JPS6177305A - 超電導コイルの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、超電導コイルの製造方法に係り、特に円筒形
の大型コイルの通電時において電磁機械力による超電導
導体の動きを防止し、また冷却効率の向上に好適な超電
導コイルの製造方法に関する。

〔発明の背景〕

円筒形大型超電導コイルの継面を第１図に示す。

同図において１は巻枠、２は巻枠１に超電導コイルとし
て巻回した超電導導体、３は前記超電導コイルと大地間
を絶縁する絶縁層、４は前記超電導コイルに発生するフ
ープ力を押える部材である。

また図中矢印はコイル通電時に作用する軸方向圧縮力の
方向とフープ力の方向を示す。巻枠１は超電導導体巻回
し時に使用され、超電導コイルとして使用する場合は除
去されるものである。

上記構成要素からなる超電導コイル２は通電時に矢印方
向に強大な力が発生し、特に軸方向には、超電導導体に
流れる電流とコイルに発生する磁界の積に比例した大き
さの電磁機械力が超電導コイルを軸方向に圧縮する方向
に作用する。この時に、巻回しである超電導導体の微少
な圧縮による変位や導体に施した絶縁の圧練による変位
及び、ギヤツブ挺に導体間に残っているギャップ等は電
磁機械力によ＃）潰されることになシこの分だけ超電導
、導体が動くことになる。この動きはワイヤームーヴメ
ントと称し、通電時にこのワイヤームーヴメントが起き
るとこの動きのエネルギーは導体の発熱として発生し超
電導状態から常電導状態に戻ってしまうことになシ、当
初設計された電流値までの通電ができなくなる。

しかも超電導状態で搬送していた電流は常電導状態で搬
送出来る電流値をはるかに越えている場合が多く、この
場合はコイルに破壊的な打撃を与えることとなる。この
様な現象を防止するために従来は超電導コイルを巻装後
に特開昭５５−６７１１３号公報にも表されている様に
、予め、通電時に作用する電磁機械力に近似の圧縮応力
をコイル巻装後に与えて機械的に押えこんでおく方法が
考慮されている。

しかし、この方法は、比較的小型のコイルに対しては有
効であるが、大型のコイルに対しＣの、その効果は期待
出来なくなる。なぜならば巻回し時の超電導導体は一定
の張力をもって巻枠１に巻付けられており軸方向圧縮力
を加えてもその圧縮力は、巻枠と超電導導体の間に生ず
る摩擦抵抗に相殺されてしまい超電導コイルに均一に伝
播されないものである。このことは次の計算により明ら
かになるものである。ここに、超電導導体寸法中（Ｗ）
を４ｍ、高さく　ｔ　）　ｋ　２０　ｗａｓ巻回し時張
力（σｔ　）　１２０Ｋｇ（１，５Ｋｐ／ｍｍ”　）と
して巻回し、導体高さ中心部半径（Ｒ）を１４９４．５
ｗ巻回し回数を１２００回としたコイルを例とする。こ
の超電導コイルは、超電導導体をエツヂワイ方向に巻回
するコイルであり、通電時の軸方向に圧縮で作用する電
磁機械力（σｙ）は１８８トン（ＩＫｇ／ｗｓ２）とい
うものである。又、計算に当り超電導体と巻枠の間にお
ける摩擦係数（μ）は０．３５として行う。巻回しによ
る導体の巻枠に対する巻締応力σｒは、 σ１−４ （１）　　σｒ　＝　　　　＝２．０Ｘ１０−２（曝−
２〕：１回巻回し（１）によシ摩擦応力（σ畠）は σ１−σｒ　、　ｔｔ＝　７．ｏ　Ｘ　１０−’　［：
Ｋｐ／ｍ〕トナル。

このことから通電時の電磁機械力（σｙ）との関係は、
’−！−＋　１４３　　とな９約１４３回の巻回σ　ａ しに依＃）′ｌｋ１磁機械力相当の力は摩擦抵抗によシ
相殺されることが判る。

以上のことから判定回数巻回し後コイルに、軸方向のカ
ケ付加しても第２図の曲線（イ）−（ロ）に示すような
コイル軸長に対する圧縮力分布となり、コイル軸方向両
端部付近は圧縮力が伝達されるが軸中央部には殆んど伝
達されない。

このような状態で超電導コイルとして使用した場合、ワ
イヤームーヴメントを完全に除去されていないことが認
識されるものであった。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、大型超電導コイルにおいて上記のよう
な欠点をなくすものであり、超電導コイルの通電時に生
じる圧縮電磁機械力と近似の圧縮力を予め均一に超電導
コイルに付加する事により、超電導コイル通電時におけ
るワイヤームーヴメントを消去あるいは減少させ通電性
能の優れた超電導コイルの製造方法を提供するにある。

〔発明の概要〕

このような目的を達成するために、本発明は、巻枠に超
電導導体を巻回す時に、一定回数の巻回しを完了させた
時点で該超電導コイルの通電時に発生する電磁機械力以
上の、軸方向圧縮力を巻回し部に付加することにある。

この場合、一定回数巻回しとけ巻回し導体の張力、及び
、巻回すことにより生じる巻枠と導体の間の摩擦力と巻
回数の積が、付加しようとする軸方向圧縮力以下の範囲
にある値であること。巻回し導体が絶縁層を有するもの
にあっては、絶縁層が、軸方向圧縮により圧縮されるこ
とによシ巻回し部のゆるみ（巻回し時の張力により吸収
可能な範囲にある）となって発生するが、一定回数巻回
し後軸方向圧縮力を加える事により、該絶縁層に有して
いる空隙等は矯正され且つ潰される。父、付加された圧
縮力は導体と巻枠の摩擦抵抗により圧縮力を解放しても
完全に解放状態に戻らず巻回し部に残存歪として若干残
る。超電導体にプリプレグ絶縁を施したものにあっては
、圧縮力付加状態で加熱キュアーせしめる事によシブリ
プレグ処理された樹脂の殆んどは溶けて流れ出し絶縁基
材同志が強固に接着され、導体間の接着力を強固にせし
める。この場合は、付加された軸方向圧縮力の残存歪は
導体と巻枠の摩擦力と相なって更に大となる。

このようにして一定回数巻回した後、軸方向圧縮、加熱
キュアーを繰り返し行い設計値までの所定回巻回しを行
う。しかる後に巻回し部両側端よ如更に軸方向圧縮力を
付加した状態で固定押えこみを行い超電導コイルを完成
させる。以上記述した方法で超電導コイルを製造するこ
とにより、コイル軸方向に均一な圧縮力が付加された超
電導コイルを完成させることができる。

〔発明の実施例〕

以丁、本発明による。ＦＭｍ導コイルの製造方法の実施
例を第１図から第４図によシ説明する。ここで第３図及
び第４図は、第１図の巻枠及び超電導コイルの部分につ
いて超電導導体巻回し時の過程を拡大して表したもので
ある。

第３図は、巻枠１にプリプレグ絶縁５を施した超電導導
体２を数十回巻回したものであシ、この時の巻回し部６
は導体の微少な曲りや、絶縁物のふくらみ等によるギャ
ップ及び絶縁物基材に処理されているプリプレグ樹脂層
の厚みを含んでいる。

第４図は第３図に示した巻回し部６に矢印方向すなわち
軸方向に圧縮力を加え、加熱キュアーした状態である。

この軸方向圧縮力は、本発明の第１のポイントであり１
．ｔｉｔ導コイルとして通電した時にコイルに発生する
藏磁機械力μ上の大きさの圧縮力である。また、第２の
ポイントは、軸方向圧縮力付加、加熱キュアーを行う時
、巻回し部導体端部には、常時張力がかかつていて圧縮
力付加、加熱キュアーによυ発生する巻回し部の導体の
ゆるみを吸収し、張力の低下が起きないようになってい
る。このような方法を採る事により巻回し部６は常に巻
枠１に密着した状態で軸方向圧縮力を受けることになる
。巻回し部６は導体厚みと絶縁基材厚みのみの寸法まで
圧縮成形され強固に固着される。この時巻回し部６には
圧縮力は歪のかたちで付加されているものであるが圧縮
力を解放すると歪は、かなり解消される。次に、巻回し
を行う部分７に巻回しを行い又この部分に前記した方法
と同様に軸方向圧力を加え加熱キュアーする。この時の
軸方向圧縮力付加は前回巻回し部６まで含んで行う。巻
回し部７から６にかけて付加された圧縮力は、７の部分
の圧縮成形と６の部分に圧縮全付加の効果をうむ。この
場合６の部分の圧縮歪は６０部分及び７の部分に生じる
導体と巻枠の摩擦抵抗により完全に解消されず、積み重
ねられる方向に残存する。このようにして、巻回し、軸
方向圧縮、加熱キュアーを繰り返して行うことが本発明
の第３のポイントであり、巻回し部にギャップや弾性率
の低い樹脂層ケ有せず、軸方向の（ｏ） 中央部にも圧縮力のかかったコイルとなる。

以上の方法で超電導コイルとした場合は第２図に示す曲
線（ハ）−に）のように、コイル軸長に対し両端は巻枠
と導体の摩擦抵抗が少ないために圧縮歪は中央部に高い
残存歪となる。この状態でコイル外周に大地間絶縁を行
い、フープ力押え部材４を設定しこれよシ押しボルト８
等により、コイル両端部から軸方向圧縮力を加える。こ
の時の圧縮力は主にコイル軸方向両端部に高く、中央部
は低く作用する。

この状態で巻枠１を除去すると第２図に示す曲線（ホ）
−（へ）のように均一な圧縮歪の分布をもったコイルと
なる。以上が本発明の第４のポイントである。

以上の方法で超電導コイルを製作するとコイルは通電時
の電磁機械力に近似の圧縮歪を保持しているため、ワイ
ヤームーヴメントという現象が起きにくく通電性能の優
れた超電導コイルを得ることのできる効果を有する。

〔発明の効果〕

以上詳述した様に、本発明によれば超電導導体巻回し時
に軸方向圧縮力を付加しておき、巻回し完了後、更に軸
方向圧縮力全付加することにより、巻回し郡全体に均一
な軸方向圧縮力のかかった超電導コイルを完成させるこ
とができ、通電時におけるワイヤームーヴメントを著し
く減少又は消去させる効果がある。一方、巷回し完了後
に行う軸、方向圧縮力付加は上記の様に常ｒ凪状態で行
い、更に超電導コイルを液体窒素温度程匿まで冷却して
行う方法を取れば極低温時における超電導コイル構成部
材の自己収縮率のちがいにより発生する圧縮力不均一状
態を是正することができ、更罠効果は向上する。また、
本発明により製造した超電導コイルは、超電導導体間の
微少な空隙存在率が極少のためｄ電導導体の一部にワイ
ヤームーヴメントによる微少発熱が起っても、その発熱
は直ちに周囲に拡散されて超電導状態から、常電導状態
へ転位することを防止する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、超電導コイルの構造の一実施例を示す説明図
、第２図は、従来の超電導コイルの製造方法と本発明に
よる超電導コイルの製造方法の効果を示すグラフ、第３
図及び第４図は、本発明による超電導コイルの製造方法
の一実施例を示す説明図である。 １・・・巻枠、２・・・超電導コイル、３・・・大地絶
縁、４・・・フープカ押え部材、５・・・超電導導体絶
縁層（プリプレグ）、６．７・・・超電導導体巻装部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、常電導物質からなる安定化部を備えた超電導導体を
   巻回してなる超電導コイルにおいて、超電導導体を一定
   回数巻回した際に超電導コイルの正常状態で使用する時
   に発生する電磁力相当の大きさで巻厚軸方向に加圧応力
   を加え、さらに一定回数巻回すことを繰返し行い、最終
   的に所定回巻回すことを特徴とする超電導コイルの製造
   方法。 ２、超電導導体に接着用樹脂をプリプレグ処理した絶縁
   物でテーピングしながら一定回数巻回した後に加圧応力
   付加状態で加熱キユアーせしめ、超電導導体の巻回し完
   了部を固着一体化する特許請求の範囲第１項記載の超電
   導コイルの製造方法。 ３、超電導導体を所定回巻回した後、正常状態で使用す
   る時に発生する電磁力相当以上の軸方向加圧応力を加え
   た状態で加熱キユアーせしめた後に、再度、前記同等の
   軸方向加圧応力を加えた状態で巻回部の固定を行う特許
   請求の範囲第１項及び第２項記載の超電導コイル製造方
   法。