JPS6211233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば自動車等に摺動可能に設置され
る座席のスライドレールの保護カバーに関するも
のである。

この種の摺動可能な座席１は第１図に示すよう
に上部レール２を介して台部４上に敷設されてい
る下部レール３上に設置され、上部レール２が下
部レール３上を摺動することによつて前後に摺動
可能とされる。しかしながら座席１が第２図に示
すように前部まで摺動した時、下部レール３の後
部が露出し、後方の座席に坐つている者の足等が
急停止時や激しくゆれた時などにそれに衝突して
負傷する危険が大きい。そこで従来から上部レー
ル２の後端部に保護カバー５を垂下して該保護カ
バー５によつて下部レール３の露出部を被覆する
手段が提供されている（実開昭54−84722号）。し
かし該保護カバー５は垂下方向に自らの弾性によ
つて付勢され、座席１が前方に摺動するとともに
下部レール３が該保護カバー５をその弾性に打克
つて押上げるものであるから、保護カバー５と下
部レール３とが強く摩擦し合つて保護カバー５が
摩耗、損傷し易く耐久性に乏しいものであつた。
また座席１の摺動にも抵抗して座席１の円滑な摺
動を阻害するものであつた。しかし保護カバーを
変形容易な柔軟なものにすると保護カバーを介し
て下部レールに衝突することになりやはり負傷の
危険は大きい。

本考案は上記従来の欠点を改良することを目的
とし、スライドレール上に摺動自在に設置された
座席の後部に垂下され、該スライドレールを被覆
する保護カバーにおいて、知冊形の板材を軟質の
連結シートを介して短手方向に複数個並列すると
共に、該保護カバーの最上位側において前記連結
シートを該板材間の裏面に差渡し、最下端側にお
いては連結シートを該板材間の表面に差渡す事に
より、該保護カバーを最上位側においては外方
に、最下端側においては内方に屈曲容易とした事
を骨子とする。

本考案を第３図以下に示す一実施例によつて説
明すれば、保護カバー１５において、短冊形の板
材１６は基布１６Ａとパイル１６Ｂとからなる硬
調のカーペツトからなり、短手方向に複数個並列
され、各板材１６間の裏面には軟質のポリ塩化ビ
ニル，ポリエチレン，ポリプロピレン等からなる
プラスチツク連結シート１６Ｃが差渡されて熱溶
着あるいは接着剤等による接着あるいは縫着され
る。該保護カバー１５の上から第４位即ち最下端
の板材１６′は板材１６と同様に基布１６Ａとパ
イル１６Ｂとからなるが下縁に陥入部１６′Ｄが
設けられ二股状になつており、連結シート１６′
Ｃは板材１６と板材１６′との表面に差渡され
る。かくして各板材１６間の連結部は外方により
屈曲容易となり、板材１６と板材１６′の連結部
は内方により屈曲容易となる。

第５図において、台部１４上面には下部レール
１３が敷設され、下部レール１３には座席１０が
回転自在に取付けられている座枠１１の底面に取
付けられている上部レール１２が摺動自在に乗架
する。

上記摺動自在に設置された座席１０において、
上部レール１２の後端に上記保護カバー１５の上
縁を接着、ボルト止め等の手段によつて固定し保
護カバー１５を垂下し、下縁を床１７に固定す
る。座席１０が後端位置にあるときは上から第２
位の板材１６と第３位の板材１６との間の連結シ
ート１６Ｃは下部レール１３に押されて外方に屈
曲し、板材１６′と第３位の板材１６との連結シ
ート１６′Ｃが後席の邪魔にならないように内側
に屈曲して第５図の状態にある。この位置から第
５図矢印に示す前方方向に座席１０を摺動させ
る。このような座席１０の前方への摺動によつて
保護カバー１５は上部レール１２を介して引張ら
れ第６図の状態では最上位の板材１６は下部レー
ル１３上を被覆し、最上位の板材１６と第２位の
板材１６との間の連結シート１６Ｃ、第２位の板
材１６と第３位板材１６との間の連結シート１６
Ｃとは下部レール１３に押されて夫々外方に屈曲
し、第３位の板材１６と板材１６′との連結シー
ト１６′Ｃが後席の邪魔にならないように内方に
屈曲している。更に座席１０が前端位置まで摺動
した第７図の状態では保護カバー１５は略伸びき
り下部レール１３は最上位の板材１６および第２
位の板材１６とによつて被覆され、第２位の板材
１６と第３位の板材１６との間の連結シート１６
Ｃが下部レール１３に押されて外方に屈曲する。
かくして下部レール１３の露出部分は座席１０の
位置にかゝわらず保護カバー１０によつて被覆さ
れる。保護カバー１０の形状の変化（連結シート
１６Ｃ，１６′Ｃの屈曲）は上記したように保護
カバー１５が下部レール１３の下端によつて押さ
れることによるが、連結シート１６Ｃ，１６′Ｃ
は極めて柔軟で容易に外方に屈曲して何等抵抗を
示さない。

なお、座席１０を摺動自在に設置するには例え
ば第８図に示すように下部レール１３を断面Ｔ字
状とし、上部レール１２の両端の掴み部１２Ａ，
１２Ａによつて該下部レール１３の頭部１３Ａを
把持させることにより、座席１０を座枠１１に回
転自在に取付けるには第９図に示すように座枠１
１を上枠１１１と下枠１１２とに分割し、上枠１
１１は孔明きロート状として孔周縁部１１１Ａを
下枠１１２の周溝１１２Ａに嵌合することによ
る。

上記実施例以外、板材１６としては例えば合板
や厚紙を芯材としこれに不織布、繊維編織物等を
表装した構成、厚紙を芯材としてこれを軟質ポリ
ウレタン発泡体等で囲繞した構成、更にこれにプ
ラスチツクシート、不織布、繊維編織物等を表装
した構成等任意の構成がとられてよいが、硬調で
かつ若干クツシヨン性を有するものが望ましい。
更に連結部としては軟質プラスチツクシート以外
不織布、繊維編織物、針金によるヒンジ等が用い
られてよい。

本考案は上記したように、スライドレール上に
摺動自在に設置された座席の後部に垂下され、該
スライドレールを被覆する保護カバーにおいて、
知冊形の板材を軟質の連結シートを介して短手方
向に複数個並列すると共に、該保護カバーの最上
位側において前記連結シートを該板材間の裏面に
差渡し、最下端側においては連結シートを該板材
間の表面に差渡す事により、該保護カバーを最上
位側においては外方に、最下端側においては内方
に屈曲容易としたから後方の座席に坐つている者
の身体をスライドレールの露出部から保護せんが
ために板材を硬調なものとしても保護カバーの上
半部は連結部の位置からスライドレールに押され
て容易に抵抗なく外方に屈曲することが出来、一
方保護カバーの下半部は内方に屈曲して後席に坐
る人の邪魔にならないようになつている。かくし
て座席の円滑な摺動を阻害せずかつ耐久性に優れ
た保護カバーが提供されることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を示すものであ
り、第１図は座席が後端位置にある時の側面図、
第２図は座席が前端位置にある時の側面図、第３
図以降は本考案の一実施例を示すものであり、第
３図は平面図、第４図は側面図、第５図〜第６図
は座席取付け状態の側面図であり、第５図は後端
位置、第６図は中間位置、第７図は前端位置にあ
る状態を夫々示し、第８図はスライドレール部分
の断面図、第９図は座席回転機構部分の断面図で
ある。 図中、１０……座席、１２……上部レール、１
３……下部レール、１５……保護カバー、１６…
…板材、１６Ｃ……連結シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スライドレール上に摺動自在に設置された座席
   の後部に垂下され、該スライドレールを被覆する
   保護カバーにおいて、知冊形の板材を軟質の連結
   シートを介して短手方向に複数個並列すると共
   に、該保護カバーの最上位側において前記連結シ
   ートを該板材間の裏面に差渡し、最下端側におい
   ては連結シートを該板材間の表面に差渡す事によ
   り、該保護カバーを最上位側においては外方に、
   最下端側においては内方に屈曲容易とした事を特
   徴とする座席のスライドレールの保護カバー。