JPS6212030Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は道路用コンクリート製品であるＵ字
溝（鉄筋コンクリートＵ形を本考案ではＵ字溝と
称する）を道路の側縁部等に埋設して側溝を形成
する際に、Ｕ字溝外側に設ける補強側壁形成用型
枠を保持するのに用いる型枠保持装置に関する。

Ｕ字溝を用いて側溝を形成する際には、Ｕ字溝
の道路側外面に接して、適宜厚さの補強側壁をコ
ンクリートの現地打設により形成させる必要があ
る。この補強側壁形成用の型枠の固定は、従来地
中に打込んだ杭に一端を番線等で縛り付けた筋か
い状の木材の他端部を、型枠上端部に番線によつ
て縛り付けたり釘付けしたりしておこなつてい
た。このため一現場で全長数Kmにもおよぶ側溝施
工工事において、型枠の型組作業に極めて多大の
労力と時間を要し、また均一な寸法の補強側壁の
形成が困難であつた。

この考案は上記従来の欠点を解消するもので、
型枠の型組作業を熟練を要することなくごく短時
間でおこなうことができ、側溝工事の工期短縮に
貢献するとともに、均一な寸法の補強側壁を得る
ことができるＵ字溝施工用型枠保持装置を提供し
ようとするものである。

以下図面によりこの考案の一実施例を説明す
る。

図中、１は山形鋼を主体にして構成された型枠
保持金具で、２は上梁、３はこの上梁に下向きに
突設固着した固定側ブラケツトである。４は固定
側ブラケツトに対して適宜量接近離間自在に上梁
に取付けた移動側ブラケツトで、５は頭部を移動
側ブラケツトに固着したボルトであり、上梁２に
穿設した長穴６に嵌込まれたこのボルト５に締付
用のナツト７がねじ込んである。また８は移動側
ブラケツト４の位置決め用の調整ボルトで、上梁
に固着した耳板９に固着したナツト９ａにねじ込
まれ、その先端は移動側ブラケツトに固着した耳
板１０に穿設したばか穴に挿入されている。１
１，１２は調整ボルト８に固着したナツトで、耳
板１０と係合するつばとして機能する。また１３
および１４は上梁に固着したナツト、１５および
１６はこれらのナツトにねじ込んだ上梁上下位置
決め用のストツパボルトである。１７は薄鋼板製
のセパレータで、移動側ブラケツト４に背面側を
保持されるメタルフオーム１８，１９の相互接続
用のクリツプ２０の差込脚２０ａが嵌入する穴が
一端部に穿設してある。

上記構成の装置を用いてＵ字溝施工をおこなう
には、先ず根切りの底部に打設した捨てコンクリ
ート２１上にモルタル２２を適量打設して、その
上にＵ字溝２３を相互にもモルタルで接続しつつ
連続状に載置していく。次に上側および下側のメ
タルフオーム１８，１９をクリツプ２０により上
下および長手方向に接続して捨てコンクリート２
１上に立てるが、このメタルフオーム接続時に、
適数個（たとえばメタルフオーム長さ1800mmの場
合：２個）のセパレータ１７を、メタルフオーム
上下突合せ面間に挿入しクリツプ２０により取付
けておく。次に側溝フタ嵌込部形成用の木片２４
をＵ字溝２３の道路側上縁部上に並べたのち、固
定側および移動側両ブラケツト３，４を離間させ
た状態の型枠保持金具１を、適宜のピツチ（たと
えば1800mm）で上方からＵ字溝２３およびメタル
フオームに被着する。次に固定側ブラケツト３の
内側面をＵ字溝２３の外側面に当接させ、ストツ
パボルト１５，１６により上梁２をほぼ水平に調
整し、ナツト７を少量ゆるめた状態で調整ボルト
８をねじ込めば、メタルフオーム１８，１９は移
動側ブラケツト４により背面を押圧されてＵ字溝
２３に向つて前進移動する。セパレータ１７がＵ
字溝２３に当接したらメタルフオームは正規の位
置に到達したのであり、調整ボルト８のねじ込み
をやめ、必要に応じてナツト７の締込みをおこな
う。ナツト７のゆるみ量が僅かである場合はこの
締込みをおこなわなくてもよく、この場合は調整
ボルト８のみによりメタルフオームのずれ止めを
おこなうことになる。各型枠保持金具１において
上記調整をおこなえば型枠の型組作業は完了する
ので、Ｕ字溝２３とメタルフオーム１８，１９と
の間の空間にコンクリート２５の打設をおこなえ
ばよい。型ばらし時は調整ボルト８をゆるめて移
動側ブラケツト４を後退させれば、型枠保持金具
１は容易に上方に抜取ることができる。クリツプ
２０を除去してセパレータ１７は補強側壁中に残
し、メタルフオーム１８，１９を取外して、次の
コンクリート打設にそなえて上記と同様な型枠の
型組作業をおこなうものである。

なお上記実施例においては型枠保持金具１の上
下位置決め用ストツパとして、Ｕ字溝上縁部と直
接あるいは木片２４を介して係合するストツパボ
ルト１５，１６を用いたので、側溝フタ嵌込部形
成用の木片２４の高さの変更あるいは該木片の使
用不使用の如何を問わず、型枠保持金具１を広く
各施工現場に使用することができ汎用性が高い。
ストツパボルト１５を上梁２の長手方向に取付位
置変更自在とすれば更に汎用性は向上する。なお
木片２４の高さが一定の場合あるいは木片２４を
使用しない場合等は、上下に調整できない固定式
の位置ぎめ用ストツパを上梁２あるいは固定側ブ
ラケツト３に取付ける構成としてもよく、この場
合型枠保持金具１の構造は簡潔となり安価に製作
できる。また上記実施例においては、セパレータ
１７をメタルフオームの上下接続部に取付けるよ
うにしたが、この代りにメタルフオームの長手方
向接続部に取付けるようにしてもよい。

以上説明したようにこの考案によれば、型枠の
型組作業は型枠保持金具およびセパレータを用い
ることにより熟練を要することなくごく短時間で
おこなうことができ、側溝工事の工期短縮に貢献
するところ大である。またセパレータにより型枠
のＵ字溝に対する位置ぎめが正確におこなえるの
で、均一な寸法の補強側壁を容易に得ることがで
きるのである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は使
用状態を示す一部切欠正面図、第２図は同じく一
部切欠平面図である。 １……型枠保持金具、２……上梁、３……固定
側ブラケツト、４……移動側ブラケツト、５……
ボルト、６……長穴、７……ナツト、８……調整
ボルト、１５……ストツパボルト、１６……スト
ツパボルト、１７……セパレータ、１８……メタ
ルフオーム、１９……メタルフオーム、２０……
クリツプ、２３……Ｕ字溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上梁と、上記上梁に固着した固定側ブラケツト
   と、上記固定側ブラケツトに対して接近離間自在
   に上記上梁に取付けた移動側ブラケツトと、Ｕ字
   溝上縁部と係合する上下位置決め用のストツパと
   をそなえた型枠保持金具と、上記移動側ブラケツ
   トに背面側を押圧保持されるメタルフオームの接
   続部に着脱自在に取付けられるセパレータとから
   成る、Ｕ字溝施工用型枠保持装置。