JPS6210005B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6210005B2
JPS6210005B2 JP19391184A JP19391184A JPS6210005B2 JP S6210005 B2 JPS6210005 B2 JP S6210005B2 JP 19391184 A JP19391184 A JP 19391184A JP 19391184 A JP19391184 A JP 19391184A JP S6210005 B2 JPS6210005 B2 JP S6210005B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetization
demagnetized
magnetizing
current
current value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP19391184A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6173310A (ja
Inventor
Kunio Araki
Isamu Masumori
Masaru Haneda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Aircraft Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Japan Aircraft Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Aircraft Manufacturing Co Ltd filed Critical Japan Aircraft Manufacturing Co Ltd
Priority to JP19391184A priority Critical patent/JPS6173310A/ja
Publication of JPS6173310A publication Critical patent/JPS6173310A/ja
Publication of JPS6210005B2 publication Critical patent/JPS6210005B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F13/00Apparatus or processes for magnetising or demagnetising
    • H01F13/006Methods and devices for demagnetising of magnetic bodies, e.g. workpieces, sheet material

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、鋼材の残留磁気を消去する脱磁方
法に関するものである。
〔発明の技術的背景〕
表面傷等の欠陥が問題とされる鋼材の探傷は、
一般に磁気探傷によつて行なわれているが、この
磁気探傷によつて探傷されや鋼材には磁気が残つ
ていることが多く、鋼材に残留磁気があると、鋼
材に鉄粉等が付着して鋼材の加工等に悪影響を及
ぼすために、磁気探傷によつて探傷された鋼材
は、通常その残留磁気を消去する脱磁を行なつて
から使用されている。
この鋼材の脱磁方法としては、交流減衰法と直
流反転法とがあるが、交流減衰法は、比較的短時
間で脱磁が行なえる反面、被脱磁材の肉厚が大き
いと、交流電流の表皮効果により被脱磁材の内部
に磁気が残つてしまうという問題があるので、内
部の残留磁気が問題となる場合には直流反転法が
採用されている。
〔背景技術の問題点〕
しかしながら、直流反転法は、被脱磁材をその
磁気探傷時の磁化電流値より若干大きい電流値の
電流で磁化し、次いでこの最初の磁化電流値より
わずかに小さくかつ極性を反転させた電流により
被脱磁材を逆極性に磁化し、以下同様に磁化電流
の極性を交互に反転させるとともに電流値を段階
的に減少させて被脱磁材の磁化の度合いを徐々に
小さくして行くことで被脱磁材の残留磁気を減少
させる方法であり、一般には磁化電流の転極回数
は数十回程度必要であるとされているために、1
つの被脱磁材の脱磁にかなりの時間(30秒程度)
を要するという問題をもつていた。
〔発明の目的〕
この発明は上記のような実情にかんがみてなさ
れたものであつて、その目的とするところは、被
脱磁材を直流電流により磁化して被脱磁材の脱磁
を行なう方法でありながら、被脱磁材に対して数
回の磁化を行なうだけでその磁気を消去できるよ
うにした、被脱磁材の脱磁を短時間で能率よく行
なうことができる脱磁方法を提供することにあ
る。
〔発明の概要〕
すなわち、この発明は、被脱磁材を一旦飽和磁
化させた後、あらかじめ被脱磁材のサンプルを磁
化試験して求めておいた電流値の磁化電流により
被脱磁材を逆極性にかつその残留磁気が最も直線
的な分布となるように磁化する磁化を1〜数回行
ない、この後、あらかじめ残留磁気分布を直線的
な分布とした被脱磁材のサンプルを磁化試験して
求めておいた電流値の磁化電流により被脱磁材を
その残留磁気が最も0に近くなるように逆極性に
磁化して被脱磁材の脱磁を行なうことにより、上
記飽和磁化と、その後の磁気分布を直線的な分布
とする1〜数回の磁化と、さらにその後の1回の
磁化だけで被脱磁材の磁気を消去させるようにし
たものである。
〔発明の実施例〕
以下この発明の一実施例を、磁気分布を直線的
な分布とする磁化を1回とした例について図面を
参照し説明する。
この脱磁方法は、周知の磁化装置を用い、被脱
磁材を直流電流によりその磁束密度Bの変化が第
1図に示すような変化となるように磁化して被脱
磁材の脱磁を行なうもので、まず、あらかじめ求
めておいた飽和磁化電流を磁化装置に通電するこ
とにより被脱磁材にこれを飽和磁化させる磁界を
作用させて被脱磁材を一旦飽和磁化させ、その後
に、飽和磁化電流と極性を反転させた所定値の二
次磁化電流を前記磁化装置に通電して被脱磁材の
残留磁気分布を直線的な分布とし、さらにその後
に、前記二次磁化電流と極性を反転させた所定値
の三次磁化電流を前記磁化装置に通電して被脱磁
材をその残留磁束密度Bが最も0に近くなるよう
な強さの磁界で逆極性に磁化することにより被脱
磁材の脱磁を行なうものである。なお、この実施
例では飽和磁化電流として正の直流電流を用いて
被脱磁材を正極性に飽和磁化させ、二次磁化電流
として負の直流電流を用い、三次磁化電流として
正の直流電流を用いて被脱磁材を負極性に磁化さ
せている。
前記被脱磁材を飽和磁化させるための飽和磁化
電流と、被脱磁材の飽和磁化後にこの被脱磁材を
逆極性にかつその残留磁気分布を直線的な分布と
するように磁化する二次電流と、被脱磁材をさら
に逆極性に磁化するための三次磁化電流とについ
て説明すると、第2図は前記磁化装置に通電する
磁化電流の波形を示したもので、I1は被脱脱磁
材を飽和磁化させるための飽和磁化電流値、I2
は被脱磁材の飽和磁化後にこの被脱磁材をその残
留磁気分布を直線的な分布とするように磁化する
ための二次電流値、I3は残留磁気分布を直線的
な分布とした被脱磁材をさらに逆極性に磁化する
ための三次磁化電流値を示し、またt1,t2,
t3は各磁化電流の通電時間、taは休止時間を示
している。
この飽和磁化電流値I1と二次磁化電流値I2
および三次磁化電流値I3は、被脱磁材のサンプ
ルを磁化試験して決定されるもので、このサンプ
ルの磁化試験は、被脱磁材の脱磁を行なう磁化装
置により次のようにして行なわれる。
まず、磁化装置に正の極性の磁化電流を通電
し、この磁化電流値を徐々に増加させてやる。こ
の磁化電流値を増加させて行くと、サンプルに作
用する磁界の強さHが大きくなつて行き、これに
ともなつてサンプルの残留磁束密度Bが第1図に
示すようにa点(サンプルに最初からあつた残留
磁束密度Bo)からb点に向かつて徐々に増加し
て行くが、磁界の強さHがある値Hmを越える
と、磁束密度Bが飽和して、磁界の強さHをそれ
以上大きくしても磁束密度Bは変わらなくなる。
このときの磁気電流値を測定してこの電流値を飽
和磁化電流値I1とする。この飽和磁化電流値I
1は被脱磁材の材質および寸法等によつて異なる
が、例えば長さ80mm、直径3mmのステンレス鋼製
シヤフト(モータ用のドライブシヤフト)の場合
は140Aである。
この後、飽和磁化電流を遮断すると、サンプル
に作用する磁界Hの消去によりサンプルの磁束密
度Bは、b点での飽和磁束密度Bmから減少して
行くが、磁界の強さHが0となつてもサンプルに
はある程度の磁束が残つている。この残つた磁束
の密度つまりC点の磁束密度Bcを飽和磁化後の
残留磁束密度という。この飽和磁化後の残留磁束
密度Bcは被脱磁材の材質および寸法によつて決
まつており、従つてサンプルの最初の残留磁束密
度Boがどのような値であつても、前記飽和磁化
を行なえばサンプルの残留磁束密度は一定の値
Bcとなる。これは、サンプルの最初の残留磁束
密度が負の極性である場合も同様であり、この場
合も、残留磁束密度−Boがどのような値であつ
ても、サンプルを飽和磁化させれば、その磁束密
度Bが第1図に破線で示すように−a点から飽和
点bまで増加し、この後磁界Hの消去によりC点
まで減少して残留磁束密度が一定の値Bcとな
る。
次に、この飽和磁化後のサンプルを飽和磁化電
流と極性を反転させた二次磁化電流によりその残
留磁気と逆極性に磁化させてその後の残留磁束密
度を測定する試験を、前記二次磁化電流の値を
種々の値に選んで実施する。なお、この二次磁化
試験は、飽和磁化させたサンプルを複数個用意し
ておいて各サンプルについて二次磁化電流の値を
変えて行なつてもよいし、1つのサンプルについ
て飽和磁化と二次磁化試験を繰返すことによつて
行なつてもよい。
このように、飽和磁化後のサンプルを飽和磁化
電流と極性を反転させた二次磁化電流によりその
残留磁気と逆極性に磁化させると、サンプルの残
留磁束密度の絶対値は、第1図に示すようにC点
から徐々に減少して逆に負極性側に増加して行
き、この後二次磁化電流を遮断して磁界を消去す
ると、サンプルの残留磁束密度の絶対値が減少し
て正極性側に近づいて行く。このときの磁界が0
となつた点におけるサンプルの残留磁束密度B
は、二次磁化時の磁界の強さつまり二次磁化電流
の値によつて種々の値となるから、そのうちから
サンプルの残留磁気分布が最も直線的になる二次
磁化電流の値を選んで、これを被脱磁材の飽和磁
化後に磁化装置に通電する二次磁化電流値I2と
する。
第3図は、前記ステンレス鋼製シヤフトのサン
プルを飽和磁化(飽和磁化電流値I1は140A)
させた後に、このサンプルについて上記二次磁化
試験を磁化電流値を種々の値に選んで行なつてこ
のサンプルの磁磁気分布を測定した結果を示した
もので、二次磁化電流値I2を−50A〜−60Aに
したときのサンプル1aの残留磁気分布が最も直
線的な分布となつているから、前記タービンブレ
ードの脱磁に際しては、二次磁化電流値を−50A
〜−60Aの範囲例えば−55Aとすればよい。この
値の二次磁化電流により被脱磁材を磁化すると、
被脱磁材は第1図に示すd点まで負極性に磁化さ
れ、二次磁化電流を遮断した後の被脱磁材の残留
磁束密度はe点の負極性の残留磁束密度となる。
なお、第3図を見ると、二次磁化電流値I2を
−30Aにしたときのサンプル1aの残留磁気が最
も0に近く、従つて、二次磁化電流値I2を−
30Aとしてやればその後の被脱磁材の残留磁束密
度を第1図に鎖線で示すように一度に0に近くす
ることができるが、被脱磁材が前記ステンレス鋼
製シヤフトのような磁気が抜けにくいものの場合
は、被脱磁材の中央付近の残留磁気はほとんど0
となるものの被脱磁材の両端付近の残留磁気は±
約10G(ガウス)と許容値(通常は磁気量が±3
〜5G以下であればよいとされている)を大きく
越えるから、二次磁化電流値I2を−30Aとして
二次磁化だけで被脱磁材の脱磁を行なおうとして
も十分な脱磁を行なうことはできないことにな
る。
次に、残留磁気分布が最も直線的になるように
磁化した二次磁化後のサンプルを二次磁化電流と
極性を反転させた三次磁化電流によりその残留磁
気と逆極性に磁化させてその後の残留磁束密度を
測定する試験を、前記三次磁化電流の値を種々の
値に選んで実施する。この三次磁化試験も、サン
プルを複数個用意しておいて各サンプルについて
三次磁化電流の値を変えて行なつてもよいし、1
つのサンプルについて飽和磁化および二次磁化試
験と三次磁化試験を繰返すことによつて行なつて
もよい。
このように、二次磁化後のサンプルを二次磁化
電流と極性を反転させた三次磁化電流によりその
残留磁気と逆極性に磁化させると、サンプルの残
留磁束密度の絶対値は、第1図に示すようにe点
から徐々に減少して逆に正極性側に増加して行
き、この後三次磁化電流を遮断して磁界を消去す
ると残留磁束密度が減少して行く。このときの磁
界が0となつた点におけるサンプルの残留磁束密
度Bは、三次磁化時の磁界の強さつまり三次磁化
電流の値によつて種々の値となるから、そのうち
からサンプルの残留磁気分布が最も0に近くなる
三次磁化電流の値を選んで、これを被脱磁材の二
次磁化後に磁化装置に通電する三次磁化電流値I
3とする。
第4図aは、前記ステンレス鋼製シヤフトのサ
ンプルを二次磁化(二次磁化電流値I2は−
55A)させた後に、このサンプルについて上記三
次磁化試験を磁化電流値の種々の値を選んで行な
つてこのサンプルの磁磁気分布を測定した結果を
示したもので、三次磁化電流値I3を+26.5Aに
したときのサンプル1aの残留磁気分布はサンプ
ルの全長にわたつてほぼ均一分布となり、また最
大残留磁気も約±2Gであつて許容値(3〜5G)
内にあるから、前記ステンレス鋼製シヤフトの脱
磁に際しては、三次磁化電流値を+26.5Aとすれ
ばよい。この値の三次磁化電流により被脱磁材を
磁化すると、被脱磁材は第1図に示すe点からf
点まで正極性に磁化され、三次磁化電流を遮断し
た後の被脱磁材の残留磁束密度はほぼ0となる。
ここで前記二次磁化において二次磁化電流値I
2を被脱磁材の残留磁気分布が最も直線的になる
値に選んだ理由を説明すると、これは、二次磁化
後の残留磁気分布が直線的な分布となつていない
と、三次磁化後の被脱磁材の残留磁気分布が直線
に近い分布とならずにその最大残留磁気が許容値
を越えてしまうからである。
すなわち、第4図bおよび第4図cは二次磁化
後の残留磁気分布が直線的な分布となつていない
サンプルのうち、二次磁化電流値I2を−80Aに
選んで二次磁化したものと、二次磁化電流値I2
を−40Aに選んで二次磁化したものについて、三
次磁化試験を磁化電流値を種々の値に選んで行な
つてこのサンプルの磁磁気分布を測定した結果を
示したもので、この場合も残留磁気は二次磁化後
に残留磁気より小さくなるが、残留磁気の分布は
第4図aに比べて変動巾の大きい分布となり、そ
の最大残留磁気も許容値を越えている。
なお、第4図a,b,cの残留磁気値の目盛り
は第3図に対して小さな値にとつている。
すなわち、この実施例の脱磁方法は、被脱磁材
の脱磁に先だつて、まず被脱磁材のサンプルにつ
いて上記のような試験を行なうことにより、被脱
磁材の飽和磁化電流値I1と二次磁化電流値I2
と三次磁化電流値I3とを求めておき、被脱磁材
の脱磁を、前記飽和磁化電流値I1により被脱磁
材を一旦飽和磁化させてその残留磁束密度を一定
にした後に、前記二次磁化電流値I2により逆極
性に磁化してその残留磁気分布を直線的にし、こ
の後に前記三次磁化電流値I3により被脱磁材を
再び逆極性に磁化してやることで行なうもので、
このように被脱磁材を一旦飽和磁化させて被脱磁
材の残留磁束密度を一定にした後に、前記二次磁
化電流値I2により逆極性に磁化してその残留磁
気分布を直線的にしてから前記三次磁化電流値I
3により被脱磁材を再び逆極性に磁化してやれ
ば、被脱磁材の残留磁束密度が第1図に示すよう
に最終的にほとんど0となるとともにその残留磁
気分布も被脱磁材の全長にわたつてほぼ均一な直
線的分布となるから、この実施例の脱磁方法によ
れば、前記飽和磁化と二次磁化と三次磁化との3
回の磁化を行なうだけで被脱磁材の脱磁を完了す
ることができる。
なお、上記実施例ではステンレス鋼製のシヤフ
トの脱磁について説明したが、この脱磁方法はそ
の他の被脱磁材の脱磁にも利用することができ
る。
また、磁気が抜けやすい被脱磁材の場合は、そ
の飽和磁化後に1回の逆極性磁化を行なうだけで
その残留磁気を許容値内にする脱磁を行なうこと
ができるが、このような磁気が抜けやすい被脱磁
材の脱磁も上記脱磁方法で行なえば、さらにその
残留磁気を少なくすることができる。すなわち、
例えば長さ43mm、巾20mm、板厚1.0mmのチタン鋼
製タービンブレードは、磁気が抜けやすいため
に、これを例えば正の飽和磁化電流(飽和磁化電
流値は100A)で飽和磁化させてから二次磁化電
流値を−8.5Aに選んで磁化すると、この二次磁
化後の残留磁気は約±3.1G程度になるが、この
チタン鋼製タービンブレードの脱磁を上記脱磁方
法により二次磁化電流値I2を−48.8A、三次磁
化電流値I3を+7.8A(飽和磁化電流値は+
100A)に選んで脱磁すれば、その残留磁気を約
±1.0Gとさらに少なくすることができる。
さらに、上記実施例では、飽和磁化と二次磁化
と三次磁化との3回の磁化で被脱磁材の脱磁を行
なつているが、磁気が非常に抜けにくい被脱磁材
を脱磁する場合は、三次磁化も残留磁気分布が直
線に近くなる磁気電流値を選んで行なつてその後
の四次磁化で最終脱磁を行なう等、被脱磁材の残
留磁気分布が直線に近くなるような数回の磁化を
行なつてから最後に残留磁気を消去する最終脱磁
を行なえばよく、このように被脱磁材の残留磁気
分布が直線に近くなるような数回の磁化を行なえ
ば、磁気が非常に抜けにくい被脱磁材もほぼ完全
に脱磁することができる。
次に、上記脱磁を行なうための装置について説
明すると、第5図は脱磁装置の回路構成を示した
もので、この脱磁装置は、磁化電源部と、制御部
と、磁化装置2(図では極間法による磁化装置を
示しているが、この磁化装置2は、コイル法によ
るものでも、直接通電法によるものでもよい)と
からなつている。
前記磁化電源部は、磁化装置2に磁化電流を供
給するもので、この磁化電源部は、3相200V電
源に電源電圧を低電圧(例えば10〜20V)に変圧
する主変圧器(3相複巻形の特殊変圧器)3を接
続して大電流回路を構成するとともに、前記主変
圧器3の出力側に正極用3相サイリスタ4aと負
極用3相サイリスタ4bとを並列に接続したもの
で、この各サイリスタ4a,4bは、ゲートユニ
ツト5からの信号によりON−OFFされるように
なつており、また、このサイリスタ4a,4bか
らなる整流回路の出力は分流器6を介して磁化装
置2に供給されるようになつている。なお、7は
前記分流器6に接続された電流計である。
一方、前記制御部は、マイクロコンピユータ
(以下マイコンと略称する)8を利用して磁化装
置2に供給する磁化電流の極性および電流値と通
電時間等を制御するもので、マイコン8には磁化
装置2への通電回数(飽和磁化から最終磁化まで
の磁化回数)と、各通電時の電流値(サンプルの
磁化試験により求めた各磁化電流値)と、各磁化
電流の通電時間およびその間の休止時間等の脱磁
モードが設定されている。
このマイコン8には、前記分流器6から取出さ
れた磁化電流がプリアンプ9およびA/Dコンバ
ータ10を介して磁化電流値信号として入力され
るようになつており、マイコン8は、入力された
磁化電流値信号と、プログラミングにより設定さ
れた磁化電流値とを比較し、その出力をD/Aコ
ンバータ11および出力アンプ12を介してゲー
トユニツト5に与えて磁化装置2に供給する磁化
電流値を制御する。
13はシーケンス制御を行なうためのプログラ
マブルコントローラ(シーケンサ)であり、この
プログラマブルコントローラ13は、マイコン8
からデイジタルI/O(アウトプツト/インプツ
ト)14およびアイソレータ15を介して入力さ
れる転極指令によりゲートユニツト5に転極信号
を与えるようになつており、さらにゲートユニツ
ト5には、マイコン8からデイジタルI/O14
およびアイソレータ15を介して通電の開始およ
び遮断を制御するゲートON−OFF信号が与えら
れるようになつている。
この脱磁装置による被脱磁材の脱磁を前記マイ
コン8の動作を示した第6図のフローチヤートを
参照して説明すると、マイコン8は脱磁開始指令
により最初に磁化装置2に通電する磁化電流の極
性(例えば正極性)を選択し、その極性の初期通
電電流値を電圧値に変換して出力する。この信号
はD/Aコンバータ11および出力アンプ12を
介してゲートユニツト5に送られる。
次いでマイコン8はゲートON信号を出力する
このゲートON信号は、デイジタルI/O14お
よびアイソレータ15を介してゲートユニツト5
に与えられ、ゲートユニツト5は、正極用3相サ
イリスタ4aのゲートにマイコン8から入力され
る電圧(初期通電電流に対応する電圧)を印加し
てこの正極用3相サイリスタ4aをONさせる。
これにより、磁化装置2に正極用3相サイリスタ
4aで整流された正極磁化電流が通電され、被脱
磁材1の磁化が開始される。
この後、マイコン8は、正極用3相サイリスタ
4aのゲートに入力する電圧をあらかじめ設定さ
れた漸増カーブにもとづいて小刻みに増加させる
ゲート位相漸増を行ない、1段階のゲート位相漸
増を行なうごとに、分流器6からプリアンプ9お
よびA/Dコンバータ10を介して入力される磁
化電流値を読み込んであらかじめ設定された飽和
磁化電流値I1と比較し、磁化電流値が設定飽和
磁化電流値I1になるまでゲート位相漸増を繰返
す。
そして、磁化電流値が設定飽和磁化電流値I1
になると、マイコン8はゲート位相をその値にホ
ールドして通電タイムカウントを開始し、タイマ
タイムアツプ後直ちにゲートOFF信号をゲート
ユニツト5に与えて正極用3相サイリスタ4aを
OFFさせる。従つて、磁化装置2により磁化さ
れる被脱磁材1は、その磁化電流値が飽和磁化電
流値I1となつてから、あらかじめ設定された時
間t1つまり被脱磁材1を完全に飽和磁化させる
のに必要な時間だけ磁化される。なお、この被脱
磁材1の磁化に要する時間は被脱磁材1の材質お
よび寸法等によつて異なるが、前述したステンレ
ス鋼製シヤフト等の場合は0.5秒程度で十分であ
る。
また、マイコン8は前記ゲートOFF信号の出
力後直ちに休止タイムカウントを開始し、タイマ
タイムアツプ後(休止時間Taは0.01秒程度に設
定しておけば十分である)後、所定の通電回数の
通電を完了したかを判断して、所定回数の通電を
完了していない場合には、次に磁化装置2に通電
する磁化電流の極性を最初に磁化装置2に通電し
た磁化電流と逆極性(負極性)に選択(極性反
転)し、以下前記と同様にして磁化装置2への通
電を制御する。なお、この二次磁化電流の通電
は、負極用3相サイリスタ4bのゲートにマイコ
ン8から入力される電圧(初期通電電流に対応す
る電圧)を印加してこの負極用3相サイリスタ4
bをONさせることによつて行なわれ、また磁化
電流値はあらかじめ設定された二次磁化電流値I
2となるように制御される(通電時間t2は飽和
磁化時の通電時間t1と同じでよい)。
以下、最終磁化までの制御は、上記動作の繰返
しによつて行なわれる。
すなわち、この脱磁装置は、上記のようにマイ
コン8を利用して、あらかじめ設定したプログラ
ムにもとづいて被脱磁材1の脱磁を行なうもの
で、この脱磁装置によれば被脱磁材の脱磁を自動
的にかつ短時間(数秒程度)で行なうことができ
る。
なお、上記実施例では被脱磁材の最初の磁化つ
まり飽和磁化を正極性の磁化電流で行なつている
が、これと逆に被脱磁材の最初の磁化を負極性の
磁化電流で行なつてもよいし、また脱磁の制御は
手動で磁化電流値および通電時間をコントロール
して行なつてもよい。
〔発明の効果〕
この発明によれば、被脱磁材を直流電流により
磁化して被脱磁材の脱磁を行なう方法でありなが
ら、被脱磁材に対して数回の磁化を行なうだけで
その磁気を消去することができ、従つて被脱磁材
の脱磁を短時間で能率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の一実施例を示したもので、第
1図はこの発明の脱磁方法による被脱磁材の磁束
密度の変化を示す磁化曲線図、第2図は磁化電流
の波形図、第3図は飽和磁化後の被脱磁材を種々
の電流値の二次磁化電流で二次磁化した後の被脱
磁材の残留磁気分布図、第4図は二次磁化後の被
脱磁材を種々の電流値の三次磁化電流で三次磁化
した後の被脱磁材の残留磁気分布図、第5図およ
び第6図はこの発明の脱磁方法を実施するための
脱磁装置の一例を示す脱磁装置の回路図およびそ
の動作のフローチヤートである。 b……飽和点、I1……飽和磁化電流値、I2
……二次磁化電流値、I3……三次磁化電流値。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 被脱磁材を直流電流により磁化して被脱磁材
    の脱磁を行なう方法であつて、被脱磁材を一旦飽
    和磁化させた後、あらかじめ被脱磁材のサンプル
    を磁化試験して求めておいた電流値の磁化電流に
    より被脱磁材を逆極性にかつその残留磁気が最も
    直線的な分布となるように磁化する磁化を1〜数
    回行ない、この後、あらかじめ残留磁気分布を直
    線的な分布とした被脱磁材のサンプルを磁化試験
    して求めておいた電流値の磁化電流により被脱磁
    材をその残留磁気が最も0に近くなるように逆極
    性に磁化して被脱磁材の脱磁を行なうことを特徴
    とする脱磁方法。
JP19391184A 1984-09-18 1984-09-18 脱磁方法 Granted JPS6173310A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19391184A JPS6173310A (ja) 1984-09-18 1984-09-18 脱磁方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19391184A JPS6173310A (ja) 1984-09-18 1984-09-18 脱磁方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6173310A JPS6173310A (ja) 1986-04-15
JPS6210005B2 true JPS6210005B2 (ja) 1987-03-04

Family

ID=16315787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19391184A Granted JPS6173310A (ja) 1984-09-18 1984-09-18 脱磁方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6173310A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5448154B2 (ja) * 2009-08-12 2014-03-19 株式会社高岳製作所 変圧器故障判定器
JP5322340B2 (ja) * 2009-08-12 2013-10-23 株式会社高岳製作所 直流を用いた変圧器鉄心の消磁方法およびその装置
JP5594726B2 (ja) * 2010-03-31 2014-09-24 株式会社東光高岳 変圧器鉄心の残留磁束密度制御方法およびその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6173310A (ja) 1986-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4931730A (en) Method and apparatus for non-destructive materials testing and magnetostructural materials investigations
US4617603A (en) Degaussing system for bulk demagnetization of previously magnetized materials
JPS629203B2 (ja)
US4360854A (en) Demagnetizing, variable frequency
US3187155A (en) Method of heating annular metallic bodies by electrical induction
JPS6210005B2 (ja)
JPH06123730A (ja) 連続消磁・磁気探傷方法及び装置
JP5594726B2 (ja) 変圧器鉄心の残留磁束密度制御方法およびその装置
US3859573A (en) Simultaneous multi-core demagnetization
US3596144A (en) Automatic magnet charger and calibration system
GB893908A (en) Improvements in and relating to magnetic testing systems
EP3347726B1 (en) Energizing coil wound on magnetic core and oscillatory testing of transformer
US3300688A (en) Magnetizing and demagnetizing circuit having a controlled saturable core reactor
JPS5818767B2 (ja) 着磁装置
JPH08172014A (ja) 材料の消磁方法
US2447899A (en) Method and means for detecting flaws in magnetizable objects
SU932381A1 (ru) Магнитный дефектоскоп
SU1370540A1 (ru) Способ контрол качества ферромагнитных изделий
JPH0394407A (ja) 大径管等の脱磁装置
SU1620262A1 (ru) Способ контрол процесса снижени остаточных напр жений деталей при вибрационном старении
JP7217898B2 (ja) 消磁方法
JPS62108148A (ja) 金属の材質検知方法及びその装置
US3596143A (en) Magnetic particle inspection apparatus
JPH0631694Y2 (ja) 連続パルス着磁器
JPS6266156A (ja) 硬度測定方法およびその装置