JPS6213602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は眼圧計に関する。

従来永年にわたつてSchiotz型の眼圧計が用い
られ様々な改良が試みられてきている。研究の結
果、もつぱら脚板（フツトプレート）、プランジ
ヤ、これらの相対運動と測定値、プランジヤ重量
等に関するデータが用いられている。眼圧計には
脚板に対するプランジヤの動きを電気的信号に変
換するトランスジユーサが用いられ、この電気的
信号は電子的に処理されてデジタル表示器に表示
又は記録される。従来の眼圧計は機械的に見て不
正確、オペレータ又は測定者の個人的誤差を生じ
やすい、製作上の許容範囲が狭いなどの難点があ
り、又電気的に見るとデジタル的な読取りのため
機器が複雑、大形で製作経費が高いさらに取扱い
が不便などの難点があつた。

本考案はこれらの従来の眼圧計における難点を
解消し小形、取扱いやすく、正確で比較的廉価で
あり携帯式匡体（ハウジング）に内蔵した自動読
取り式デジタル計器を簡単に具体化するものであ
る。本考案は又、眼圧計の諸パラメータに対する
信頼性を高め利用範囲を拡大し測定中清浄に保ち
やすい計器を実現することを目的とする。

本考案による眼圧計は脚板、この脚板に対して
可動なプランジヤを有し携帯および操作自在なハ
ウジングを具備する。脚板とプランジヤはハウジ
ングの下方に支持され、又光学的エンコーダがハ
ウジング内に配設され、さらに脚板に対して固定
された目盛スケールとこの固定スケールに対して
可動にされた隣接する目盛スケールとを有するプ
ランジヤの上面は固定スケールに対して可動スケ
ールを上昇させるようにこの可動スケールと係合
しており、眼内圧の測定時に脚板に対するプラン
ジヤの位置に応じて可動スケールが上昇される。
電源、電気回路およびデジタル読取装置を含む光
学的エンコーダの構成要素はすべてハウジングに
内蔵されていて固定スケールに対する可動スケー
ルの位置によつて導出される。眼内圧の尺度を指
示するようになされている。脚板はプランジヤを
収設したシリンダの下端に着脱自在に固定すると
好適である。又、脚板、プランジヤおよび光学的
エンコーダを含むサブアツセンブリはハウジング
に対して上下方向に可動になし測定および校正の
目的に応じてスイツチを動作させるようにするこ
とが好ましい。

本考案に関する実施例図面に従つて以下詳述す
る。

眼圧計１０はハウジング１１を有し、このハウ
ジング１１は携帯可能で手操作し得るとともに、
下部に脚板１３を支持した筒体１２が延在し、従
来の眼圧測定技術に用いられている垂直方向に可
動なプランジヤ１５を収装している。眼圧計１０
は図示のように垂直状態にして用いられ、脚板１
３を角膜にまで降下させて静かにおき眼内圧を測
定して表示部１６にデジタル的に表示することが
できる。この説明を通じて、眼圧計１０は垂直使
用に向くように構成要素が配置され操作されるも
のとする。

眼圧測定技術は脚板１３およびプランジヤ１５
の重量、摩擦、陥凹値の眼内圧値への換算その他
の関連する測定パラメータに関して眼圧計の標準
を設定しており、眼圧計１０はこうした標準を満
たすようにする。

眼圧計１０の機械的な機能は第３図に詳しく示
されている。筒体又は筒形要素１２はハウジング
１１の下側に形成されたスリーブ１４を下向きに
貫通し、この筒体１２は垂直軸線から数度だけス
リーブ１４内で傾斜可能にしておくことが好適で
ある。スリーブ１４のテーパ状開口で垂直軸線の
まわりを筒体１２が自由に運動できるようにする
と、筒体１２および脚板１３を眼に対して無理に
動かすことなく垂直線から僅かにずらしてハウジ
ング１１を保持したり動かすことができる。この
ように筒体１２の動きを自由にすると脚板および
プランジヤを後述する被検表面に対して押圧する
ことによつて計器を校正する際の助けとなる。

筒体１２の下部近傍にはスプリングクリツプ１
８を保持した環状溝１７が刻設され、又溝１７は
筒体１２の内側に開口してスプリングクリツプ１
８が脚板１３内の環状切欠部１９に係合していて
筒体１２底部に脚板１３を迅速に着脱自在に固設
し得るようになされている。脚板１３は筒体１２
にスナツプ嵌めされておりスプリングクリツプ１
８を十分に緩めて脚板１３から手で外した状態で
下側に引張るだけで簡単に取外すことができる。
脚板１３を取外すと、プランジヤ１５は筒体１２
の開端に向かつて下向きに動くが、スプリングク
リツプ１８と係合することによつて筒体１２から
脱落しないように保持される。

プランジヤ１５には筒体１２の内側に嵌合して
案内する一対の支持表面２０および２１が形設さ
れておりこれによつてプランジヤ１５は筒体１２
内を滑らかな滑り嵌めの状態で僅かな摩擦で上下
に運動し得る。プランジヤ１５はスプリングクリ
ツプ１８とプランジヤ１５面の支持面２０の下縁
とのスナツプ嵌めによつて脚板１３を取外した後
筒体１２の開端から落下しないようになされてい
る。プランジヤ１５は又、スプリングクリツプ１
８の弾止力に打ちかつて外向きに引張ることによ
り筒体１２から手で取外すことができる。脚板１
３およびプランジヤ１５を迅速に着脱するように
取外しやすくすると部品の殺菌ならびに眼圧計標
準に合つた重量に変えるときのプランジヤの交換
をしやすくすることが可能になる。

プランジヤ１５の下方ステム２３は脚板１３の
中央孔２４に遊嵌されていて、プランジヤステム
２３と脚板孔２４との間の空隙を上昇してくる涙
によつて摩擦が増大したり計器の操作に支障を来
たさないようになつている。このプランジヤ１５
の下方端２２は眼内圧測定技術で一般に知られて
いる脚板１３の底部凹面２５と合致するようにな
つている。

筒体１２、脚板１３およびプランジヤ１５は図
示のごとくハウジング１１内に配置された光学的
エンコーダ３０に取付けられたサブアセンブリの
一部分をなす。光学的エンコーダ３０のハウジン
グ部分３１は筒体１２と一体的に形成されること
が望ましい。筒体１２および光学的エンコーダ３
０を含むサブアセンブリは後述のようにスイツチ
ング動作を達成するために６〜８mmといつたごく
僅かな大きさだけハウジング１１に対して上下に
可動になつている。

光学的エンコーダ３０は、サブアセンブリとと
もに可動になすべく脚板１３、筒体１２およびハ
ウジング３１に対して固定されている。隣接した
スケール３２は、プランジヤ１５が脚板１３に対
して上下動するとスロツト内を僅かな距離上下動
し得る相対運動可能な定尺スケール３３である。
可動スケール３３はプランジヤ１５と直接に接触
させてその上端３４面に重力で置定されている。
眼内圧の測定時に脚板１３に対してプランジヤ１
５が上昇すると、この上昇分だけ可動スケール３
３がスケール３２に対して直ちに上昇する。スケ
ール３２および３３の光学的目盛は脚板１３に対
するプランジヤ１５の運動を測定する公知の手法
でモアレ縞を検出することによつてなされる。一
対の発光ダイオード３５はスケール３２，３３に
光を出射し、このスケールを通る光は一対の光検
出器３６によつて検出される。さらに、スケール
３２，３３面の目盛に対する光検出器３６の位置
決めにより両スケール間の相対運動の方向および
距離の双方がたやすく決定され得るように配置さ
れている。

ハウジング３１に固定された磁石３７はハウジ
ング１１に対してハウジング３１が動くに従つて
上下に動き、又磁石３７リードスイツチ３８を動
作させるように位置決めされている。ハウジング
１１は筒体１２およびハウジング３１に対して眼
の測定中に下降され、この時磁石３７はハウジン
グ１１内に固定されたリードスイツチ３８に対し
て上昇する。ハウジング１１が筒体１２に対して
読取りに十分な距離である。３〜４ミリメートル
下降すると、磁石３７はリードスイツチ３８を起
動するに十分なだけ上昇する。この時、計器を眼
から外すことができるように可聴音を発し、さら
に測定結果は電子的記憶装置に記憶され読取値が
表示窓１６に表示される。

校正スイツチ３９は計器の自動校正のためにハ
ウジング１１に対してハウジング３１の運動の上
限に配置されている。これにより眼圧計１０は球
状被検面４０に降下されて脚板１３がこの被検面
４０に接してプランジヤ１５は脚板１３に対して
押し上げられる。被検面４０は脚板１３の下面よ
りも僅かに大きな半径にされており、プランジヤ
１５の零位置を第４図に示し公知のごとく脚板１
３の球面の頂点より0.05ミリメートル下方になる
ようにする。このため筒体１２およびハウジング
３１がハウジング１１に対して持上りハウジング
３１は校正スイツチ３９にし上限に達するまで６
〜８ミリメートル上昇させられる。校正用スイツ
チ３９は計器の回路をプランジヤ１５の脚板１３
に対する零位置に設定するように起動される。校
正スイツチ３９を起動すると自動校正が完了した
ことを操作者に知らせる連続音が発生する。操作
者から見ると、本考案による眼圧計は手で把持し
て被検面４０に対してできるだけ押し下げるだけ
で定常音が聞こえて校正が自動的に完了する。

第２図に示すように、ハウジング１１には光学
的エンコーダ３０その他の構成要素に電力を与え
る蓄電地５０をも内蔵している。可聴音発音器５
１はリードスイツチ３８および校正用スイツチ３
９に結ばれており、このリードスイツチ３９を閉
成すると測定終了を指示し、計器の校正の終了に
伴つて校正用スイツチ３９を起動した時定常音を
発する。計器の電子回路には論理回路５３および
表示用スイツチ５４とともに記憶回路５２を設け
ることが望ましい。この回路はスイツチ５４と協
働して両眼の眼圧を記憶回路５２に記憶させると
ともに読取値をスイツチ５４の起動に際して表示
部１６に表示させる。こうして被検者の両眼の眼
内圧の迅速測定が行われ、この場合読取値は測定
終了後スイツチ５４を用いて読出すことができる
ように記憶することができるのである。

眼圧計１０は、プランジヤ１５および脚板１３
と協働する光学的エンコーダ３０から導出される
眼内圧測定値をデジタル的に表示するために必要
な電源と回路を全て自蔵した小形化されたものに
なる。この眼圧計１０は又比較的軽量で片手でた
やすく把持して操作することができる。測定終了
後にはデータを記録装置に伝達し得るようにタイ
ミング回路と記憶回路を具備してよいが、特に離
隔位置にコード接続したり結線することは不要で
ある。本考案による眼圧計は又プランジヤに直接
接触する光学的エンコーダを用いているので信頼
性が高く正確な測定が行われる。

ハウジングの形状および構成要素の配置は、上
下動可能なプランジヤと光学的エンコーダとの間
の基本的関係が保たれていれば眼圧計として機械
的運動部分に応じて様々に変更することができ
る。要すれば、本考案は高信頼性、高精度かつ比
較的低廉な実用性に優れた眼圧計を実現したもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による眼圧計の好適実施例の正
面図、第２図は構成要素の相互作用を示す第１図
の眼圧計の基本構成図、第３図は第１，２図の眼
圧計の可動部分の拡大縦断面図、第４図は第１−
３図の眼圧計を校正するための構成例を示す部分
破断断面図である。 １０……眼圧計、１１……ハウジング、１２…
…筒体部材、１３……脚板、１５……プランジ
ヤ、１６……デジタル読取器、３０……光学的エ
ンコーダ、３２，３３……スケール、３４……プ
ランジヤ上端面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ａ 脚板および該脚板に対して可動のプラン
   ジヤ、 ｂ 携帯可能で且つ手操作可能なハウジング、 ｃ 上記脚板を上記ハウジングの下方に延在し
   て支持するための上記ハウジング内の筒体、 ｄ 上記ハウジング内に設けられ、上記脚板に
   対して固定された固定スケールおよび該固定
   スケールに対して可動な隣接する可動スケー
   ルを有する光学的エンコーダ、 ｅ 上記可動スケールに係合し、上記固定スケ
   ールに対して上記可動スケールを眼内圧測定
   時に上記脚板に対し上記プランジヤの上面に
   一致するまで上昇せしめるための上記プラン
   ジヤの上面部分、 ｆ 上記ハウジング内に収設され、上記固定ス
   ケールに対する上記可動スケールの位置から
   導出される眼内圧の測定値をデジタル的に指
   示するための、電源、電気回路およびデジタ
   ル式読取装置を含む上記光学的エンコーダの
   ための構成部分、並びに ｇ 上記筒体を上記ハウジングから下向きに張
   り出し、また上記脚板を上記筒体の下方部分
   に迅速着脱可能に結合してなること、 を特徴とする眼圧計。 ２ 上記可動スケールは重力で上記プランジヤの
   上面に置定されてなる請求の範囲１記載の眼圧
   計。 ３ 上記迅速着脱可能な結合は、上記筒体の上記
   下方部分に上記脚板を保持するスナツプ止めに
   よつてなされるとともに、上記脚板を上記筒体
   から抜去した後にも上記プランジヤを上記筒体
   内に保持するようになした請求の範囲１記載の
   眼圧計。 ４ 上記筒体の上記下方部分には、開口を備え、
   また、上記脚板を上記筒体に着脱自在に固設す
   るとともに上記脚板を上記筒体から抜去した後
   も該筒体内に上記プランジヤを着脱自在に保持
   するための、上記開口に弾性で伸びるように配
   置されたスプリングクリツプを備えてなる請求
   の範囲３記載の眼圧計。 ５ 上記筒体、上記脚板および上記光学的エンコ
   ーダは上記ハウジングに対して上下に一体とな
   つて変位するように支持されてなる請求の範囲
   １記載の眼圧計。 ６ 上記筒体は上記ハウジングに対して垂直軸線
   から僅かにずれて可動に浮動支持せしめてなる
   請求の範囲５記載の眼圧計。 ７ 上記筒体、上記脚板および上記光学的エンコ
   ーダとともに磁石が上下動し、さらに上記ハウ
   ジング内に取付けられた電気スイツチが上記ハ
   ウジングに対して所定の高さまで上昇すると上
   記磁石によつて起動されて上記眼内圧の上記測
   定の終了を指示するようにしたことからなる請
   求の範囲５記載の眼圧計。 ８ 上記スイツチの起動に応答して音響信号を発
   するための手段を含む請求の範囲７記載の眼圧
   計。 ９ 上記可動スケールは上記プランジヤの上記上
   面に重力で置定されてなる請求の範囲５記載の
   眼圧計。 10 上記ハウジングに対して上記筒体、上記脚板
   および上記光学的エンコーダの変位の上限位置
   で起動される上記ハウジング内に設けられた校
   正用スイツチであつて、上記脚板および上記プ
   ランジヤが球面状被検面に押し当てられた時上
   記プランジヤが上記脚板に対して零位置となる
   ように眼圧計を自動的に校正するための上記校
   正用スイツチを備えてなる請求の範囲５記載の
   眼圧計。 11 上記校正用スイツチの起動に応答して音響信
   号を発生するための手段を含む請求の範囲10記
   載の眼圧計。