するのであるが、このさい裾部の弾性伸縮
付与のためにゴム条テープ地を前記ラツパ状テー
プ生地と共に縫込み介入させるのが通例である。
このゴム条テープ地の介入縫着に当つては、その
全長に亘つて全体を一体に縫着するものでなく、
環状をなす裾部においてゴム条テープ地の両端側
のみを適長に亘り縫着し、他はフリーな状態に放
置するものである。従つてこのテープ地縫着に当
り、従来はその環状裾部の縫製に当り、手作業で
距離を図りながらゴム条テープ地両端の縫い込み
を行なうので、手間と労力とを必要とし、また作
業員としてもある程度の熟練が必要とされるので
あり、大量生産を本旨とする下着類の縫製工程に
おける１つのネツクである。

本考案はこのような問題点を解決するためにな
されたものであつて、その特徴とする処は、身生
地端縁にラツパ状テープ生地開放端をミシン縫着
するに当り、前記ラツパ状テープ生地内へのゴム
条テープ地挿入手段を設けると共に、該挿入手段
におけるゴム条テープ地案内部材を前記ラツパ状
テープ生地における縫着部位並びに非縫着部位に
選択移動自在に設けた点にある。

以下図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１，２，３図は、本考案の適用対象の１つ
であるパンツにおける裾部構造とゴム条テープ地
介入内容を例示したものであり、第１図示のよう
なパンツ１における両環状裾部２，２において
は、第２，３図に示すように、裾部２，２に該当
する身生地３の端縁に対し、略Ｕ形に折曲形成し
たラツパ状テープ状生地４における開放端４ａ，
４ａを、前記身生地３の端縁３ａを表裏より挾持
状に重合し、この開放端４ａ，４ａ端縁３ａを一
体に縫着５するのであるが、このさい環状裾部２
全体に伸縮弾性を付与するために、細いゴム条テ
ープ地６を第２図示のように開放端４ａの一方と
端縁３ａとの間に介入し、このさい第２，３図に
示すように、ゴム条テープ地６を縫い始めの図示
Ａ点から若干の距離を置いたＢ点との間は、第２
図示のように開放端４ａ，４ａ端縁３ａと一体に
縫着５するが、次いで前記Ｂ点からＣ点に至る長
さの間は、ゴム条テープ生地６は縫着しないで袋
状のテープ状生地４内にフリーに遊挿し、この間
端縁３ａ開放端４ａ，４ａのみは連続して縫着５
し、Ｃ点から縫い終りのＤ点との間のみ、再びゴ
ム条テープ地６を共に一体に縫着５するのであ
る。従来はこのようなゴム条テープ地６の挿入、
縫着作業は手作業であるため、特にそのゴム条テ
ープ地６の縫着、解放に当つては、作業員がその
概略の距離を計りながら縫製するため、きわめて
手間が掛ることになる。

これに対し本考案は、第４，５図に示すよう
に、公知のミシン針７押え金８を有するミシン縫
製部の一側にラツパ状テープ生地案内具９を介し
てテープ状生地４を連続的に供給し、押え金８の
下に身生地３の端縁３ａと、案内具９を介してＵ
状に折曲されたラツパ状テープ生地４の開放端４
ａ，４ａとを重合挾持状に進入させるものにおい
て、前記案内具９における開放端４ａ，４ａの送
出端に近接して、ゴム条テープ地６の挿入ガイド
部材１０を設け、図示省略してあるがボビン等に
巻かれたゴム条テープ地６を同挿入ガイド部材１
０を通して、ラツパ状テープ生地４における一方
の開放端４ａ側に沿つてテープ生地４内へ送出自
在とするのであり、更にこの挿入ガイド部材１０
を、図例ではエアシリンダ１１のピストンロツド
１１ａ等の運動部材に支持させることにより、第
５図に示すようにミシン針７による前記開放端４
ａと身生地３の端縁３ａとの縫着位置Ｘに正対さ
せることが可能であると共に、また前記縫着位置
Ｘを外れてラツパ状テープ生地５の折曲部４ｂ側
の非縫着位置Ｙにも移動できるように、縫着位置
Ｘと非縫着位置Ｙの両位置に選択移動自在とした
ものである。このさい挿入ガイド部材１０の運動
部材としては図例のエアシリンダ１１以外でも自
由に採用可能であり、また挿入ガイド部材１０は
図例ではリング状のガイド部材を例示したが、ゴ
ム条テープ地６を正しく水平状態の姿勢のもとに
ラツパ状テープ生地４内へ送り込めるものなら
ば、その構造はパイプその他自由に選択できる。
また前記ガイド部材１０をＸ位置またはＹ位置に
移動させる選択を行なうものとして、本考案では
ミシンにおける回転数を自動的にカウントするカ
ウンター（図示省略）を利用する。尚第４，５図
において１０ａはガイド部材１０のロツドを示
し、１２は切断用カツターを示している。

本考案によれば、第３図に例示したような縫い
始め位置Ａ点においては、ゴム条テープ地６の挿
入ガイド部材１０を第５図に示すように縫着位置
Ｘに位置させ、ゴム条テープ地６をラツパ状テー
プ生地４における一方の開放端４ａの内面に沿つ
て挿入し、身生地３の端縁３ａ開放端４ａ，４ａ
と共に一体に縫着するのであり、このさいテープ
状生地４およびゴム条テープ地６の送出は、共に
身生地３側のミシン送り機構による移動につれて
行なわれる。かくしてミシン回転数のカウント、
即ち所要縫目数のカウントと共に、Ａ点からＢ点
までの縫着を正確に検出できるので、そのカウン
トと共に挿入ガイド部材１０を非縫着位置Ｙに移
動させることにより、ゴム条テープ地６はフリー
の状態でテープ状生地４における折曲部４ｂ内に
遊挿されることになる。こうしてＢ点からＣ点ま
で移動した時、即ち所要の縫目数カウントと共
に、挿入ガイド部材１０を再び非縫着位置Ｙから
縫着位置Ｘに移動させ、Ｃ点から縫い終りのＤ点
までは、再び端縁３ａ開放端４ａ，４ａとの一体
縫着を行なうのであり、かくして所要の裾部２に
おける身生地３とラツパ状テープ生地４との縫着
と共に、ゴム条テープ地６の一体介入、必要部分
での一体縫着が自動的に得られるのである。尚通
常これらの縫製は連続長尺のラツパ状生地４およ
びゴム条テープ地６を用い、多数のパンツに対し
て連続的にその縫製を行なうものであり、従つて
連続縫製の場合は、縫始め位置Ａ点における身生
地３の前端がミシン側に設置した光電管１３等で
感知された時、公知の図示カツター１２等で連続
するラツパ状テープ生地４及びゴム条テープ地６
が切断され、また縫い終り位置Ｄ点における身生
地３の後端が感知された時も同様に切断されるも
ので、第３図における１４，１４はその切断線を
示している。

本考案は以上のように、身生地３の端縁３ａに
対し、ラツパ状テープ生地４を付設すると共に、
ゴム条テープ地６を介入するものにおいて、その
ゴム条テープ地６の自動挿入、更にその特定部分
の縫着と非縫着が自動的に制御されることによ
り、図例のパンツ裾部のみに止まらず、同様のゴ
ム条テープ地を介入させる全てのものについて、
きわめて便利であり、手作業の必要なく、能率的
に処理でき、自動縫製ラインを可能とするもので
あり、しかも必要構造としても簡単で各種ミシン
に対して適用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１，２，３図はパンツ裾部におけるゴム条テ
ープ介入縫製構造例の説明図、第４図は本考案装
置実施例の斜面図、第５図は同平面図である。 ３……身生地、３ａ……端縁、４……ラツパ状
テープ生地、４ａ……開放端、４ｂ……折曲部、
５……縫着、６……ゴム条テープ地、７……ミシ
ン針、８……押え金、１０……挿入ガイド部材、
Ｘ……縫着位置、Ｙ……非縫着位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 身生地端縁にラツパ状テープ生地開放端をミシ
   ン縫着するに当り、前記ラツパ状テープ生地内へ
   のゴム条テープ地挿入手段を設けると共に、該挿
   入手段におけるゴム条テープ地案内部材を前記ラ
   ツパ状テープ生地における縫着部位並びに非縫着
   部位に選択移動自在に設けたことを特徴とするゴ
   ム条テープ地の縫着装置。