JPS6211047B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、転炉排ガス処理設備におけるスカー
ト部のシール装置に係り、シール部に堆積するダ
ストトラブルを解決したスカート部のシール装置
に関する。

精錬時に転炉から発生するCOガスは、排ガス
処理装置内に誘引され、冷却除塵された後、有価
ガスとして回収される。

一方においてこのCOガスは、外部に漏洩する
と非常に危険であり、又処理装置内に外気が侵入
すると爆発の危険があるので、排ガスの処理装置
内にとつて、シールは重要である。

又転炉操業は、高炉で生産される溶銑を、転炉
を傾動させて受け入れる受銑工程と、転炉と排ガ
ス処理装置（フード）との間を密閉状態にして脱
炭する精錬工程及び、精錬終了後、転炉内の溶銑
を取り出す出銑工程の三工程で行われる。

転炉排ガス処理設備におけるスカートは、精錬
時に転炉とフードとの間を密閉するために設けら
れたものであり、受銑工程及び出銑工程のいわゆ
る転炉を傾動させるときは、スカートを上方に移
動させて転炉の傾動を可能にすると共に、精錬時
は、スカートを下降し、転炉とフードとの間を密
閉にする。

このようにスカートは、上下動可能にすると同
時にシールも必要であり、この二つの機能が要求
される。

従来の転炉排ガス処理装置におけるスカート部
のシール装置は、第１図に示すような構造であつ
た。

図において、転炉１とフード２との間は、スカ
ート３によつて密閉されるようになつている。こ
のスカート３は、シリンダ８によつて上下動させ
られる。

このスカート３におけるシール部は、スカート
３の外周に断面Ｕ字形の水封部４を設け、この水
封部に水を満たし、床９に固定したシール筒６の
先端を水封部４の水中に浸漬し、スカート３の上
下動とシールの両機能をもたせるようにしてい
た。なお５は、水封部４の外周に設けた排水溝で
ある。

斯かる構成の従来のスカート部のシール装置に
おいて、精錬時に鉄粉等のダストを多量に含んだ
排ガスは、フード２とスカート３との間の隙間か
ら矢印のように又スカート３が転炉１に密接する
までに洩れたダストも矢印のようにシール部に侵
入し、このようにして排ガスと共に侵入してきた
ダストは、水封部４に落下したり、或は、シール
筒６の内外面に付着して、スカート３を上昇させ
たとき、シール水によつて洗い落され、水封部４
の底部に沈降して、ダスト堆積７となる。

このようにして堆積するダスト堆積７の層が高
くなつた場合、シール筒６の先端がダスト堆積７
に突込むことになり、スカート３の上昇が不能と
なる。その結果転炉の傾動が不可能となつて、受
銑及び出銑の工程ができなくなり、転炉操業を中
断しなければならないという欠点があつた。

又一旦堆積したダストの除去は困難な作業とな
り、このダスト除去に多大な労力を要することは
勿論のこと、転炉の操業度を低下させ、大きな損
失をもたらすという欠点があつた。

本発明は、上記従来のダストトラブルに鑑みな
されたものであり、水封部底部へのダスト堆積を
なくしたスカートのシール装置を提供せんとする
ものである。

即ち本発明は、水封部底部に堆積するダストを
積極的に撹拌してダストの堆積をなくし、ダスト
トラブルを解消するようにしたものであり、シー
ル筒の外周にチエーンを押下げるためのスプロケ
ツトと、チエーンを引上げるためのスプロケツト
を設け、この両スプロケツトに対応して案内用の
スプロケツトを設け、これらスプロケツトにチエ
ーンを巻掛けして水封部底部にチエーンを張設
し、スカートの上下動を利用して、水封部底部に
張設したチエーンを往復動させ、水封部底部に沈
降してくるダストを積極的に撹拌し、ダストの堆
積を防止したことを特徴とする。

以下本発明の一実施例について詳細に説明す
る。第２図において、１は転炉、２はフードであ
り、スカート３によつてこの間を密閉するように
なつている。４はスカート３の外周に設けた断面
Ｕ字形の水封部であり、シール筒６の先端がこの
水封部４に浸漬することによつて水封するように
なつている。なお５は排水溝、８はスカート３を
上下動させるためのシリンダー、９は床である。

１０は押下げ用スプロケツト、１１は引上げ用
スプロケツトであり、シール筒６の外側に取付け
られている。又１２，１３，１４は、案内用スプ
ロケツトであり、スカート３に取付けられてい
る。１５はチエーンであり、第２図乃至第４図に
示すように、押下げ用スプロケツト１０、引上げ
用スプロケツト１１及び案内用スプロケツト１
２，１３，１４に巻掛けられ、水封部４の底部に
張設されている。

又押下げ用スプロケツト１０と引上げ用スプロ
ケツト１１は、第３図及び第４図に示すように、
交互に配設されている。

次に上述の如く構成した本実施例の作用を説明
する。

第１図に示すように、精錬時に発生する転炉１
からの排ガスは、フード２とスカート３の隙間及
び転炉１とスカート３との隙間を通つて、矢印の
ようにシール部に侵入する。この排ガスに同伴し
てきたダストは、水封部４内、或はシール筒６の
内外面に付着する。

シール筒６の内外面に付着したダストは、スカ
ート３の上下動によつて洗い落され、水封部４の
底部に沈降する。

一方チエーン１５は、スカート３の上下動によ
つて、水封部４の底部において往復動し、底部に
沈降するダストは撹拌され、比重の小さいダスト
は浮遊し、水封部４からオーバフローする水流に
乗つて排水溝５に排出される。又比重の大きいダ
ストは、チエーン１５の往復動によつて撹拌され
浮遊状態となり、硬いダストの堆積とはならな
い。

第４図において、チエーン１５の往復動につい
て説明する。図は、スカート３を下降している状
態（矢印）を示し、スカート３を下降させること
によつて、シール筒６に固定された引上げ用スプ
ロケツト１１と押下げ用スプロケツト１０は、チ
エーン１５に対して矢印のように作用し、押下げ
用スプロケツト１０はチエーン１５を緩める方向
に、又引上げ用スプロケツト１１は、チエーン１
５を引張るようになり、この緩めと引張りとのバ
ランスにより、水封部４の底部において、チエー
ン１５は矢印のように移動する。

又逆にスカート３を上昇させると、チエーン１
５に対して押下げ用スプロケツト１０は引張りに
又引上げ用スプロケツト１１は緩めるように作用
し、この引張りと緩めのバランスにより、チエー
ン１５は水封部４の底部において移動する。

このようにスカート３の上下動により、水封部
３の底部に張設したチエーン１５は往復動し、ダ
ストが撹拌されて堆積することがない。

以上詳述した通り本発明のスカート部のシール
装置は、押下げ用スプロケツト、引上げ用スプロ
ケツト及び案内用スプロケツトを設け、これらス
プロケツトにチエーンを巻掛けして水封部の底部
にチエーンを張設し、スカートの上下動を利用し
てチエーンを往復動するようにしたので、水封部
底部に沈降するダストは、積極的に撹拌され、比
重の小さいダストはオーバフロー水によつて排水
溝に排出すると共に比重の大きいダストは、チエ
ーンによつて撹拌され、堆積することがない。そ
の結果、シール筒の先端は、ダストに当接するこ
となく浮遊状態にあるダスト層内に突込むことに
なり、スカートの上下動を確実に行うことがで
き、ダストトラブルによる転炉操業の中断がなく
なつて転炉操業度を大幅に向上することができる
という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスカート部のシール装置を示す
縦断面図、第２図乃至第４図は本発明のスカート
部のシール装置の一実施例であり、第２図はその
縦断面図、第３図は水封部とチエーンとの関係を
示す平面図、第４図はチエーンの巻掛けと作動状
態を示す図である。 １…転炉、２…フード、３…スカート、４…水
封部、５…排水溝、６…シール筒、１０…押下げ
用スプロケツト、１１…引上げ用スプロケツト、
１２，１３，１４…案内用スプロケツト、１５…
チエーン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 転炉排ガス処理設備のスカートの外周に水封
   部を設け、この水封部にシール筒の先端を浸漬し
   てシールするようにしたスカート部のシール装置
   において、上記シール筒の外周に設けたチエーン
   引上げ用スプロケツト及びチエーン押下げ用スプ
   ロケツトと、上記両スプロケツトに対応して設け
   たチエーン案内用スプロケツト及び案内用スプロ
   ケツトに巻掛けし、水封部底部に張設したチエー
   ンとから成り、スカートの上下動によつて、上記
   引上げ用スプロケツトと押下げ用スプロケツトの
   相互により、水封部の底部に張設したチエーンを
   往復移動させることを特徴とする転炉排ガス処理
   設備におけるスカート部のシール装置。