JPS6213810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はIDマーク付元帳発行・更新プリンタ
装置、特に元帳にIDマーク（識別コード）を印
字でき、かつこのIDマークを元帳更新のために
読取ることができるプリンタ装置において、例え
ば当該プリンタ装置の機構部等の改善によつて、
IDマークの読取り・印字位置が変更された場合
に、従来の元帳との互換性が保たれるように、
IDマークの読取り・印字位置を、スイツチ等に
よる指示手段によつて従来位置または新規位置に
任意に切替えができるようにし、旧装置で印刷し
た元帳との読取り上の互換性を確保可能とした
IDマーク付元帳発行・更新プリンタ装置に関す
るものである。

コンピユータによる事務処理によつて、例えば
顧客取引情報などの元帳を、作成および更新する
ことが行われている。この事務処理で扱われる元
帳には、顧客番号等の元帳の内容種別についての
認識のために、IDマークが付されている。この
元帳に取引履歴データ等を記録する場合、以前に
取引があつた顧客に対しては、元帳に印字されて
いるIDマークを読取つて認識するとにより、そ
の顧客の元帳を探し出し、未記入の空欄に追加取
引データを印刷するようにされる。一方、新しく
取引が発生した顧客の場合、その顧客に対する元
帳を新規に発行するため、新しい顧客に対する顧
客番号を割り当て、その番号等に対応するIDマ
ークを元帳に印字する。

この種の元帳発行および更新に用いるプリンタ
装置は、一般のミシン目が付された連続帳票等へ
の印刷を行うプリンタ装置とは異なり、特に所定
の位置におけるIDマークの印字機能を有すると
共に、既に印字されているIDマークを読取つて
元帳を探し出す機能を有していることが必要であ
る。即ち、IDマーク付元帳発行・更新プリンタ
装置は、従来のラインプリンタ等とは全く異なる
特殊機能を必要とし、そのため機構部に、元帳が
挿入されるインサータや、プリントヘツドを搭載
したプリントヘツド移動台上に元帳のIDマーク
を認識するIDセンサを備えている。事務処理を
遂行する処理プログラムは、通常IDマーク印字
エリアの位置を意識する必要はなく、IDマーク
印字コマンドまたはIDマーク読取りコマンドを
発行すると、プリンタ装置が自動的にIDマーク
印字エリアへの紙送り制御およびプリントヘツド
の移動制御を行う。

従つて、既に印字されているIDマークを読取
る場合、その位置を予めプリンタ装置の制御部が
知つておく必要がある。従来のIDマーク付元帳
発行・更新プリンタ装置では、IDマークの位置
が機構部の条件で一義的に定められているため、
そのIDマークの位置を任意に変更することはで
きなかつた。

従つて、例えば機構上の改善等がなされてID
マークの位置がそれまでのプリンタ装置とは異な
る新たなIDマーク付元帳発行・更新プリンタ装
置が用いられるようになつた場合、新旧元帳につ
いての互換性をとることはできなかつた。即ち、
例えば機構上の改善により、元帳の記録行数を増
やすことができる新装置が開発された場合、それ
に伴つて元帳の冒頭に付されるIDマークの位置
の変更が必要となることがあるが、旧装置により
IDマークを印字した元帳を有するユーザは、こ
の新装置を使用することをあきらめるか、または
旧元帳を新装置により更新することをあきらめ、
新装置に適合した新元帳を全部作成しなおす必要
があつた。以下、この問題点を図面を参照して説
明する。

第１図は従来方式による問題点の説明図を示
す。図中、１は旧プリンタ装置、１′は新プリン
タ装置、２，２′は元帳、３，３′はIDマークを
表わす。第１図Ａにおいて、旧プリンタ装置１に
よつて印字される元帳２のIDマーク３の位置
は、固定的に定められ、異なる位置にIDマーク
が付された元帳については、旧プリンタ装置１に
よつて取扱うことはできない。例えば、機構上の
改善がなされた新しいプリンタ装置１′が用いら
れるようになり、この新プリンタ装置１′におい
ては、第１図Ｂ図示の如く、例えば元帳２′内に
おける一般の印字領域の拡張要求などのために、
IDマーク３′の印字位置が旧プリンタ装置１を用
いた場合と異なるようにされたとする。このよう
な場合、従来方式によれば、新プリンタ装置１′
においても印字位置は固定化されることとなり、
そのため、旧プリンタ装置１によつて印字された
IDマーク３は、新プリンタ装置１′によつて取扱
うことはできない。すなわち、従来方式では変更
前の元帳２のIDマーク３の印字位置と変更後の
元帳２′のIDマーク３′の印字位置とは異なるた
めに、新プリンタ装置１′によつて変更前の元帳
２のIDマーク３を読みたいという要求があつて
も読めないという欠点があつた。また、同様に新
プリンタ装置１′によつて、元帳の印字形式を第
１図Ａ図示の如き旧プリンタ装置１に合わせた形
式でもつて処理したいという要求があつてもでき
ないという問題があつた。

本考案は、上記問題点の解決を図り、例えばコ
ンソール上のスイツチ等により旧プリンタ装置で
印字されたIDマークとの互換性を保つことがで
きるようにすると共に、新規ユーザや互換性を考
慮しなくてもよいユーザに対しては、従来位置と
異なつた新規位置にIDマークを印字できるよう
な手段を提供することを目的としている。そのた
め本考案のIDマーク付元帳発行・更新プリンタ
装置は、内容種別の識別に用いられるIDマーク
の印字エリアを有する元帳が挿入されるインサー
タと、プリントヘツドを搭載したプリントヘツド
移動台上に上記印字エリアにおけるIDマークを
認識するIDセンサとを少なくとも備え、IDマー
ク新規印刷を行う元帳発行処理およびIDマーク
の認識・追加データ印刷を行う元帳更新処理にお
けるIDマーク印字コマンドに対する制御および
IDマーク読取りコマンドに対する制御機構を有
するIDマーク付元帳発行・更新プリンタ装置に
おいて、予め定められた複数のIDマークの読取
り・印字位置のうち、いずれの位置を選択するか
を指示するIDマーク位置指示部と、該IDマーク
位置指示部からの指示信号を取込む入力ポート
と、該入力ポートに取込まれた指示信号を検出し
てIDマークの読取り・印字位置を決定し、IDマ
ークの読取り・印字位置の切替の制御を行うID
マーク読取り・印字位置切替制御部と、本体装置
からのIDマーク印字コマンドおよびIDマーク読
取りコマンドに対して、上記切替制御部を起動
し、上記IDマーク位置指示部の指示する位置に
てそれぞれIDマークの印字およびIDマークの読
取りを行うコマンド制御部とを備え、異なるタイ
プの元帳に対するIDマークの位置を切替可能と
したことを特徴としている。以下図面を参照しつ
つ説明する。

第２図は本考案によるIDマーク印字態様説明
図を示す。図中、符号２，３は第１図に対応し、
４は本考案に係るプリンタ装置、５はIDマーク
の印字位置切替スイツチを表わす。

第２図において、新たなプリンタ装置４にリプ
レースする前の旧プリンタ装置においては、元帳
２のIDマーク印字位置は、元帳ロード位置ａか
らn2行だけ改行された図示ｃの位置になつてい
たとする。このような旧プリンタ装置で作成され
た元帳２との互換性を必要とするユーザは、プリ
ンタ装置４のコンソールに設けられたIDマーク
の印字位置切替スイツチ５を押下し該スイツチ５
をオンにして使用する。こうすることによつて、
後述する如く、新たなプリンタ装置４によつて
も、IDマークの印字位置は図示ｃの位置になる
ようにされ、それまでの元帳２との互換性が保た
れる。

新規ユーザまたは互換性を考慮しなくてもよい
ユーザは、必要に応じてプリンタ装置４のIDマ
ークの印字位置切替スイツチ５をオフにして使用
する。該スイツチ５がオフの場合には、プリンタ
装置４はIDマーク３を、元帳ロード位置ａから
例えばn1行だけ改行した位置ｂのところに印字
することとなり、新規ユーザ等は機構部改善によ
るメリツトをそのまま活かすことができるように
なる。

第３図は本考案の一実施例構成、第４図はID
マーク印字位置切替信号の取込み態様説明図、第
５図は切替制御部による制御の説明図を示す。図
中、符号５は第２図に対応し、６は元帳への印字
要求を行う本体装置、７は本体装置６と直接情報
の授受を行うインタフエース回路、８は全体の制
御を行うマイクロプロセツサ（MPU）、９はマイ
クロプロセツサ８の制御用マイクロプログラムが
格納された例えばリード・オンリ・メモリ
（ROM）で構成される制御用メモリ、１０はマイ
クロプロセツサ８によつて実行されることにより
IDマークの印字位置切替の制御を行う切替制御
部、１１はワーク用およびデータ保持用のランダ
ム・アクセス・メモリ（RAM）、１２はアドレ
ス・バス、１３はデータ・バス、１４は入出力ポ
ート指定信号発生用のアドレス・デコーダ、１５
は出力ポート、１６は入力ポート、１７はコンソ
ール、１８はドライバ回路、１９はプリント・ヘ
ツド、駆動モータ、インサータ、センサ等の機構
部を表わす。

第３図において、電源が投入されるとマイクロ
プロセツサ８は、本体装置６からの印字要求等の
情報を受入れるべく待機する。この状態で元帳が
機構部１９にロードされ、IDマーク印字または
読取りのコマンドが本体装置６からインタフエー
ス回路７を介して指示されると、マイクロプロセ
ツサ８は制御用メモリ９に設定された切替制御部
１０を起動する。切替制御部１０は、第５図図示
の如く動作し、IDマークの印字位置をコントロ
ールする。すなわち、IDマーク印字コマンドが
検出されて起動されると、まずIDマークの印字
位置切替スイツチ５の状態を次のようにして調べ
る。コンソール１７に設けられた印字位置切替ス
イツチ５のオン／オフの状態は。例えば第４図図
示の如く入力ポート１６の１つに取込まれるよう
にされており、切替制御部１０は、アドレス・バ
ス１２を介してアドレス・デコーダ１４の出力に
よつて入力ポート１６を指定すると共に、入力ポ
ート選択信号によつてIDマーク印字位置切替信
号の供給される入力ポートを選択し、その信号の
オン／オフをみる。該信号がオン、即ち印字位置
切替スイツチ５がオンであれば、第２図を用いて
説明した如く、IDマークの印字位置を元帳ロー
ド位置から例えばn2行離れた第２図図示ｃの位
置にすべく、ドライバ回路１８に対し、元帳を
n2行分フイードするように指示する。ドライバ
回路１８はアドレス・デコーダ１４の出力および
出力ポート１５からのデータ情報によつて、上記
フイード指示を認知し、機構部１９の駆動モータ
を駆動させてn2行のフイードを実行させる。

また、IDマーク印字位置切替信号がオフ、即
ち印字位置切替スイツチ５がオフであれば、同様
にIDマークの印字位置を元帳ロード位置から例
えばn1行離れた第２図図示ｂの位置にすべく、
ドライバ回路１８に対し、元帳をn1行分フイー
ドするよう指示し、ドライバ回路１８はその指示
を実行する。

上記の如くにして、IDマークの印字位置が決
定された後には、従来の処理同様IDマークの印
字処理がなされ、続いて元帳への一般のデータの
プリントがなされることとなる。なお、切替制御
部１０は、IDマーク読取りコマンドに対して
も、上記IDマーク印字コマンドの場合と同様
に、IDマークの印字位置切換スイツチ５のオ
ン／オフに従つて、元帳のフイードを行い、読取
り位置を決定するようにされる。

上記実施例においては、印字位置切替スイツチ
５を１個だけ設けた場合について設明したが、必
ずしも１個に限られるわけではなく、例えば複数
のプリンタ装置との互換のために３個所以上の印
字位置の切替えが必要な場合には、複数個の印字
位置切替スイツチを設ければよいことは言うまで
もない。

また、印字位置指示部として、コンソール上に
設けたスイツチによる切替手段を用いる代りに、
プリント基板上に端子板等によるシヨートプラグ
を設けるようにし、これを切替えることでIDマ
ーク印字位置を変更するようにしてもよい。この
ようにした場合には、ユーザによつて一義的に
IDマーク印字位置が設定されることとなり、オ
ペレータ・コンソール上に切替スイツチを設ける
ことによつて発生する操作ミス等をなくすことが
できる。

以上説明した如く本考案によれば、機構部の改
善等によつてIDマーク印字位置に変更が生じて
も、以前の元帳との互換性を容易にとることがで
き、新機種へのリプレースにあたつての問題を解
決することができる。また、新規ユーザに対して
は、旧プリンタ装置とは無関係に、新装置によつ
て機構部改善によるメリツトを活かすことができ
るようにすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来方式による問題点の説明図、第２
図は本考案によるIDマーク印字態様説明図、第
３図は本考案の一実施例構成、第４図はIDマー
ク印字位置切替信号の取込み態様説明図、第５図
は切替制御部による制御の説明図を示す。 図中、１はプリンタ装置、２は元帳、３はID
マーク、４はプリンタ装置、５は印字位置切替ス
イツチ、６は本体装置、７はインタフエース回
路、８はマイクロプロセツサ、９は制御用メモ
リ、１０は切替制御部、１１はランダム・アクセ
ス・メモリ、１２はアドレス・バス、１３はデー
タ・バス、１４はデコーダ、１５は出力ポート、
１６は入力ポート、１７はコンソール、１８はド
ライバ回路、１９は機構部を表わす。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内容種別の識別に用いられるIDマークの印字
   エリアを有する元帳が挿入されるインサータと、
   プリントヘツドを搭載したプリントヘツド移動台
   上に上記印字エリアにおけるIDマークを認識す
   るIDセンサとを少なくとも備え、IDマーク新規
   印刷を行う元帳発行処理およびIDマークの認
   識・追加データ印刷を行う元帳更新処理における
   IDマーク印字コマンドに対する制御およびIDマ
   ーク読取りコマンドに対する制御機能を有する
   IDマーク付元帳発行・更新プリンタ装置におい
   て、 予め定められた複数のIDマークの読取り・印
   字位置のうち、いずれの位置を選択するかを指示
   するIDマーク位置指示部と、 該IDマーク位置指示部からの指示信号を取込
   む入力ポートと、 該入力ポートに取込まれた指示信号を検出して
   IDマークの読取り・印字位置を決定し、IDマー
   クの読取り・印字位置の切替の制御を行うIDマ
   ーク読取り・印字位置切替制御部と、 本体装置からのIDマーク印字コマンドおよび
   IDマーク読取りコマンドに対して、上記切替制
   御部を起動し、上記IDマーク位置指示部の指示
   する位置にてそれぞれIDマークの印字およびID
   マークの読取りを行うコマンド制御部とを備え、 異なるタイプの元帳に対するIDマークの位置
   を切替可能としたことを特徴とするIDマーク付
   元帳発行・更新プリンタ装置。