JPS6212238B2 - - Google Patents

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JPS6212238B2
JPS6212238B2 JP54044058A JP4405879A JPS6212238B2 JP S6212238 B2 JPS6212238 B2 JP S6212238B2 JP 54044058 A JP54044058 A JP 54044058A JP 4405879 A JP4405879 A JP 4405879A JP S6212238 B2 JPS6212238 B2 JP S6212238B2
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JP
Japan
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hbsag
reducing agent
surfactant
color
reaction
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JP54044058A
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English (en)
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JPS55136233A (en
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Hiroyuki Shiraishi
Ryoichi Shirochi
Nakao Ishida
Satoru Funakoshi
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GREEN CROSS CORP
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GREEN CROSS CORP
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Publication date
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Publication of JPS55136233A publication Critical patent/JPS55136233A/ja
Publication of JPS6212238B2 publication Critical patent/JPS6212238B2/ja
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は肝炎ワクチン製造のための材料に関す
る。 B型肝炎ウイルス(HBV)はヒトの血清肝炎
を起すウイルスとして知られ、輸血を要する患者
や臨床検査、血漿製剤に従事する者にしばしば感
染し、誠にやつかいな問題を引き起す。今日
HBVはコア抗原(HBcAg)と表面抗原
(HBsAg)及びe抗原とから成り立ちコアの中に
DNAポリメラーゼを持つ直径約40nmの大型粒子
であることが知られており〔WHOテクニカルリ
ポートシリーズナンバー570、バイラルへパテイ
テイス(WHO Technical Report Series No.
570、viral hepatitis)1975〕、又アンチ―HBs
(Anti―HBs)がこのHBVの感染を予防し得るこ
とも既に明らかにされている。 従来HBsAgは、これを含む血漿又は血漿画分
を密度勾配超遠心分離法によつて、密度1.20−
1.23の分画を得る方法〔J.L.グリン、P.V.ホラン
ド及びR.H.パーセル(J.L.Gerin,P.V.Holland
and R.H.Purcell):ジヤーナル オブ バイロ
ロジイ(Journal of Virology)第7巻、第569―
576ページ(1971年)及びN.スケノ、R.シラチ、
J.ヤマグチ及びN.イシダ(N.Sukeno,R.
Shirachi,J.Yamaguchi and N.Ishida):同
誌、第9巻、第182―183ページ(1972年)〕によ
つて比較的純粋に得られていた。 更に新しくはアフイニテイ―クロマトグラフイ
ー法が提案されている(白石広行、石田名香雄、
助野典義:日本ウイルス学会抄録昭和48年11月
4、5、6日発表、東京において)。この方法の
概要は次の通りである。 精製HBsAgを動物、例えば山羊に免疫して得
た山羊抗HBs血清にHBsAgを含まないヒトの血
清を加えて混在するヒト血清成分に対する抗体を
吸収沈殿させ、上清を硫酸アンモニウム沈殿分画
法によつてγ―グロブリン抗HBs(antiHBs)を
得る。臭化シアンで活性化したセフアロース―
4B(Sepharose―4B)とこのantiHBsとをカツプ
〓〓〓〓〓
リングさせ、この生成物のカラムを準備する。
HBsAgを含むヒト血漿、又はこれから常法によ
つて分画されたα―及びβ―グロブリン画分を
0.01Mリン酸緩衝液に懸濁し、遠心分離し、得ら
れる上清について上記のカラムを用いてクロマト
グラフイーを行う。カラムに結合したHBsAgを
0.4M―グリシン―HCl(PH2.5)緩衝液で溶出
し、溶出液を0.01Mリン酸緩衝液に対して透析
し、HBsAg溶液を得る。この溶液を、前記のカ
ラムと同様に、但し、山羊抗HBs血清を用いる代
りに、動物、例えば馬に免疫して得た馬抗ヒト血
漿血清を用いる以外は同様に調製したカラムを用
いてクロマトグラフイーにかけ、微量に混在する
血漿成分をカラムにとどめ精製HBsAg溶液を通
過部分として集める。 HBsAgを構成するサブユニツトについては、
HBsAgをドデシル硫酸ナトリウムおよび2―メ
ルカプトエタノールの存在下加熱し、ゲル過分
析によつて見い出されるペプチドを検索し、サブ
ユニツトは種々の分子量のポリペプチドを含むこ
とが多くの報告者によつて報告されている。すな
わち、グリン(前出)はHBsAgは、分子量
26000、32000及び40000のポリペプチドからなる
ことを報告している。その外、それが、25000及
び32000の分子量のポリペプチド〔G.N.ビヤス、
E.W.ウイリアムス、GGBクラウス及びH.E.ポン
ド(G.N.Vyas,E.W.Williams.GGB Klaus and
H.E.Bond):ザジヤーナル オブ イムノロジ
イ(The Journal of Immunology)第108巻、第
1114―1118ページ(1972年)〕、39000、32000、
27000及び22000のポリペプチド並びに微量の
16000及び10000のもの〔G.R.ドレスマン、F.B.
ホリンガー、J.K.スリアノ、R.S.フジオカ、J.P.
ブルンシユウツヒ及びJ.L.メルニク(G.R.
Dressmann,F.B.Hollinger,J.R.Suriano,R.S.
Fujioka,J.P.Brunschwig and J.L.Melnik):
ジヤーナル オブ バイロロジイ、第10巻、第
469―476ページ(1972年)〕及び分子量100000の
ポリペプチドを主成分とし、65000、36000及び
20000のもの〔C.R.ハワード及びA.J.ツツカーマ
ン(C.R.Howard and A.J.Tuckerman):ヘパ
タイテイス メモランダ(Hepatitis
Memoranda)、H―576、1973年10月、U.S.A.〕
のサブユニツトから構成されることが報告されて
いる。又N.スケノ、S.アイカワ及びN.イシダ
(N.Sukeno,S.Aikawa and N.Ishida):同誌、
H―292、1972年4月、U.S.A.〕は、HBsAgを尿
素の存在においてドデシル硫酸ナトリウムによつ
て切断するドデシル硫酸ナトリウム―ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動簡易分子量分析法〔コロウ
イツク―カプラン(Colowick―Kaplan):メソ
ード イン エンチモロジイ(Method in
Enzymology)第26巻、第3ページ(1972年)〕
によつてそれが分子量25000、28000及び33000の
ポリペプチドのサブユニツトからなることを報告
している。 このようなHBsAgのサブユニツトの探索は、
そのサブユニツトと抗原性の関係を明らかにし、
より抗原性の特異部位を取り出すことを目的とし
ており、ひいては効率的なワクチン、試薬の原料
としての利用、HBsAgの抗原基の研究への利用
を図ろうとするものである。 本発明の共同研究者等も先に、このHgsAgの
抗原性をもつサブユニツトの回収法として、
HBsAgを脱リピド化(delipidation)することの
できるある種の界面活性剤の存在下で加熱処理す
ることによつて、HBsAgとしての抗原性を保持
した分子量約55000の単一のポリペプタイドのみ
のサブユニツトからなる大きさが約18―20nmの
均一な球形粒子(HBAg55)に変換することがで
きることを開示している(特開昭50−160420)。 本発明者らはまたHBsAgの抗原性を持つ粒子
の回収法として新たな方法を発明し、その方法に
よつて新規性状を有する、すなわち等電点PH5.5
―6.5、分子量2―4百万、比重1.80〜1.24、直径
180〜220Åの球形粒子の高い抗原性を保持した均
一な変性HBsAg粒子を提供することにも成功し
ている(特開昭53−104724)。 本発明者らは、これらの成功に引続き、実際に
ワクチンとして用い得るペプタイドを得るための
研究を続けてきた。 ワクチンとしては精製して得たHBsAg粒子を
そのまゝ用いることもできるが、その場合感染性
を有したHBウイルスを完全に除去することは殆
んど不可能であり、混入が予測されるHBウイル
スをフオルマリンや加熱処理によつて不活性化さ
せる方法が検討されている。しかし、不活性化し
たかどうかを証明する方法として、現在HBウイ
〓〓〓〓〓
ルスに感染する動物として知られているのはチン
パンジーのみであることから、チンパンジーを用
いたテストが必要となるが、現状では世界中のチ
ンパンジーの数も限られ、経済的にも高価なテス
トで将来継続して不都合なくテストが行えるとい
う保障もない。またHBsAg粒子のまゝでは、ヒ
ト血清蛋白の完全な除去も極めて困難で、これら
蛋白が不活性化処理を通じて変性すれば副作用の
原因にもなる恐れがある。 これに対し、精製HBsAgより分子量の小さい
サブユニツトを分離してペプタイドを得これをワ
クチンとすることができれば、粒子の大きいHB
ウイルスの混入してくる恐れもなく、HBsAg粒
子においては何らかの親和性でこれより分離が困
難であつた血清蛋白成分の分離除去も容易であ
る。 HBワクチンとして用いられるペプタイドは、
HBsAgの抗原性を有していることが必須であ
る。既に説明したように、HBsAg粒子はこれに
対する化学処理の僅かな相異によつて各種分子量
のサブユニツトに分離されるが、ワクチンとして
用いる場合にはその安全性と有効性が変動しては
ならず、またワクチン製剤としての安定性が確保
されなければならないから一定のポリペプタイド
であることが最も望ましい。 本発明はこのような事柄を背景としてなされた
ものであり、本発明者らは、HBsAgの抗原性を
有する、分子量18000〜23000のペプタイドを得る
方法を発明し、安全且つ有効で安定なるHBワク
チンを提供することに成功した。 本発明は、ヒト血漿より精製して得られる
HBsAgを用い、界面活性剤および還元剤を存在
させて加熱することにより、HBsAgをサブユニ
ツトのペプタイドに切断し、これが再重合するこ
とのないように、界面活性剤および還元剤を存在
させてゲル過法により分画し、分子量18000〜
23000のペプタイドから成る分画を分別し、用い
た界面活性剤を除去するための吸着補助剤とペプ
タイドの溶解性を維持するための溶解補助剤とを
用いながら透析して、生理的に受入れられる中性
付近の溶液として回収したペプタイドからなる
HBワクチンおよびその製造方法である。 本発明において用いられるHBsAgとして公知
の方法によつて血漿又は血清から純粋に得たもの
を用いることができる。また血漿または血清の代
りに、α―及びβ―グロブリンを含む血漿画分、
例えばコーンのアルコール分画法におけるN―1
画分もまた原料として好ましい。 本発明に用いられる界面活性剤としてはドデシ
ル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩
あるいはアルキル燐酸エステル塩などから選ばれ
るアニオン界面活性剤があげられる。界面活性剤
の添加量は0.1〜10%、好ましくは0.5〜2.0%であ
る。アニオン界面活性剤の添加量は多くても差し
つかえないが濃度が高いと固体化し易く、したが
つて温度を高く保つ必要があるので好ましくな
い。 本発明に用いられる還元剤としては、2―メル
カプトエタノール、ジチオスレイトール、グルタ
チオンなどから選ばれるチオール型還元剤があげ
られる。還元剤の添加量は0.1〜10%、好ましく
は0.5〜2.0%である。 加熱は中性付近の緩衝液中100〜40℃で2〜60
分間、好ましくは100〜90℃で1〜5分間あるい
は70〜50℃で20〜40分間行う。 この処理で生成したペプタイドは、界面活性剤
および還元剤が存在しない条件では再結合するの
でアニオン界面活性剤およびチオール基を有した
還元剤が存在している条件においてゲル過し、
各種の生成したペプタイドを分子量の大きさによ
つて分画する。 ゲル過は、界面活性剤として例えばドデシル
硫酸ナトリウムを0.05〜2%、好ましくは0.1〜
0.5%、および還元剤として例えば2―メルカプ
トエタノール0.05〜2%、好ましくは0.1〜0.5%
存在せしめた中性付近の緩衝液を用いて、10〜45
℃、好ましくは15〜25℃にて行なう。 ゲル過剤としては、セルロース、アガロー
ス、交差結合デキストランなどの高分子多糖体顆
粒あるいは交差結合ポリアクリルアミドがあげら
れ、商品名としてはセフアクリル、セフアデツ
クスセフアロース、Bio―Gelp、Bio―
GelA等であるが、分子ふるい作用を有する担
体であれば、これらに限定されることはない。 ゲル過の結果、分子量が約68000、約27000お
よび約22000その他から成る幾つかの分画が得ら
れるが、これらのうち分子量約18000〜23000から
成る分画を分取する。 〓〓〓〓〓
このようにして得られた分画は適当な濃度にな
るよう濃縮し、分画に含まれていたアニオン界面
活性剤およびチオール基を有した還元剤を除去し
て、生理的に受け入れられる溶液とするのである
が、界面活性剤および還元剤を共に完全に除去し
てしまうとペプタイドの溶解性が低下し、その溶
液を長期間保管したいような場合沈殿を析出する
恐れがあるので、プルロニツクF68、Tween80な
どの非イオン界面活性剤から選ばれた溶解補助剤
を溶液中に含有させるようにするのがよい。 濃縮したのちの溶液は、中性付近の緩衝液に対
して透析することにより、加熱反応に用いた界面
活性剤と還元剤とを除去するが、この際完全な除
去はかなり困難である。 そこで透析外液にプルロニツクF68、Tween80
などの非イオン性界面活性剤から選ばれた溶解補
助剤を0.01〜0.1%含有し、アニオン界面活性剤
及び還元剤を吸着除去するための吸着剤として
Bio―Rad AG―2(商品名)などの塩基性陰イ
オン交換吸着剤を加えたものを用いる。 このようにして得た溶液は、中性付近の生理的
に等張で、一定量のペプタイド濃度となるように
調製し、除菌過したのち、容器に分注してHB
ワクチンの製造を完了する。 HBワクチンの有効性は、これらのHBsAg抗原
力価と共に、これをウサギ、モルモツト等の実験
動物に注射してHBsAgに対する抗体の産生をみ
ることによつて求めることができる。 本発明のペプタイドの理化学的特徴は、実施例
1で得られたものを用いて求めた。 (1) 分子量 本発明のペプタイドを、ドデシル硫酸ナトリ
ウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
り分子量を測定したところ、約22000であつ
た。またセフアデツクスG―100によるゲル
過分析では分子量18000〜23000であつた。従つ
て分子量を18000〜23000の範囲とすることが最
も信頼度が高いと思われる。 (2) 溶解性 本発明のペプタイドの水に対する溶解性は中
性付近で約5%以下であり、それ以上では蛋白
乳濁色を呈するようになる。この溶解性は塩化
ナトリウム溶液、リン酸塩緩衝液、トリス―
HCl緩衝液においても大差ないが、0.01〜0.1%
程度のプルロニツクF68あるいはTween80など
の非イオン界面活性剤から選ばれた溶解補助剤
の存在で溶解性は高まる。 (3) 紫外線吸収 本発明のペプタイドの水溶液の280nmにおけ
る吸光度より求めた分子吸光係数E〓〓280nm
は38であつた。 (4) 温度安定性 本発明のペプタイドの0.05%のプルロニツク
F68を含有するPH7.2のリン酸塩緩衝液を60℃
±0.5℃で1時間加熱しても、そのHBsAgの抗
原性は失われなかつた。 (5) 呈色反応 本発明のペプタイドの水溶液につき、ローリ
ー・フオリン法で試験した結果ペプタイド特有
の青色を呈した。また6規定塩酸溶液中、110
℃で22時間加水分解したのちニンヒドリン反応
で試験した結果、α―アミノ酸による紫青色を
呈した。糖類試験のためのα―ナフトール硫酸
反応(Molish反応)およびフエノール硫酸反
応では共に陰性であつた。 (6) 構成アミノ酸 本発明のペプタイドを常法により加水分解し
て、アミノ酸自動分析装置を用いて、アミノ酸
組成を求めた。結果は第1表のとおりである。
【表】 〓〓〓〓〓
【表】 精製HBsAgのアミノ酸組成に対する分析結
果も第1表に含め示してあるが、この結果と本
発明のペプタイドの結果と比べるとき大きな差
異は認められない。このことからこのペプタイ
ドはHBsAgの主たる部分を構成していること
が推察される。 (7) 色および形 本発明のペプタイドは、凍結乾燥させたとき
ほヾ白色の不定形粉末となつた。 本発明を更に具体的に説明するために以下実施
例を掲げるが、実施例の記載は本発明を何ら限定
するものではない。 実施例 1 HBsAg陽性と判定されたヒト・プール血漿1l
を、抗HBs抗体グロブリン(ウサギ)結合セフア
ロース4B(anti―HBs globulin coupled
Sepharose4B)で作成したカラムを通過させ、
HBsAgをカラムに吸着させる。吸着カラムは
0.15M塩化ナトリウム溶液を流して洗浄後、0.4M
グリシン・HCl緩衝液(PH2.5)でHBsAgを溶出
させる。 溶出液は0.15M塩化ナトリウム溶液で透析した
のち、抗ヒト血漿抗体グロブリン(ヤギ)結合セ
フアロース4Bで作成したカラムを通過させ、ヒ
ト血漿成分をカラムに吸着させる。吸着せずに通
過した溶液は濃縮したのち、塩化セシウムによる
リニア・グレデイエント超遠心分離を行い、密度
1.19〜1.23の分画を集め、濃縮して2mlとした。 このものは抗ヒト血漿抗体グロブリン(ウサ
ギ)に対して免疫電気泳動を行つた結果、ヒト血
清成分の存在を認めず、電子顕微鏡観察で直径
22nmの均一なHBsAgの小型球形粒子から成り立
つており、大型粒子の存在は認めず、RPHA法に
よる測定で抗原価は1:1280000であつた。回収
率は52%であつた。この精製HBsAgをHBペプタ
イドワクチン製造の材料とした。 精製HBsAgの溶液に、ドデシル硫酸ナトリウ
ムおよび2―メルカプトエタノールをそれぞれ1
W/V%濃度となるように加え、100℃で2分間加
熱処理したのち、別にあらかじめ0.1%ドデシル
硫酸ナトリウム、0.1%2―メルカプトエタノー
ルおよび0.15M塩化ナトリウムを含有する1/100
Mリン酸塩緩衝液、PH7.2で平衡化したセフアク
リルS―200のカラムを用いて37℃にてゲル過
した。そのときの分画像は第1図に示したとおり
である。図中、F1〜F5はそれぞれ分画を示す。 第1図のF5分画を集め、1%のBio―Rad AG2
と0.05%のプルロニツクF68を含有したリン酸緩
衝液溶液で透析する。透析の終つた液は0.05%プ
ルロニツクF68含有0.15M塩化ナトリウム溶液を
加えて希釈してペプタイドが50μg/mlとなるよ
うに調製し、除菌過後、1mlずつ容器に小分け
したHBワクチン製剤370本を得た。 このようにして得たHBワクチンを3匹のウサ
ギに注射した。注射は1回0.5mlを背部皮下およ
び皮内に行い2週間間隔で3回注射したのち2週
間後に採血し、その血漿につきPHA法でHBs抗
体価を測定したところ、それぞれ1:512、1:
2048、1:16000のHBs抗体産生を認めた。 実施例 2 実施例1の精製HBsAgを用い、実施例1で用
いた2―メルカプトエタノールの代りにジチオス
レイトールを用いて60℃、30分間加熱処理したの
ち、別にあらかじめ0.1%ドデシル硫酸ナトリウ
ム、0.1%ジチオスレイトールおよび0.15M塩化
ナトリウムを含有する1/100Mリン酸塩緩衝液、
PH7.2で平衡化したセフアデツクスG200のカラム
を用いて37℃にてゲル過した。実施例1と同様
にしてF3分画を集め、実施例1と同様に操作し
てHBワクチン製剤245本を得た。 このものの2匹のウサギに対するHBs抗体産生
は、それぞれ1:1024であつた。 実施例 3 実施例1において、F5分画を集め、再ゲル
過して混在しているF4分画成分を完全に分離し
たものにつき0.05%のTween80を含有した0.15M
塩化ナトリウム溶液で透析したのち同じ液で希釈
してペプタイドが50μg/mlとなるように調製し
た。この液に0.1%の水酸化アルミニウムを加
え、除菌過後、1mlずつ容器に小分けしたHB
ワクチン製剤390本を得た。 〓〓〓〓〓
このようにして得たHBワクチンを3匹のモル
モツトに注射した。注射は実施例1と同様にして
行つた。結果はそれぞれのモルモツトに1:
1024、1:16000、1:32000のHBs抗体産生を認
めた。
【図面の簡単な説明】
第1図は精製HBsAgのゲル過の分画像であ
る。 〓〓〓〓〓

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 HBsAg B型肝炎ウイルス表面抗原を界面活
    性剤と還元剤とを存在させて加熱処理して得られ
    る、次の理化学的性質を有するペプタイド。 a 分子量:SDS―ポリアクリルアミドによる電
    気泳動分析で、18000〜23000である。 b 溶解性:水に対する溶解性は、中性付近にお
    いて約5%以下であり、それ以上では蛋白
    乳濁色を呈する。 c 紫外線吸収:280nmにおける分子吸光係数
    (E〓〓)は、38である。 d 温度安定性:水溶液を60℃±0.5℃で1時間
    加熱してもその抗原性は失われない。 e 呈色反応:ローリー・フオリン反応によりペ
    プタイドの、また加水分解後ニンヒドリン
    反応によりアミノ酸の呈色反応を示す。 f 構成アミノ酸:アスパラギン酸、スレオニ
    ン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グ
    リシン、アラニン、システイン、バリン、
    メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チ
    ロジン、フエニルアラニン、リジン、ヒス
    チジン、アルギニン g 色および形:ほぼ白色、不定形である。 2 B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)を含
    有する血漿または血清を、不溶化抗HBs抗体と接
    触させ、吸着したHBsAgを塩溶液で溶出せしめ
    たのち、溶出に用いた塩を透析で除去し、次に不
    溶性抗ヒト血清抗体と接触させ、吸着しない部分
    を溶液中に集め、臭化カリウムのリニア・グレデ
    イエント超遠心法で分画してHBsAgの分画を集
    め、透析、濃縮後塩化セシウムのリニア・グレデ
    イエント超遠心により分画してHBsAgを含む分
    画を集め、透析、濃縮することにより血清成分を
    含有しない精製ワクチン材料を得、これに界面活
    性剤および還元剤を加えて加熱処理し、界面活性
    剤および還元剤を存在させてゲル濾過して、分子
    量18000〜23000のペプタイドを含有する分画を分
    別し、有効成分を集めることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のペプタイド。 3 HBsAg B型肝炎ウイルス表面抗原を界面活
    性剤と還元剤とを存在させて加熱処理して得られ
    る、次の理化学的性質: a 分子量:SDS―ポリアクリルアミドによる電
    気泳動分析で、18000〜23000である; b 溶解性:水に対する溶解性は、中性付近にお
    いて約5%以下であり、それ以上では蛋白
    乳濁色を呈する; c 紫外線吸収:280nmにおける分子吸光係数
    (E〓〓)は、38である; d 温度安定性:水溶液を60℃±0.5℃で1時間
    加熱してもその抗原性は失われない; e 呈色反応:ローリー・フオリン反応によりペ
    〓〓〓〓〓
    プタイドの、また加水分解後ニンヒドリン
    反応によりアミノ酸の呈色反応を示す; f 構成アミノ酸:アスパラギン酸、スレオニ
    ン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グ
    リシン、アラニン、システイン、バリン、
    メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チ
    ロジン、フエニルアラニン、リジン、ヒス
    チジン、アルギニン g 色および形:ほぼ白色、不定形である; を有するペプタイドの製造方法であつて、 B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)を含有
    する血漿または血清を、不溶化抗HBs抗体と接触
    させ、吸着したHBsAgを塩溶液で溶出せしめた
    のち、溶出に用いた塩を透析で除去し、次に不溶
    性抗ヒト血清抗体と接触させ、吸着しない部分を
    溶液中に集め、臭化カリウムのリニア・グレデイ
    エント超遠心法で分画してHBsAgの分画を集
    め、透析、濃縮後塩化セシウムのリニア・グレデ
    イエント超遠心により分画してHBsAgを含む分
    画を集め、透析・濃縮することにより血清成分を
    含有しない精製ワクチン材料を得、これに界面活
    性剤および還元剤を加えて加熱処理し、界面活性
    剤および還元剤を存在させてゲル濾過して分子量
    18000〜23000のペプタイドを含有する分画を分別
    し、有効成分を集めることを特徴とする上記ペプ
    タイドの製造方法。 4 界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウムのよ
    うなアルキル硫酸エステル塩、あるいはアルキル
    燐酸エステル塩などのアニオン界面活性剤であ
    り、還元剤が2―メルカプトエタノールのような
    チオール基を有した還元剤である特許請求の範囲
    第3項記載のペプタイドの製造方法。 5 0.1〜10%のアニオン界面活性剤および0.1〜
    10%の還元剤を用いる特許請求の範囲第3項記載
    のペプタイドの製造方法。 6 加熱処理を100℃〜40℃で2分間〜60分間行
    なう特許請求の範囲第3項のペプタイドの製造方
    法。 7 0.05%〜2%のアニオン界面活性剤および
    0.05〜2%の還元剤を存在させ分子ふるい作用を
    有する担体を用いて10℃〜45℃の温度下でゲル濾
    過する特許請求の範囲第3項記載のペプタイドの
    製造方法。 8 アニオン界面活性剤およびチオール基を有す
    る還元剤を除去のため最終工程のゲル濾過後に、
    さらに塩基性陰イオン交換体と非イオン性界面活
    性剤を含有するPH6.0〜8.0緩衝液を外液として透
    析する特許請求の範囲第3項のペプタイドの製造
    方法。
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