JPS6212059B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両が衝突事故に遭遇したときに車両
内の座席占有者が重い負傷をしないように保護す
るためのエヤーバツグ拘束装置の分野に関する。

慣用の左側で運転する型式の車両のエヤーバツ
グ装置では、右前着座位置に座つている車両座席
占有者をダツシユボード、すなわち、計器パネル
の中のハウジングから展開可能なエヤーバツグに
よつて保護することができる。左前着座位置、す
なわち、ハンドルの後に座つている該車両の運転
手をハンドル構造体に一体に組みこまれた小型の
エヤーバツグ装置によつて保護することができ
る。

右側着座位置占有者を保護するためのエヤーバ
ツグモジユールは、計器パネルの右外側端部、す
なわち、エヤーバツグを備えていない車両ではさ
らに一般的にはグローブボツクスと呼ばれている
格納区画により占有されている領域の中に配置す
ることが好ましい。これは運転手側の端部から車
両の中心線を十分に越えた個所に至る計器パネル
が速度計、走行記録計、燃料計、温度計およびそ
れに類似した計器、ラヂオ、暖房および換気制御
装置ならびに灰皿のような車両の計器類により占
有されているからである。これは折りたたみ椅子
を備えている車両のような二つの前部着座位置の
みを有している車両では、なんら問題は発生しな
い。前部座席が車両の運転手と右前側の乗員との
間に一人の乗員を収容しうるベンチ型の座席であ
るような車両では、中央着座位置占有者は、中央
着座位置が運転手のエヤーバツグと右前側着座位
置のエヤーバツグとの間に配置されているので、
なんら保護されないことになる。

「自動車用安全装置」についてランズマンその
他に対して1971年11月２日に発行された米国特許
第3617073号明細書は、エヤーバツグが風防の側
のサイドポスト上にかつ運転手および乗員の身体
を横切つてドアの内側に沿つた容器の中に配置さ
れたレシーバーから展開されるようなエヤーバツ
グ装置を公開している。

この提案された構造では、中央着座位置はエヤ
ーバツグの端部に実質的に整列せしめられてお
り、かつ中央着座位置占有者の前方への移動に対
する抵抗が最小になる。車両のドアの中のレシー
バーから放出されかつ展開されるエヤーバツグ
は、ふくらまされた後は、車両の計器盤、すなわ
ち、ダツシユボード構造体によりなんら支援され
ない。

「安全装置」についてデー・ピー・ハスに対し
て1974年１月８日に発行された米国特許第
3784223号明細書は、事故の間、座席占有者の前
方への移動を拘束するために中央着座位置および
右側着座位置に広がり延びることができると細長
いエヤーバツグを公開している。しかしながら、
このエヤーバツグは車両の幅全体にわたつて延び
る室の中に格納され、従つて、折りたたまれたエ
ヤーバツグが通常グローブボツクスにより占有さ
れている計器盤の領域中に配置されたハウジング
の中に格納されるような方式には適さないと考え
られる。現在、流行している車両の小型化に向う
最近の傾向では、この特許により提案されている
装置に必要なエヤーバツグ装置構成部分を格納す
る際に、多大な困難に遭遇することになろう。

本発明は自動車の前部座席の外側および中央乗
員着座位置に座つている乗員の移動を拘束するた
めの一体型エヤーバツグ拘束装置に関する。本明
細書で用いている「乗員着座位置」なる用語はハ
ンドルの後の車両運転手以外の乗員の着座位置を
意味するものである。

この拘束装置は外側の乗員着座位置の前方に隔
置されかつ該着座位置に実質上整列した車両の中
のハウジングを含んでいる。複数個の区画室を有
する可撓性のバツグは、すぼまされたとき、この
ハウジングの内部に閉じこめられている。ハウジ
ングの内部には、加圧装置が格納されており、か
つ可撓性のバツグを加圧してふくらませるように
作動させることができる。

本発明によれば、バツグは、ふくらまされたと
きに、ハウジングから展開しかつ外側乗員着座位
置に向いかつ中央着座位置の前方の車両の内部を
横切つて横方向に広がる。ふくらまされたとき、
複数個のバツグ区画室は外側および中央乗客着座
位置を占有している乗員のひざを拘束しかつ該乗
員の胴部および頭部を拘束する。

本発明のその他の目的、利点および特徴は、添
付図面に関する説明が進むにつれてさらに明らか
になろう。

添付図面、特に第１図および第２図を参照する
と、符号１０は車両の計器盤、すなわち、ダツシ
ユボードの構成部分１１に装着された箱形の反動
ハウジングを示す。要するに、反動ハウジング１
０は左側で運転する型式の車両の計器の右端部に
慣用的に配置された、さらに一般的にはグローブ
ボツクスとして知られている格納室に代る役目を
している。「左側運転」なる用語は、車両のハン
ドルが前部乗員室の左側、すなわち、第２図に示
した車両の中心線の左側に設けられていることを
意味している。ハウジング１０は車両の中心線の
右側に示してあり、かつ右外側乗員着座位置に対
して実質的に整列するように配置されている。

乗員の着座位置については、折りたたみ式座
席、すなわち、個々の座席を有する車両の乗員室
は一方の着座位置、すなわち、ハンドルの後側の
左側運転車両の左側の位置と、他の一つの位置、
すなわち、車両の右側に隣接する右側着座位置と
を有している。乗員室の幅全体にわたつて横方向
に延びるベンチ型座席を有する車両の乗員室にお
いては、着座位置は、左側のボデイパネルに隣接
しかつハンドルの後にある左外側着座位置と、右
側のボデイパネルに隣接する右外側着座位置と、
車両の実質的に中心線上にある中央着座位置であ
る。

第１図は本発明の実施例である、全体を符号１
２で示したエヤーバツグモジユールの略図であ
り、エヤーバツグは収納された状態、すなわち、
すぼまされた状態で示されている。エヤーバツグ
モジユール１２はバツグ加圧機構、すなわち、バ
ツグをふくらませる装置（図示せず）を収納する
円筒形のデイフユーザ組立体１３を備えている。
このバツグをふくらませる装置はエヤーバツグを
ふくらませるためのガス発生作動機構およびガス
発生用薬品を収納する装置であるが、その詳細な
事項は本発明の一部を構成するものではない。円
筒形のデイフユーザ組立体１３の外面１４は好適
は熱遮蔽材により被覆されることが好ましい。

デイフユーザ組立体１３はハウジング１０の下
半部分に配置され、かつナイロン製のひざ当てバ
ツグ部分１５に包囲されている。ひざ当てバツグ
部分１５はデイフユーザ組立体１３のシリンダの
外面１４上の熱遮蔽材により保護されている。ひ
ざ当てバツグ部分１５は、エヤーバツグ１７の下
側の長手方向に延びる基部１６の内部に収納され
ている。エヤーバツグ１７の主本体部分１８はハ
ウジング１０の上半部分の中に折りたたまれてい
る。このエヤーバツグモジユールは、車両の乗員
室の内部に曝されかつ前部座席に対向するこわれ
易いカバー１９によりハウジング１０の内部に密
封されている。

車両に装着された衝突センサーが衝突により生
じた高い減速度を感知した場合に起るように、デ
イフユーザ１３の内部のバツグをふくらませる装
置が作動せしめられたとき、エヤーバツグ１７が
ふくらまされて第２図に示した形態になる。エヤ
ーバツグ１７は、一杯にふくらまされたとき、ハ
ウジング１０の右端部、すなわち、外側端部から
車両の中心線を越えた位置まで延びる。エヤーバ
ツグ１７は乗員拘束装置、すなわち、緩衝装置を
形成する三つの区画室２１，２２および２３を有
している。区画室２１はエヤーバツグ１７の横方
向の全長にわたつて延び、ひざ当てバツグ部分１
５がふくらんだ結果、形成されるものである。区
画室２２および２３はエヤーバツグ１７の主本体
部分１８がふくらんだ結果形成されるものであ
る。主本体部分１８は共通の壁体、すなわち、仕
切壁体２４により二つの区画室２２および２３に
横方向に区分されることが好ましい。仕切壁体２
４はフラツプ弁２６により遮蔽される穴２５を有
している。フラツプ弁２６は区画室２２から区画
室２３への流体の流れを許容するが、逆向きの流
体の流れを許容しない弁の役目をしている。区画
室２２は右外側着座位置に実質的に整列するよう
に配置される。区画室２３は車両の中心線に実質
的に跨りかつ中央着座位置に整列せしめられる。

デイフユーザ組立体１３と直接に連絡するひざ
当てバツグ区画室２１がその上面の、穴２７，２
８および２９を通じて区画室２２および２３と連
絡していることに留意されよう。

エヤーバツグが座席占有者の前方への移動を減
速する目的を果した後に該エヤーバツグを制御さ
れた割合ですぼませるための逃がし弁がエヤーバ
ツグに示されていない。これは現在市販されてい
るエヤーバツグの材料が十分な透過性を有してい
るので、エヤーバツグをふくらませたガスが所望
のすぼみ率に到達するために十分は速度で透過す
ることができるからである。

エヤーバツグ材料が通気性を有しているため
に、内側フラツプ弁２６は重要な機能を有してい
る。区画室２３が区画室２２よりも若干小さいこ
とに留意されよう。それ故に、ふくらませるため
のガスがエヤーバツグの壁体を通じて外側に流出
するとき、小さい区画室２３の中の圧力が大きい
容積を有する区画室２２の中の圧力よりも早く低
下する傾向がある。二つの区画室の圧力差が増加
するにつれて、フラツプ弁２６が開いて大きい区
画室２２から小さい区画室２３にガスを流動させ
て二つの区画室の中の圧力を実質的に平衡状態に
維持する。

実際に、エヤーバツグを最初にふくらませると
き、膨脹用のガスは穴２９を通つてひざ当てバツ
グ部分１５から、またフラツプ弁２６を通つて大
きい区画室２２から小さい区画室２３の中に受け
入れられる。エヤーバツグが最大限にふくらんだ
後、フラツプ弁２６が上記の作用を行なつて二つ
の区画室の中の圧力を平衡状態に維持する。

さて、第３図を参照すると、エヤーバツグがハ
ウジング中のすぼまされた状態から最大限に展開
されかつふくらんだ状態に至るまでに経由する種
種の段階の平面図が示されている。

第３図の真上の図の状態から出発し、ガス発生
機構が作動した後、10ミリ秒経過すると、膨腸し
たエヤーバツグ１７はハウジング１０のこわれ易
いカバー１９を押し通してハウジング１０から外
側着座位置に向つて膨脹し始める。

20ミリ秒経過後、エヤーバツグは外側着座位置
に向つて略々半分広がり、かつ車両の中心線に向
つて横方向に膨脹する徴候を示す。これはひざ当
てバツグ部分１５がハウジング１０を通つた後、
横方向に移動し始め、かつガスが穴２７および２
８とともにひざ当てバツグ区画室２１の上面の穴
２９を通して流れているからである。また、ガス
は穴２７および２８を通じてエヤーバツグ区画室
２２の中に既に流入しつつある。

40ミリ秒経過後、エヤーバツグ区画室２２はそ
の最大容積に近づきつつあり、また区画室２３は
横方向に膨脹するひざ当てバツグ区画室２１によ
り車両の中心線を横切つて可成りの距離引張られ
る。

60ミリ秒経過後、エヤーバツグのすべての区画
室はそれらの最大容積に到達して設計された形態
になる。区画室２２および２３の最終の形態につ
いては、第３図の最下図を参照させたい。また、
ひざ当てバツグ区画室２１の最終の形態について
は、第２図を参照されたい。

しかしながら、60ミリ秒経過すると、車両の座
席占有者はエヤーバツグと衝突し始めてエヤーバ
ツグ区画室の変形を惹起しかつ所望の緩衝作用を
惹起してそれにより座席占有者のひざを拘束しか
つその上胴および頭部を拘束して座席占有者を傷
害から保護することは理解されよう。

本発明が添付図面に例示しかつ上述した構造に
正確に限定されるものではなく、かつ特許請求の
範囲に記載の本発明の精神および範囲から逸脱す
ることなく種々の変更および変型をなしうること
を理解すべきである。

【図面の簡単な説明】

第１図はハウジングの内部でしぼまされた状態
にあるエヤーバツグを示す自動車乗員エヤーバツ
グ拘束装置の横断面を示す側面図、第２図は最大
限に展開されかつふくらまされた状態で示したエ
ヤーバツグの斜視図、かつ第３図はエヤーバツグ
が収納されかつしぼまされた状態から最大限にふ
くらまされた状態に至るまでに経由する種々の段
階を上から順番に示した図である。 １０……反動ハウジング、１１……構成部分、
１２……エヤーバツグモジユール、１３……デイ
フユーザ組立体、１４……デイフユーデ組立体の
外面、１５……ひざ当てバツグ部分、１６……エ
ヤーバツグの下側基部、１７……エヤーバツグ、
１８……主本体部分、１９……カバー、２１，２
２，２３……区画室、２４……仕切壁体、２５…
…穴、２６……フラツプ弁、２７，２８，２９…
…穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動車の隣接着座位置に着座した乗員の移動
   を拘束するためのエヤーバツグ拘束装置におい
   て、隣接乗員着座位置のうちの一方に対して離隔
   されかつ対向した関係に車両の乗員室の内部の閉
   ざされた室の中に閉じこめられた単一の可撓性の
   バツグを含み、前記バツグはその内部に複数個の
   区画室を有し、さらに、前記可撓性バツグに連絡
   するように車両の内部に内蔵されかつ乗員を拘束
   するためにバツグをふくらませるように作動しう
   る加圧装置を含み、前記可撓性バツグは当初閉ざ
   された室から外に一方の着座位置に向つて展開
   し、かつ前記の閉ざされた室から出た後、隣接着
   座位置の前方の車両の内部を横切つて横方向に膨
   脹するように構成されかつ配置されていることを
   特徴とするエヤーバツグ拘束装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のエヤーバツグ拘
   束装置において、エヤーバツグが最大限にふくら
   まされたとき、該エヤーバツグの中の複数個の区
   画室が該エヤーバツグの底部を横切つて横方向の
   全長にわたつて延びる第１緩衝装置を形成して隣
   接乗員着座位置にある乗員に対して単一のひざ拘
   束作用をなし、かつ第２および第３緩衝装置を形
   成して隣接乗員着座位置にある乗員の上胴を拘束
   することを特徴とするエヤーバツグ拘束装置。