JPS6213903Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はステアリングコラム支持構造に関し、
ハンドホイールに伝わる振動を低減し得るよう改
良したものである。

第１図は従来技術を示す概略図、第２図は第１
図におけるＡ−Ａ線断面を示す断面図、第３図は
第１図におけるＢ−Ｂ線断面を示す断面図であ
る。これらの図に示すように、ハンドホイール１
が固定されたシヤフト２を回転可能に支えるステ
アリングコラム３は、支持構造，により支持
されている。このとき第２図に示すように、支持
構造は、ステアリングコラム３の外周に嵌挿さ
れたブツシユ４と、このブツシユ４を締着するク
ランプ５と、ステアリングコラム３に溶着・固定
されてクランプ５に係合する一本のピン３ａとか
らなる。一方、支持構造は、第３図に示すよう
に、ステアリングコラム３に嵌挿されたブツシユ
６と、このブツシユ６を締着するとともにカバー
７に取り付けられるクランプ８とからなる。

ところでかかる従来技術では、ハンドホイール
１の軸方向（図中矢印ａ方向）、上下方向（図中
矢印ｂ方向）及び回転方向の変位を支持部，
でおさえる必要があるため、ブツシユ４，６の硬
度をあげるか、ブツシユ４，６の肉厚をうすめに
して、クランプ５，８をかたく締め付けていた。
更に、ステアリングコラム３の回り止めの機能を
果しているピン３ａが一本だけであるため、ステ
アリングコラム３の回転方向に亘る保持剛性を向
上させる上からも、ブツシユ４，６の硬度を高く
しておかなければならなかつた。したがつて、ハ
ンドホイール１に伝わる振動を、効果的に低減さ
せることができなかつた。

本考案は、上記従来技術に鑑み、ハンドホイー
ルに伝わる振動を低減し得るステアリングコラム
支持構造を提供することを目的とする。かかる目
的を達成する本考案の構成は、ステアリングコラ
ムの外周にブツシユを嵌挿するとともに、このブ
ツシユの外周からクランプを締着してなるステア
リングコラム支持構造において、ブツシユを弾性
材で形成するとともに、コラムから突出してクラ
ンプに係合するピンを複数本備える一方、前記コ
ラムの外周面に当接して軸方向に伸びる板状のス
トツパを前記ブツシユ内に占位せしめたことを特
徴とする。

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第４図は本考案の実施例を示す概略図であり、
第５図は第４図におけるＣ−Ｃ線断面を示す断面
図であり、第６図は第４図におけるＤ−Ｄ線断面
を示す断面図である。これらの図に示すようにナ
ツト９によりハンドホイール１が固定されたシヤ
フト２は、ベアリング１０，１０ａを介して回転
可能にステアリングコラム３で支持されている。
このため、ハンドホイール１を回転することによ
り、シヤフト２及びコネクテイングロツド１１、
更には図示しないステアリングギヤ、ピツトマン
アーム、リレーロツド、タイロツド及びナツクル
アームが動かされホイールが舵角する。前記ステ
アリングコラム３は、支持構造，で支持され
る。そして、支持構造は、第５図に示すよう
に、ステアリングコラム３に嵌挿されて弾性材で
形成されたブツシユ１２と、ボルト１３により相
互に締着されたサポート１４ａ，１４ｂからなる
クランプ１４と、二本のピン１５，１５ａと、ス
テアリングコラム３に当接して軸方向に伸びる板
状のストツパ１６とからなる。したがつて、ブツ
シユ１２はクランプ１４で抱合されて締め付けら
れることとなり、また、ストツパ１６はブツシユ
１２内に占位することとなる。このとき、前記ク
ランプ１４はサポートメンバー１７にボルト締め
されている。また、支持構造は、ステアリング
コラム３に嵌挿されて弾性材で形成されたブツシ
ユ１８と、このブツシユ１８を嵌合・固定するカ
バー１９とからなり、前記カバー１９はボルト２
０を介してボデイー２１に取り付けられている。
一方、シヤフト２のハンドホイール１側の部分に
は、第６図に示すように、切欠を有するブロツク
２２が溶接されている。そして前記切欠には、始
動キー挿入口２３からキーが引き抜かれた際に突
出するようになつているピン２４が挿脱し得るよ
うになつている。したがつて、キーが始動キー挿
入口２３に挿入されている場合には、ピン２４が
引つ込む結果、シヤフト２は自由に回転できる。
また、キーが引き抜かれた場合には、ピン２４が
突出して切欠内に占位する結果、ロツク状態とな
り、シヤフト２の回転は拘束される。なおボデイ
２５に形成されたガイド２６は、ステアリングコ
ラム３を位置決めする役割をしており、また、ボ
ルダ２７はボデイ２５にボルト結合されている。

かかる本実施例においてはブツシユ１２，１８
が弾性材で形成されているため、ステアリングコ
ラム３とギヤボツクス（図示省略）の取付寸法に
誤差が生じても、この誤差はブツシユ１２，１８
で吸収される結果、シヤフト２やコネクテイング
ロツド１１に無理な応力が作用しない。したがつ
て、ハンドホイール１の回転トルクは円滑にステ
アリングギヤに伝達される。更に、タイヤやボデ
イー２１，２５からシヤフト２に伝わる振動のみ
ならず、フレームの曲げ・捩り変位に起因してシ
ヤフト２に加わる応力がブツシユ１２，１８で吸
収される結果、ハンドホイール１に伝わる振動が
低減する。一方、支持構造に二本のピン１５，
１５ａを備えたため、ステアリングコラム３を回
転方向に変位させようとする力（ロツク状態で且
つハンドホイール１が回転せしめられたときに特
に大きくなる）は、確実に阻止される。つまり本
実施例においては、主に二本のピン１５，１５ａ
により回転方向に亘る力を阻止させ、ブツシユ１
２，１８には、上記回転力を阻止する機能という
よりはむしろ振動吸収という機能を主に持たせた
のである。なお、言うまでもないことながら、軸
方向（図中矢印ａ方向）の変位も前記ピン１５，
１５ａにより阻止される。更に、支持構造にス
トツパ１６を設けたため、上下方向（図中矢印ｂ
方向）の変位も小さく抑えることができる。つま
り、ストツパ１６がないと、円筒形となつている
ステアリングコラム３の外周面がブツシユ１２に
押し付けられることになるため、ブツシユ１２に
対する面圧が高くなり、ハンドホイール１の上下
方向に亘る変位が増大するのである。

以上、実施例とともに具体的に説明したよう
に、本考案によれば、ハンドホイールの変位を抑
制しつつ、ハンドホイールに伝わる振動を低減し
得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術を示す概略図、第２図は第１
図におけるＡ−Ａ線断面を示す断面図、第３図は
第１図におけるＢ−Ｂ線断面を示す断面図、第４
図は本考案の実施例を示す概略図、第５図は第４
図におけるＣ−Ｃ線断面を示す断面図、第６図は
第４図におけるＤ−Ｄ線断面を示す断面図であ
る。 図面中、３はステアリングコラム、４，６，１
２，１８はブツシユ、５，８，１４はクランプ、
３ａ，１５，１５ａはピン、１６はストツパ、
，，，はステアリングコラム支持構造で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングコラムの外周にブツシユを嵌挿す
   るとともに、このブツシユの外周からクランプを
   締着してなるステアリングコラム支持構造におい
   て、ブツシユを弾性材で形成するとともに、コラ
   ムから突出してクランプに係合するピンを複数本
   備える一方、前記コラムの外周面に当接して軸方
   向に伸びる板状のストツパを前記ブツシユ内に占
   位せしめたことを特徴とするステアリングコラム
   支持構造。