JPS6214028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は給紙機構における用紙搬送路の位置合
せ装置に関する。

従来から自動ミシン機械や紙折り機などの給紙
機構の用紙搬送路においては、送られた用紙の位
置合せをする場合、第１図および第２図に示すよ
うに搬送ベルトａ上に金属またはプラスチツク等
からなるボール状のころｂを用紙ガイド板ｃに対
して若干進路方向に対し傾斜をもたせて並列保持
するために、ころ保持板ｄに千鳥状に多数の孔を
あけ、この孔にころｂをそれぞれ収容してこれら
のころｂを搬送ベルトａの上面に接触させるとと
もに、ころ保持板ｄを用紙ガイドｃに対して傾斜
させて取付け、用紙ｅを用紙ガイドｃに押し当て
る構造を用いている。

このような構造であると、搬送路の途中におい
て、テスト用の紙などを挿入したくても、ころが
あるためにできず、また用紙がころの下で詰つた
りした場合には抜き取ることもできないなどの問
題があり、これらの問題の早期解決が望まれてい
た。

本考案はこれに鑑み、従来の搬送ベルトの上方
にあるころ保持板の下側に、ころ逃がし板を摺動
自在に設け、常時はころを搬送ベルトに接触させ
ておき、必要時にころ逃がし板をころ保持板に対
しスライドさせることにより、ころ保持板のころ
を上部に一斎に押し上げて搬送ベルトところとの
間に隙間をもたせるようにした用紙搬送路の位置
合せ装置を提供して、従来の欠点の解消をはかる
ことを目的としてなされたものである。

以下、本考案を図面に示す一実施例により説明
する。

用紙を搬送する搬送ベルト１の搬送方向一側に
は用紙ガイド２があり、搬送ベルト１の上部には
平板状のころ保持板３があつて、用紙ガイド２に
対しベルト１の進行方向後流側になるにしたがつ
て近づくように平面よりみて長手方向に若干傾斜
して設けられている。

前記ころ保持板３には、平板に千鳥状に多数穿
設されたころ孔を有し、このころ孔に球状のころ
４がそれぞれ回転自在に収容されていて、孔内で
適宜に転動し得るようになつている。

そして前記ころ４は、搬送ベルト１の上面に常
時接するようになつており、搬送ベルト１上の用
紙５は搬送途中において、このころ４に接するこ
とにより用紙ガイド２の方に移動され、巾方向が
揃えられるようになつている。

しかして本考案にかかる位置合せ装置は、上記
の構成に加え、ころ逃がし板６と、ガイドピン７
と、レバー８と、ころ保持板３の長孔９、ばね掛
けピン１０、およびばね１１とにより構成されて
いる。ころ逃がし板６は、平板状の薄板で前記こ
ろ保持板３よりも薄く、かつころ保持板３のころ
孔に重なり合うようこれと同数で、同径または多
少大径のころ孔が穿設してある。

またころ保持板３には、ころ孔と干渉しない位
置に複数個の長手方向の長孔９が穿設されてお
り、ころ逃がし板６には、前記長孔９に相対して
複数個の丸孔１２が穿設されていて、ころ逃がし
板６がころ保持板３の下面で接触し、長手方向に
摺動自在で、かつころ保持板３から外れないよう
に前記長孔９と丸孔１２との間に、孔よりも大き
い頭部を有するガイドピン７が上から嵌合され下
から皿ビスなどによりピン部に螺合して固着され
ている。

したがつてガイドピン７はころ保持板３の長孔
９の分だけ長手方向に摺動できるようになつてい
る。

またころ逃がし板６の前方の端部には、突片状
のレバー８がころ逃がし板６と直角でかつ上向き
に設けられている。

ころ保持板３の前端部近傍には１個のばね掛け
ピン１０が固設してあり、前記レバー８の直立し
た中間部とばね掛けピン１０との間にはばね１１
が取付けられていて、これにより前記ころ保持板
３のころ孔ところ逃がし板６のころ孔とが合致す
るように付勢されてころ４の位置が規制されてい
る。

したがつて、この状態ではころ保持板３内のこ
ろ４は、ころ逃がし板６に関係なく搬送ベルト１
に接することができるようになつている。

つぎに作用について説明する。

平常の作動状態では、上述のようにころ保持板
３のころ孔と、ころ逃がし板６のころ孔とは合致
しているので、ころ４は搬送ベルト１と接してお
り、搬送ベルト１により送られてきた用紙は、用
紙ガイド２から離れていてもころ４に接触するこ
とによつて順次用紙ガイド２の方へ引き寄せられ
て用紙ガイド２を基準として揃えられることにな
る。

このような作動時に、搬送路に途中でテスト用
の紙などを挿入する必要があつたり、また用紙が
ころ４と搬送ベルト１の間に入つて詰まりを生じ
た場合には、レバー８をばね１１に抗して前方に
押すと、レバー８と一体になつているころ逃がし
板６は、ころ保持板３の下面を長孔９の分だけ前
方に摺動して第４図の実線の状態から二点鎖線の
状態になる。これによつてころ逃がし板６のころ
孔ところ保持板３のころ孔は合致しなくなり、こ
の結果、ころ４がころ逃がし板６の孔の周縁部分
で上方へ押上げられることになり、ころ４と搬送
ベルト１との間に隙間ができる。

したがつて用紙の抜き差しが容易となり、詰つ
た用紙を取除くことや、またテスト用の紙の挿入
も簡単にできる。

またレバー８から手を離すと、ばね１１により
ころ逃がし板６は第４図実線の位置に戻り、ころ
４は自動的に下方に押し下げられて再びころ４と
搬送ベルト１とが接することになる。

図中１３はころ逃がし板６が摺動したとき、こ
ろ４が上部に飛び出さないようにした防止板で、
１４はその支持棒である。

なお上述の説明はころが球状のもので行なつた
がロール状のものであつてもよい。また、ころ保
持板３に対してころ逃がし板６を保持する機構と
して、ころ保持板３に長孔９を設けころ逃がし板
６の方にガイドピン７を挿入してスライドさせる
ようにしたが、スライド用のガイドピンをころ保
持板に設け、ころ逃がし板に長孔をあけてもよ
い。

さらに第５図に示すようにころ逃がし板６に一
対の耳部１５を設け、これを上部に折り曲げてこ
ろ保持板３を抱えるようにし、上述の長孔９およ
びガイドピン７の代りとしてもよい。

以上説明したように本考案は、搬送ベルトの搬
送方向の側面に設けられた用紙ガイドに、該搬送
ベルト上にあつて多数のころを保持したころ保持
板を傾斜して取付けた用紙の位置合せ装置におい
て、前記ころ保持板の裏側に、ころ保持板のころ
孔と同数で、かつ同径または多少大径の孔を穿設
したころ逃がし板を配設し、ころ保持板に対し摺
動自在および取外し不可とするためのガイドを、
ころ保持板ところ逃がし板との間に設けるととも
に、さらにころ逃がし板から上方に突出させたレ
バーと、前記ころ保持板上に設けたばね掛けピン
との間には、常時はころ保持板のころ孔ところ逃
がし板のころ孔とを合致させてころを搬送ベルト
に接するようにした位置決め用のばねを取着し
て、前記レバーをばねに抗して押したときころ逃
がし板がころ保持板に対し摺動して、ころ保持板
のころを上部に押し上げることにより前記搬送ベ
ルトところの間に隙間をもたせるようにしたの
で、従来のような不具合は全くなくなり、極めて
簡単な構造でありながら前述のような効果を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の用紙搬送路の位置合せ装置の平
面図、第２図は第１図の搬送ベルトところ保持板
の取付状態を示す斜視図、第３図は本考案に係る
用紙搬送路の位置合せ装置の平面図、第４図は第
３図の側断面図、第５図は他の実施例の斜視図で
ある。 １……搬送ベルト、２……用紙ガイド、３……
ころ保持板、４……ころ、６……ころ逃がし板、
７……ガイドピン、９……長孔、１０……ばね掛
けピン、１１……ばね、１５……耳部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送ベルトの搬送方向側部に設けた用紙ガイド
   に、該搬送ベルト上にあつて多数のころを保持し
   たころ保持板をベルトの進行方向後流側がガイド
   に近づくよう傾斜して取付けた用紙の位置合せ装
   置において、前記ころ保持板の裏側に、ころ保持
   板のころ孔と同数でかつ同径または多少大径の孔
   を穿設したころ逃がし板を配設し、ころ保持板に
   対し摺動自在および取外し不可とするためのガイ
   ドを、ころ保持板ところ逃がし板との間に設ける
   とともに、ころ逃がし板から上方に突出させたレ
   バーと、前記ころ保持板上に設けたばね掛けピン
   との間に、常時はころ保持板のころ孔ところ逃が
   し板のころ孔とを合致させてころを搬送ベルトに
   接するようにした位置決め用のばねを取着してな
   り、前記レバーをばねに抗して前方に押したとき
   ころ逃がし板が、ころ保持板に対して摺動して、
   ころ保持板のころを上部に押し上げることにより
   前記搬送ベルトところの間に隙間をもたせるよう
   に構成したことを特徴とする用紙搬送路の位置合
   せ装置。