JPS6211286B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は計器装置、さらに詳細には車両、たと
えば自動二輪車などに装着された速度計、回転計
などの計器の位置を車速に応じて自動的に移動可
能とした計器装置に関するものである。

一般に、車両、たとえば自動二輪車などに装着
された速度計、回転計などの計器はフロントフオ
ーク最上部のアツパーブラツトから突設固定した
メータブラケツトに取り付けられている。

ところで、一般にこの種計器は操縦者が道路前
方および交通状態を見ている状態から計器表示を
注視するときに、操縦者の視線をずらして注視し
なければならないような位置に配置されているた
め、最近のような道路前方および交通状態の悪条
件下での走行において操縦者は道路前方および交
通状態から計器表示の数値的判読に注意を集中す
ると、道路前方および交通状態への注意力が散漫
になり、その反対に道路前方、および交通状態に
注意力を集中すると、計器表示の確認が疎かにな
り、例えば速度の出し過ぎによる事故を招くこと
になり、いずれにしても操縦者は計器表示、道路
前方および交通状態の各々に注意力を傾注しなが
ら走行しなければならないのが実情である。第１
図を用いて説明すると、高速走行中における操縦
者前方の視線Ａ位置は車速がたとえば80Km/hの
とき、約240ｍ前方に位置されるのが一般的とさ
れており、この前方視線Ａ位置から計器表示を注
視したとすると、上記視線位置Ａと計器表示を注
視する視線位置Ｂとの成す角度θが大きく、換言
すれば道路前方および交通状態への注意が疎かに
なり、一瞬盲運転に匹適する危険な状態での走行
が強いられるという問題点がある。また、高速走
行中でなくとも、時々刻々変化する交通状態が考
えれば、同様の問題点がある。

本発明は、上記問題および実情に鑑みて成され
たもので、速度計、回転計などの計器を、車速に
応じて移動させ、操縦者の前方視線と上記計器と
の直視線とがなるべく近くなるように位置させる
ことにより、車輌操縦者の道路前方および交通状
態から上記計器表示へ、またはその反対方向への
視線を移動角度を小さくし操縦者の道路前方およ
び交通状態への注視をそらすことなく、かつ計器
表示の判読を可能として操縦者の負担を軽減し、
車輌の運転操作に専念して安全走行を可能にした
計器装置を提供することを目的とするものであ
る。

以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例を
詳述する。

第２図ないし第５図において、１は車輌、たと
えば自動二輪車の車体の一部が成すフレームで、
該フレーム１にはほぼコ字形状の固定部材２が固
定されており、かつ該固定部材２の各対抗壁３に
は操縦者の視点Ｏを中心としてほぼ円弧状でかつ
一定の長さを有する長溝４が形成されている。５
は車輌の図示しない回転駆動源と図示しないフレ
キシブルワイヤーを中介して接続され、周知のよ
うに車輌の走行速度を表示する速度計などの計器
で、該計器５はほぼコ字形状の計器固定部材６に
固定されている。７は計器固定部材６の各対向壁
で、該対向壁７の各々には２本のガイドピン８が
操縦者の視点Ｏを中心として仮想円弧上に位置す
るように突出形成されている。またガイドピン８
は固定部材２の対向壁３の各々に形成した長溝４
に沿つて移動可能に係合されている。９は計器固
定部材６の底壁から一体に突出形成したラツクギ
ア、１０はラツクギヤ９との噛合するピニオンギ
ヤ、１１はピニオンギヤ１０をそのシヤフトに固
定したサーボモータで、該モータ１１の回転運動
をピニオンギヤ１０を中介してラツクギヤ９の直
線運動に変換し、計器固定部材６に固定した計器
５をガイドピン８を中介して長溝４内で移動可能
にする駆動装置として構成されている。１２は車
速センサで、該センサ１２は計器５の一可動部材
を成す磁石とその近傍に配置された、たとえば磁
気感応素子とから構成され、車速に応じたパルス
信号を出力するようになつている。１３は車速セ
ンサ１２と接続された周波数―電圧変換回路で該
回路１３は上記センサ１２のパルス信号を周知の
ように電圧に変換するようにしている。１４は周
波数―電圧変換回路１３と接続されたサーボモー
タ制御回路で、該回路１４は車速に応じて上記モ
ータ１１の回転駆動を制御するようにしている。

上記構成において、その動作を説明する。今、
車輌、たとえば自動二輪車がある速度で走行して
おり、かつ操縦者の前方視線Ａが図示の位置にあ
るとすると、計器５には周知のように走行中の車
速等が表示されるとともに、該計器５に配置した
車速センサ１２がセンサに応じたパルス信号を出
力し、このパルス信号を周波数―電圧変換回路１
３を通して車速に応じた電圧に変換してサーボモ
ータ制御回路１４に印加し、該制御回路１４の出
力によりサーボモータ１１が車速に応じてある角
度だけ回転駆動される。またサーボモータ１１が
駆動されると、そのシヤフトに固定したピニオン
ギヤ１０が回転駆動され、該ピニオンギヤ１０と
噛合するラツクギヤ９が直線移動され、該ラツク
ギヤ９の直線移動に判つて計器固定部材６の対向
壁７の各々に形成したガイドピン８が固定部材２
の各対向壁３に形成したほぼ円弧状の長溝４内を
移動するとともにこれによつて上記計器固定部材
６に固定した計器５が破線で示す位置に、即ち車
輌進行方向（前後方向）及び上下方向を組み合わ
せた方向に移動される。このとき、上記計器５が
操縦者の道路前方を注視する視線Ａとほぼ一致す
る前方視野内に位置される。このとき操縦者が計
器５表示を判読するために直視したとしても計器
５を直視する視線Ｂが道路前方を注視する視線Ａ
とほぼ一致することになり、従つて操縦者は走行
中道路前方を注視しつつ計器５表示面を判読する
ことが可能になり、従来の如く、道路前方および
交通状態から計器表示へ、またはその反対方向へ
と、頻繁にかつ個別に視線を大きな角度移動して
注視することなく、上記各状態を注視するための
視線Ａ，Ｂの移動角度θを小さくして上記各状態
を監視することができる。

従つて、計器表示、道路前方および交通状態の
各々を注視するための操縦者の負担を軽減して車
輌の運転操作に専念することを可能とし、上記各
状態の注視のために視線をそらすことによる危険
な状態での走行を回避して車両の安全走行を可能
にすることができる。

なお、本発明は上記実施例に示した構成にこだ
わるものではなく、車速センサは少なくとも車速
を検出し、駆動装置は上記車速センサからの出力
に応じて計器の少なくとも表示面を移動させるも
のであればよく、サーボモータ以外のアクチユエ
ータであつてもよい。また、上記実施例では、計
器全体が操縦者の視点を中心として前後方向と上
下方向を組み付わせた斜め方向に移動するものを
示したが、前後方向、上下方向いずれかのみの移
動をするものとしても、視線の動く角度を小さく
することができ、さらに表示面のみ移動可能な計
器であれば、少なくとも計器の表示面が移動すれ
ばよく、本発明を逸脱するものではない。

以上詳述したように本発明は、車速を検出する
センサと、該センサの出力に応じて車体に取り付
けられた計器の少なくとも表示面を前後方向及び
または上下方向に移動させる駆動装置を有し、車
速に応じて計器表示面を自動的に移動可能とした
から、操縦者が道路前方および交通状態に視線を
注視しながら計器表示を視認する際に生ずる視線
の移動を小さな角度に抑えることができ、交通状
態や計器の表示等の各状態の視認をより負担を軽
減して行うことを可能とし、もつて車輌の安全走
行に寄与し得る秀れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の動作説明図、第２図乃至第
５図は本発明の一実施例を示すもので、第２図は
正面図、第３図は平面図、第４図は側面図、第５
図は本発明に係る装置の動作説明図である。 ５：計器、９，１０，１１：駆動装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車速を検出するセンサと、該センサの出力に
   応じて車体に取り付けられた計器の少なくとも表
   示面を前後方向及びまたは上下方向に移動させる
   駆動装置を有し、車速に応じて計器表示面を自動
   的に移動可能としたことを特徴とする計器装置。