JPS6212349B2 - - Google Patents
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- JPS6212349B2 JPS6212349B2 JP4141882A JP4141882A JPS6212349B2 JP S6212349 B2 JPS6212349 B2 JP S6212349B2 JP 4141882 A JP4141882 A JP 4141882A JP 4141882 A JP4141882 A JP 4141882A JP S6212349 B2 JPS6212349 B2 JP S6212349B2
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Landscapes
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
Description
本発明は合成繊維の改質法に関するものであ
る。 その目的は、合成繊維に吸水性と嵩高性を付与
することができるという凍結による合成繊維の改
質方法を提供することにある。 従来、合成繊維の吸水性は天然繊維に比べてか
なり悪く、肌着としては汗を吸わないので不適切
であり、またこの吸水性が低いために静電気を帯
びやすいなどの欠点を生じ、合成繊維に吸水性を
付与することは大きな課題であつた。 さらに合成繊維は天然繊維に比べてバルキー性
つまり嵩高性が少ないものが多く風合上及び感触
上や保温上必ずしも満足すべきものではなかつ
た。 本発明者は、この合成繊維の二大欠点とも云う
べき低吸水性と低嵩高性を何らの吸水剤、風合改
良剤などの薬剤を付着させることなく改質できる
方法を得るべく研究を進めたのである。 ところで、本発明者は昭和56年9月に「凍結に
よる絹の改質方法」なる発明を特許出願(特願昭
56−150206号)した。この前出願のものは絹のセ
リシン部を水で膨潤させてこの水を凍結させ、そ
の後低温乾燥するという方法であり、絹にすぐれ
た嵩高性を付与することができるものであつた。 本発明者はこの前出願の技術を応用して合成繊
維に吸水性と嵩高性を付与するという研究を続け
た結果、本発明に達したのである。 すなわち、合成繊維、又は合成繊維からなる糸
若しくは布帛などを高温水に浸漬して該合成繊維
の表層部を膨潤せしめ、ついで冷却して前記表層
部を膨潤させている水分を凍結させ、その後前記
凍結した水分を低温乾燥して該表層部に多数の細
孔を形成せしめることを特徴とする凍結による合
成繊維の改質方法を発明するに至つたのである。 本発明における第1工程は合成繊維を高温水に
浸漬してこの合成繊維の表層部を膨潤させること
である。 この第1工程は吸水性の悪い合成繊維に吸水膨
潤加工を施こすということで、通常の常識では合
成繊維は吸水性が悪いためこの様な加工は困難で
あるとされやすいものであるが、合成繊維が低吸
水性であるのは常温における物性であり高温にお
ける染色加工が可能であることを想致すれば高温
水には膨潤するはずであると考えられ、実験した
結果これが可能であることを見い出したのであ
る。 つまり実験の結果、ポリエステル系合成繊維は
110〜140℃の高温水に、アクリル系合成繊維は85
〜120℃の高温水に、そしてポリアミド系合成繊
維は80〜110℃の高温水に、それぞれ約20〜90分
間浸漬することによつてこれら合成繊維の表層部
が水によつて膨潤することを知つたのである。 この膨潤工程の条件があまり強過ぎる(高温×
長時間)と合成繊維の中心部まで膨潤が進み最終
的に得られる改質繊維の強度が極端に低下する結
果となり、一方膨潤工程の条件が弱過ぎる(低温
×短時間)と本発明の目的が達成されないものと
なる。 この膨潤工程は合成繊維の種類により、また目
的とする吸水性や嵩高性により適当な条件を予備
試験により見い出してやればよく、さらに必要に
応じて膨潤を促進させるための助剤、例えば界面
活性剤や酸又はアルカリなどを添加してもよいも
のである。 なお、本発明において使用される合成繊維は合
成繊維のモノフイラメントのままのもの、これを
適宣の本数に撚り合せた合成繊維糸、さらに合成
繊維糸を素材とした織物や編物、或いはまた合成
繊維製の不織布、合成繊維とその他の繊維を混紡
又は混織した糸や布地、などあらゆる形態で供し
得るものである。 また、膨潤工程において高温水の温度が100℃
以上の場合は加圧状態にて処理することが必要で
あることは勿論である。 次に第2工程として膨潤した合成繊維を、この
膨潤状態を維持させつつ、つまり合成繊維の表層
部を膨潤させている水分を保持したまま、冷却し
てこの水分を凍結させるのである。 この水分の凍結において、その氷の結晶は微細
なもの程好ましい結果が得られるので、徐冷する
よりも急冷する方が望ましいものである。 この冷却は冷凍室で行なうのであるが、この冷
凍室の温度は0℃以下の温度であれば一応本発明
の目的は達成できるが、上記の理由により−10℃
よりも低温の方が望ましいのである。つまり氷の
結晶は−5℃で最も大きくなるとされており、こ
の−5℃に近い温度を経過する時間が短いほど良
好な結果が得られるものであり、望ましくは−20
℃位の低温室へ収納してやれば良いものである。 この冷凍処理は合成繊維の表層部を膨潤させて
いる水分をできるだけ細かく凍結させてやればよ
いものであり、例えば−20℃の冷凍室であれば8
〜15分間位収納すれば充分であり、低温な冷凍室
ほどその収納時間は短かくて良いことは勿論であ
る。 ついで第3工程としてこの合成繊維の表層部で
凍結した水分つまり氷の結晶をそのまま融解させ
ないで、低温乾燥によつて乾燥蒸発(昇華)させ
てやるのである。 この低温乾燥として望ましい方法は真空乾燥で
あり、0℃以下の温度で真空ポンプによつて氷の
結晶を昇華させて乾燥してやればよいのである。 また0℃以下の温度で塩化カルシウム等の乾燥
剤を収納した乾燥室で乾燥してもよいし、この乾
燥剤入りの乾燥室を真空ポンプで吸引しつつ乾燥
してやれば一層効率的な氷結晶の昇華乾燥が達成
されるものである。 この様にして得られた合成繊維は、その表層部
で凍結していた微細な氷の結晶がそのまま昇華し
て乾燥してしまうので、この氷の結晶があつた部
分に細孔が残る結果となり、膨化した表層部に多
数の細孔が形成され、吸水性と嵩高性が同時に付
与されることになるのである。 次に本発明による処理結果を、未処理のものと
比較しつつ走査型電子顕微鏡による拡大写真の図
面を示して説明する。 第1図〜第3図はポリエステル系合成繊維の
3600倍の拡大写真で、第1図は未処理のもの、第
2図及び第3図は本発明による改質処理を施こし
たものである。 第2図のものは膨潤条件が110℃×30分のもの
で、第3図のものは膨潤条件が120℃×30分のも
のである。 これらの図から判る様にポリエステル繊維の場
合は110℃×30分の高温水処理で一応の表層部の
膨潤が見られ、この膨潤部に細孔が形成されてい
ることが予測されるのである。そして120℃×30
分の高温水処理を施こしたものは表層部に膨潤に
よるかなりの凹凸が見られ、細孔形成は確実なも
のとなつているのである。 この処理後のポリエステル繊維の吸水性は未処
理のものに比べて5〜10%位増加しており、嵩高
性も未処理のものに対して5〜10%増加している
ことが認められたのである。 また、第4図〜第6図はアクリル系合成繊維の
走査型電子顕微鏡による3600倍の拡大写真で、第
4図は未処理のもの、第5図及び第6図は本発明
による改質処理を施こしたものである。 第5図のものは膨潤処理条件が95℃×30分のも
ので、第6図のものは膨潤処理条件が110℃×30
分のものである。 この第4図〜第6図から判断されることは、95
℃×30分の処理のものでもアクリル繊維の表面は
かなりの毛羽立ちが見られ膨潤による嵩高性が得
られていること及び氷の結晶の乾燥による細孔の
形成が見受けられるということである。また膨潤
処理条件が110℃×30分のものは表層部の凹凸は
かなり大きく細孔が多数形成されていると判断で
き、すぐれた嵩高性と吸水性が得られていること
が証明されている。 このアクリル繊維の吸水性と嵩高性を測定する
と未処理のものに比べて本発明処理を施こしたも
のは吸水性において30〜70%の増加が見られ、ま
た嵩高性においては70〜140%もの増加が認めら
れたのである。 次に第7図〜第9図はポリアミド系合成繊維の
走査型電子顕微鏡による3600倍の拡大写真で、第
7図は未処理のもの、第8図及び第9図は本発明
による改質処理を施こしたものである。 第8図のものはその膨潤処理条件が90℃×30分
のもので、第9図のものは膨潤処理条件が110℃
×30分のものである。 この第7図〜第9図から判断されることは、ポ
リアミド繊維は90℃×30分の膨潤処理でも表面に
微細な凹凸と所々には大きな穴が形成されている
が、繊維径自体はあまり増加していないものとな
つていること、そして110℃×30分の強い条件で
膨潤処理したものは表面層が完全に崩れて細孔は
極端に多く、バルキー性も大きくなり過ぎて強度
低下も大きいものと予測されることである。 つまりポリアミド繊維は処理条件がかなりシビ
ヤーであり条件コントロールがやや難かしいと考
えられるのである。 この第8図のポリアミド繊維の吸水性と嵩高性
を測定したところ吸水性の増加は未処理のものと
比べてほとんど同じであり、嵩高性は未処理のも
のに比べて10〜40%増加したものであつた。な
お、ポリアミド繊維は元来吸水性はあまり低いも
のではなく、したがつて本発明方法による吸水性
の増加はあまり期待できないものと判断される。 本発明方法は合成繊維の表層部を膨潤させて細
孔を形成させているため表層部はこの膨化により
強度上弱くなつており、全体としても引張強度は
やや低下すると考えられ、これを確認してみると
ポリエステル系繊維及びアクリル系繊維で約14〜
25%の強度低下があり、ポリアミド系繊維では強
度低下は第8図の場合のものではほとんど認めら
れなかつた。 しかし、強度低下があるとしても元来これら合
成繊維の強度は強く多少の強度を犠牲にしても、
吸水性や嵩高性が付与された方が全体としてはよ
り望ましい繊維となるものである。 なお、強度低下に伴なう伸度増加は当然予想さ
れるものであるが、測定結果においてもポリエス
テル系繊維で8〜20%、アクリル系繊維で70〜
150%、ポリアミド系繊維で2〜6%の伸度増加
が認められたのである。 以上、詳細に説明した様に本発明は合成繊維を
高温水にて膨潤させついで凍結して低温乾燥させ
るという合成繊維の改質法であり、これによつて
合成繊維の表層部を膨化させつつここに多数の細
孔を形成させるものであり、その結果吸水性と嵩
高性とを合成繊維に付与するというきわめてすぐ
れた効果を奏するものである。 本発明方法では処理される合成繊維によつてそ
の効果に差があることは勿論であり、本発明者の
実験によればアクリル系合成繊維においてその効
果は最も著るしく、ついでポリエステル系合成繊
維に良好な結果が得られるもので、ポリアミド系
合成繊維においては期待できる効果はやや低いも
のとなつたのである。 しかし、本発明方法はあらゆる合成繊維に処理
できる改質法であり、この効果の程度に差がある
としても、従来合成繊維の大きな欠点とされてい
た低吸水性と低嵩高性を何らの薬剤を付着させる
ことなく改善できることは明白な事実であり、吸
水性によつて合成繊維の肌着への利用や帯電防止
性の向上が図れるし、また嵩高性によつて風合や
感触さらには保温性の改良が達成されるものであ
る。 実施例 1 ポリエステル系合成繊維糸(モノフイラメント
62本×2の双糸)をオートクレーブ内にて120℃
の高温水で30分間膨潤処理し、ついでこのオート
クレーブから取出した膨潤繊維糸を−20℃の冷凍
室にただちに収納し10分間冷却して膨潤水分を凍
結させた。この凍結水分を保有したポリエステル
系合成繊維糸を−5℃の温度を保ちつつ真空乾燥
した。この真空乾燥を24時間続けたところ氷の結
晶は消失していた。 得られたものの諸物性を測定したところ第1表
の如き諸データーが得られた。 なお、吸水性は40℃の水に5分間浸漬したもの
の重量増加で比較した。また嵩高性は顕微鏡観察
による糸径増加率で示した。 さらに表のデーターは未処理品の値を100とし
て比較したもので、各々15点測定の平均値で示し
たものである。
る。 その目的は、合成繊維に吸水性と嵩高性を付与
することができるという凍結による合成繊維の改
質方法を提供することにある。 従来、合成繊維の吸水性は天然繊維に比べてか
なり悪く、肌着としては汗を吸わないので不適切
であり、またこの吸水性が低いために静電気を帯
びやすいなどの欠点を生じ、合成繊維に吸水性を
付与することは大きな課題であつた。 さらに合成繊維は天然繊維に比べてバルキー性
つまり嵩高性が少ないものが多く風合上及び感触
上や保温上必ずしも満足すべきものではなかつ
た。 本発明者は、この合成繊維の二大欠点とも云う
べき低吸水性と低嵩高性を何らの吸水剤、風合改
良剤などの薬剤を付着させることなく改質できる
方法を得るべく研究を進めたのである。 ところで、本発明者は昭和56年9月に「凍結に
よる絹の改質方法」なる発明を特許出願(特願昭
56−150206号)した。この前出願のものは絹のセ
リシン部を水で膨潤させてこの水を凍結させ、そ
の後低温乾燥するという方法であり、絹にすぐれ
た嵩高性を付与することができるものであつた。 本発明者はこの前出願の技術を応用して合成繊
維に吸水性と嵩高性を付与するという研究を続け
た結果、本発明に達したのである。 すなわち、合成繊維、又は合成繊維からなる糸
若しくは布帛などを高温水に浸漬して該合成繊維
の表層部を膨潤せしめ、ついで冷却して前記表層
部を膨潤させている水分を凍結させ、その後前記
凍結した水分を低温乾燥して該表層部に多数の細
孔を形成せしめることを特徴とする凍結による合
成繊維の改質方法を発明するに至つたのである。 本発明における第1工程は合成繊維を高温水に
浸漬してこの合成繊維の表層部を膨潤させること
である。 この第1工程は吸水性の悪い合成繊維に吸水膨
潤加工を施こすということで、通常の常識では合
成繊維は吸水性が悪いためこの様な加工は困難で
あるとされやすいものであるが、合成繊維が低吸
水性であるのは常温における物性であり高温にお
ける染色加工が可能であることを想致すれば高温
水には膨潤するはずであると考えられ、実験した
結果これが可能であることを見い出したのであ
る。 つまり実験の結果、ポリエステル系合成繊維は
110〜140℃の高温水に、アクリル系合成繊維は85
〜120℃の高温水に、そしてポリアミド系合成繊
維は80〜110℃の高温水に、それぞれ約20〜90分
間浸漬することによつてこれら合成繊維の表層部
が水によつて膨潤することを知つたのである。 この膨潤工程の条件があまり強過ぎる(高温×
長時間)と合成繊維の中心部まで膨潤が進み最終
的に得られる改質繊維の強度が極端に低下する結
果となり、一方膨潤工程の条件が弱過ぎる(低温
×短時間)と本発明の目的が達成されないものと
なる。 この膨潤工程は合成繊維の種類により、また目
的とする吸水性や嵩高性により適当な条件を予備
試験により見い出してやればよく、さらに必要に
応じて膨潤を促進させるための助剤、例えば界面
活性剤や酸又はアルカリなどを添加してもよいも
のである。 なお、本発明において使用される合成繊維は合
成繊維のモノフイラメントのままのもの、これを
適宣の本数に撚り合せた合成繊維糸、さらに合成
繊維糸を素材とした織物や編物、或いはまた合成
繊維製の不織布、合成繊維とその他の繊維を混紡
又は混織した糸や布地、などあらゆる形態で供し
得るものである。 また、膨潤工程において高温水の温度が100℃
以上の場合は加圧状態にて処理することが必要で
あることは勿論である。 次に第2工程として膨潤した合成繊維を、この
膨潤状態を維持させつつ、つまり合成繊維の表層
部を膨潤させている水分を保持したまま、冷却し
てこの水分を凍結させるのである。 この水分の凍結において、その氷の結晶は微細
なもの程好ましい結果が得られるので、徐冷する
よりも急冷する方が望ましいものである。 この冷却は冷凍室で行なうのであるが、この冷
凍室の温度は0℃以下の温度であれば一応本発明
の目的は達成できるが、上記の理由により−10℃
よりも低温の方が望ましいのである。つまり氷の
結晶は−5℃で最も大きくなるとされており、こ
の−5℃に近い温度を経過する時間が短いほど良
好な結果が得られるものであり、望ましくは−20
℃位の低温室へ収納してやれば良いものである。 この冷凍処理は合成繊維の表層部を膨潤させて
いる水分をできるだけ細かく凍結させてやればよ
いものであり、例えば−20℃の冷凍室であれば8
〜15分間位収納すれば充分であり、低温な冷凍室
ほどその収納時間は短かくて良いことは勿論であ
る。 ついで第3工程としてこの合成繊維の表層部で
凍結した水分つまり氷の結晶をそのまま融解させ
ないで、低温乾燥によつて乾燥蒸発(昇華)させ
てやるのである。 この低温乾燥として望ましい方法は真空乾燥で
あり、0℃以下の温度で真空ポンプによつて氷の
結晶を昇華させて乾燥してやればよいのである。 また0℃以下の温度で塩化カルシウム等の乾燥
剤を収納した乾燥室で乾燥してもよいし、この乾
燥剤入りの乾燥室を真空ポンプで吸引しつつ乾燥
してやれば一層効率的な氷結晶の昇華乾燥が達成
されるものである。 この様にして得られた合成繊維は、その表層部
で凍結していた微細な氷の結晶がそのまま昇華し
て乾燥してしまうので、この氷の結晶があつた部
分に細孔が残る結果となり、膨化した表層部に多
数の細孔が形成され、吸水性と嵩高性が同時に付
与されることになるのである。 次に本発明による処理結果を、未処理のものと
比較しつつ走査型電子顕微鏡による拡大写真の図
面を示して説明する。 第1図〜第3図はポリエステル系合成繊維の
3600倍の拡大写真で、第1図は未処理のもの、第
2図及び第3図は本発明による改質処理を施こし
たものである。 第2図のものは膨潤条件が110℃×30分のもの
で、第3図のものは膨潤条件が120℃×30分のも
のである。 これらの図から判る様にポリエステル繊維の場
合は110℃×30分の高温水処理で一応の表層部の
膨潤が見られ、この膨潤部に細孔が形成されてい
ることが予測されるのである。そして120℃×30
分の高温水処理を施こしたものは表層部に膨潤に
よるかなりの凹凸が見られ、細孔形成は確実なも
のとなつているのである。 この処理後のポリエステル繊維の吸水性は未処
理のものに比べて5〜10%位増加しており、嵩高
性も未処理のものに対して5〜10%増加している
ことが認められたのである。 また、第4図〜第6図はアクリル系合成繊維の
走査型電子顕微鏡による3600倍の拡大写真で、第
4図は未処理のもの、第5図及び第6図は本発明
による改質処理を施こしたものである。 第5図のものは膨潤処理条件が95℃×30分のも
ので、第6図のものは膨潤処理条件が110℃×30
分のものである。 この第4図〜第6図から判断されることは、95
℃×30分の処理のものでもアクリル繊維の表面は
かなりの毛羽立ちが見られ膨潤による嵩高性が得
られていること及び氷の結晶の乾燥による細孔の
形成が見受けられるということである。また膨潤
処理条件が110℃×30分のものは表層部の凹凸は
かなり大きく細孔が多数形成されていると判断で
き、すぐれた嵩高性と吸水性が得られていること
が証明されている。 このアクリル繊維の吸水性と嵩高性を測定する
と未処理のものに比べて本発明処理を施こしたも
のは吸水性において30〜70%の増加が見られ、ま
た嵩高性においては70〜140%もの増加が認めら
れたのである。 次に第7図〜第9図はポリアミド系合成繊維の
走査型電子顕微鏡による3600倍の拡大写真で、第
7図は未処理のもの、第8図及び第9図は本発明
による改質処理を施こしたものである。 第8図のものはその膨潤処理条件が90℃×30分
のもので、第9図のものは膨潤処理条件が110℃
×30分のものである。 この第7図〜第9図から判断されることは、ポ
リアミド繊維は90℃×30分の膨潤処理でも表面に
微細な凹凸と所々には大きな穴が形成されている
が、繊維径自体はあまり増加していないものとな
つていること、そして110℃×30分の強い条件で
膨潤処理したものは表面層が完全に崩れて細孔は
極端に多く、バルキー性も大きくなり過ぎて強度
低下も大きいものと予測されることである。 つまりポリアミド繊維は処理条件がかなりシビ
ヤーであり条件コントロールがやや難かしいと考
えられるのである。 この第8図のポリアミド繊維の吸水性と嵩高性
を測定したところ吸水性の増加は未処理のものと
比べてほとんど同じであり、嵩高性は未処理のも
のに比べて10〜40%増加したものであつた。な
お、ポリアミド繊維は元来吸水性はあまり低いも
のではなく、したがつて本発明方法による吸水性
の増加はあまり期待できないものと判断される。 本発明方法は合成繊維の表層部を膨潤させて細
孔を形成させているため表層部はこの膨化により
強度上弱くなつており、全体としても引張強度は
やや低下すると考えられ、これを確認してみると
ポリエステル系繊維及びアクリル系繊維で約14〜
25%の強度低下があり、ポリアミド系繊維では強
度低下は第8図の場合のものではほとんど認めら
れなかつた。 しかし、強度低下があるとしても元来これら合
成繊維の強度は強く多少の強度を犠牲にしても、
吸水性や嵩高性が付与された方が全体としてはよ
り望ましい繊維となるものである。 なお、強度低下に伴なう伸度増加は当然予想さ
れるものであるが、測定結果においてもポリエス
テル系繊維で8〜20%、アクリル系繊維で70〜
150%、ポリアミド系繊維で2〜6%の伸度増加
が認められたのである。 以上、詳細に説明した様に本発明は合成繊維を
高温水にて膨潤させついで凍結して低温乾燥させ
るという合成繊維の改質法であり、これによつて
合成繊維の表層部を膨化させつつここに多数の細
孔を形成させるものであり、その結果吸水性と嵩
高性とを合成繊維に付与するというきわめてすぐ
れた効果を奏するものである。 本発明方法では処理される合成繊維によつてそ
の効果に差があることは勿論であり、本発明者の
実験によればアクリル系合成繊維においてその効
果は最も著るしく、ついでポリエステル系合成繊
維に良好な結果が得られるもので、ポリアミド系
合成繊維においては期待できる効果はやや低いも
のとなつたのである。 しかし、本発明方法はあらゆる合成繊維に処理
できる改質法であり、この効果の程度に差がある
としても、従来合成繊維の大きな欠点とされてい
た低吸水性と低嵩高性を何らの薬剤を付着させる
ことなく改善できることは明白な事実であり、吸
水性によつて合成繊維の肌着への利用や帯電防止
性の向上が図れるし、また嵩高性によつて風合や
感触さらには保温性の改良が達成されるものであ
る。 実施例 1 ポリエステル系合成繊維糸(モノフイラメント
62本×2の双糸)をオートクレーブ内にて120℃
の高温水で30分間膨潤処理し、ついでこのオート
クレーブから取出した膨潤繊維糸を−20℃の冷凍
室にただちに収納し10分間冷却して膨潤水分を凍
結させた。この凍結水分を保有したポリエステル
系合成繊維糸を−5℃の温度を保ちつつ真空乾燥
した。この真空乾燥を24時間続けたところ氷の結
晶は消失していた。 得られたものの諸物性を測定したところ第1表
の如き諸データーが得られた。 なお、吸水性は40℃の水に5分間浸漬したもの
の重量増加で比較した。また嵩高性は顕微鏡観察
による糸径増加率で示した。 さらに表のデーターは未処理品の値を100とし
て比較したもので、各々15点測定の平均値で示し
たものである。
【表】
この結果から、ポリエステル系合成繊維におい
ては、本発明方法による処理によつて、吸水性と
嵩高性が共に約5〜10%位増加し、強度低下と伸
度増加を伴なうものであることが判る。 したがつて強度が多少下がつても吸水性と嵩高
性が増加しているので全体としての繊維の評価は
当然改質されたものと判定できるのである。 実施例 2 アクリル系合成繊維糸(モノフイラメント83本
×2の双糸)をオートクレーブ中にて110℃の高
温水で30分間膨潤処理し、ついで実施例1と同様
にして凍結及び冷凍を行なつた。 この様にして得られた改質アクリル系合成繊維
糸の諸物性を実施例と同様にして測定し、実施例
1と同様未処理品と比較した。 その結果第2表の如き諸データーが得られた。
ては、本発明方法による処理によつて、吸水性と
嵩高性が共に約5〜10%位増加し、強度低下と伸
度増加を伴なうものであることが判る。 したがつて強度が多少下がつても吸水性と嵩高
性が増加しているので全体としての繊維の評価は
当然改質されたものと判定できるのである。 実施例 2 アクリル系合成繊維糸(モノフイラメント83本
×2の双糸)をオートクレーブ中にて110℃の高
温水で30分間膨潤処理し、ついで実施例1と同様
にして凍結及び冷凍を行なつた。 この様にして得られた改質アクリル系合成繊維
糸の諸物性を実施例と同様にして測定し、実施例
1と同様未処理品と比較した。 その結果第2表の如き諸データーが得られた。
【表】
この表からアクリル系合成繊維の場合は、本発
明の処理による顕著な物性変化が得られることが
判断され、吸水性は大幅に改善され、嵩高性にお
いてはきわめて大きな値を示し、しかも強度低下
は15%位と低くなつているのである。 この様に本発明改質方法はアクリル系合成繊維
において特にすぐれた効果を発揮するものであ
る。 実施例 3 ポリアミド系合成繊維糸(モノフイラメント55
本×2の双糸)を90℃の高温水にて30分間浸漬
し、ついで実施例1と同様にして凍結及び冷凍を
行なつた。 この様にして得られたポリアミド系繊維糸を実
施例1と同様にして各種物性を測定し、実施例1
と同様未処理品と比較した。 その結果第3表の如き諸データーが得られた。
明の処理による顕著な物性変化が得られることが
判断され、吸水性は大幅に改善され、嵩高性にお
いてはきわめて大きな値を示し、しかも強度低下
は15%位と低くなつているのである。 この様に本発明改質方法はアクリル系合成繊維
において特にすぐれた効果を発揮するものであ
る。 実施例 3 ポリアミド系合成繊維糸(モノフイラメント55
本×2の双糸)を90℃の高温水にて30分間浸漬
し、ついで実施例1と同様にして凍結及び冷凍を
行なつた。 この様にして得られたポリアミド系繊維糸を実
施例1と同様にして各種物性を測定し、実施例1
と同様未処理品と比較した。 その結果第3表の如き諸データーが得られた。
【表】
この表から判る様にポリアミド系合成繊維につ
いては、本発明方法による改質効果は比較的低く
嵩高性だけがやや増加しているものとなつてい
る。これはこの実施例3における高温水による処
理条件がやや低かつたことに起因するものと判断
されるが、この温度を110℃にすると前述の顕微
鏡写真の如く表層が強く侵される様な状態になる
心配があり、したがつてポリアミドについては適
切な処理条件を充分予備テストを行なうことによ
つて見い出す必要があるものと判断される。
いては、本発明方法による改質効果は比較的低く
嵩高性だけがやや増加しているものとなつてい
る。これはこの実施例3における高温水による処
理条件がやや低かつたことに起因するものと判断
されるが、この温度を110℃にすると前述の顕微
鏡写真の如く表層が強く侵される様な状態になる
心配があり、したがつてポリアミドについては適
切な処理条件を充分予備テストを行なうことによ
つて見い出す必要があるものと判断される。
第1図〜第3図はポリエステル系合成繊維の走
査型電子顕微鏡による3600倍の拡大写真で、第1
図は未処理のもの、第2図及び第3図は本発明に
よる改質処理を施こしたものである。第4図〜第
6図はアクリル系合成繊維の走査型電子顕微鏡に
よる3600倍の拡大写真で、第4図は未処理のも
の、第5図及び第6図は本発明による改質処理を
施こしたものである。第7図〜第9図はポリアミ
ド系合成繊維の走査型電子顕微鏡による3600倍の
拡大写真で、第7図は未処理のもの、第8図及び
第9図は本発明による改質処理を施こしたもので
ある。
査型電子顕微鏡による3600倍の拡大写真で、第1
図は未処理のもの、第2図及び第3図は本発明に
よる改質処理を施こしたものである。第4図〜第
6図はアクリル系合成繊維の走査型電子顕微鏡に
よる3600倍の拡大写真で、第4図は未処理のも
の、第5図及び第6図は本発明による改質処理を
施こしたものである。第7図〜第9図はポリアミ
ド系合成繊維の走査型電子顕微鏡による3600倍の
拡大写真で、第7図は未処理のもの、第8図及び
第9図は本発明による改質処理を施こしたもので
ある。
Claims (1)
- 1 合成繊維、又は合成繊維からなる糸若しくは
布帛などを高温水に浸漬して該合成繊維の表層部
を膨潤せしめ、ついで冷却して前記表層部を膨潤
させている水分を凍結させ、その後前記凍結した
水分を低温乾燥して該表層部に多数の細孔を形成
せしめることを特徴とする凍結による合成繊維の
改質方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4141882A JPS58163779A (ja) | 1982-03-15 | 1982-03-15 | 凍結による合成繊維の改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4141882A JPS58163779A (ja) | 1982-03-15 | 1982-03-15 | 凍結による合成繊維の改質方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58163779A JPS58163779A (ja) | 1983-09-28 |
| JPS6212349B2 true JPS6212349B2 (ja) | 1987-03-18 |
Family
ID=12607803
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4141882A Granted JPS58163779A (ja) | 1982-03-15 | 1982-03-15 | 凍結による合成繊維の改質方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58163779A (ja) |
-
1982
- 1982-03-15 JP JP4141882A patent/JPS58163779A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58163779A (ja) | 1983-09-28 |
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