JPS6214933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、前後方向に位置を調整可能な前後位
置調整式ヘツドレストに関する。

従来、この種前後位置調整式ヘツドレストには
色々なものが提案されているが、構造が複雑で、
しかも前後方向に位置調整する場合にロツク機構
を一々解除し、その後ヘツドレストを移動させ、
再びロツク機構をロツク状態に保持するものが多
く、位置調整を簡易迅速に行なえない欠点があ
り、また位置を安定的に且つ強力に保持できない
欠点もあつた。

本考案の目的は、前後方向に簡易迅速に位置調
整でき、しかも位置を安定的に且つ強力に保持で
き、更に構造も簡単な前後位置調整式ヘツドレス
トを提供するもので、以下図面を参照して詳述す
るところより明らかとなるであろう。

第１図，第２図および第３図Ａ〜Ｅは、本考案
の一実施例を示すもので、固定プレート２、可動
プレート６、ツースプレート１１、これの幅方向
の両側部に設置された２個のツース１６ａ，１６
ｂおよびヘツドレスト本体２２とを備えている。

前記固定プレート２は、シートバツク（図示せ
ず）に差し込み結合するステイ１ａ，１ｂの上端
部間に固定されている。固定プレート２には、そ
の幅方向の両側部にチヤンネル型のガイドレール
３ａ，３ｂが形成され、また台形に形成された中
間部分にはツース１６ａ，１６ｂの取付用穴４
ａ，４ｂと円弧形のガイド穴５ａ，５ｂとが設け
られている。

前記可動プレート６には、その幅方向の両側部
に前記ガイドレール３ａ，３ｂに係合するガイド
部７ａ，７ｂが形成され、さらに台形に形成され
た中間部分には前後方向に間隔をおいてツースプ
レート１１の取付用穴８が設けられ、また幅方向
に間隔をおいて前後方向の端縁部にヘツドレスト
本体取付用のねじ穴９が設けられている。そし
て、可動プレート６は前記固定プレート２に形成
されたガイドレール３ａ，３ｂにガイド部７ａ，
７ｂを係合して組み付けられ、このガイドレール
３ａ，３ｂとガイド部７ａ，７ｂの係合を介して
前後方向に平行移動し得るようになつている。
尚、固定プレート２と可動プレート６との係合状
態において、両部材の中間部分の両側には可動プ
レート６を後方側にけん引する第２の引つ張りば
ね組み込み用の隙間１０ａ，１０ｂが形成されて
いる。

前記ツースプレート１１には、幅方向の両側部
に前後方向の位置調整用歯１２ａ，１２ｂが形成
され、各位置調整用歯列の後端部側には当該ツー
ス１６ａ，１６ｂのキヤンセル用の第１のカム１
３ａ，１３ｂが設けられ、各位置調整用歯列の前
端部側には当該ツース１６ａ，１６ｂを位置調整
作用側に切り換える第２のカム１４ａ，１４ｂが
設けられており、また前後方向に間隔をおいて取
付用ピン１５が突設されている。前記位置調整用
歯１２ａ，１２ｂは、この歯型に形成され、ツー
スプレート１１の前後方向に多数形成されてい
る。そして、ツースプレート１１は可動プレート
６の底面側に配置され、各取付用ピン１５を可動
プレート６に設けられた当該取付用穴８に差し込
み、カシメ結合され、可動プレート６と一体に移
動し得るように取り付けられている。

前記一方のツース１６ａには底面に枢支ピン１
７ａとガイドピン１８ａとが設けられ、他方のツ
ース１６ｂには底面に枢支ピン１７ｂとガイドピ
ン１８ｂとが設けられている。各ツース１６ａ，
１６ｂは、固定プレート２の上面に設置され、枢
支ピン１７ａ，１７ｂを固定プレート２に設けら
れた取付用穴４ａ，４ｂに差し込み、且つワツシ
ヤ１９をはさんでカシメ結合され、またガイドピ
ン１８ａ，１８ｂを同固定プレート２に設けられ
たガイド穴５ａ，５ｂに挿通し、固定プレート２
の底面側に突出させている。その結果、各ツース
１６ａ，１６ｂは当該枢支ピン１７ａ，１７ｂを
中心として、且つガイド穴５ａ，５ｂ内において
当該ガイドピン１８ａ，１８ｂが移動可能な範囲
内で回動し得るように取り付けられている。そし
て、ツース１６ａ，１６ｂにおける固定プレート
２の底面側に突出されたガイドピン１８，１８ｂ
の端部間には第１の引つ張りばね２０が設けら
れ、該第１の引つ張りばね２０によりツース１６
ａ，１６ｂはツースプレート１１に形成された当
該位置調整用歯１２ａ，１２ｂに係合する方向に
付勢されている。

前記ツースプレート１１と各ツース１６ａ，１
６ｂとは、この実施例のものでは可動プレート６
を前方に向かつて移動させたときは位置調整用歯
１２ａ，１２ｂと各ツース１６ａ，１６ｂとの方
向性と第１の引つ張りばね２０の作用で順次位置
調整でき、ついで位置調整用歯列の後端部側に設
けられた第１のカム１３ａ，１３ｂがツース１６
ａ，１６ｂの歯先１６a′，１６b′を通過後、可動
プレート６が後方に引かれると、第１のカム１３
ａ，１３ｂにより各ツース１６ａ，１６ｂは位置
調整用歯１２ａ，１２ｂから解離されるとともに
位置調整用歯１２ａ，１２ｂに係合しない状態に
姿勢変換され、この状態から可動プレート６を後
方に向かつて移動させたときは各ツース１６ａ，
１６ｂは位置調整用歯１２ａ，１２ｂに係合せず
に素通りし、位置調整用歯列の前端部側に設けら
れた第２のカム１４ａ，１４ｂがツース１６ａ，
１６ｂの歯先１６a′，１６b′を通過後、再び可動
プレート６を前方に向かつて移動させると、ツー
ス１６ａ，１６ｂは第２のカム１４ａ，１４ｂに
より当該位置調整用歯１２ａ，１２ｂに係合し得
るように姿勢変換されるように構成されている。

前記固定プレート２と可動プレート６の中間部
分の両側に形成されている隙間１０ａ，１０ｂに
は、第２の引つ張りばね２１ａ，２１ｂが挿通さ
れ、この第２の引つ張りばね２１ａ，２１ｂの両
端部は固定プレート２と可動プレート６に係止さ
れており、第２の引つ張りばね２１ａ，２１ｂに
より、可動プレート６は後方側に移動付勢されて
いる。

前記ヘツドレスト本体２２は、可動プレート６
に装着され、且つ外部から可動プレート６に設け
られたねじ穴９にねじ込んだ止めねじ２３により
可動プレート６に一体に取り付けられている。

前記実施例の前後位置調整式ヘツドレストは、
次のように作用する。

可動プレート６を第２の引つ張りばね２１ａ，
２１ｂのばね力に抗して前方に引くと、第３図Ａ
に示すようにツースプレート１１が可動プレート
６と一緒に矢印ａ方向に移動する。この状態では
ツースプレート１１の位置調整用歯列の任意の位
置の位置調整用歯１２ａ，１２ｂにツース１６
ａ，１６ｂが係合し得る姿勢に保持されているの
で、位置調整用歯１２ａ，１２ｂとツース１６
ａ，１６ｂの係合を介して可動プレート６を位置
固定でき、したがつて可動プレート６に取り付け
られたヘツドレスト本体２２を任意の位置に調整
することができる。

更に、可動プレート６を矢印ａ方向に引くと、
第３図Ｂに示す如くツースプレート１１に設けら
れた第１のカム１３ａ，１３ｂがツース１６ａ，
１６ｂの歯先１６a′，１６b′の位置を通過する。

前記第１のカム１３ａ，１３ｂがツース１６
ａ，１６ｂの歯先１６a′，１６b′の位置を通過し
た時点で可動プレート６を放すと、第２の引つ張
りばね２１ａ，２１ｂのばね力によりツースプレ
ート１１が第３図Ｃ矢印ｂで示すように後方にけ
ん引され、この時点で前記第１のカム１３ａ，１
３ｂによりツース１６ａ，１６ｂが第３図Ｃに示
す如く位置調整用歯列に係合しない姿勢に切り換
えられ、この姿勢の下にツースプレート１１と可
動プレート６とヘツドレスト本体２２とが前記第
２の引つ張りばね２１ａ，２１ｂの作用で後方に
移動する。

ついで、ツースプレート１１に設けられた第２
のカム１４ａ，１４ｂが第３図Ｄに示すようにツ
ース１６ａ，１６ｂの歯先１６a′，１６b′の位置
を通過した状態から可動プレート６を再び第３図
Ｄに矢印ａで示す方向に引くと、第２のカム１４
ａ，１４ｂによりツース１６ａ，１６ｂが位置調
整用歯列に係合し得る姿勢に切り換えられ、続い
て可動プレート６を矢印ａ方向に引くと、第３図
Ｅに示すように再び位置調整用歯１２ａ，１２ｂ
とツース１６ａ，１６ｂとの係合および可動プレ
ート６の作用を通じてヘツドレスト本体２２の前
後方向の位置を調整することができる。

尚、第１図に示す構成をそのまま逆転させ、上
下位置を逆にして見れば明らかな如く、固定プレ
ート２を可動プレートに構成し、固定プレート２
に固着されたステイ１ａ，１ｂに代えてヘツドレ
スト本体２２を取付け、前記可動プレート６を固
定プレートに形成し、この可動プレート６にステ
イ１ａ，１ｂを取付ければ、本願考案の構成を全
く逆構成とすることが出来るものである。尚逆転
構成した場合には前後が逆となること明らかであ
ろう。

次に、第４図は本考案の他の実施例を示す。

この実施例のものは、ツースプレート２４が前
後方向に連設された第１の部分２５と第２の部分
２６とを有して構成されている。

前記第１の部分２５には位置調整用歯２７ａ，
２７ｂ、第１のカム２９ａ，２９ｂおよび第２の
カム３１ａ，３１ｂが設けられ、第２の部分２６
には位置調整用歯２８ａ，２８ｂ、第１のカム３
０ａ，３０ｂおよび第２のカム３２ａ，３２ｂが
設けられており、これら第１，第２の部分２５，
２６の各部は互いに対称軸Ｘ−Ｘの回りに180度
対称に形成されている。

そして、この実施例のものは第５図に示すスイ
ングタイプのシートバツク３３のヘツドレス３４
に適用し、シートバツク３３を第１の位置また
は第２の位置のいずれの位置に移動した場合に
も、それぞれ第３図Ａ〜Ｅにおいて説明したとこ
ろと同様の作用でヘツドレスト本体の前後方向の
位置を調整し得るように構成されていること、前
述第１図，第２図に示す実施例と同様である。

以上が本考案に係る前後位置調整式ヘツドレス
トの一実施例の構成であるが、斯る構成に依れば
ヘツドレスト本体を取り付けた可動プレートを、
固定プレートに前後方向に平行移動し得るように
係合し、幅方向の両側部に設けられ且つ前後方向
に多数形成された位置調整用歯を有するツースプ
レートとツースプレートの両側部に回動自在に枢
支され且つ当該位置調整用歯に係合し得るツース
とにより、前記可動プレートを前後方向の任意の
位置に調整し得るようにしているので、ヘツドレ
ストの移動に対しては従来の如きロツク機構を解
除し、再びロツク状態にする操作が不要でヘツド
レスト本体を前後方向に簡易迅速に位置調整でき
る効果がある。

また、本考案に依れば前述の如くツースプレー
トの幅方向の両側部に設けられた位置調整用歯
と、各位置調整用歯に係合し得るように設けられ
たツースとにより、ヘツドレスト本体を取り付け
ている可動プレートの位置を調整するようにして
いるので、位置を安定的に且つ強力に保持できる
効果があり、少ない部品で足りるので、構造を簡
略化し得る効果もある。

尚、上述においては本考案の一実施例を示した
に留まり、本考案の精神を脱することなしに種々
の変形，変更をなし得ること明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す各部材の分解
斜視図、第２図は組立状態の縦断正面図、第３図
Ａ〜Ｅは平面から見た作用説明図、第４図は本考
案の別の実施例のツースプレートとツースとの作
用状態の平面図、第５図は第４図に示す実施例の
ものを適用したスイングタイプのシートの説明図
である。 図中、１ａ，１ｂ……ステイ、２……固定プレ
ート、３ａ，３ｂ……ガイドレール、６……可動
プレート、７ａ，７ｂ……ガイド部、１１……ツ
ースプレート、１２ａ，１２ｂ……位置調整用
歯、１３ａ，１３ｂ……第１のカム、１４ａ，１
４ｂ……第２のカム、１６ａ，１６ｂ……ツー
ス、１７ａ，１７ｂ……ツースの枢支ピン、２０
……ツースの引つ張りばね、２１ａ，２１ｂ……
可動プレート用の第１，第２の引つ張りばね、２
２……ヘツドレスト本体、２４……ツースプレー
ト、２５，２６……ツースプレートの第１，第２
の部分、２７ａ，２７ｂ，２８ａ，２８ｂ……位
置調整用歯、２９ａ，２９ｂ，３０ａ，３０ｂ…
…第１のカム、３１ａ，３１ｂ，３２ａ，３２ｂ
……第２のカム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定プレートにヘツドレスト本体が取り付けら
   れる可動プレートを前後方向に平行移動し得るよ
   うに係合し、前記固定プレートと可動プレートの
   いずれか一方の部材に、幅方向の両側部に前後方
   向に沿つて多数形成された位置調整用歯を有する
   ツースプレートが取り付けられ、該ツースプレー
   トの位置調整用歯列の一端部側に第１のカムが、
   他端部側に第２のカムが夫々設けられ、他方の部
   材には、前記ツースプレートの両側部外方に枢支
   ピンにより夫々回動自在に枢支され且つ当該位置
   調整用歯に係合し得る一対のツースが設けられ、
   該一対のツースにはガイドピンが夫々設けられ、
   該ガイドピンがツースの枢支された側である他方
   の部材に形成された半円弧形のガイド穴に回動可
   能に挿通され、これらガイドピンの先端間に引つ
   張りばねが張設され、前記一対のツースの歯先が
   前記ツースプレートの位置調整用歯に係合する方
   向に付勢され、前記可動プレートを前方に移動さ
   せると、一対のツースの歯先が前記ツースプレー
   トの位置調整用歯列と順次位置調整可能に係合
   し、前記位置調整用歯列の一端部側に形成された
   第１のカムを通過した状態では前記一対のツース
   の歯先が前記位置調整用歯列と係合しない状態に
   保持され、前記可動プレートを後方に移動させツ
   ースの歯先が位置調整用歯列の他端部側に形成さ
   れた第２のカムを通過した後、再び前方に移動さ
   せた場合に前記一対のツースの歯先が前記ツース
   プレートの位置調整用歯列と順次位置調整可能に
   係合するようになされていることを特徴とする前
   後位置調整式ヘツドレスト。