JPS6211804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインクロールカセツトの新規な保護カ
バーに関する。さらに詳しくは、その内部に収容
されるインクロールカセツトを外部からの振動や
衝撃に対して保護すると共に、その取扱いを容易
ならしめたインクロールカセツトの保護カバーに
関する。

近年、タイプライター、レジスター、テレタイ
プなどにおいて、ラインプリンター用インクロー
ルが多く用いられている。かかるインクロールは
その本体にインクを含浸せしめたのち、附属品で
あるカセツトに装着されて種々のプリンターに組
込まれる。その際、インクロール本体は前記カセ
ツトを装着した形態を有するインクロールカセツ
トとして市販されている。

かかるインクロールカセツトは個々に紙、プラ
スチツクなどからなる箱や袋、あるいは罐などに
収容されて市販される。しかしながら、このよう
な包装形態にあつては、運搬や貯蔵などの多くの
過程においてインクロールカセツトに加えられる
振動や衝撃などの外力に対して充分な保護機能を
有しているとはいえない。

さらに箱や袋、あるいは罐などの包装資材を使
用するばあい、包装作業の省力化や流通コストの
節減のうえからも好ましくなく、さらにインクロ
ールカセツトの取出しが不便であるなどの欠点を
有している。

しかるに本考案者は叙上の欠点を排除すべく鋭
意検討を重ねた結果、インクロールカセツトの保
護機能にすぐれ、かつ包装作業の省力化や輸送コ
ストの低減化を達成し、さらにインクロールカセ
ツトの取出しをも容易ならしめたインクロールカ
セツトの保護カバーを提供するにいたつた。

すなわち本考案は、インクロールを軸支する、
該インクロールの径より大きい外形を有する左右
の軸受け壁とこれら両軸受け壁の間に亘る後壁と
からなり、該後壁に対抗する前部が開放された硬
質のケースに前記インクロールが装着されてなる
インクロールカセツトを収納する保護カバーであ
つて、厚さ0.2〜0.5mmの合成樹脂シートにて、前
記インクロールカセツトの左右の軸受け壁に対応
する両端が開放された、断面形状が〓形の偏平筒
状に形成され、この筒状物の自由状態における短
径が前記インクロールカセツトの該短径に対応す
る高さより短かくされてなり、前記筒状物の長径
方向における両側端部を内側方向に押圧すること
によつて前記開放されている両端部から前記イン
クロールカセツトの出し入れを可能とし、かつ収
納状態において前記インクロールカセツトの壁を
前記筒状物の復元力により挟持し、当該挟持状態
において、前記インクロールカセツトの開放部か
ら露出する前記インクロールとこれに対向する前
記筒状物の内面との間に間隔を有して前記インク
ロールカセツトの壁にてささえられるように構成
されてなるインクロールカセツトの保護カバーに
関する。

本考案の保護カバーにおいては、その筒状物の
断面形状が〓形に構成され、しかも該筒状物が前
述のごとき剛性に基づく弾性力を有していること
により、その筒状物内に収容されるインクロール
カセツトの壁を該筒状物の上面および下面によつ
て軽く押えつけ、容易に動けなくすると共に、当
該挟持状態において、前記インクロールカセツト
の開放部から露出する前記インクロールとこれに
対向する前記筒状物の内面との間に間隔を有して
前記インクロールカセツトの前記壁にてささえら
れるようにすることによつてインクロールのイン
クが保護カバーにつかないようにし、さらに前記
筒状物の両側部を押えつけ、該筒状物の上面およ
び下面をそれぞれ外方向に湾曲せしめてインクロ
ールカセツトの出し入れをスムーズに行ないうる
ようにしたものである。

つぎに図面を用いて本考案の保護カバーを説明
する。

第１図ａおよびｂはそれぞれ本考案の保護カバ
ーの一実施例を示す概略斜視図、第２図は第１図
ａで示される保護カバーにインクロールカセツト
を収容した状態を示す概略斜視図、第３図は第２
図のＡ−Ａ線概略断面図である。

本考案におけるインクロールカセツト４はイン
クロール本体５がカセツト６に装着されているも
のであり、該カセツト６はインクロール本体５を
軸支する左右の軸受け壁７，８とこれら両軸受け
壁の間に亘る後壁９とからなり、該後壁９に対応
する前部が開放された硬質のケースである。前記
軸受け壁７，８はインクロール本体５の径より大
きな外形を有している。

第１図ａおよびｂにおいて、１は本考案の保護
カバーであつて、該保護カバー１はその断面形状
が〓形であり、両端が開放された筒状物に構成さ
れると共に、該偏平な筒状物の自由状態における
該断面における短径が収納姿勢のインクロールカ
セツトの該短径に対応する高さより短くされてい
る。しかして本考案の保護カバー１は、インクロ
ールカセツト４の包装作業時において、その両側
部２および２ａをそれぞれ指などで内方向に軽く
押えつけ、その上面３および下面３ａをそれぞれ
外方向に灣曲せしめ、すなわち前記短径を収納姿
勢のインクロールカセツトの該短径に対応する高
さより大きくすることにより、開口した両端のい
ずれかからインクロールカセツト４が保護カバー
１内に容易に挿入される。またインクロールカセ
ツト４を保護カバー１より取出すときも、同様に
その両側部２および２ａを指で軽く押えつけるこ
とによつて容易に行ないうる。

保護カバー１内に挿入されたインクロールカセ
ツト４は第２図および第３図で示されるごとく保
護カバー１の上面３および下面３ａによつて確実
に挟持される。そして保護カバー１はインクロー
ルカセツト４の壁に当接するのみであるから、イ
ンクロールのインクが保護カバー１につく惧れが
ない。

かかる挟持は、保護カバー１内にインクロール
カセツト４が挿入されるとき、保護カバー１の上
面および下面３ａが押し開かれた状態となるが、
その際保護カバー１がその復元力を失なわない程
度の剛性を有しているために、その弾性力により
インクロールカセツト４が保護カバー１の上面３
および下面３ａによつて押えつけられ、容易に動
けなくなることによつて達成される。かかる保護
カバー１内に挾持されるインクロールカセツト４
は、保護カバー１を構成する前記筒状物の有する
剛性に基づく弾性力によつて振動や衝撃などの外
力から保護される。

本考案において用いられる前記合成樹脂シート
としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂シートを
用いるのが好ましい。これらのシート部材は透
明、不透明または半透明のいずれでもよく、また
適宜着色されていてもよい。かかる合成樹脂シー
トは厚さが0.2〜0.5mmの範囲であるのが前記筒状
物に前述のごとき剛性を付与せしめるうえで好ま
しく、厚さが前記範囲より大なるときは、その剛
性が大となり、そのため筒状物内に収容されるイ
ンクロールカセツト４の保護やその出し入れのう
えで適度な弾性を保持できなくなり、また前記範
囲より小なるときは、その剛性が小となり、その
ため弾性に基づくインクロールカセツト４の挾持
や外力に対する保護機能に劣るようになり、いず
れも好ましくない。

また本考案において用いられる前記合成樹脂シ
ートはその耐熱温度が60℃以上であるのが好まし
く、耐熱温度が60℃よりも小なるときは、たとえ
ば夏の炎天下での運搬や貯蔵などにおいて周囲の
温度上昇に伴なつて保護シート１の有する剛性が
弱められ、その保護機能が劣るようになる。

また本考案における保護カバー１の大きさは、
その内部に収容されるインクロールカセツト４の
大きさや用いるシート部材の剛性の度合などに応
じて適宜決定される。

前記合成樹脂シートを用いて断面形状が〓形の
筒状物である本考案の保護カバー１を形成させる
にあたつては、たとえば射出成形などで前述のご
とき断面形状を有する筒状物に一体に成形せしめ
るか（たとえば第１図ａの保護カバー１を参
照）、前述のごとき断面形状を有する筒状物の上
面３および下面３ａを形成する各熱可塑性樹脂シ
ートをその両側部２および２ａで重ね合わせ、つ
いで溶断溶着などの溶着手段で前記上面３および
下面３ａを接合せしめるか、または１枚の合成樹
脂シートをその巾方向に巻回し、両側部２および
２ａを折り曲げると共に、前記シートの両側端を
重ね合わせ、接着剤で接合せしめるか（たとえば
第１図ｂの保護シート１を参照）し、ついでえら
れた筒状物を適宜な長さに切断して形成される。

さらに本考案においては、たとえば前記合成樹
脂シートの円筒状物などを用い、その両側部２お
よび２ａを折り曲げて断面形状が〓形の筒状物
（すなわち本考案の保護カバー１）を形成させて
もよい。

かくしてえられる本考案の保護カバー１は、従
来の箱や袋、あるいは罐などを用いた包装と異な
り、インクロールカセツト４の出し入れがきわめ
て容易に行なわれ、かつ包装作業の省力化や輸送
コストの低減化をもはかることができるばかりで
なく、とくに運搬などにおける振動や衝撃などの
外力に対してその剛性に基づくすぐれた弾性力を
有しており、インクロールカセツト４の包装資材
として好適に使用せられるものである。また本考
案の保護カバー１を透明な合成樹脂シートで形成
せしめるときは、内部に収容されるインクロール
カセツト４を外部から直接みることができ、かつ
包装資材としてきわめて美麗であり、商品価値を
向上せしめるなどの効果をも併せ奏しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａおよびｂはそれぞれ本考案の保護カバ
ーの一実施例を示す概略斜視図、第２図は第１図
ａで示される保護カバーにインクロールカセツト
を収容した状態を示す概略斜視図、第３図は第２
図のＡ−Ａ線概略断面図である。 図面の主要付号、１：保護カバー、４：インク
ロールカセツト、５：インクロール本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インクロールを軸支する、該インクロールの径
   より大きい外形を有する左右の軸受け壁とこれら
   両軸受け壁の間に亘る後壁とからなり、該後壁に
   対抗する前部が開放された硬質のケースに前記イ
   ンクロールが装着されてなるインクロールカセツ
   トを収納する保護カバーであつて、厚さ0.2〜0.5
   mmの合成樹脂シートにて、前記インクロールカセ
   ツトの左右の軸受け壁に対応する両端が開放され
   た、断面形状が〓形の偏平筒状に形成され、この
   筒状物の自由状態における短径が前記インクロー
   ルカセツトの該短径に対応する高さより短かくさ
   れてなり、前記筒状物の長径方向における両側端
   部を内側方向に押圧することによつて前記開放さ
   れている両端部から前記インクロールカセツトの
   出し入れを可能とし、かつ収納状態において前記
   インクロールカセツトの壁を前記筒状物の復元力
   により挟持し、当該挟持状態において、前記イン
   クロールカセツトの開放部から露出する前記イン
   クロールとこれに対向する前記筒状物の内面との
   間に間隔を有して前記インクロールカセツトの壁
   にてささえられるように構成されてなるインクロ
   ールカセツトの保護カバー。