JPS6210068B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、レーザ記録装置を用いた文字等の記
録方法の改良に関するものである。

本明細書でレーザ記録装置とは、レーザを光源
とし、レーザ光を文字信号によつて変調し、この
変調されたレーザ光を記録材料上で主走査方向お
よび副走査方向に走査してドツトパターンで文
字・記号等を前記記録材料上に記録する装置をい
い、それを用いた装置としてはプレスフアクシミ
リ、地上探査用受画装置、コム装置（コンピユー
タアウトプツトマイクロフイルマ）、写真植字装
置、印刷板露光装置、ビデオデイスクマスタ盤記
録装置、データ記録装置等が知られている。

光源としてレーザを用いる理由はいろいろある
がレーザ光が高エネルギーでありかつ集束性が高
いので高速かつ高密度にいわゆる低感度記録材料
に記録することが可能になるからである。低感度
記録材料としては、金属、半金属、半導体のよう
な非金属の単層膜、多層膜あるいは合金蒸着膜を
記録層とするいわゆるヒートモード記録材料が知
られているが、このような低感度記録材料は現像
処理が不要であつたり、明室あるいは明るい安全
灯の下で記録作業を行ない得る利点がある。

ところが、このようなヒートモード記録材料上
にレーザ光を走査して記録を行なつたときには、
第１図に示すように記録された文字Ｅの各構成要
素（ドツト、図中では最小の正方形）がレーザ光
の主走査方向と直角な方向（副走査方向）に太つ
てしまい、記録された文字等はたてよこの線の太
さがアンバランスなものとなつてしまい、読みに
くいという欠点があつた。この文字の各構成要素
の副走査方向の太りは、主に、レーザビームが主
走査方向に連続して移動するときに、副走査方向
に隣り合つたレーザ光のエネルギが実質的に重量
されるので、副走査方向においてはエネルギが過
剰となつてしまうことであると考えられる。ま
た、この副走査方向の太りは、ヒートモード記録
材料の性質によつて異なるがほぼ10％から100％
の間であることが実験の結果解つた。

そこで本発明は、各構成要素の太さのアンバラ
ンスをなくして、たてよこの線を均一な太さでヒ
ートモード記録材料上に記録が行なえるレーザ記
録方法を提供することを目的とするものである。

本発明のレーザ記録方法は、文字信号のパルス
をドツトパターンの最小要素の主走査方向の長さ
の10％ないし100％分の長さだけ実質的に伸長
し、この伸長されたパルスによつて変調されたレ
ーザ光を走査して記録を行なうことを特徴とする
ものである。ここで、ドツトパターンの最小要素
とは、そのドツトパターンを構成する要素であつ
て、それ以上分割することのできない要素をいう
ものとする。通常、１走査線記録においては１ド
ツト分のサイズのものを、２走査線記録において
は４ドツト分のサイズのものも含む。

本発明のレーザ記録方法によれば、ヒートモー
ド記録材料上に記録される文字等を構成する各要
素の副走査方向の太りに対応して、前記各要素を
主走査方向にも太らせるので、記録された文字等
は太さのバランスのとれた文字等となり、従つて
読みやすくなるという利点がある。

以下添付図面を参照して本発明によるレーザ記
録方法を実施するための装置について説明する。

第２図は、本発明のレーザ記録方法を実施する
ための装置の第１の例を示すブロツク図である。

符号１はレーザ光源であつて、このレーザ光源
１からのレーザ光は、光変調器２によつて変調さ
れる。この光変調器２は信号処理回路３に接続さ
れており、この信号処理回路３は情報を記録した
磁気テープ装置４に接続されており、この磁気テ
ープ装置４からのデータ信号を処理し、この処理
した信号によつて光変調器２を制御し、レーザ光
をON、OFFさせるようになつている。ON、
OFF制御されたレーザ光は、水平偏向器５によ
つて主走査方向に、垂直偏向器６によつて副走査
方向に走査されて、ヒートモード記録材料Ｆ上に
情報の記録を行なう。前記水平偏向器５と信号処
理回路３は、クロツク発生器７に接続されてお
り、このクロツク発生器７からのクロツクパルス
によつて周期が取られている。

信号処理回路３を第３図を参照して更に詳細に
説明する。

磁気テープ装置４は、記録すべき文字データを
コード化した信号で記憶するメモリであり、タイ
ミングコントロール回路８のコントロール信号Ｓ
１によつて制御されるものである。信号処理回路
３は、この磁気テープ装置４に接続されたキヤラ
クタジエネレータ９を有している。このキヤラク
タジエネレータ９は、磁気テープ装置４から読み
出した文字コード信号Ｓ２と、タイミングコント
ロール回路８からのコントロール信号Ｓ３とを入
力してパラレルドツト信号Ｓ４を出力する文字信
号発生用読取専用メモリである。

パラレルドツト信号Ｓ４は、パラレルシリアル
変調回路１０に入力され、タイミングコントロー
ル回路８からのコントロール信号Ｓ５に従つてシ
リアルドツト信号Ｓ６に変換される。このシリア
ルドツト信号Ｓ６を光変調器２に入力してレーザ
光源１からのレーザ光を変調し、このレーザ光に
よつてヒートモード記録材料Ｆ上に情報（例えば
Ｅという文字）を記録すると、第１図に示すよう
に、文字を構成する各要素が副走査方向に太つて
しまい、相対的に主走査方向がやせて、文字の太
さがアンバランスになつてしまう。

そこで、本発明では、このシリアルドツト信号
Ｓ６の各パルスの長さを実質的に伸長し、この伸
長した信号を光変調器に入力してレーザ光のON
状態を所定時間より長く保ち、これによつて記録
される文字の各要素の主走査方向の太さを太くす
るようにしている。このようにシリアルドツト信
号の各パルスの長さ伸長するには、例えばこのシ
リアルドツト信号を遅延回路１１に入力して遅延
させた信号Ｓ７と、そのままのシリアルドツト信
号Ｓ６とをOR回路１２に入力してその論理和を
とればよい。この論理和信号Ｓ８を新たなシリア
ルドツト信号として光変調器２に入力する。

第４図は、シリアルドツト信号Ｓ６、遅延信号
Ｓ７および論理和信号Ｓ８のタイムチヤートであ
る。Ｔは、シリアルドツト信号Ｓ６の１ドツト分
の時間を示している。この１ドツトとは、１走査
線記録においてドツトパターンで文字を形成する
際の最小要素（正方形と考えることができる）で
ある。この最小要素は、通常２走査線記録の場合
には４ドツトで構成される。シリアルドツト信号
Ｓ６には、遅延回路１１によつて遅延時間dTだ
け遅延される。この遅延時間dTは、記録装置の
輝度レベル、光変調器の応答特性、記録材料の記
録特性等に関係するものであるが、実験の結果記
録された文字の各構成要素の太りが副走査方向に
最小要素の約10〜100％であることが解つたの
で、この遅延時間も10％〜100％程度にとられ
る。第４図においては、遅延時間50％のものを示
した。

この遅延信号Ｓ７と、シリアルドツト信号Ｓ６
との論理和により、論理和信号Ｓ８すなわち伸長
された新たなシリアルドツト信号Ｓ６が得られ
る。この新たなシリアルドツト信号Ｓ６を用いて
文字「Ｅ」をヒートモード記録材料上に記録した
状態を第５図に示す。この第５図から明瞭なよう
に、記録された文字は、この文字を構成する各要
素の太さがほぼ均一となり、大変に見やすいもの
となつている。

第６図は、シリアルドツト信号Ｓ６を実質的に
伸長する回路の第３図に示したものとは別の回路
を示す図である。

パラレルシリアル回路１０からのシリアルドツ
ト信号Ｓ６は微分回路１３に入力される。この微
分回路１３はよく知られているようにパルスの立
ち上がりで正パルスを発し、立ち下がりで負パル
スを発する。この微分回路には、負パルスを検出
してシリアルドツト信号Ｓ６の立ち下がりを検出
する立ち下がり検出器１４が接続されている。こ
の立ち下がり検出器１４は、パルスの立ち下がり
を検出して検出信号を発生し、この検出信号はパ
ルス発生器１５に入力される。このパルス発生器
１５は検出信号を受けたときパルスＰを１つ発生
するものである。このパルス発生器１５によつて
発生されたパルスＰは、OR回路においてもとの
シリアルドツト信号Ｓ６に加えられる。このよう
にして形成された論理和信号Ｓ９（第７図）は、
光変調器２に入力される。第７図に示した例は、
シリアルドツト信号のパルスを最小要素の主走査
方向の長さの100％分長くすることとなる。２走
査線記録の場合には、主走査方向の長さは２ドツ
ト分であるからこの長さが１ドツト分のパルス幅
だけ長くなると、50％長くなつたこととなる。な
お、パルス発生器１５が発生するパルスＰの幅を
適当に調節することによつて、約10％〜100％ま
で連続的に信号のパルスを伸長することができ
る。

以上説明したように、本発明においては文字信
号のパルスを伸長することによつて、記録される
文字等の各構成要素の太さを均一化することがで
きる。また、本発明のレーザ記録方法を実施する
には単に従来のレーザ記録装置の信号処理回路に
遅延回路、論理回路等を加えればよく、レーザの
光パワーをアツプする等の操作が不必要であるの
で簡単に実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のレーザ記録方法によつてヒー
トモード記録材料上に記録したサンプルを示す
図、第２図は、本発明によるレーザ記録方法を実
施するレーザ記録装置のブロツク図、第３図は、
第２図に示したレーザ記録装置の信号処理回路の
第１例を示すブロツク図、第４図は、第３図に示
した信号処理回路によつて処理される文字信号の
タイムチヤート、第５図は、第３図の信号処理回
路で処理された文字信号によつて変調されたレー
ザ光によつて記録された文字のサンプルを示す
図、第６図は、第３図の信号処理回路の信号のパ
ルスを伸長する回路の変形例を示すブロツク図、
第７図は、第６図の信号処理回路によつて処理さ
れる文字信号のタイムチヤートである。 １……レーザ光源、２……光変調器、３……信
号処理回路、４……磁気テープ装置、５……水平
偏向器、６……垂直偏向器、７……クロツク発生
器、Ｆ……ヒートモード記録材料、８……タイミ
ングコントロール回路、９……キヤラクタジエネ
レータ、１０……パラレルシリアル変換回路、１
１……遅延回路、１２……OR回路、１３……微
分回路、１４……立ち下がり検出回路、１５……
パルス発生器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 文字信号によつて変調されたレーザ光をヒー
   トモード記録材料上で主走査方向および副走査方
   向に走査してドツトパターンで文字・記号等を前
   記記録材料上に記録するレーザ記録方法におい
   て、前記文字信号のパルスを副走査の太りに対応
   して前記ドツトパターンの最小要素の主走査方向
   の長さの10％ないし100％分の長さだけ実質的に
   伸長し、この伸長されたパルスによつて変調され
   たレーザ光を走査して記録を行なうことを特徴と
   するレーザ記録方法。 ２ 前記文字信号のパルスを遅延させ、この遅延
   したパルスともとのパルスとを重ね合わせ、これ
   によつてパルスを伸長することを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載のレーザ記録方法。 ３ 前記文字信号のパルスの立ち下がりを検知
   し、この検知に従つてパルスを発生し、この発生
   したパルスを前記文字信号のパルスに加えて、実
   質的に前記文字信号のパルスを伸長することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のレーザ記録
   方法。